猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜それ別の階デスネ!?

猫寝 子猫

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ある日の騒動〜第三十回北代家家族会議(回数適当)

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 『第三十回、北代家家族会議を始めまーすっ!』(回数は適当です。) 
 
 会場は北代宅、一階リビングと隣りの和室を繋いで行われた。 

 『今回の議題はふうなちゃんの赤ちゃんの話しです。』 
 
 議長は舞華が、書記なのか?何処からかよく会議室にあるホワイトボードを持ち出して、二葉が務めていた。
 こんな時、華が舞華のサポートとて書記役を、買って出そうだが 

 『うぅぐすん、ふ、福ちゃ~ん、ふうちゃ~んよかったね~、おめでとうぅうあ~ん。』っと先程から、ふうなの御懐妊を喜んで感涙している。優斗がハンカチで涙を拭っているが、まだ数枚ハンカチが必要になりそうだ。  

 参加者は、すでに就寝した祖父を除いた家族全員で、両親、綾乃、舞華、俺、優斗、華、二葉、リリ、ふうな、犬は二匹、猫五匹。
 リビングの外、庭に面したガラス戸には傍聴席かの如く、外猫ことエサを貰いにやって来る地域ネコが数匹張り付いていた。 
 
 『えー、まずは福ちゃん、ふうなちゃん、御懐妊おめでとうございます。』 
 『うむ、ありがとう。なんだか照れくさいぞ、これは。』 
 『ニャァ~。』ふうなに抱っこされてる福も答えた…かもしれない。 
 それにしても福ちゃんは17年生きている、もうすぐ18歳だ。普通に俺より年上だ、人間に換算すると90歳近い、いや大したものだ。親父が以前から福の血筋を残したいと切望していたが、
色々外からの物言いが有り、中々伴侶にめぐり逢えず、
北代家では最長老猫になってしまった。
が、よもや猫又娘のふうなとそのような間柄になっていたとは。
ふうなは猫又の父と普通の猫の母から生まれたハーフかと思ったら、
ふうなの父は人間の父と猫又の母から生まれた猫又ハーフ、つまりはふうなは猫又クォーターなのだ。 
 『ハイ、質問です。』 
 『優斗くん、どうぞ。』ノリノリだな。
 『生まれてくる子はふうなちゃんみたいな猫又さんなのかな?』 
 『ふむ、どうであろう?このチカラを受け継いでいるのは私だけだと思うぞ。
実際にこの姿に変身出来るようになれたのもこの数年だ、皆も知っていよう。』などと言って猫耳と猫尻尾を出してみせる。 
 『ドライバー無しで変身は寂しいな。いや、歌う方か!』お父さん、大人の発言をして。

 『男の子なら福ちゃん似、福ちゃんが人間になったらどんなイケメンさん?』美形確定なのね。 お母さん、
似た物夫婦でしたか?
 『実は、生まれた子をアダチの家に里子に出す約束をした。』 
 『後輩ちゃんに?ふうちゃんがイイなら私たちは構わないけど、別に生まれた子猫は全部北代サンちの猫で大事に育てるよ。』 何故かVサインする舞華、
 『それに里子に出した子がお前さんと同じく突然覚醒しないとも言えないだろう。』 お父さん、そんなセリフを待っていたよ。
 『アダチなら、逆に喜ぶと思うぞ。一緒に「こすぷれ」などするのではないか?』 
 『最初に言っておく、ウチはか~な~り特殊な家族だ。大体のトラブルは叩いて砕く、お前とお前の子供は俺達、家族が守る。』 そうだぞ!
 『でも、後輩ちゃんは?後輩ちゃんが良くても家族の方々は?大丈夫だと思う?』母さんが抱っこしてるメイのお腹をナデナデしながら問い正す。

急に自信を無くしたか、ふうなの表情が曇る。
 『私の様な者が、異質なのは重々承知している。でもその血は薄まっている、福さまが普通の猫である以上、生まれてくる若子も普通の猫でもある。必ずしもチカラに目覚めるとは限らない。』 
 始まった時点とは打って変わって重い空気だが、こうゆう時頼りになるのが、 
 『じゃあ、アダチお姉ちゃんに猫マタの子猫、欲しいですかって聞いてみたらどうかな?』優斗くんマジ天使。 
 『それにアダチお姉ちゃんはふうなちゃんの事、猫マタだってわかっても「友達や~めた」って言わないと思うんだ。』
 『なんでそう思う、優斗?』 
 優斗が澄んだ目で親父を見る。 
 
