猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜それ別の階デスネ!?

猫寝 子猫

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いらっしゃいませ!ようこそ『森の猫さま』へ。

速く明日になれ!〜三つのエピソード。

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「ーつめ」

 華は本日、自分が経営サポートしているショッピングビルからクレーム対応の相談で現場に長く引き止められていた。
 購入したCD(中古)の内容が気に入らないから金を返せ、と言うかなり我儘なクレームだった。
 常習者らしく他の店でも行っているらしい。
 警察に相談を進めるも、警察沙汰にはしたくない、何か解決策を考えて欲しいの丸投げ状態。
 何でも相手が地元では著名人で、かなり傲慢な態度であったらしい。
 接客した女性店員さんに危害でも加えられてからでは遅い!の一言で華自ら対応し、上手く誘導してお解り頂けた。

 七神の運転する車で帰路につく、今日は疲れた。  
 『帰ったら美雪を愛でよう。そうだ、七神さん、今日はウチに泊らない?』七神さんも頑張ってくれた。せめて夕飯はウチで食べて欲しい。 
 気の所為か、車の速度が上がっているような?
 『安全運転で参ります!』ハイ、お願いします。でも何で敢えてそんな事を言うのかな? 

 『ただいまー!』無事、安全運転で帰宅した、七神さんがニンマリしてる?
 
 たたたたたたたたたたた、たんっと、なんか白くて可愛いのが走って来た。  
 思わず華は身を屈めて、
 ぴょんっとジャンプして華の胸元に子猫が飛び込んできた。 
 『美雪~。ただいま!良い子にしてたかな?ん~よしよし。』 
 『………………………………』美雪はほとんど鳴かない、いや鳴いた事が未だ無い!ただただ、つぶらな瞳で見詰めてくる。

 『美雪?ちょっと湿ってる、けどいい香り。』シャンプー?ネコ用かしら? くんかくんか。

 すると、
 『よぅ、おかえり。チビみゅーはお出迎えか!えらいえらい。』舞斗が濡れ髪をタオルでゴシゴシ拭きながら出迎えてくれた。
 『ただいま、舞斗。』
 白Tシャツにジャージは舞斗の湯上がりの定番、アレ?この香りは!
 
 『美雪がさ、俺の後付いて来てな、風呂場まで入り込んで濡れちゃったから次いでに、俺と一緒にシャンプーしてみた。』
 美雪、舞斗と混浴したの~?
 同じシャンプーとか、ぽっ。

『一応、洗面器を湯船にして気持ち良さげだったぞ。赤ん坊を入浴させるのってこんな感じか?』

 『パパ。』ん? 

 『えっ、と、今の、美雪?』
 空耳?美雪から聞こえた気がする。
 まさか?今までに鳴き声を聞いた事が無いのに。

 「パパ」って…    舞斗の事? 
 『美雪って、もぅ~まだ早いよ~!』

 『どした?何か速いって?それよりお前たちこそ速く入って、晩飯食え! あっ、チビみゆ貸しなさい。その子もご飯だから。』


 今日は美雪を、抱いて寝よう。 
いや、いつも抱いて寝ているけど、今晩はちょっとだけいつもより別の意味も兼ねて。


 『おやすみ、美雪。』

 『ママ、おやすみ』 すやすや~。 


ガバッ!   『えっ!』

すやすや寝てる仔猫の美雪。 

 『舞斗がパパで、わ、私がま、ママ!   美雪ってば、もう眠れないじゃない!』
 とか言って嬉しそうだよ。この子は!




   



「二つめ」


 『あわわ、ヤっちまったであります!』
 後輩ちゃんことアダチ君は急いでいた。バイト後に寄り道をして予定した時間より遅くなってしまったからだ! 
 『美由紀と一緒に「プ●キュ○」の再放送を見る約束、忘れてたであります!』 
 美由紀ちゃんが産まれる前に放送していたシリーズ前半の作品。
 同じモノがDVDで見れるのだが、美由紀ちゃんは今、放送されているモノをお姉ちゃんたちと見たいのだ! 
 幼い妹の夢や約束は姉として完全死守しなければ!

