猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜それ別の階デスネ!?

猫寝 子猫

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いらっしゃいませ!ようこそ『森の猫さま』へ。

エンディング〜それは新しい物語の始まり…もう始まってますよ!

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 連日、「森猫」はごっついオジ様や、切れ物のイケメンさんがそれとなくお父さんに会いに来て、猫たちの「お出迎え」の犠牲者になる?

 まぁ昼過ぎにはお父さんは古本屋の店番もあるので、そちらが混み合う様だけどね。 


 先日、涼子ちゃんから「森猫」のホームページに天音ちゃんと子猫の写メが届いた。あちらで保護猫をお迎えしたらしい。
 また捨てられた犬猫の保護活動のボランティアに参加している事も告げられていた。
 
 あと、オタサークルの…まっコレはあとでいいかな。
 
 福ちゃんが天国に行ってから、我が家の猫たちを「森猫」に連れて来るのをやめる事にしました。
 お役め終了と言った所かな?

 もう充分人馴れした保護子猫たちもほぼ成猫に近い大きさになったし、次はこの子たちが新しい子たちを人といる事の楽しさや暖かさを教える番だから。

 いつも福ちゃんがいたソファには、福ちゃんが好きだったネコ缶が置いてあり、その周りに「サヨナラ、福ちゃん。」「大好き。」「またね。」などのメッセージカードがたくさん添えられている。
 花束は猫が口にすると危険なものがあるので遠慮なく禁止した。知らずに花束を持って来た場合はカウンターで受け取り、メッセージカードを渡しているよ。

 新たに保護猫を向かい入れ、新体制の「森猫」。

 その後「南場 良子」の消息はわからない。
 本当に彼女は消えてしまったのか?

 もしかしたら、ネコの姿でお婆ちゃんを見守っているかもしれない。

 彼女もまた「ふうな」ちゃんと同じ「猫娘」だったのかな?







 地方TV CMマニアな不在気味店長からの宅配便を開封しつつ、今度の件を思い返す。

 舞斗と二葉はあの後、この件に関わった悪党を追って追って追いつめる事にしたらしい。

 『地獄を見せる!』のだそうだ。地獄節だな、ギター覚えな。
 
たが、この認識が甘かったと知った時には色々面倒臭い事となる、
 町のチンピラを〆るくらいだと思ってたから…


 舞華は涼子さんと交流を始めた様だ。彼女は今、母親と暮らしている。まぁ、あの御人好しの「山田」なら心配無いだろう。


 『ねぇ、お父さん。』優斗、いたのか?出番少なくてごめん、次メインの話し有るからね。
 優斗は最近、古本屋にちょくちょく来る様になった。本の仕分けを手伝ってくれたり、閉店時間近くに集まる「地域猫」たちの世話などしてくれている。

 『お父さん、僕ね、お兄ちゃんたちから話しを聞いて思った事が
有るんだ。聞いてくれたら嬉しいんだけど。』
 
 『ん?どうした。勿体ぶるな?おケツが痒くなるだろ。言ってみそ。』

 『うん、色々不思議な事や腑に落ちない事だらけだよね?特に「渡部」のオジサンは何かに怯えている様な感じで。』

 渡部は、 
 
 今、入院している。

 今回様々な犯罪に加担している事、自身が犯した事、全てなのかは、分からないが悪事の数々が露見した。

 特に部下に非合法な商売をさせていた事は以前から警察が捜査を進めていたが中々証拠や実態が掴めず、今回匿名で証拠となり得る資料が持ち込まれ、逮捕に踏み切った。
 また警察内に協力者がいた事なども考慮して相当な大物かと慎重に取調べを行うも、言っている事は支離滅裂、偏った価値観、理由もなく自信家でこれがお芝居なら大した役者だとベテラン刑事もお手上げだった。
 終いには取調べ中に錯乱、気を失い病院に担ぎ込まれる。

 どうやら長引きそうだ。

 一応、監視は付けているけど。

 今回、工場地区の廃工場など犯罪の温床になった不可動な施設はなんと山王院グループが全て買い取る事になった。
 但し
 華を支持する傘下と華と対立する彼女の従兄弟を支持する傘下の2グループである。

 前者はシングルマザーを応援したいと「託児施設」とデイケアやショートステイなど利用出来る「老人介護施設」、町のみんなが安らげる「森林公園」などを計画している。
 後者は「大型商業施設」を計画している。アミューズメントやアウトレットなど近隣からも利用者を取り込み、町の経済向上を売りにしている。雇用率も上がり、ホームレス支援にも繋がると強気だ。