『わかんない。』おいおい。 
みんなコケた。

 『わかんないからやってみる。ダメだったらやり直せば良い。でしょ?お父さん。』 

 『優斗…』 
 『お父さん。』 
 誰もがココでいい感じで終わると思ってたよ。母さんと叔母さん以外は。

 『優斗、世の中にはやり直しが出来ない事が割と多い、コイツみたいにな。』パンパンって、右膝を軽く叩く親父。その手に猫のメイが戯れる。

 俺たちも意外だった。今まで親父が優斗を叱った事が無いからだ、今のは叱った訳では無いが、明らかに優斗の意見を否定する言葉だ。 
 
 『あの、お父さん。ぼ、僕は…、』 
 『いいか~、優斗、それに舞華も華も、ふうなもリリや二葉だってみ~んな俺の宝物だ、ワンピースだな!
だから、悲しい思いはさせたく無い。父ちゃんがそばに居るうちはな。』 
 『親父ー、上手い事言って無いぞー、あと俺忘れてないかな?』 
 『お前はそう言う立場を卒業しただろ。卒業証書も渡したつもりだけどな、3つくらい。』 アレレ? 
 『あれ、そうゆう事なの?じゃ、もう一つくらいください、父上。へへー。』フローリングの床に土下座する、少しでも笑いを起こして場を和ませたかった。無理だった。何故なら、 

 『ぼ、僕、じゃない!俺も欲しい!父さんの卒業証書!』優斗が…吠えた? 
 親父がなんかニヤリとしたの見えた……気がする。 
 
 『父さんは今まで大した事、お前たちにしてやらないから、馬鹿な大人にだけは成らないと思っていた。
その辺りは母さんが教えてくれるから安心だったんだ。』なんか語り始めたぞ、父上! 
 『今はいいが、いい子過ぎて見落とすモノも有る、足元を掬われたりもする。
その辺りは大人の父さんたちが手を貸す。今はな、今だけだ。』貸してもらった記憶が無い、借りても踏み倒せる自信がない。 
 『優斗、お前は俺の自慢の息子で、大切な宝物なんだ。俺の子とは思えないくらいいい子だ。』なんか華が泣いてる。猫のミコが心配して近づいて涙を舐めてる。リリは犬のアルファの背中を枕に寝てる。コイツはコレで良いかも? 親父が立ち上がって庭に向かう。親父は膝が悪い、家の中では使わないが外では杖を使用している。


 『だけどな、少しくらい悪い事も覚えた方がいい。丁度いいお手本と超悪いお手本があちらとそこにいる。』
 親父は舞華、華、俺の順で見る。ちゃんと褒めて!俺褒められて伸びる子だから! 
 『優斗、悪い方、コッチこい。』もういいデス。 
 俺と優斗が親父を追って庭に出る、ちょい広いスペースが有り、よくここでテント張ってキャンプごっこをする。舞華達が家の中で扉開けて心配そうに見ている。母さんはソファで余裕なのか、メイをあやしている。 
 
 親父は手首とか腕をほぐして、 
 『コイツは一文字の爺様から教わったんだ、舞斗ぐらいの時にバイトであそこの臨時師範代やるハメになって、時給千円で引き受けた。』 
 『後半知りたくなかったでござる、父上!』 
 『バイトと言え、師範代を名乗るならこのくらい覚えろってさ、鬼だろ?あの爺ィ。』親父が構えた。両の手の指がゴキゴキ鳴った。 
 『能書きはここまで、いくぞ。一応加減する。』
 
 『あ、それと俺、あと数年で歩けなくなるから。それまで全部教えてやるから覚悟してな。』えっ、多分俺たちしか聞こえない小声だった。聞き返す間も無く、 

 『北代式 一文字流活殺術 「奈落」』    








 目が覚めると二葉の顔があった、 
 『お目覚めですか?お兄様。』 
 どうやら二葉に膝枕してもらっていた様だ。柔らかい、良い匂いがする、本当にいい娘さんだ、何の障害物なく二葉の顔が見える。 
 『どうかいたしまして、お兄様?』 
 『ん、いや、なんにも無い、じゃなくてなんでも無い。そうだ!優斗は?アイツは?』 
 『あちらですわ。』
 
 あちらに見えますのは、華にぎゅーっとされてる優斗。しかも禁じ手の前から抱きしめるバージョンだ。
 『優く~ん。目を覚まして~。死んじゃヤダ~!』これは想定内。でも、 
 『優斗~!目を開けるのだ~!しっぽ、もふもふしていいから~。』ふうなが大泣きしてる。初めて見た。 
 ちなみに優斗は多分、気が付いてる、目の前に華姉ちゃんのお胸が有るから恥ずかしくて目が開けられないのだ。 ん、そうだ、親父!