 『それにしてもアノ店はアタリでした。お姉ちゃんにも教えてあげないと!』 

 実は寄り道した場所は、バイトしているお店の下、同じビルの地下一階、名も無い古本屋である。 

 事の始まりは「パパさん」が名義上の店長とは言え、ほとんど毎日来店している事に「暇なんだ」と思わず、もしかしてこの店以外にも利用しているお店が有るとか?っと思い切って聞いてみた。
 
 『ん?なんだ、教えて無かったか?このビルの地下の古本屋で店番してるのさ。古い少女漫画も有るから、気に成るなら見に来な。』来ました!行きましたよ!
 昭和の少女漫画、ヤダァ、ピュア過ぎて涙が出ちゃう!女の子だモン?
 この作家さん、もういないのかしら?
 「雨は何色、涙色。」や「天使ちゃんの恋渡し!」など昭和な無名の名作が文字通り山積みにされていた。


 特に「天使ちゃんの恋渡し!」は泣けた! 

 落ちこぼれの天使「レン」は神サマの言いつけで人間界に修行に行かされる。そこで100人のヒトを幸せにする迄帰れない事、使える「天使のチカラ」は一日一回まで、レンが幸せにしたヒトはレンの事を忘れてしまうなど、「東●の魔女っ●」シリーズ的なお話しで、早く天使の世界に帰りたいレンは一人づつでは時間が掛かるので二人づつ、つまりは恋に悩んでるヒトの悩みを解決すれば恋人同士が幸せになるから二倍の早さで目標達成出来ると考え行動する。
 毎回ドタバタの連続だが失敗と成功を繰り返し、成長するレン。 
 ヒトの幸せの為に頑張る中で「レン自身の幸せ」は何か悩んでしまう。
 そんな時、レンが天使だと気づいて協力してくれる孤児院の少年「セイヤ」が現れる!
 共に行動するウチに芽生える暖かな思い、トキメキ。
 ヒトに「幸せ」になってもらう達成感こそがレンの幸せだと思う様に成るが、実は修行の期間が一年で残りひと月に迫っていると神サマから告られ、出来なければ天使の適性無しで動物にされてしまう! 
 さらに孤児院の立ち退きやセイヤの心臓病の悪化など今までのドタバタ劇が超シリアスな展開に!続きを見たいが、気が付くと約束の時間が迫っている!




 今度のバイト代で爆買い、いや明日取り置きをお願いしてもいい。  

 ショートカットのつもりで途中の細い裏路地を抜ける。こちらは飲み屋や風俗店が有る地域。


 『ちょっと待ちな!ネーちゃん』あ、そう言うの間に合ってますから!約束に間に合わないから! 
 
 『ぽ、僕たちとちょっとそこまで、来て欲しいぃーんだな。』
 『この子アノ「コスプレ」メイドだよね?ちょっとヤバくないかい?』

 男達が数人、前を塞いでいたが、難無く擦り抜けた。 
 
 『え?速っ!』
 『待てゆーてるだろ!コラ!』 
 男たちが、追ってくるか?
  
 『レイヤーのプライベートは不介入がマナーですから!』
 なんだかな?猫カフェのお客様では無いような?




 『っるーせーわ!ボケ!ウチの姐さんのぉー御身内に、ナニ腐った息ぃカケトンのじゃ!』 石松の若頭のキレッキレの啖呵が心地よい。

 『え?』 
 『あ、皆さんコンバンワ!すいません後お願いしまーーーーす。』
 『お気をつけてー。 妹さんによーろーーしーーーくーーーーー!
さーてーと、よぅあんちゃん達、どこのモンじゃい?』虎丸兄貴が手を振ってお見送りする。
 脇目も振らず、後輩ちゃんは家路を急ぐ!
 後輩ちゃんに声を掛けた「あんちゃんたち」は厳ついヤンキー風な者や肥えたオタク風の者、痩せたオタ眼鏡もいる。それら4~5人の男たちを囲む其の筋の本職風の五人組。姐さんって誰?
 『歌ってもらうぞ!オラッ!』 
 「歌う」とは「白状」する事らしい。

 『な、なんですか?あ、あ、貴方たちは?』オタ眼鏡さんが頑張ってみたが、気絶しそうだ。  

『お待ちなさい、手荒な事は許しません。』
 
 そこに、「姐さん」が現れた。

 『本当の事、話してくれたら開放し、いえ、お持てなしさせて頂きますわ。ただしお店の女の子達には今後手を出さ無いこと。其方に損は無いかと。』 姐さん登場で双方驚いている。

 『姐さん!何も姐さんが出張らずとも⁉︎』紅葉郎が吼える、他の本職風の男達も制限時間内にボッコボコにするつもりなのでざんねんそうだ?
 
