猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜それ別の階デスネ!?

猫寝 子猫

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いらっしゃいませ!ようこそ『森の猫さま』へ。

〜俺の妹が猫カフェの店長になった件〜閑話休題的なもの

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 気が付いたら俺の双子の妹が猫カフェの店長になっていた。

 いや、嘘じゃないから。

 その励ます様な目で見るな、普通にしてくれ、頼む。 

 まぁ聞いて欲しい、自慢じゃないが俺の妹は何気にスゴい、あと普通に可愛い。 

 
 シスコンじゃねーよ!

 俺はイタイお兄さんじゃねーし、あくまで一般的意見だから。

 一卵性双生児なのに、妹の方が出来がいいのはよくある話しだけど、
 俺はよく叱られる子供だったのに対して、覚えている限り妹が叱られている所を見た事が無い…  

 あれ、弟の優斗も褒められてるところは見た事多いけど叱られているのは無いなぁ…。

 俺って多分、褒めて伸びる子だと思うんだけど、ばぁちゃん死んでから褒めてくれる人いないかも…。 

 「叱ってくれる人がいないのは、寂しい事だ。」って言う人もいるし、「褒めてくれる奴がいない、そんな贅沢など捨てちまえ!」って言うギャグ好きなにいちゃんも居たな?

 まぁ良いや。

 あっそうだ、そう言えば自己紹介がまだだったな。(気持ちを切り替えて行こう。)

 俺の名前は「北代キタシロ  舞斗マイト」17歳 

 妹の名前は「北代キタシロ  舞華マイカ」双子だから同じ歳、
 あと6歳年下の弟「北代キタシロ  優斗ユウト」がいる。

 賢くて可愛い。

 親父曰く、舞華は母さんの若い頃に似ていて、俺は母さんの弟で口の悪い叔父の若い頃に似ているそうだ、容姿がな!

 性格は親父に似ていなくも無いと母さんが断言してくれた。

 気を使われたのかも?

 優斗は親父にも似てるし、母さんにも似てる、当たり前だけどな。

 俺達の名前はジィちゃん達祖父母が考えてくれたらしい、
 小学生の時に授業参観の作文発表で自分の名前の意味を調べて発表した。 

 なんでもジィちゃんは若い頃に日舞を習っていたとかで、
 日舞とは森羅万象、昔から現在まで長く伝え続いてきた日本の心そのものでと、云々… 

 小学生には難しくて理解しきれない内容を熱く語るジィちゃんに俺でも分かり易く翻訳してくれた母さん。

 つまり日舞の様に厳しい場所でも負けない、たくましい男になれと願いを込めてジィちゃんが付けた名前が舞斗で、
 日舞の様な美しい心と見た人が優しい気持ちになれる花の様な女性になる様に願いを込めて付けた名前が舞華だそうだ。

 高校生になってもあまり上手く説明出来てない、申し訳ない。

 その願い通り育っているかどうかは舞華の場合、順調に進んでいそうだが俺の方は期待しないで欲しい。 

 ちなみに優斗の名付け親は母さんの母さん、桐乃ばあちゃんだ。

 優しく強い子にって意味らしい、桐乃ばあちゃんは割と近所に住んでいる。

 ただあまり身体が丈夫ではなく、お前が行くとおばあちゃん疲れるから頻繁に行くなって言われてる。

 でもな、舞華や優斗はたまにウチの家庭菜園で取れた野菜とか届けてるんだ…。


 子供の頃から動物の多い家だった、猫や犬、モルモットやハムスター、ハツカネズミ、インコ、文鳥、うずら、烏骨鶏、時々知人から預かって、白手テナガザル、マングースなんてのもいた?

 勝手に「あめでお」とか「万太郎」とか親父が名前付けて呼んでいた、いずれお返しするのであればマズくないかと思っていたら、予想通りの苦情が来たらしい。

 「あめでお」と呼ばないと返事をしないとか?