 『親父は?二葉!親父どこ?!』
 起き上がり、思わず二葉の両の肩を思いっきり掴んで聞いてしまった。 
 『い、痛い。』二葉の顔が一瞬ゆがむ。ちょっとエロ可愛い。
しまった、つい力が入ってしまった。
 二葉を怖がらせたか?
目が覚めたばかりで感情と力のセーブがアンバランスだ。
 二葉を見ると瞳を潤ませている、男に肩を強く掴まれたのだ、年頃の女の子が怖くない筈が無い!
 『ごめん、二葉!痛かったよな。大丈夫か?』二葉がやや上向きに顔を向けた。さらに瞳を潤ませて、唇をきゅっと結んでいる。俺はなんて事をしたんだ!二葉にこんな顔をさせるなんて!
 彼女は徐々に潤ませた瞳を閉じ始めた、この状態では涙が溢れ落ちる。
泣かせてしまう!
 胸の前で手を合わせ、まるで神に祈る黄金の乙女像の様に、魔王に捧げられた生贄の美少女のように……俺と向かい合う? え、キス待ち?
 『ふ、二葉さん、あの~。』 
 『ハイッ。お兄様、どうぞ♡』
 『何を?何待ちかな?』 
 『イヤですわ、お兄様。そんなはしたない事、女の子から言わせるなんて、でもそんなところもお兄様らしくて、ス、テ、キ、ですの。』ピシッ!
 『キャんっ?』俺は悪戯小娘に軽くデコピンした。全くこの子はー!
 『二葉には、そういうのまだまだ早い。運命の人が迎えに来るまで仕舞っとけ。』おでこ押さえてテヘペロしとる! 
 『残念でしたわ。エヘ♡』なんか揶揄われてばかりでは、癪なので、
 『あ、悪い。おでこ赤くなってるな。チュ。』デコチュ。古典的な不意打ち……の筈が? 
 『きゃっ?』二葉の顔が見る見る紅くなる! また泣きそうだ?
 ったく!またやっちまった! 
 二葉は、俺を揶揄ったんじゃない。びっくりして怖がった事を俺が気に病まない様に、わざと揶揄った振りをしたんだ!なのに俺は。  

 俺にとって二葉は「理想的な妹」だ。舞華は双子だから、妹と言うより、とても親しい女の子、同じ歳だし、アイツの方がしっかりして、姉的な存在。 
 でも二葉は年下で、可愛くて、幼いながらしっかりして、俺に甘えて、慕ってくれて、護りたくなる、どストライク妹なのだ。
 あくまで、妹として慈しんでいる。本当の意味で「兄」として接しているのに、たまに彼女は背伸びをして俺を揶揄う小悪魔エンジェルなのだ! 
 
 『ごめんな、二葉。不甲斐ない「お兄様」で、でもお前の事が大切なのはわかって欲しい。』 何言ってんだ、俺?
 何故か俺は二葉の肩にそっと手を置いて、
 抱き寄せてしまった!
 ん、何故か感情が制御出来て無い?
  いつも以上に二葉が愛おしい? 
  オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ!まさか「奈落」って?
 『親父!なんて技使ったんだ?‼︎』深呼吸、深呼吸、平常心、平常心、Hなのはイケナイと思います! 
 『お、お兄様、大丈夫ですか?そ、その、私お兄様なら、』そ、その先は言わないで!  

 『えい。』 
『ぐはっ!』後頭部に木製バットか何か鈍器で殴られたような衝撃⁈
 『アンタ、親の前でナニをしようとしてるの?襲う相手間違えたでは済まないぞ!』 
 母さんの踵落としが俺の後頭部に決まってた。なんだよ最後のセリフ? 
 『くぅー、痛~いけど。サンキュー母さん、助かった。』 
 『ふ~ん?舞斗は二葉の事、そんなふうに想ってたの?想定外ね!』字、間違えてませんか?母上。
 『母さん、親父どこ?いくら口伝を伝授するからって、こんな副作用がある技、息子たちに使うなって言うの!』そう、息子たち、たち?まさかの優斗も? 