 『お、お持てなしって、ど、どんな事してくれるの?』肥えオタさんが興味津々で聞いた。  

 『「オモテ」は「なし」の裏メニューですわ。その代わり……お解り頂けたでしょうか?』

 『おい!ダマされるな!そんなモンか?俺たちの涼子さまへの忠誠は!』ヤンキーぽいのが強がる。 
 この発言で半分くらい分かるけどね。 
  
 『姐さん、埋めますか?』ニャン五郎がもう待てない感じだ。
  
 『こんな事をしても、その涼子さんの立場は悪くなるだけで、何一つ解決しません。』
 
 『そもそも「ナニ」するつもりだって話だ?この姐さんの前で言える事かい?アンちゃんたちよ?』虎丸兄貴は意地悪く聞く。 

 『べつに頼まれた訳じゃ無いよ。ただ、今回涼子様が「逮捕」されたのはあのビルの従業員が悪いから思い知らせる必要が有るって涼子様の家の秘書だって言う人が。』

 本当にナニがしたいのか?このどこに解決の糸口が有る?
 
 『もうよろしいデスわ。皆んなありがとう、先にお店に戻っていて。』
 姐さんが「パチン」っと、指を鳴らす。すると今まで居た本職風五人組が消えて、五匹の猫たちがいた。なかなか貫禄の有る猫たちは名残惜しそうに、
 『にゃぁー。』とひと泣きして去って行った。

 『さて、お約束通り「裏メニュー」御賞味頂きましょうか!』

 何か期待してる面子と思い切っり警戒している面子。まぁ有る意味、御褒美かも。


 メイド長のふうな姐さんが何かメモリースティック的なものを取り出した!

 「hurricane」、「caitsith」
 『さぁ、貴方たちの「罪」を教えなさい!』「実装!」
 

 そこにメイド服の女性はいない、黒猫を思わせる防護服にプロテクター。山王院系列警備会社「SAN-O」のテロ対策特別措置法用の対テロ用即撃退装備を組み込んだ特製防護服、女性警備員用試作品。 
  『「モニタリング開始します。活動限界予想時間12分です。」「good luck!」』内装された通信機から人工知能的な声がヘルメット内に聞こえる。
 『五分もいらないから』
 素人相手に銃火器や刀剣類の装備は始めからされてない。この防護服で装着者自身の徒手空拳でどれだけ使えるかのモニタリングである。
 トン、トン、トン、トン
 装着してからふうなはステップを刻んでいる、その間隔が徐々に短くなる。
 
 『何なんだよ、お前?ふ、ふざけやがって!』ヤンキー風が殴り掛かるが、突き出した拳の先には既に彼女はいない。 
 『鈴木氏、後ろ!』咄嗟に反応して振り向きざまにウラ拳を繰り出すも、彼女の姿が消えた! 
 『ざ、残像かよ!』 
 現れては消え、ヤンキー風を翻弄する様は闇夜に舞う黒猫の幻?
 『「すでに設定値を越えた速度です。記録更新します。お気をつけて。」「打撃による負荷を計測します。」』『了解。』 

 トン、トン、トン、トン、先程からステップは刻み続けている。
 蹴りだと死んじゃうかもしれない。「反動三段蹴り」や「飛龍三段蹴り」はやめよう。五人いるし。material driveは無し、「アレ」にするか! 


 『今日の事、忘れても悪さが出来無い様にして、ア、ゲ、ル。』

 『ヒィ、逃げないと、』オタ眼鏡くんが走り出す、その刹那、彼の頭部を掴んで、その上で片手倒立している。指が頭部に食い込む。不思議と痛みが無い?それが尚更怖い! 
 『主人殿直伝だ。』 
 オタ眼鏡くんの膝が折れ、その場に座り込んでしまい、放心状態だ。 
 あのヤンキー風の男は、なんと腰を抜かしていた。コイツは最後にして、逃げだそうとしてもたつく三人に、

 『主人殿直伝、「奈落–改」』
 

 闇に躍る、疾風か、幻。

 『エヘ、へへへ。可愛いネコちゃんですね~。』
 『お父さん、お母さん、産んでくれて、今まで育ててくれてありがと、うぅ、うあぁ~ん、我儘言ってごめんよ~!』
 『涼子様、いえ涼子さん!僕と交際を前提に結婚してくれろろろ~。』

 三人の深層意識を解放したつもりだが、防護服のグローブが指先の「気の伝達」をやや阻害する傾向が有る、結果微妙だ。

 『お待たせ、もう利用されないでね!』ヤンキー風に近づく、一応打撃的な攻撃をしよう!