 そんな環境だから猫好きと言うより動物好きになっていた。

 俺は体を動かすのが好きで犬の散歩と称して広い河川敷を愛犬の「アルファー」と一緒に全力疾走してクタクタになって帰ってくるちょっと馬鹿な子で、
 日曜には親父の知り合いで近所の古流武術の道場に通い、柔道とか空手とか合気道とか教わってた。

 そこの子供とも仲良くなって今でも時々模擬戦してお互いの弱点を洗い出し克服、技を高め合っている。

 そんな脳筋なお子様な俺と違い、
 妹は優しい性格で家事や動物の世話、のちに産まれた弟の優斗の面倒をよくやっていた。

 その影響か、優斗や猫たちは舞華に懐いていた。

 最近では歳の離れた従姉妹のチビたちも慕っているから将来は保育士とか小学校の先生だろうと勝手に思っていた。
 
 舞華も体を動かすのは嫌いでは無いが俺みたいな無茶な事はしない、休み時間にみんなで校庭でドッチとかバトミントンとかやってた。

 ただ、球技とかは苦手の様でノーコンだが体力は男子より有る、マラソン大会など決して速くは無いが、完走した後にもう一回走れるとか、さすが俺の妹だ。

 俺は特に人見知りしている訳では無いが気の合う奴としか遊ばない。
 そんなんだから、クラスに一度も話した事が無い奴もいたが、舞華は男女関係なく誰とでも仲良くなっていた様だ。

 コミュ力高いのか、他のクラスにも大勢友達がいて先生からも一目置かれていたらしい、成績も良いから特にだ。

 面倒見がいいのは子供の頃からだった、俺が子供の頃からよく生傷作ってくるので舞華が絆創膏を貼ってくれたり、薬塗ってくれたりしてくれた。

 下地は俺が作ったのかもしれない。 

 ある日、親父がハナたちを連れてきた。
 それまで会ったことのないタイプの奴だった、

 舞華にとっても、
 俺にとっても。

 スゲ~お嬢様ってだけでなく、両親が亡くなって妹を守る為に気を張っていた華に舞華は割とズカズカと接していった。

 現在はお互いなくてはならない存在だと思う。

 俺も最初はどう接して良いかわからないながらも一緒に暮らすのだから俺が普段やってる遊びに誘ってみた、
 河川敷で愛犬と一緒に全力疾走、
 近所の森林公園で手長猿と一緒に木登り競争、
 古流武術道場で大人に混じって組み手、
 親父も止めないから色々誘ってみたら、以外にハマったらしく、 

 『今回は私の勝ちね!
 さぁ、次は何の勝負?』

 って、いつの間にか俺対華の勝負になっていた、まぁイイけど。


 中学生になると状況が明らかに変わった。

 相変わらず面倒見がいいのが災いした。

 なんというか、舞華自身は今まで通りの行動が勘違いされて

 『あれ、もしかして彼女、俺の事を好きなんじゃね?』

 ッと、頭の中がお花畑な奴が出てきた。

 もっとも華をはじめとする女子たちがガードしていたので告白しようとしてくる男子は粛清されていたらしい、
 ただ女子から

 『お姉様って呼ばせて下さい。』とか

 『お姉様って呼んで良いのよ。』

 など義姉妹申請スールのお誘いをされていたらしい。

 なので俺に舞華との仲を取り持って欲しいとか言って来る奴が出てきた。

 あくまで俺目線で真剣にコクろうとしてる奴には

 『そうゆうのは本人に直接言うのか誠意って事だろ?』

 と特別協力はしない、ただし明らかなバカヤローな連中には

 『妹と付き合いたいなら俺をたおしてからだ!』

 って、校舎裏に屍の山を作っていた。 

 まぁ気持ちはわかる、本当に可愛いのだ、妹だからって訳では無く人間的に魅力ある女の子だと思う。

 だからこそ妹にはその時まで悪い虫が付かないよう陰ながら見守っていた。

 そう言えば華のヤツもなんか告白されたとか手紙を貰ったらしいが丁重にお断りしてるらしい、俺との仲を誤解されていたらしいが、無い無い。

 まぁ超お嬢様なアイツは俺には高嶺の花だ、幼馴染と言うだけで充分だし、舞華同様に悪い虫が近づいたら粛正するまでだ。
 
 屍の山✖︎2


 な、何だ、またその目か!

