猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜それ別の階デスネ!?

猫寝 子猫

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いらっしゃいませ!ようこそ『森の猫さま』へ。

後日談〜山王院のメイドさん。〜黒猫と白猫と三毛猫。

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 その始まりは戦国時代、敗色の兆しを感じ、かねてより幼い我が子だけでも助けたいと城主は忠義に厚い家臣十八名に一族の女子供数名を託し城より逃がした。
 
 
 燃える城を背に落ち延びた先は、一人の家臣が故郷である忍びの隠れ里。
 いずれ主君の無念を晴らし、一族再興を願うも、先ずは生きる為、再起の力を蓄える為に十八人は奮闘する。 

 皆それぞれに得意とする事を磨き極めて、財を蓄えていた。

 また、ある事がこの一族に幸いした。隠れ里と言っても既に住む者は居らず、里の者は忍びの技を糧に方々の武家に使え、もぬけの殻。それを承知で逃げて来た。

 山中の隠れ里が唯一秘密で交流していた山を降りた先にある農村は、戦で男手と若い女を取られていた。

 城で給仕をする女は戰が終われば一応帰されるが、男は大体は無傷では済まない。無事に帰れる者の方が少ない。

 また、村では「流行り病」が蔓延して働き手が動けず、さながら地獄の様。

 幸い、命を落とす程では無く、医術に優れた家臣が村を救う事となる。ここで一計を投じ、「流行り病」が「疫病」であると触れ込み村に近づく者を遠ざけた。

 家臣たちの親族が静かに村の住人に溶け込み、山中で見つけた「温泉」を「万病を癒す秘湯」と触れ込み、「疫病」を治した秘湯は「湯治場」として栄え始める。

 それを皮切りにこの地は、


 『この地は「豪農 山王院」の統治により、以前より豊かな土地と成りました。
 特に十八人の家臣の子孫は先祖が得意とした生業を極め、今も受け継いでいるのです。
 そう!私たちが、「山王院の黒猫」と呼ばれる私たちが!』



 『終わりましたか?ミサピッピ。』何を我が家のリビングで「山王院の歴史・第一章」を聞かされてるのか? 
 WHY教えておんじ。


 ども、舞斗だ!

 山王院にはサンオー重機と言う主に消防車やクレーン車など大型車輌を製造販売している会社がある。
 山王院系列の警備会社「SAN -O」との共同開発で、装備品や災害救助用車両など、試作品の実動試験に何故か駆り出される「山王院の黒猫」のメイドさんたち。

 元々ポテンシャルの高い人材が集まっている、良妻賢母なメイドさん。中には癖強…個性的な方も少なくない。

 実は「SAN-O」の開発部主任は元「黒猫」の一人。体育会系なノリで後輩メイドに運用前のお試しを丸投げしてる?「サンオー重機」も似たり寄ったりだ。

 失敗品では無いが、実用に難有りと見做された開発品は「黒猫」や「番犬」でとても便利に利用させて頂いてます。


 とは言え、被験者は毎回毎回、同一人物が指名される。

 「九院 岬」、花も恥じらう永遠の十七歳教信者の二十五歳。

 「九院 狼」と言う山王院で執事をしている兄と、「山代学園」で「家政科部」の発足に励む妹の「九院 如月」がいる。

 今日は朝から北代家のリビングで岬さん独演会が開かれてる?
 
 お客は俺と二葉とリリ、優斗は古本屋に逃げた。つまり親父殿もいない。

 珍しくセン兄がいた。何故か真剣に聞いている。歴史物は好きらしい。逃げ遅れた舞華に思わぬご褒美だ。よしよし。

 
 さて、熱弁する岬姉。

 最近は、メイドの仕事より「荒事」の方が多いので、

 『私のメイド魂が!』はきゅん?