 『ん?口伝?アレ「奈落」でしょ?じゃあ口伝じゃないわよ。』 
 えっ
 『私だって使えるわよ、「奈落」』 
 『マジで?』 
 『マジ、お父さんのとは深さが違うけどね。たしか師範代クラスなら教わってれば使えると聞いたけど。』違いが有るのか?えっ師範代なの母さん?

 『まぁ今はいいよ、親父は?優斗だって大人の階……優斗?』あらら? 
 優斗を思いっきり抱き締めて、優斗成分を摂取し、お肌ツヤツヤ、テカテカ、ご満悦の華と、
 恥ずかしいのか真っ赤な顔を両手で隠し、自慢のしっぽをもふもふ戯れてるふうなと、そのしっぽを限り無く愛おしくもふもふしている優斗。
 『ふうちゃんのもふもふ~、ぼくが守るからね~。』 
 『優斗~、そろそろ離してくれ~。なんかお尻が、背すじが、ふわんふわんするのニャー!』  

 『母さん、コレって?』やっぱり 
 『「奈落」って脳に刺激を与える技なんだけど、色々多方面に使えるんで便利なのよ。
使い方によっては、幻覚を見せて敵を撹乱したり、深層意識に干渉して記憶消したり書き換えたり、
洗脳や能力覚醒なんて……出来ないことも無い、ん?出来る人もいる。』
 『なんだよ?ダメじゃん、それ絶対ダメなヤツじゃないか?』
な、なんだ。そのチートか、ギアスか、世界に反逆する技は?えっ、私も使えるとか、俺らにも教えるとか、卒業証書どころか、まーだーらいせんす授与式だよ。   
       ちゅっ♡ 
 はいっ? ほっぺに子猫の肉球のような柔らかい感触が、ちょっと湿ってた。そっちから吐息混じりに、 

 『隙ありデスの。お兄、さ、ま。』  

My SisterPrincess 二葉  
 可憐で天使な衛るべき白雪姫がそこにいた。

親父、まさか二葉にも、いや、いやいや、いやいやいや、まさか?  

 『あ~二人、目が覚めたか?』
 『あら、あなた。もう大丈夫なの?』母さんが親父に駆け寄る、いないと思ってたらソファで横になっていただけらしいが、様子が妙だ?ガクガクしてる? 
 『本来なら一対一の術なの、「奈落」って。』へ、俺は父の様子を見て理解した。「筋肉痛」だね、父ちゃん。 
 『一度に二人ならパワー半分で丁度良いかもって思ったんですって。』
 詳しい理屈はさっぱりだか、ひと言文句を言う、いや、言わねば! 

 『親父!なんだコレ!エッチなのはイケナイんだゾ!過ちをおこしたら条例とか、責任とか大変なんだ。俺たち未成年だし…モジモジ。』  

 『ん、何かあったのか?少し寝てしまったみたいだ。』
 『あのね、舞斗、二葉に欲情したの。二葉も舞斗の事、兄として慕ってたから拒めなくて、あなた、二人を責めないであげて!』 母上!言い方?言い方盛りすぎデス! 脚色し過ぎて本当っぽい。


 『舞斗、父さんも其の内往くから、先にGo Too Herr &Heaven!』
 『承認出来ませーん!』 

 『冗談だ。見てたからな。ふったばー、このオマセさん、めっ!何か俺の蔵書みただろ?』 

 『?蔵書とはもしかして、お父さまが昔にお出しになられた「どうじんし」のことですか。薄い表冊子の、表紙に「$貧かんぱにー」と有りましたが?』な~に~!
 『そっちは一般だから、大丈夫なやつだから、あとは?』一般じゃないのは大丈夫じゃないのか? 
 『あとですか?うしろにバーコードが無いコミック本を少し見ましたわ。学生服を来たアンドロイドさん、お父様に少し似てましたわ。』何だそれ。それよりも、
 『黄色いマークの御本はまだ読んではイケナイのでしょう?大人になるまで楽しみは取って置きますわ。』 
 『親父、開眼する前にすべて燃やすゼ!』二葉がイケナイ道に進まない様に、俺がしっかり衛るのだ!
この娘は今くらいのオマセさんがギリギリギリ丁度良い。
何処ぞの「お兄様、Love♡よ!」とか推しが強くて、歳が近い美人な妹なんて、妹じゃ有りません。ほとんどサキュバスです。 
 『まぁ落ち着け、舞斗。ソコに座れ。茶でも飲め。もっと大人に熟れ。』 