 だからコレは兄として幼馴染として当たり前な事だ!

 シスコンを拗らせたって何だよ!
 
 アレか?

 お前も妹たちを狙っているのか?

 えっ、違う?

 俺を心配してくれている?

 そ、そうか。

 お前良いヤツだな、誤解して悪かった。

 まぁ妹も今まで何の悩みも無く来た訳でもないんだ、いるだろう?
 どうしても反りが合わないヤツとか、

 それはここで話していい話しじゃない気がする、お前良いヤツだからそのうちにな。

 でな、そんな包囲網を掻い潜ってコクった奴がいたらしい、 

 『北代 舞華さん、好きです、付き合…』

 『ごめんなさい!
 私、心に決めた人がいるから無理です、諦めて下さい。
 本当にごめんなさい。』

 言い終わらないうちに問題発言しながらフってしまったらしい…
割と酷くないか、我が妹よ。(心に決めた人ってあの人のことかなぁ、)

 最近では落ち着いた感は有るが、それでも舞華の人気は変わらない。

 告白件数も減った分、思いの真剣度がマシマシだ。

 結果フラれる事は変わらないのだが、変じて熱烈なファンになるケースが確認された。

 まぁ相変わらず華たち女子に駆逐されるんだけどな。

 そんな時、我が家で有る事がきっかけで気不味い雰囲気になった。

 小学生になった弟の優斗、可愛い、スゲー可愛い。

 あぁ、わかってたよ、そう言う目をされるのを、でも本当に可愛いんだよ、だって俺のあとを

 『にぃたん、にぃたん。』ってついてきた優斗がランドセル背負ってるんだ、不思議な事に従姉妹のチビたちに、 

 『ほらね、ニャンコはココを優しく撫ぜると気持ち良くて寝ちゃうんだよ。』…って、ちょいお兄ちゃん感出してルンだよ、尊いだろ?な?

 えっ、そこは何か分かる気がするって、お前もしかしてスゲー良いヤツだな。

 話を戻すぞ、ある日の事だ、 
 舞華も華も、優斗の事をスゲー可愛いがっていた、華は特に弟が欲しかったらしいのでウチに来て思いがけず弟が出来たのが嬉しいと言っていた。

 なのでよく一緒の布団で寝たり、一緒に風呂に入ったり、兄弟なら割と当たり前な事が我が家でもあったんだ。

 でも小学生になった優斗から 

 『ぼく、もう小学生だからお姉ちゃんたちとは一緒にお風呂に入らないからね。』

っと宣言された。にこやかに。

 『どうして⁉︎ 優くん!お姉ちゃんの事、嫌いになっっっえっく、ぅぅ~え~ん~!』…って、これこれ、何で華がそんなにダメージ受けているのだ?

 実姉はなんか余裕かまして、

 『そっか~、優斗も男の子だもんね~。よしよし。』って納得していた。なんかムカつく。

 『嫌いになったりしないよ、ハナ姉ちゃん。でもぼく、もうお兄ちゃんだからお姉ちゃんたちに甘えたりしないんだ。』 

 立派だぞ、弟よ! でも甘えていたのは多分、優斗、お前ではなく姉たちだ。

 この頃、親父の妹夫婦と母さんの弟夫婦の子供、つまりは従姉妹たちが遊びに来る様になった。

 ウチは小規模動物園みたいなモンだから余計に喜んで遊びにくる。近所に住んでいるから割と頻繁に、でもって時々泊まる。

 愛犬のアルファーなんて子供好きだから背中にチビたち二人くらい乗せても喜んで歩きまわる、
 走らない、走るとチビたちが危ないから、コイツえらいな。
 
 『あのね、今度はぼくがお姉ちゃんたちにしてもらったことを、アイちゃんとテンちゃんとマイちゃんとエッちゃんにしてあげるの。』 

 お兄ちゃんは?俺は含まれますか? 