 その不満の捌け口を我が家で発散さている。何でも上に「森猫」への転属希望を出したが、

 『岬ちゃん、私とここで働くのがそんなに嫌なのね!』
 って上司に泣かれたらしい。

 なので有給取って、ここにいる。 取れるんだ、有給。

 おそらく、「山王院の歴史ー外伝 黒猫の処女たち」が三時間休憩ありで始まりそうなので、別の事で 発散させようと俺は話しをふる。

 『岬姉、悪いけど俺、これからヤる事が有って出かけるから。ゆっくりしていってよ。』

 『あら、町内清掃でしょ♡ お姉さん、手伝ってあげる!』
  
 この後、「俺の思った通り」と思った俺が後悔したのは、岬姉が乗って来た車に、

 「北代 舞斗様 専用 「影狼」」と名打った「親父のお古」の強化改良型装甲服が積まれていたからだ。

 『舞華ちゃんもオーダーする?』
 
 『歌いながら変身したり、歌いながら戦ったり、成りたい自分とはかけ離れちゃうんでやめときます。』

 『え!…そなの?…そ、そうよねー。うんうん、お母様のお古とか仕立て直したり大変だものねー!』おい、誰に説明している?
 目がバタフライしているな、メイドさんや?



 『お兄様、見つけたそうです。カルロスさんから船名が映っている写メを頂きましたわ!』

 二葉のタブレットに何故カルロスからあやしい船舶の画像が届くのか、この際聞かない。

 『さぁ、行きましょう!お兄様!……岬さん、お願いしていた「アレ」、間に合います?』
 二葉、まさかの岬姉と打ち合わせ済み?
 


 『岬お姉様、「黒猫」五匹、推参いたしました。すでに「レッドタビー」がターゲットを捕捉中。
 あとこちらも、
 「十六夜お姉様のお古」を
 「二葉お嬢様用」に仕立て直しました。お支度を、二葉様。』

 『excellentデスわ!パティさん!』






 『おいこら!お姉さんたち、悪ふざけが過ぎるぞ!なんで二葉用の「黒猫コス」が有るんだよ!』岬姉も有給どうしたのさ?

 『舞斗くん、ソレは違います!これは十六夜お姉様の専用服をちょい仕立て直しただけで、色もほら!ピュアホワイトに染め直しましたから、「白猫」です!』

 『パトりんも、上手い事言ってないからな!』十六夜さん、ちょい直して二葉が着れるとか、キッズサイズですか? 
 怒れる俺を余所に、二葉が「キグルミ」を実装していた。白猫というか天使だな。

 『お兄様!見て下さいませ!今この身は邪を祓う剣なのですわ!』…リリがいない?ふたりは何ちゃらとか却下だからな!あと、二葉は落ち着け。

 『岬お姉様、別動隊「レッドタビー」目標である船舶に潜入しました。重機「メインクーン」、リリちゃんとランデブー完了です。』なんだと!リリピッピが!

 ヤバ、お父さんに叱られるヤツだ!取り敢えず「影狼」は有り難く借りよう。

 『あ、まぁくん!「影狼」の実装者登録は済んでるからね!』
  
 どうやら「影狼」は「孫悟空の輪っか」らしい。あと「まぁくん」はやめて。

 俺たちは今まで見逃していた。
悪の巣は廃墟と化した工場だけではなかった。
 不景気から、金になるならと、ある「部品」や「品物」を作っていた工場が幾つか存在していた。
 
 奴らは言葉巧みに近づいて、下町工場の社長や工員らを騙すのだ。

 働いていた人たちもソレが何か知らない、図面通りキッチリ正解に作り上げる。
 
 よく有る「コピー商品」とかならお巡りさんに丸投げしたが、コピーしているモノがヤバい。

 実弾の発砲に耐えられるモデルガン、本物そっくりどころかほぼ本物だ!
 しかも、輸出用とかで国内販売しない。
 他にも転用可能な模造品や精密機器を、日本の職人気質なオッちゃんたちがいい仕事してしまった訳だ!


