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その五十 初めてのおつかいがコレでした。
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そろそろ良い子は寝る時間なんだが?
「ゆなちゃん、わ、私のことはひまりお姉ちゃんって、呼んでね!」
「坊ちゃんの未来の奥さまをそんな軽々しく呼べませんよ?」
奇妙な寸劇が始まった様だ。
「えっ、ええっ!
も、もう~ゆなちゃんってば!
えいっ!」
何か嬉しかったらしく、思わずゆなに得意の締め技…じゃない、抱擁して仕舞う陽毬サン♡
アレはヤバい!
気持ち良いが色々ヤバいのだ!
「えっ⁈ 苦しいです、でもふかふかでいい匂いです。」
百合か?
何故かやたらとテンションがアゲアゲな二人?
ナニを教えたんだか、陽毬さんとゆなはすっかり仲良くなった。
のはいいのだけど、ゆなに途中から変な距離感が芽生えてしまった様だ?
「陽毬さん、すまないけどコイツの事よろしくお願いします。」
「ハイ!
姉の様に面倒みますから!」
ゆなの事を紹介する時に、妹の様なモノと言ったのが原因らしい?
(あと、もしかすると下の大家から、ゆなの出生の事も聞いてきるかも知れない。)
お仕事に差し支え無い様にしてくださいね?
とにかく結婚前の男女が同じ部屋で一晩あかすのは良くないって、ゆなに言い聞かせて陽毬サンの部屋に泊まらせていただく事にしたのだ。
もちろん快諾する陽毬サン!
本当、よろしくデス!
「ゆな」の名前の由来は「湯女」から取ったと父親が話していたそうだ。
そんな名前を付けた父親はどうしようもないクズだ。
ゆなの母はお松さんの娘さんなのだけど、口の上手い男に騙されて未婚でゆなを出産し、逃げた男は旅館の男衆で袋叩きにしてから、村の派出所に突き出した。
男は結婚詐欺であちこちを逃げ回っていたのだ。
ウチの旅館で身を隠していた時に、中居として働いていたゆなの母親を口説いて貢がせていたらしい。
騙されたと知り、心労から体調崩れてしまい、ゆなの成長も見届ける事も出来ずゆなが三つのときに亡くなった。
俺の乳母的存在で、祖母の右腕で大中居頭と呼ばれていたお松さんは、幼い孫を自分の後継者としてコツコツと中居の仕事を教えていた。
特に不妊症で悩んで、ウチの「子宝の湯」に訪れるお客の相談など、ヤブな産婦人科医より評価されていたのは、全てお松さんの功績だ。
その知識を全て叩き込まれたらしい?
「お兄ちゃんの赤ちゃんのお世話はアタシがやりますね!」
「余計なことは、まだ子供のお前がは言わなくていい!」
あと、坊ちゃんは恥ずかしいのと、色々詮索されたく無いので、「お兄ちゃん」と呼ぶ様に改めてさせた。
「では陽毬サン、コレの事、お願いします、聞き分けが悪かったら、卍固めでもタワーブリッジでも、カマしていいんで!」
「しませんよ!
そういえば、ゆなちゃん?」
「は、はい!
「まっするすぱーく」だけは勘弁して下さい!」
「しないから!
可愛いゆなちゃんにそんなフィニッシュホールドなんて⁈
じゃなくて、見た感じ幼く見えるけど、おいくつ?
私の「弟」と同じくらいに見えるけど?」
確か弟さん、中学生くらいでしたか?
「ハイ、この春十一歳になります!」
つまりまだ十歳なのね!
そういえば、俺が東京の高校に進学した時、三、四歳だったな?
「ソレって、小学よ…」
「ひ、陽毬さん!ソレ以上言っちゃダメです!」
やべ、アレとダブるな?
「しおりお姉ちゃん、初めまして。
「まつばら ゆな」と言います。よろしくデス!」
「えっ、陽毬さん、いつの間にこんな大きなお子さんを⁇」
翌日、大騒ぎになった。
「ゆなちゃん、この子は私の弟で一輝。
いっくん、お兄さんなんだから優しくしてあげてね!」
何故か俺がまだ大学からバイトに向かっている時に、陽毬サンはゆなを古本屋に連れて来てしまった。
「何とお呼びすればいいですか?