 『えっくっ、ううぅそうなの、うん、偉いね優くん、そうだね優くんお兄ちゃんだもんね、わかったわ、お姉ちゃんも優くんの事、見習わないとダメだね。』って、

 華、お前学校とずいぶんキャラ違うな、まぁそこがイイところではあるけど。

 まぁコレ以降舞華たちが優斗と一緒に風呂に入らない事となった、なったんだが、その分スキンシップがパワーアップしてしまった。 

 よく分からんが、優斗成分の補給だとかで優斗の事をぬいぐるみの様に抱きしめる、所謂「ハグ」をするのだ。

 二人を慕っている女子や屍どもはすごく羨ましいだろうが、我等が小さな英雄、優斗さんは至極もっともな意見をされた。 

 『お姉ちゃんたちにお願いがあります。ぼくの事をギュ~とするの、禁止します。』って、可愛い~な~、俺の弟。
 で、お姉ちゃんたちの反応は? 

 舞華は『えっダメなの?じゃあ~ねぇ~、そうだ!て、手を繋ぐのは?アリ?ね、ね。』など直ぐに代替案を提示してきた。

 華に至っては『……………                。』顔面蒼白で思考回路が止まっている。しばらくして目に涙がウルルンと滲んできた。

 ついには華ちゃん泣き出してしまった。
 どんだけ好きなんだよ?ウチの弟。 
慌てて優斗が華に駆け寄るも、ここで意外な人物が場を仕切り出した。 

 『うえ~ん、優く~ん嫌いにならないで~!』 

 『ハナ姉ちゃん、違うよ!嫌いになったんじゃ無いよ。だから泣かないで。』  

 『いい加減にしなさい!お姉様。』 

 『だって、二葉~。』 

 ソファに腰掛け、膝の上にはアメショのMIX、ヒメが気持ち良さげに寝ている。お嬢様感がパナい。

 華の妹、「山王院サンオウイン  二葉フタバ」だった。

 俺のことを「マイトお兄様」、優斗のことも「ユウト様」と呼び、少し回りくどい気もするが、それが彼女の親愛と敬意の表れだから仕方ない。
 だって俺がお兄様とか似合わないだろ? 

 いや、そこは社交辞令でそんな事ないとか言ってくれ。

 『お姉様、先日もユウト様が仰言いましたわ。御二人の事、嫌いになったりしないよっと、お忘れですか?』 

 二葉は優斗より一つ年上だが幼い頃から色々面倒臭い事があり、優斗と一緒に小学校に入学したので同級生として過ごしている、佇まいは我々庶民が連想するお嬢様そのモノ、つまりそうゆう事なのだ。 

 『それにユウト様に限ってお姉様を悲しませる事、する訳がありませんわ。』 

 『それは私も思うけど、でも~。』
 
 本当に何方が姉か妹か、わからないやり取りに俺は笑いを押し殺した。

 学校の女子たちが見たら卒倒するだろう光景にホッコリしていると愛犬のアルファーと愛猫の福ちゃんが二匹して華に近づいて来た。
 二匹は種属を超えた親友なのだ、
 どうやら泣き噦る華を心配して見に来たらしく、終いには床にぺたりと座り込む華の泣き顔を見て、福ちゃんが優しく華の涙を舐め始めた。

 ちなみに今この中で一番年上なのは福だったりする。

 よっ!福アニキ、男前! 