 ただし、このお陰で定期的に品物を納品している為、支払いなどの金の流れから何とか重要人物の痕跡が見えた。
 今まで俺たちが追い立てていたのは本当に末端、町のチンピラ風情だよ。
 今度こそ、黒幕に黒猫が爪を立てる!
 

 『いくぞ!「ニャンバロン」!ジッちゃやバッちゃをイジメた奴らをとっちめるのだー!』

 「Stand up ニャンーバロン」

 『ワカッタヨ!リリチャン。ボク、ガンバロ!』
 
 船内の駐車場にて、
 たこ焼き屋のキッチンカーの擬装を解いて災害救助用支援装甲車が現れる。

 猫の目を模したヘッドライトが光り、アクションダッシュする?

 あれこそは災害救助用支援型装甲機動鉄人「メインクーン」
 
 荒れる濁流の中でも、襲って来る土石流を受け止める剛力を持ち、災害からみんなを守る。
 超AI搭載、音声対話により共同作業者を支援行動する…だけの筈だが?
 なんですか?「ニャンバロン」って!


 以前、土石流被害を受けた地域にショベルカー等の重機が瓦礫を処理していた時、土石流に破壊されてひしゃげた自分の家を無機質に解体する重機を見て泣き出した幼い子がいたらしい。
 最近では「ドラゴンハイパー」とか消防車にもカッコイイ名前が付いていたり、子供に人気の乗り物と思っていたが、少しでも心の傷は無くしたい思いから、

 「猫科の動物」をモチーフにデザインした「可変システム」付き装甲車両。
 災害地より遊園地にいそうな「彼」はリリちゃんから
 「ニャンバロン」の名前を拝命する!
 
 ね○バスでは無い!
 名付け親のリリを肩に乗せて、現場に急行する。



 『ターゲットは各工場から証拠となる「商品」を全て回収し、近隣河川から屋形船に偽造した小型船で、東京湾停泊中の大型貨物船舶に合流すると観られる。』

 『おっきなお船は、中東の貿易会社さんのモノでしたわ。ここの社長さん、「S」の信者ぽっいですの!』

 『何なん?「えす」って?』

 『私、子供だからよくわかりませんが、表向きは起業を目指す方に出資して一定期間の活動協力、世界経済を発展を目指す団体だそうです。』

 『うーむ、わからん?で裏は真っ黒か?』

 『ノワールのお腹も真っ黒ですけど、こちらはDOS黒ですの!出資した会社がどうなるかを賭け事の対象にしますの。この辺はまだ灰色熊さん並みですが…。』

 『賭けの対象が「出資した犯罪企画」の成功失敗も取り上げられてます。誘拐、強盗、殺人など。』副隊長らしい黒猫メンバーが後を引き継ぐ。

 だから、何なん?「犯罪企画」

 『ヒマとカネを持て余した資産家が興ずる闇賭博の胴元、ソレが「S」だそうです。そこに「世界征服」とか「世界への反逆」など思想は有りません。いい迷惑です。』 
 と言う彼女の握ったこぶしはプルプルしてる。何か有ったのかも?殺気を秘めた横顔がドキッとするくらい綺麗だ。

 『つまり、犯罪にも出資して、あの連中が捕まるか、逃げ切れるかも賭けの対象か?』
 
 『おそらく。今日は同会社名義の大型客船が停泊中です。他にも会場で悪趣味な闇賭博パーティーが行われている筈デス。』
 
 『工場地区で…見つかった遺体は…こう言った集会で…犠牲になった方…でしょう…(-_-#)』岬姉の背後に獰猛な虎…猫のオーラが見えた。

 『上等だ!人の町でイカれた真似したんだ。胴元まで追い詰める!額に油性マジックで「アホ」って書いてやる!』

 『そのお言葉、持っておりました。舞斗様!』はい?

 河川敷横の公道を東京湾方面に移動する大型コンテナ車に偽装した作戦司令車「マンチカン」、その中で俺は可愛いメイドさんに囲まれていた。ただしみんな片膝ついて俺に対して首を下げている。
 
 パパパンつ見えちゃうからやめてください。

 なんだ!凄い背徳感!