 『く、来るな!』最初の威勢は皆無で、涙が滝の様に流れている。
  
 『んっ、セイッヤー!』
 『ひっ!………』
 ヤンキー風の顔面に右ストレートを放つも、目の前数ミリの所で止めた。但し、「奈落」の気は放っているので此処での記憶は、全員曖昧になっている。 
 
 ん?
 『あちゃ~、悪い事したな~。』
 ヤンキー風は気を失って失禁してしまった。 


 『お持てなし終了。』ん?返事が無い。「コングラッチレーション」とか言ってくれると思ってのに。 


 『ふうな様!何をやっていますの!もぅ貴女一人のお身体では無いのデスよ!もしお腹の赤ちゃんたちに何か有りましたらどうすりゅおつもりれすか?え~ん!』
 後半は泣き声混じりで怒り出す、メット内に二葉の声が響く。
 
 『ごめん、バレた。』灯火の声だ。
 『とにかく戻って来てくれ。頃合いを見て通報する。』


 手作り餃子の移動調理販売車に偽装した作戦司令車にふうなが到着すると、中に腕を組んで仁王立ちした可愛いのが涙目で待ち構えていた!
 
 『あ、あははは、出迎えサンクスな、二葉。』不自然なのは笑いを取りたいから、笑ってるとか、怒っているとかより恐いし、辛いから。 
 
 『さんくすとか、誤魔化される二葉では有りません!何ですか?その衣装は!戦争でもするつもりデスか!』
 本当に心配してくれたのだろう、こんな二葉は滅多に見ない。ヒメが亡くなった時に近い。
 この子は「命」が亡くなる悲しみを猫との別れで経験している、物心ついた時には既に両親は亡くなっていたからだ。
 ヒトとネコの混ざった自分を家族として認識している分、二倍心配、いやお腹の子も含めると彼女の小さい胸は張り裂けんばかりだろう。

 『罰として、今日家に着いてから赤ちゃんが産まれるまでは、猫さんの姿でいる事!お父様にも報告させますからね!いいですわね!プンプン!』

 『ハイハイ、分かりましたよ。姫さま。』

 『「ハイ」は一回でよろしいのですわ!』

 うん、二葉こわい。(お饅頭こわい的な意味で。)

 『あと、灯火姉様もお父様にこの事のご報告お願いしましたからね!』おふざけで「十六夜ちゃん」と呼ばない辺り不味い。
 
 『ぎょ、御意、お嬢。』

 意外と陰のドンは二葉ちゃんかもよ?



 『ただいまー!間に合うか?』

 『おねえちゃん、はやくはやくなの!はじまるの!』
 着替えは後、今は妹とTV放送を見て疲れた体を休めよう。

 『あれ?あのオジ様たち、誰だろ?なんだかよく知ってるヒト達みたいな?』意外とタイプだったのかも?
 『いや、私の推しは紅葉郎だから!』




 「三つ目」

 コンコン、
 ピンポーン、ピンポーン!
 『もしもーし、お父さんいますかー?』バイトしている場所の最上階に父がいるのに、ここ最近会ってない。

 事務所のドアをノックして、呼び鈴ボタンを数回押して、呼びかけて反応は無い、居留守だったらグレてやるんだから! 

 親子仲は割と良いと思っている。 


 色々お世話になり、姉の様に慕っていた女性が今日で事実退職される。理由は妊娠したから。
 
 母が父から離れたのはお腹に赤ちゃん、つまりは私を授かったから。結婚はしていなかったけど二人がお互いを思い合っていたと曾祖父や北代のパパさんから教えてもらった。なら何故、私のせい?

 いずれ母が父から離れた理由を曾祖父が教えてくれるそうだ。
 母は曾祖父には連絡を取り合っていたらしい。私の小学校入学の写真なども送っていたから。

 『いないのかな?』探偵のお仕事中か?それとも外食にでも出掛けているのかな?  