 『くすん、あ~ん福ちゃんありがとう~。』っと感激した華が福ちゃんを抱きしめようとした、しかしそれを福ちゃんはスルリと交わした。

 『ニャン。』っと一鳴き、今度は二葉の前に来た。

 『まぁフフフ、そうゆう事でしたのね!解りましたわ、フク兄様。』

 あ、解っちゃったんだ。ウンウン、まぁ俺も気づいていたよ、よく見てたからな、優斗がハグされてる現場をな。  

 ここで優斗が華の目を見て話しかけた。 

 『ごめんなさい、華姉ちゃん。ぼくがちゃんと説明しなかったのがお姉ちゃんを泣かしちゃったんだね、ごめんね。』

 ……俺の弟って…将来、女性関係で苦労するのかなぁ~。

 『ゆ、優くん…(キュンとしたらしい)』って、オーイ、華ぁ~、相手は小学校低学年だからな、

 『ユウト様、そろそろちゃんと説明してあげませんと、お姉様がお姉様で無くなってしまいそうデスわ。』

 お姉様がお姉様で無くなると何様になるのだろう? 

 『あのね、ぼく、お姉ちゃんにギュ~ってされるの、嫌じゃないよ。華姉ちゃんイイ匂いがして柔らかくて暖かいから…』

 何故か聞いていて居た堪れない。優斗だからこそ許されるスピーチだけどコレ俺ならセクハラだよな、もっともギュ~ってされた事無いけど。 

 華の様子を見ると先ほどの蒼白顔の頬にややピンクに染まる、「お姉ちゃん、イイ匂い」発言に照れてるらしい、乙女なお姉ちゃんだ。

 しかしこの後の優斗の言葉に華の顔は太陽の様に熱くなる、色んな意味で。 
 
 『ハナ姉ちゃん、いつもぼくの事ギュ~ってする時、前から来てくっ付くでしょ、そうするとぼくの顔とお姉ちゃんのお胸がくっついて、ぼく息が出来なくなるんだ、だから苦しくて、』
 ……優斗に悪気は無いし、大人の階段はまだまだ登って無い。 

 天使の様に浄らかな心の優斗と純情乙女の華のやり取りに、
何か自分から懺悔したくなる、こんな良い子が俺の弟なんて、なのにこの実姉ってば!

 『そっか~、うんうん華ちゃんのおっぱい、おっきいモンね~。優斗、華ちゃんのおっぱいに溺れちゃったんだね~。』 って上手い事言うなぁ~、
 …じゃねーよ。舞華、空気読めよ、
華がなにか別の何かなりそう、二葉さ~ん、お願いしま~す。 

 『マイカ姉様、ハナ姉様を揶揄っている場合では有りませんわ。
 ギュ~禁止はマイカ姉様もなんですからね。
 お二人とも私の細やかなモノと違い、大変立派なお胸なのですから、ユウト様は女性に手を挙げる様な方では有りません。  
 この場合甘んじて死を受け入れてしまったらどうなさいます?』 

 『マイ姉ちゃん、ハナ姉ちゃんに意地悪言わないで。
 ハナ姉ちゃんは優しくギュ~ってしてくれるけど、マイ姉ちゃんはぐりぐり押し付けるからたまに痛いんだ、あとほんのちょっとだけマイ姉ちゃんの方がハナ姉ちゃんより小さいし…』

 これ以上実姉をディスるのは可愛いそうと思ったか、優斗は俯いて……、ん、優斗泣いてる?  

 『あ、優斗ごめ…』

  『は~い、注目~!』 

 っと舞華の発言は掻き消された。

 あっ、先越された。俺が落とし所を探っていたのに、誰だ、誰だ、あの人だ?

 『は~い、そろそろ夕食の時間よ、って華、貴女、涙で顔グシャグシャじゃない、何、優ちゃんもなの?もう~貴女たち、先にお風呂入って来なさい、ほら二葉ちゃんも、舞華~あんたこっち手伝いなさい。』

 ウチのラスボス「北代キタシロ  久美クミ」、前略おふくろ様、あとお願いしてもいいですか? 

 『お、お母様、私、ユウト様とは言え、男の方と一緒にお風呂に入るなんて(ポッ。)』って二葉さん、何アピール? 