 『全員、「キグルミ」実装!奴らに毛玉を吐かせる!』

 『ハイ!お姉様!全ては舞斗様の為に!』
 
 悪ノリが過ぎるよ。
 科学の忍者隊バリのメイドさんは実体を見せず奇襲する。
 

 リリちゃんは怒っている。

 ジッちゃやバッちゃを騙しておウチを取り上げた悪モノを!


 少し前に訪れた介護施設で出会ったお年寄りたち、みんなリリちゃんに優しくて、亡くなった祖父を思い出した。

 リリは生まれたばかりの頃は母の実家にいた。
 優しい祖父母と時折逢いに来る父、のどかな田舎町。

 病気で祖父が亡くなる四歳までそこで育った。 祖母は母の弟夫婦と暮らしているので会いたい時はママさんにお願いする。
 
 根っからのおじいちゃん子、おばあちゃん子なのだ!

 『ほらリリ、シベリアお食べ。』
 
 今でも優しい祖父の夢を見る。

 『リリちゃん!聞こえますか?』

 『二葉!聞こえた!始めてイイか?』

 『どうぞ、ご存分に!但し証拠となる「品物」は破壊しない様に。ニャンバロンも頑張ってね!』

 
 今リリちゃんが潜伏しているのは、例の大型輸送船と同じ所有者の大型豪華客船。今日ここで会員制のパーティーが有る。

 すでに先に潜入調査しているメイドさんにナビゲーションしてもらい、怪しい賭博パーティーの邪魔をしてそちらに注意を向ける、「陽動」作戦。

 水陸両用バイク「ターキッシュバン」により、黒猫たちが大型貨物船に接近。

 『「レッドタビー」「メインクーン」「ファイタス」作戦開始位置到着確認、指示を!』何か俺に言えって?

 『よーい、   どん!』

 何故か、岬姉と副班長が俺の事をうっとりとした眼差しで見ている。いや、ツッコミ担当いない?

 『あれ?二葉は?』
 『「ファイタス」とリリちゃんのサポートにお出掛けしました。』

 「ファイタス」親父殿の元愛機、旧型万能ヒト型重機。 
 コンビナートの火事を消したり、頼りになるヤツだ。
 何か万能輸送車「ヘルーダッシャー」と合体するらしい?

 『ファイタスさんはジェントルマンですから二葉お嬢様をしっかりエスコートされますから、大安心です。』

 山王院の財力、パナい?


 
 『レディ、この位置から「小動物」の形跡を確認した。船底倉庫と思われる。ん、どうかしたかい?』

 『ファイタスさんってイケボですのね。 では無く、お喋りお上手ですのね。普通にヒトと話しているみたいで、驚いてしまいましたの。』

 『私は「新名」が君くらいの頃から配備された機体だからね。それだけ長く「学習」している。女性に優しくするのは「新名」に教わった。』


 
 客船のパーティー会場では、イカれたイベントが始まっていた。            
 会場中央に四方を金網で囲ったプロレスのリングの様な物が有り、その周りには豪華な料理が置かれた円卓がいくつもあり、パーティー客は食事をしながらも今日の催し物を観戦出来る。

 今日、金網の中にいるのは、

剣や槍、ナイフなど構えてる男性が四人、そして唸り声を上げ、四人に迫る巨体な「ブラックタイガー」!

 『さぁ、見事に「ブラックタイガー」を倒せれば彼らは一億の賞金を手に入れます!ですがあの「ブラックタイガー」は既に五人の挑戦者を屠って来ました!』

 悪趣味な見せ物に会場は大興奮、誰が死ぬか?何人死ぬか?全員死ぬまで何分かかるか?など
 すでに複数の賭け内容が成立して、一億など遥かに越える金額が積まれ、挑戦者に対して酷い怒号を浴びせる。

 ある者は夢の為に、ある者は病の子供を助ける為、ある者はやり直す為にこの狂った「イベント」に参加した。こんな罵倒何でも無い!