一輝お兄ちゃん、お兄様、兄貴、あにぃ、兄ちゃま?」
「お、お前は今いくつなんだ?」
「まだ10歳です。
でも、旅館のお仕事は大人の人にも負けませんよ!」
健気な幼…小学生中居さんは笑顔花丸元気印でそう答えると、その場に居たほとんどの大人たちはキュンとしてしまった。
「そ、それだけ離れてたら、やっぱりお兄ちゃん…かな?」
陽毬サンとしては実弟にゆなちゃんと仲良くして欲しいと無責任に紹介してしまった。
「では「一輝にいちゃん」ですね!」
先程の125.8%(当社比)の笑顔を急造お兄ちゃんに向けるちびっ子中居さん。
「お、おう。ま、まぁよろしくな。」
末っ子から無理矢理お兄ちゃんにジョブチェンジさせられた一輝くん、やや困惑しているけど、嫌って訳ではないらしい?
「いっくんは妹萌え属性でしたか?」
「ち、違うよ!オレ、しおりちゃん一筋だから!」
「凄いです、アタシここに来たら、歳の近いお兄ちゃんとお姉ちゃんが両方出来ました!」
旅館とは大人社会だからね、色々あるのかもね?
とは言え、中々面白い事になっていた様だ?
「一輝にいちゃん、頑張れー!」
新しく出来た兄の恋愛を応援する妹…なのかな?
「お、オウ!」
「やれやれ、私も罪作りなオンナですね。」
何のこっちゃ?
オレの両親や姉さん夫婦が、ゆなを養女にと、お松さんに持ち掛けたそうだ。
しかし、ムショに入っている「ゆなの父親」がコチラに悪さをするかもしれないと今は保留中なんだと?
そんな事させないように、色々と根回ししているらしいけど、詳しくは知らない。
まぁしばらく実家には帰ってないし、偶に義兄さんからLINEで連絡くるのみだし。
「ゆなちゃん、わ、私のことはひまりお姉ちゃんって、呼んでね!」
「坊ちゃんの未来の奥さまをそんな軽々しく呼べませんよ?」
奇妙な寸劇が始まった様だ。
「えっ、ええっ!
も、もう~ゆなちゃんってば!
えいっ!」
何か嬉しかったらしく、思わずゆなに得意の締め技…じゃない、抱擁して仕舞う陽毬サン♡
アレはヤバい!
気持ち良いが色々ヤバいのだ!
「えっ⁈ 苦しいです、でもふかふかでいい匂いです。」
百合か?
何故かやたらとテンションがアゲアゲな二人?
ナニを教えたんだか、陽毬さんとゆなはすっかり仲良くなった。
のはいいのだけど、ゆなに途中から変な距離感が芽生えてしまった様だ?
「陽毬さん、すまないけどコイツの事よろしくお願いします。」
「ハイ!
姉の様に面倒みますから!」
ゆなの事を紹介する時に、妹の様なモノと言ったのが原因らしい?
(あと、もしかすると下の大家から、ゆなの出生の事も聞いてきるかも知れない。)
お仕事に差し支え無い様にしてくださいね?
とにかく結婚前の男女が同じ部屋で一晩あかすのは良くないって、ゆなに言い聞かせて陽毬サンの部屋に泊まらせていただく事にしたのだ。
もちろん快諾する陽毬サン!
本当、よろしくデス!
