ある古書店販売員の日常。

猫寝 子猫

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四十苦 兆候と妹

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 大変な事が起こった。



 「あのDVDって、他にどんなのが有るの?」

 とはアノ同人ソフトである。

 普通のAVより安価で、実用性が高くて、様々なキャラコスで、出演している女性は美人が多い。

 アキバの二次元オンリーな人より、単純にエロいモノが見たいお客さん(40~50代のおじ様)の間で「同人ソフト」がハマったらしい。

 最近はこの手の質問はけっこう多い。

 「コレは実験的に置いた物で、追加でのご購入は付属のカタログに記載され…」

 「そういうの面倒臭いから、このお店で取り寄せてよ、好みのが有ったら買うから!」

 だそうだ。

 「ちなみにどの作品が面白かったです?」






 「ソレで、どんなのが人気だったんたい、ネコさん?」

 「いや、それがさぁ~… 」


 場所はおでんの屋台。

 いつの間にかから引き継いでな店主がおでんを食わせてくれる…みたいな?



 「ソレが、「超美人レイヤー」が一番人気かな。」


 実はいざ販売を始めようと並べて見たけど、ラインナップに偏りがあり過ぎる。

 そんな訳で仕入れ元である、オオタ君やセガ君のカメラ小僧な友達にお願いして、同じ事をしている素人カメラマン友達を紹介してもらったのだ。

 意外にもコチラの意図を理解してくれて、余り売れていない在庫を回してもらった…のだけど、

 「いま、ウチの推しはコチラなんですよ!」

 と、最近大人気アニメの同キャラクターを、
 別々のレイヤーさんがコスプレしている作品を数種類、委託販売させてくれた。

 女装レイヤーさんはその中の数枚だが、ほぼ完売した。

 「…女装…って、アレか、ってアレかい?」


 「うーん、「オトコノ」って感じじゃなくて、ohチンチ〇が付いた美女みたいな感じかな?

 コスプレ中だと、男に全く見えない。

 妖艶でセクシーななんだよなぁ~。」

 「アレだ、的なモノかな?」

 「おムネは無かったけどね。」

 一応販売する以上全部見たんだけど、多分チンプな演出のAVより、いい感じにモザイクが入って、ナニが突っ込まれていたお尻の穴はモザイク無い。

 そこから白濁な汁が垂れてるのが、なんかスゲーエロい!
 
 実際にはBLなのか、ホモなのか、とにかく繋がってるし、とにかくエロいのだ?



 おでん食べながら、ナニの話しをしているのか?

 店主はコチラの話しなど、さも聞いていませんって感じで淡々とおでんの調理をしている。

 先代はやたら、自分のおでんは最高だと、コチラの話しに割って入ってきたけどね。


 「ふむ、アレかな?

 歌舞伎の「女形」みたいな事かな?
 
 昔の偉い坊さんは女人禁制だから、そばに男娼を置いていたらしいぜ?
 何かので読んだ事がある?」

 「わかんないっすよ、どんな漫画ですか?」

 アレかな、耽美で美少年しか出てこない系かな?

 でも、前回ココで何かソレっぽい事、ちゃんが言っていた様な?

 まっ、いっか。

 「ソレって、コッチの業界にスカウト出来ないかな?」

 唐突にさんが聞いて来た。

 ソレが狙いなんだね!

 「どうだろ、そのレイヤーじゃないけど、現在芸能事務所に所属しているので、顔出しNGて、目線モザイクの人もいたしね。」

 ソッチは女の子だったけど、ソレも結構な売れ行きで、独自の通販では売れ残りと聞いていたのに、ウチと店ではあと二枚くらいしか残ってない。

 ちなみに入荷時はどれも最低10枚はあったのだが。

 「ソレでどうする?

 コチラから話しを振っておいてなんだけど、続けるのかい、同人ソフトの販売?」

 「そうだなぁ~、こういうのは引き際が肝心だけど?

 ソッチはどうするのさ、ガチなアダルト業界にスカウトするのかい?」

 いっそ撮影していたもスカウトすれば?

 もしかしてアダルト業界に新風が吹くかも!

 「話しを聞くと交渉の余地はありそうだな?

 いくら貰ってたかはだけど、その辺はの情報網で当たってみるよ。」
 
 AV女優になる理由を女の子に聞くと、簡単にお金が稼げるからだと、答える女の子も少なく無いけど、この同人ソフトも似たり寄ったりの理由らしい。

 衣装やコスメにお金がかかるらしい?

 中には、本当にS○Xが大好きでソレで稼げるならと、で答えているレイヤーさんもいたけど?

 (なんか、ソレ言わされてない?)

 たしかに、演技にしては生々しい場面もあるけど、


 実際、本当の所はわからないよ?



 「そうそう、色男!

 最近モテ期が来たって?

 私を孕ませてくれって忙しいそうだとか?

 ウチでサオ男やるかい?」


 「冗談はいいから、の件、何かわかりました?」


 「ハイハイ、つまらないな~?

 もっとネコさんをおちょくりたいのに?



 いたよ、ソレをにサオ男やってる奴。

 だったのに、子供が出来たって辞めたけどさ。」

 ビンゴだ!

 いると思ったんだよな?

 その人と会えないかと聞いたところ、

 「一応、確認してみるよ、ただもう足を洗ってるから無理かもしれないゼ?」

 ソレを承知でお願いした。



 後は実家から切り札ジョーカーが来れば、光明が見えそうだけど?




 下宿に帰ると…切り札が上京していた…と、思ったら…


 「坊ちゃん、お久しぶりです!」

 今どき、唐草模様の風呂敷に外泊用の一式を包んでやって来やがった!

 オレが期待していた切り札とは違うジョーカーババが来ていた。

 「お前を呼んだ覚えは無いぞ!お松さんはどうした?」

 「婆ちゃんはギックリ腰なモノでアタシが来ましたよ!」



 なんでまだ中居見習いのなんだよ⁇

 いや、肝心な事はお松さん直伝だと思うが…?


 「…で、今日は坊ちゃんの所に泊めて下さいな!」

 「下の婆ちゃんの所に行けよ、多分大丈夫だから。」

 「大お婆様がコチラに行けと言われましたので。」

 そういえば、部屋の鍵は閉めたのになんでコイツ、部屋の中にいるんだ?


 「何でも、もうすぐ坊ちゃんのが来るから皆んなで仲良くしなさいって、おっしゃってました。

 坊ちゃん、「いいひと」って?」



 後は聞かないでくれ!
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