 とても正気を保てないような場所に、それは「降臨」した!


 『トラさんイジメちゃダメー!みんな、仲良くするのだー!』


 天使の声が会場に響く、次の瞬間にはリングの中央に現れた少女。
 リリちゃんの「キグルミ 三毛猫」にはステルス機能を装備している、それでも3m近い高さの金網を自力で飛び越えるジャンプ力!

 会場全員が突如現れた少女に、驚くもコレもイベントの一つと捉えて盛り上がっていた。

 『なんだ!お前は?』
 『キミ!あぶないよ!こちらに来るんだ!』
 

 『おじさん達、トラさんイジメる、良くないのだ!』
 言うと「ブラックタイガー」に近づくリリ。

 『そうか!お前、お腹が空いてるのか!リリのウチ来るか?パパさんママさん、優しいからご飯たくさんくれるぞ。』

 『あぶない!嬢ちゃん!』
 咄嗟に少女の前に出て、盾になろうとする男性、しかしそれを飛び越える少女!

 『そうか!お前もパパなのだな!』トラの鼻先まで近づくとトラの額を撫で撫でする少女リリ。
 何と喉を猫の様に鳴らす黒いトラ。先程の凶暴な虎とは思えない。

 『二葉、聞いて聞いて!』
 バイザーの通信機は常にONにしてる、直ぐに

 『どうしました?リリちゃん?』もう一人の天使が答える。

 『黒いトラさんの赤ちゃん、探して!悪者に奥さんと赤ちゃん、拉致監禁されてるのだ!』リリ激おこ。
 『はい、とても可愛いですのね。ほかにも白いトラさんもいますわ。』

 『ほへ?』
 二葉たちは、既に船底の「秘密」の倉庫に多数の動物たちが囚われているのを発見、救出作戦を進めていた。

 『さすがなのだ、二葉!ながれいしなのだ!』

 『レディ、この子達の多くは「Red Data Animal」だ!こんな劣悪な環境では弱い個体から生命の危険が!』

 『「ヘル-ダッシャー」でみんなを搬送しましょう!ファイタスさん、お願い!』

 『Go ヘルッダッシャーー!』


 『ニャンバロン、出番なのだ!』

 ニャオーーン!

 会場ホールの入場扉を、襖や障子を破るかの如く破壊して、ボクらの大きな「お友達」が登場した!
 
 



 『ハッハ!何だい、あれは?さすがはJapanimationの国だ!最高だな!』
 モニター越しにこの様子を見て、手を叩いて喜んでる人物が居る。いくつかの回線を巧みに経由して自分の場所を分からない様にしている。
 薄暗い部屋の灯りは不規則に積み並べてある多くのモニター、床には宅配ピザの箱やスナック菓子の袋がそのままに散らばってる。

 『あの子、いいなぁ~。そうだ、あの子を捕まえた奴に賞金5億、誰が捕まるかで、また「賭け」の始まりだ!BIG Dreamは終わらないYo!』

 『もはや、お前に見る夢など無い…。』

 『誰!』

 振り返ったその顔は恐怖に驚く、まだ幼さが残る少年だった。




 『コノ、ジャマナノ、トッチャウネ!』ニャンバロンが金網に手をかける。

 『駄目だ!あぶない!』挑戦者の一人が猫型ロボット(大型)に叫ぶも間に合わない。

 『エ!ナーニ?オジサン。』
 触れた金網の部分が一瞬「バチっ」て、火花が出たがまるで大丈夫!
 『アレ?コワシチャッタ?』


 甲板では上空より「ヘルーダッシャー」が着陸、陸を!海を!空を!「ファイタス」の意思で駆け付ける頼もしい「相棒」。
 麻酔銃や催眠ガス砲も装備している。
 さなから何処かの救助隊二号機の様に。
 同時に中から救助支援小型ビークルロボ「フレイダー」十三機が出動する。
 目指すは船底の白雪姫の元へ。鋼の十三人の小人たちの活躍が始まる。