「ゆな」の名前の由来は「湯女」から取ったと父親が話していたそうだ。
そんな名前を付けた父親はどうしようもないクズだ。
ゆなの母はお松さんの娘さんなのだけど、口の上手い男に騙されて未婚でゆなを出産し、逃げた男は旅館の男衆で袋叩きにしてから、村の派出所に突き出した。
男は結婚詐欺であちこちを逃げ回っていたのだ。
ウチの旅館で身を隠していた時に、中居として働いていたゆなの母親を口説いて貢がせていたらしい。
騙されたと知り、心労から体調崩れてしまい、ゆなの成長も見届ける事も出来ずゆなが三つのときに亡くなった。
俺の乳母的存在で、祖母の右腕で大中居頭と呼ばれていたお松さんは、幼い孫を自分の後継者としてコツコツと中居の仕事を教えていた。
特に不妊症で悩んで、ウチの「子宝の湯」に訪れるお客の相談など、ヤブな産婦人科医より評価されていたのは、全てお松さんの功績だ。
その知識を全て叩き込まれたらしい?
「お兄ちゃんの赤ちゃんのお世話はアタシがやりますね!」
「余計なことは、まだ子供のお前がは言わなくていい!」
あと、坊ちゃんは恥ずかしいのと、色々詮索されたく無いので、「お兄ちゃん」と呼ぶ様に改めてさせた。
「では陽毬サン、コレの事、お願いします、聞き分けが悪かったら、卍固めでもタワーブリッジでも、カマしていいんで!」
「しませんよ!
そういえば、ゆなちゃん?」
「は、はい!
「まっするすぱーく」だけは勘弁して下さい!」
「しないから!
可愛いゆなちゃんにそんなフィニッシュホールドなんて⁈
じゃなくて、見た感じ幼く見えるけど、おいくつ?
私の「弟」と同じくらいに見えるけど?」
確か弟さん、中学生くらいでしたか?
「ハイ、この春十一歳になります!」
つまりまだ十歳なのね!
そういえば、俺が東京の高校に進学した時、三、四歳だったな?
「ソレって、小学よ…」
「ひ、陽毬さん!ソレ以上言っちゃダメです!」
やべ、アレとダブるな?
「しおりお姉ちゃん、初めまして。
「まつばら ゆな」と言います。よろしくデス!」
「えっ、陽毬さん、いつの間にこんな大きなお子さんを⁇」
翌日、大騒ぎになった。
「ゆなちゃん、この子は私の弟で一輝。
いっくん、お兄さんなんだから優しくしてあげてね!」
何故か俺がまだ大学からバイトに向かっている時に、陽毬サンはゆなを古本屋に連れて来てしまった。
「何とお呼びすればいいですか?
一輝お兄ちゃん、お兄様、兄貴、あにぃ、兄ちゃま?」
「お、お前は今いくつなんだ?」
「まだ10歳です。
でも、旅館のお仕事は大人の人にも負けませんよ!」
健気な幼…小学生中居さんは笑顔花丸元気印でそう答えると、その場に居たほとんどの大人たちはキュンとしてしまった。
「そ、それだけ離れてたら、やっぱりお兄ちゃん…かな?」
陽毬サンとしては実弟にゆなちゃんと仲良くして欲しいと無責任に紹介してしまった。
「では「一輝にいちゃん」ですね!」
先程の125.8%(当社比)の笑顔を急造お兄ちゃんに向けるちびっ子中居さん。
「お、おう。ま、まぁよろしくな。」
末っ子から無理矢理お兄ちゃんにジョブチェンジさせられた一輝くん、やや困惑しているけど、嫌って訳ではないらしい?
「いっくんは妹萌え属性でしたか?」
「ち、違うよ!オレ、しおりちゃん一筋だから!」
「凄いです、アタシここに来たら、歳の近いお兄ちゃんとお姉ちゃんが両方出来ました!」
旅館とは大人社会だからね、色々あるのかもね?
とは言え、中々面白い事になっていた様だ?
「一輝にいちゃん、頑張れー!」
新しく出来た兄の恋愛を応援する妹…なのかな?
「お、オウ!」
「やれやれ、私も罪作りなオンナですね。」
何のこっちゃ?
オレの両親や姉さん夫婦が、ゆなを養女にと、お松さんに持ち掛けたそうだ。
しかし、ムショに入っている「ゆなの父親」がコチラに悪さをするかもしれないと今は保留中なんだと?
そんな事させないように、色々と根回ししているらしいけど、詳しくは知らない。
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