 ここまで来たら、屋上の庭園に行って見ようっと、案外父が居るかもしれない。
 
 まぁ、いないんだけど。 
 『何なんだよ、今日は特別会いたかったのに…。』
 (ごめんね、次回登場だから。ひなちゃんのパパは。)

 『おねえたん、なにしてるの?』 
 
 『あ、天馬くん、こんばんは。』

 天馬くんは、一、二階の喫茶店のご夫婦のお子さんで舞華店長の可愛い従兄弟。大型犬「バイクル」に跨りお馬の稽古だ。 
 「バイクル」とは羽柴家の愛犬、シェパードとシベリアンハスキーのハーフで、東北の震災で飼い主と逸れたりした犬が野犬化し、そこで産まれたと思われる仔犬を動物保護のボランティア団体が被災地で保護したのがこの「バイクル」なのだが、おそらくバイクル自身は天馬くんを主人と言うより「保護対象」、仲良しなのは違いない。
 ちなみに「バイクル」とは天馬くんのお父さんが子供の頃に見ていたヒーロー番組に登場した、剽軽者のロボットの名前から命名したそうです。

 『天馬くんとバイクルはいつも一緒だね。』私はお父さんと最近会えてない。
 『ばいくるはね、お兄ちゃんなの!てんちゃんの!』可愛いー!

 バイクルが腰を落とす、すると小さいすべり台を腹這いで降りる様に、天馬くんが着地する。
 トコトコ、私のそばに駆け寄ると手を掴んで、
 『おねえたん、コッチきて!イイもの見せてあげる!』なんだろ?カマキリのたまごとかはこまるけど?
 『お姉ちゃん楽しみだけど、虫さんは勘弁してね。』一応我慢はしよう。

 『あのね、てんちゃんとばいくるだけの「ヒミツ」だけどおねえたんが、さびしそうだからとくべつね!』こんな幼い子に気をつかわれた!不甲斐ないデス!

 『ここだよ。』ここはこの「空中庭園」の「小さな温室」。入った事はまだ無い。

 『ここにね、ひみつの「おともだち」がいるの!』温室。虫かも? せめて蝶々さんぐらいでお願いします。 

 でも、それは私の予想を遥かに超える存在、しかも私にとっては、とても知りたかった事が解る出来事でした。 
   
    (次回に向けてココまで。)



 「二つ目の続き」


 『あのね、あのね!あのお姉ちゃん、かわいそうなの!』
 美由紀は、あるキャラクターがお気に入り。今回はそのキャラがかなり苦戦していた。

 『でも、頑張ってみんなで〇〇○ナーやっつけたね!』そのキャラクターが好きで同じ色のパジャマを着ているくらいだ。
 『うん!カッコよかった!』
 美由紀の機嫌は悪くない様だ。 

 『よ~し、美由紀ヒメ、お姉ちゃんとお風呂入ろう!』長女もバリバリのオタなので三人、仲良く女児向けアニメを見ていたのだが、私を気遣って美由紀の相手をしてくれる、自分たちが入浴中に着替えて食事しなさいって事なのだ。あっ!そうだ! 

 『そうだ、お姉ちゃん、「天使ちゃんの恋渡し!」って少女マンガ、知ってる?』





  「「「「え?」」」」」

 『ん?え、お姉ちゃん、どしたの?』


 『何故、まみがそんなマイナーな作品を? ま、まさかどっかで見た?見たんだな!』
 『あ、うん。あのビルの地下に有る「古本屋」で。えっ何?』
 
 姉が私の手を取り、家の外へと向かう!

 『行こう!古本屋に!まだ開いてるよね?車、出すから!おっと、お父さーん、美由紀とお風呂よろー!って、あんた着替えなんて後にして、ほら行くよ!』

 あれ~?お姉様、目が怖い?

 そして私たちはぼちぼち閉め始めた店先に慌ただしく駆け込み、無理を承知で爆買い必至の頼み込みをした。パパさんは怒るでも呆れるでも無く、笑いを堪えてただ 
『イイよ、イイよ。好きなの探しておいで。』と言ってくれた。

 『本当に申し訳ないです。姉がどうしてもと鳴いて騒ぐので、まぁ私も気になってはいたんです、「天使ちゃんの…」』すると、

 『あぁ、恋渡しね。懐かしいな。続編も有るけどいるか?』

 『が!ご、ご主人!続編って?何で?そんな物が有るとでごわすか?』
 『お姉ちゃん、落ち着いて。そんな余裕無いお姉ちゃん初めて見たんだけど?何か変なの?』

 『この作品、連載中に作家さんが大病を患い、後半闘病の中で執筆されて、最終話は不完全な形で掲載されてね、完全なる最終回は単行本にのみ発表でさ、出版元が倒産とかで初版のみ、買いそびれて。あと作家さんも死亡説がね、有るのよ。』普段からキレッキレの姉がカクカクしてる。面白い! 

 『もち、生きてるよ。名前変えて。ほれコレ続編。』

 
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