 

 『お終いだ、これでは息子は助からない。』挑戦者の一人が膝を付いて嘆いている。
  
 『クロトラさん、お前の奥さんと赤ちゃんは二葉たちが助けるから安心しろ。 ん?おじさん何泣いてる?』
 
 『あぁ、お嬢ちゃん。私はこのトラを殺した賞金で息子の手術をするつもりだったのさ。でも、そのトラも子供を守るためにここに居ると知ったら、もう殺せない…。』

 『手術?そんなにお金が掛かるとは?その医者、きっと藪医者なのだ!』(個人の見解です。)

 『とても難しい手術なんだよ。』(個人の見解です。)
 
 『リリがもっといいお医者さん教えてあげるのだ!「森猫」でいつもいる「先生」なら「速い」「上手い」「安い」から。』
 (個人の見解です。)




 『よろしくお願いしますね!小人さんたち。』小さいながらも力持ちのフレイダーたちは動物を閉じ込めた檻を自分たちの家「ヘルーダッシャー」に運ぶ。
 安全の為、睡眠ガスで動物たちは眠り、見張りの雑魚は二葉の魅力で…は無く、水鉄砲型麻酔銃で夢の中だ。

 既に山王院系列の動物園に連絡した。多数のRed Data Animalと聞いてかなり驚かれたらしい

 『レディ、他にも助けるべき生体反応を見つけた。「マンチカン」に報告を頼みたい。』

 『わかりましたの。今度はどんな子ですか?』可愛い小動物かな?不謹慎だけど楽しみ!

 『人間の子供達だ。』 え?


 『………ましょう。ファイタス。保護対象をヘルーダッシャーに全員乗せたら。東京大渓谷に!』二葉の口調が変わった。顔を伏せている。

 『それは承認出来ない。』
 ファイタスには聞こえていた、自分には可能だからこそ、二葉の為にもそれは、やりたくない。

 

 『イイぞ、コレ沈めるぞ!この「影狼」がな!』


 『お兄様!え!「マンチカン」で指揮されていたのでは?』

 『ん、変わって来た。アイツに。』



 『ふん、自分が遊ばれる立場にならないと「反省」とか「後悔」とか「理不尽」とか覚えないでしょう。あんな連中は!私の可愛い妹を悲しませた報いを与えなさい!』

 『Yes、舞ーLord 』 
 「キグルミ」ことメイド隊専用装甲服を纏った「九院 岬」をはじめとする「黒猫」たちは、新たな指揮官に敬礼する。
   「北代 舞華様 専用 「緋華」」と名打った「母のお古」の強化改良型装甲服を纏い、怒りの眼差しで、モニター上のターゲットを睨みつける。

 指揮官席に脚を組んで座り、隣に立つパトリシアに尋ねる。

 『まさかアノ船に山王院の誰かが乗っているとか?無いわよね。』と聞くと、

 『今日はチョウナイ清掃の日と聞いていましたので問題無いかと。』ニコッ。

 『あら、上手い事言うのね。貴女、もし良ければ私の所で働かない?』ニコッ。

 あー、コレ私も怒られるヤツだ~って思う岬さん、怒りで舞華ちゃんのダークな面、引っ張り出しちゃった。


 『なんだよ、この子たちは?』

 会場の「イベント」の挑戦者たちもヘルーダッシャーの救護ルームに避難して来たが既に先客がいた。
 服と呼べるのか?汚れたボロ布をまとい、身体のあちこちには傷や痣など、首輪をした子供たち。
 「フレイダー救命型 コロン」たちが対応している。まるで野戦病院の様だと思った。
 奥の方では動物たちが保護されていた。