 また山王院のジジ様に厄介事を丸投げされそうだ。

 そんな中で気になるのがやはり
 「良子」の事だ。

 舞華達が預かってきた小箱、中身は小さいぼろぼろな首輪と手紙だった。俺宛てと言う訳ではなく、俺をとおしてある人物に頼みたい、そう言う事らしい。

 内容は、
 「父を亡くし、母のわたしは病に伏し、愛する女性は辛い事情を抱えて、自分のチカラでは、家族を守れないと苦悩していた息子が、ある日一人の女の子を連れて帰って来ました。首に硬い首輪、服どころかボロ布をまとい、よくみれば細かな傷やアザが有り、今まで劣悪な環境にいた事は間違いありません。息子が言うにはゴミ捨て場の影に隠れて震えていたらしいと、警察に届ける前にお風呂や食事を与えたいと連れて来たのだと。」と、所々涙の跡が有る。

 『お父さん!もしかしてこの子、ふうちゃんの兄弟じゃないかな?』
 『まぁ待て、まだ続きを読むから。』

 「食事を与える前にその苦しそうな首輪を外そうとしましたが、かなり硬い素材で、この子を傷付けない様ハサミで慎重に外しました。首輪の苦しさから解放されると、余程お腹を空かしていたらしく貪る様に食べ出し、落ち着くと『ありがとうございます。』と泣きながらお礼を言うのです。その時、私達の心は決まりました。この子は私達で育て守っていくと。」

 警察に届いたとしても、この子がまた同じ目に遭うかもしれない。そんな気がしたそうだ。
 思い切って他所の土地に逃げて、そこで全てをやり直すことにしたらしい。
 その選択が正しかったのかは、俺にはわからない。恋女房と可愛い子供達と猫たちに囲まれた俺みたいな幸せ者がこの人たちに何を言えるか。


 しかし、数年後
田辺慎司は、元の場所に戻って廃工場に住み着き、南場秋はパート先で急な発作で倒れ亡くなり…

 『手紙、ここで終わってる。続きは直接話したいってことかな?』近日中に影丸と一緒に伺うとしよう。

 もう一つ、あの醜悪な首輪。
内側に何か文字の様なモノが刻まれている。梵字か象形文字か、さっぱりだ。材質もよくわからん?余程苦労して断ち切ったのだろう、切断跡がぼろぼろ。こう言うの詳しい奴誰だっけ?文字ぽっいのは朝霧さんに聞いてみるか。



 まだ内密だが、 
 警察は今回明らかとなった事件および、それに関与した警察関係者を公表する。もっとも十二分に証拠固めや事実調査を終えてからだが。

 匿名でお願いしても、「森猫」にオッさんが連日来店されている事で「情報提供者」がバレバレなのは隠さないけど。これで世の中少しでも良くなればな。
 でも捜査の外注はさせないでね。

 今回、懇意になった刑事の剣崎さんは「森猫」と「スピカ」の常連客になった。

 「スピカ」でもバイトを雇いたいとか言って新名が揃いのエプロンを用意してるとか。

 「スピカ」といえば、
 先日、可愛い妹さんを連れた「涼子」さんが謝りに来たらしい。
 そこで彼女は俺の自慢の妹からある真実を聞く。後ほどな。



 『フウナちゃんは兄弟で「能力に目覚めた」のは自分だけって言っていたけど、実はまだフウナちゃんの兄弟以外にもいるんじゃないかな?「不思議の国」の人が。』
 んー?そんなロマンチックをくれる摩訶不思議アドバイザーな人たちが団体さんでいらっしゃるのかい?

 『最近ね、異世界転生とか召喚とか、スローライフとかのラノベとかマンガを見るんだけど、』
 『どこで?優くん?』
 『え!えっと、お父さんたちの書庫。ごめんなさい!逝けなかった?』
 『そのチョイスなら良し。それから?』どのチョイスは駄目なの?はー○む系とか?

 『それでね、よくあるのが「勇者パーティー」や「高ランク冒険者パーティー」で、
 一人役立たずだからみんなから追い出されるんだけど、その人が居なくなったらパーティーが急に弱くなるんだ。
 実は役立たずだと思われていた人こそ、パーティーを強くしていた高スキルの持ち主だったんだ。
 もしかして「良子」さんがその「役立たず」呼ばわりされてた人なんじゃないかな?』

 ん~?いい着眼点だと褒めてやりたいが本当にそんなマヌケな連中がここまで広範囲に犯罪を起こせるのか?
 
 それとも、マヌケな連中に見切りを付けたか?「役立たず」の人。既に別の所で無双していたりして?
 