 『ハイ、お茶。ハーブティー、落ち着くよ~ン。』舞華が入れ立てのお茶を運んで来た。今まで何処に居るかと思いきや、台所でお茶を淹れてたのか。

 『あのな、舞斗。さっきのな、さわりだけなんだ、刺激を与えただけ。』 
 『うっセーうっセーうっセー、言い訳なんか聴きたくな、ぐおっ!』 
 母さんの裏拳が、俺の顔面にHITした。 夫婦揃って俺に容赦無いのはどうかと思いますが、側にいた二葉がハンカチを出して介抱してくれる。 
 『黙って聞きなさい。じゃないと後で後悔するの、舞斗だから。二葉、折角だから氷で冷やしてあげて。』ハイっと素直に二葉は台所に氷を取りに行った。それを見計らう様に、 
 『脳に刺激を与えた事で今まで使われて無い部分が活性化したり、
深層意思を引き上げたり、ある程度操作出来る。指向性を持って使えばだ。』 
 『それで俺にはラノベ主人公な行動する指向性な訳かよ。ふざけ過ぎだろ!それでもし二葉を傷付けたら…』 
 『だから、刺激だけなんだよ。指向性なしの投げっぱなしジャーマンみたいなモンだ。何が出るかな?ガチャみたいな?』ん?どうゆう事ですか? 
 
 『お前、耐性がついてるからほんのちょい頭が良くなるかもしれないくらいの匙加減だったんだ…けど、深層意思でお前、』
『ストープッ!親父さま、お願い、その先は言わないで下さい。』   
 『お母さん、見直したわ。アンタ朴念仁だとばかり。でもね、まだあの子は心も体も成長途中なの、大人に憧れて背伸びしてるお年ごろなの!見衛る事も自分好みに姫メーカーするのも有りかな?』 
 『なんだよ、なんか畳み掛けてないか?』 
 『すいません、私、そろそろ居た堪れないので寝て良いですか?』舞華、抑揚のない話し方で、 
 『華ちゃん、寝よ。』とトリップしている華を自分の部屋に引きずり込んで行った。

 『ふうな、いいか?』親父が家族会議はこれまでと締めて、ふうなにひとまずの対策案を提案した。 
 
 『お前、産休取れ。今すぐでなくていい、引き継ぎもあるし。で、産休中はずーっと猫の姿でいる事。綾乃~!何か設定考えてくれ~。なるべく早く。』 
 『いいけど、ふうちゃんって今どんな経歴詐称してるの?』百合ユリな小説家、叔母の綾乃さんにやっとセリフがあった。やったぜ、初セリフ。  





 場所は変わって足立サンの家。 
 布団の上で長女、三女、次女の順で川の字に寝ている。
 『ねー、みゆきのねこさんはおとこの子、おんなの子?』 
 『う~ん、どっちかなー?美由紀はどっちがいいの?』 
 『どっちも~。でね、おんなのこはみゆきのいもうとにするの。』 
 『そっか~!それじゃ、お姉ちゃんの妹でも有るのか~。うんうん。』 
 『ちがうの~、みゆきのいもうとなの!お姉ちゃんにはお姉ちゃんとみゆきがいもうとだからいいの!』

 あちらの家とはずいぶん違う家族会議だが、どうやら子猫の里親のはなしはいい感じでまとまった様だ。 

 そしてみゆきちゃんにいずれ不思議な友達が現れ、楽しい冒険譚が始まるのはずっと後の話し。 

 『みゆきね、ねこさんとたくさんあそぶの。お姉ちゃんもね!』

 もね!っと言われたのはどっちだ? 










 『あの~つかぬ事をお聞きしてよろしいでしょか?母上さま。』 
 『お元気ですが、何か?』 
 『「奈落」使えるって本当でございますか?』 
 『うん。経緯はお父さんと同じかな。君たちくらいの時にね、道場で小学生のチビッ子に柔道とか合気道とか護身術みたいなの教えるバイトしてたのさ!』えっへん。 
 『子供達に教えるのが強面なおじさまより、女性がいいんじゃないかって。私と藍ちゃんと二人で引き受けたの。』 

 『藍ちゃんって元婦警で速斗叔父の奥さんで口の悪い叔父の奥さんのお姉ちゃんだっけ。』ハァハァ、長いよ。 
 『あと私の親友だし、評判良かったのよ。「お姉ちゃん先生」とか「美人先生」とか呼ばれて。お爺ちゃんに道場が明るくなったお礼にバイト代時給1,100円とは別に教えてくれたの。』 
 鬼をも喰らう「昭和の羅刹」とか言われてた怪物も当時のJKには甘々だったらしい。 
  

 時給、親父より多いのね。
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