 『水上警察、海上自衛隊、海上保安庁、近隣の警察署、マスコミなど、匿名でお呼びしました。「パーティーが有るよ!」って。』
 
 『全員、撤収。いつもの「カード」、忘れずペッタンしてね。』




 腕のたつ用心棒でもいたら、
 
 「お前の腕前も世界じゃ二番だー!」
 「一番は誰さ?」
 「ウチの親父だ!馬鹿ヤロー!」ってやりたくて、張り切って来たのに、ニャンバロンとリリが無双してた。

 ファイタスは今回、サポートに徹してる。
 今回の目的は「証拠品」を公に晒して、秘密裏に処分されない為。非合法な遊びに参加して弱い立場の人達を遊びの駒にしている連中の「顔」を公にする事。
 
 そして、ごくごく普通のお巡りさんや自衛官さんが「悪の手先」に酷い目に遭わない様に対抗戦力を無力化する事。

 大型輸送船は「黒猫」のおねえさん方が制圧していた、出番が無いのでこっちの豪華客船に来たが、有る意味「ハズレ」、有る意味「大当たり」だ!

 会場では銃を構えた連中がリリや「おっきなくろとらん」を囲み、
 『逃げられると思っているのか?馬鹿め!』

 『うん、リリ思ってるよ!  ‥それと「馬鹿」じゃないモン。』

 あ、泣かしたな!

 『出来ないと思ったら出来る事も出来無くなるけど、出来ると思ってヤれば出来ない事だって出来るんだモン!』

 『ウチのリリをいぢめましたな。』
 『ウチのリリちゃんを泣かしたわね!』
 『ウチのリリちゃんを泣かせましたわね!』

 『リリチャンイジメタ!ユルサナイ!』

 『ジッちゃが言ってたのダ!リリなら頑張れば何だって出来るって!』



 『レディーリリ、貴女に涙は似合いません。』お前冷静だな。

 
 『女の子はデリケートに扱いなさい!』っと言いつつ、暴言ヤローをタコ殴りするチーム「レッドタビー」のみなさん。

 『撤収します。早くパパを赤ちゃんに合わせてあげましょう、リリちゃん。』

 
 各hoe Justiceな方々に後は
丸投げし、撤退。

 想定内外有りながら、各「チーム」の目的は果たした。

 客船にも貨物船にも武闘派な警備員や用心棒もいない、緩い警備だな。おそらく自分達が本当に狙われるなんて思っても無いのかも?
 
 連中が弱いのか?ウチらのメイドさんが強いのか?後者だな。

 『組織としては、まだ未熟と言う処でしょうか。急に大きくなった所為か、連携がなってないし、報連相が出来てない証拠です。』
 悪の組織にも報連相って必要なのね。


 
 『よーし、みなさん戻ったら楽しいお父さんのお説教タイムです。みっちゃんたちも全員参加だよ。』

 『え?』マンチカンの通信モニターには、母さんがスマホで撮影中の、我が家のリビングでまさに今お説教されてる華と親父殿が映し出された。

 『新入りもいるんだろ?チャ○ランだっけ?』モニター越しにガン飛ばしする親父殿。
 
 『ニャンバロンだよ!』

 リリだけわかって無い。






 廃工場など工場地区の土地を良心的な価格で買取した結果、
 
 『良い機会だし、もう工場を閉めるからウチも買い取ってくれないか?』と申し出る方々が現れた。
 『今、受けている仕事はよろしいのですか?』

 『金に困って受けた仕事何だが、従業員に不評でね。』

 仕事だから手は抜かないが、作っていて楽しく無いそうだ。

 どんな物を作っているか見学させてもらって気になった?

 後はこの手の事に詳しそうな人、「ゴンパパ」さんとか?


 『で、権藤さんに聞いたら「ヤバい物だから、お父さんに見せた方が良い。」との事でした。』

 『聞いてないよ。華さんや?』

 『ケン兄、華ちゃんを責めないで。悪いのは実働試験を兼ねて、各「サポーター」の起動承認した僕の責任だからね。』

 『翔太、お前は後で別にお仕置きだ!速斗と藍さんには許可はもらってる。』
 
 「サンオー重機」「警備会社SAN-O」そして製薬会社「山王chemical」の3社兼任の開発部主任
 その名は「時村 翔太」
 マルチな天才、お嫁さん募集中だ!