 『そうゆうの、いいから。この間まで一緒に入っていたでしょ、なんなら舞斗と入っても…。』 

 『お姉様、ユウト様行きましょう、入りましょう。
 さぁ早く早く。』

 あ、この時に俺喋って無いけど最初からこの場にいたんだ、
親父もな。

 リビングの三人掛けのソファに二葉を真ん中に右に俺、左親父。 

 『すごいだろ、あの人。俺の嫁さんなんだゼ。』 

 『セリフ棒読みだよ、父ちゃん。』 

 俺達二人だけと猫数匹が取り残されたリビングは打って変わって静かだった。

 『優斗の口から「お姉ちゃんのお胸」なんてパワーワードが聞けるなんて父ちゃん、我が生涯に一片の悔いなしだな。』って、このオッさん大丈夫か?俺の親父なんだけど。 

 『優斗って将来、いや何でも無い。』 

 『って何、そこまで言ったなら最後まで言ってくれないと、パワーワード超えるのか?』 

 俺達のお間抜けな親子の会話をキッチンの母さん達が聞いている、母さんはクスクス笑い、舞華は呆れて、 

 『もぅー、馬鹿親子なんだから。お母さんって、何でお父さんと結婚したの?幼馴染だったから?』
 
 なんて聞いている。

 『そう~ね~、貴女や華がお嫁に行く時に教えてあげるわ、ん?華はお嫁に来るのかしら?』 

 久しぶりに一緒に風呂に入った優斗たちは仲直りして早速ハグされていた。
 ただし優斗の後ろから抱きしめる形で、 

 『これなら優くんも苦しくないからずっとこうしていられる。名案でしょ!』
 
 っと今日一番の笑顔の華と、

 『ユウト様、私もお姉様達に負けないくらい立派なお胸になりますから待ってて下さいね。』と力説する二葉。 

 なんでも後日、「お姉ちゃん泣かしちゃってごめんね、二人でお出かけデート」なるモノが約束されたらしい。 

 この件は長くなるのでまた今度話せる機会があればな、一応二人が心配なので俺、舞華、二葉で陰から見守ってたんだが、 
 ダブルデートじゃねーよ、楽しかったけど。 

 それから楽しい事も有れば、悲しくて泣いた事も有る。
 これだけの生き物がいれば当然体験する事なのだ、俺も優斗も妹たちもそれぞれ乗り越えていくしか無い。 

 俺もまた中学生になって色々あった。
 もう会えないと思っていた幼馴染と再会したのだ。

 それは華たちがウチに来る少し前、親御さんが急病で亡くなり親戚に引き取られる事になった。

 物心ついた時にはいつも一緒に遊んでいたので子供ながら喪失感はハンパない、もしかすると子供の頃、華を遊びに連れ回していたのはその反動かもしれない。

 しかしその再会も色々騒動の種になる、それもまた後日話せる機会があれば話してやるよ。

 現在、高校生となりそれまでの愚行は改めて、ある目標を目指して精進している……つもりだ。

 笑うな、分かっている、お前の言いたい事は! 

 でも全て繋がっているんだ、俺の中で、だからこそ俺は超えたいんだ…


 えっ、無理せず頑張れって、ありがとう。

 お前良いヤツだな、よかったら俺と友達になってくれ。

 えっ、もう友達だって、なら親友だ、うん?何?宇宙がどうしたって?そうゆうのは叔母が詳しい、日曜日の朝、やってるアレだな。 
 
 それで親友になってくれるのか?
 ならないのか? 
 そうか!よかった。 
 でお前の名前ってなんだっけ?
 聞いたかもしれないけど、もう一度教えてくれ。 




 『僕はツカサ五道ゴドウ ツカサだよ、舞斗親友。』








 『「一文字」「三条」「五道」「七神」「九院」。』

 『「十六夜」はイレギュラーかな?』

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 『積みにはまだ早い…。』
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