 『何がお嫁さん募集中だー!だよ?反省しろってゆうーとろーがっ!』マルチ天才は否定しない。


 週一で「森猫」に来る翔太さんは「特許」とかたくさん有ってる。山王院系列の会社にも多大な貢献をしている…この七、八年くらいで。
 
 権藤さんにサンプルを見てもらっている時、たまたま来た翔太さんが今回の作戦を立案した。

 この後、戻ってきた舞斗達と「黒猫」や「レッドタビー」の約二十名のメイドさんも一緒に怒られた。
 
 『ロボまで使うなー!』
 『久しぶりだな!マスター。』
 『リリチャンパパ、ニャンーバロンノオトウサンヲユルシテクダサイ。』

 『あー!もうー!メイド隊はメイド長に処遇を決めてもらう。ウチの子たちは久美に任せた。 …ん?戦貴はどこよ?』


 『あの~、センさまは遠方に~。』

 『どこ?』

 『割と近所の海外です。』パトりんがシラっと誤魔化す。

 『大使館か?』米軍基地とか止めろよ!国際問題は起すなよ!

 『そっちは心配しないで、話しは着いたから。えっへん!』
 
「この天才馬鹿が!」


 子供の頃は良い子だったのに、大人になったら「賢いアホな大人」になってしまった、と 苦悩する父に申し訳無い気持ちで猛反省。

 『司法取引って事で。あちらも身内から「揉め事」を出したく無いからね。あちらの機関に「問題児」を引き渡したよ。』
 得意げにしてるが、おそらくそれで済まない気がする。

 『そもそも、ファイタスは「特警」預かりだろ?何でいる?』
 『定期メンテナンスだよ!お里帰りってヤツ。僕じゃないとデリケートな部分は無理だからね!』

 『あと、「メインクーン」じゃないだろ、この「ニャン太」は!企画書はこんなんじゃなかった。これじゃ「ヤッ○ーニャン」だよ。』

『さすが!わかっつゃた?途中で「小さい子が泣いちゃった」話を聞いて、試しに二種類作ってみた。大丈夫!ニャンーバロン分は僕のポケットマネーで作りました。』
 

 このあたりで、お父さんが具合を悪くし、寝込んだ。



 後日、みんな其々怒られ直した。

 一部のメイドさんがご迷惑をお掛けして申し訳無いと「森猫」に目出たく?出向となり、

 『予定通りです。』とパトりん。気持ちは舞華専属メイドらしい。
 『兄が怖くて。』と岬姉。
 
 世間では、大物芸能人が薬物所持で逮捕、人気の若手実業家が脱税と詐欺容疑で逮捕、人権派の政治家が買春行為で逮捕、など続けての逮捕騒動で海外でも資産家の犯罪関与などマスコミは暗いニュースばかり報じているのだが、
 
 ここに来て明るいニュースが、
 
 「困難な手術で諦め掛けていた子供の命、天使の御告げと天才外科医によって助けられる!」とネットニュースで取り上げられ、ちょい話題になっている。 

 また、深夜早朝にネコ○スを見たとか、月夜に疾走するタコ焼き屋のキッチンカーを見たとか?そこのタコ焼きを食べると幸せになれるとか、ほっこり都市伝説が広まっている。

 華ちゃんが「工場地区再生計画」で忙しい中、有能なパトリシアが「森の猫さま」に出てくれたのは本当に助かる、普通にスタッフの制服を着ているし。


 

 あと、お兄ちゃんと二葉ちゃんはお父さんの「元上司」って人に船を沈めようとした事を怒られて、「エージェント」として研修する事になったよ?

 えっ?ナニが有りました?
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