 あの「山王院の時」の様に。

まさかな?規模が違う。

 あれ?でも結果は某ドーム十数個以上の土地は山王院が大義名分手で入れた。裏に誰がいるのか?



 『お父さん、やっぱり「チグハグ」だよ!ここは「名探偵」に登場してもらわないと!』優斗、やめなさい。
 それこそ、あの男がこの雑居ビルの屋上でこの街を見下ろしながら、その長髪を風に靡かせ、
 
 『この街を泣かせる奴は…』
とか言ってる映像が浮かんできてまう。俺、砂場で倒れる役?





 後日、ある廃工場の敷地からこの数年捜索願いの出ていた人物達の遺体が発見された。
 
 元工場地は土壌汚染などの確認から、施設建設前の調査で地中から発見された。

 
 ヤバ、地元の刑事さんだけに止まらない事態かも?

 


 『風間警視、例の件で動きが有りまして。ただ今お時間、よろしいですか?』

 『どうしましたか?勿体ぶって。何か不足の事態でも有りましたか?』

 『警視の御実家は鶴亀町とお聞きしましたので、よもやと思いまして。』

 『歯切れが悪いですね?ハッキリ言って良いですよ。』彼がこんな時は私に言いたく無いが、報告せざるえない場合だが、しかし少し楽しそうなのは何故だ?

 『警視は「猫」はお好きですか?』
 
 『猫?ですか。はぁ、まぁ取り立て嫌いでは無いですが?それが何か有るのですか?』

 「猫」と聞いて毒気を抜かれた気分だが?そう言えば最近、子供達が「猫カフェ」に行きたいとか言っていた様な。

 『実は有る情報提供者が「猫カフェ」の責任者らしく、その「猫カフェ」が鶴亀署管内でして。』

 『成程、それで私に気を廻したと、そう言えば知人の娘さんが「猫カフェ」で働いてい……君、その「猫カフェ」、同じビルに?』

 『はい、「水神探偵事務所」が有ります。
 そこの所長があの「一文字 影丸」、警察学校を主席の成績で卒業する前日に自主退学した警視の同期の御学友で、
 あの「山王院」の番犬、「北代 建一」氏が調査員をしていた、あの「水神探偵事務所」です!』

 へー北代くん、番犬って呼ばれているんだ?「山王院」の。最近会ってないし、娘のご機嫌取りも兼ねて伺ってみますか。
 
 あ、彼、北代信者だったかも?
 



 『おじ様、こんにちは。あ、優斗くん、久しぶりだね。元気してた?』
 
 『おう、祭ちゃんか?なんだ?お待ちかねの品物ならまだ入荷して無いぞ。』

 『祭お姉ちゃん、もうこんばんわ、かもだよ、久しぶり。そうだ、僕送ってあげるから、猫の晩御飯あげるの一緒にやらない?』

 『あら、素敵なお誘いね!どうする?嵐、万葉?』

 『私たちが優ちゃんのお誘いを断るなんて「有り得ない」でしょ、ねぇマホちゃん?』

 『ん、お、お兄ちゃん、こんばんは。』
 
 良平んちの姉妹と速斗んちの嬢ちゃんか、上の子たちは大学生だっけ?卒論の資料として探していた古書がウチに有ったとか、次の入荷を待ってるとか。


 『マホちゃん、こんばんは。マホちゃんは猫さんは好きかな?』優斗がお兄ちゃんスキル全開で幼女に微笑む。

 『万葉は猫さん好きよね~、お兄ちゃんと同じくらいにね。』

 これだと「猫のこと」をお兄ちゃんと同レベルで好きなのか、
 「お兄ちゃん」を猫と同じくらい好きなのか? あえて言うのも野暮だな。
 
 薄暗い店内が急に艶やかになったよ。友人の娘っ子も可愛いもんだ。 
 いや、もちろん実娘も可愛いけどね。


 


 あの日、上級生が私の教室に凸した日。私は先生に事情を聞かれる為に残された。
 
 この一件から、先生たちは「渡部 涼子」ちゃんがイジメの首謀者と認識して、「高町 貴子」ちゃんはイジメから解放された。

 そして私に対する嫌がらせが始まる、傘が折られた時は流石に親に連絡が入った。

 そして、
 親に叱られた上級生に私は、
強引に体育倉庫へと連れ込まれた。  
 後日分かったのだけど、普段は安全上、倉庫は施錠されているのに、開いていた。
 
 その時、初めて「渡部 涼子」と顔を合わせた!
 
 『アンタの所為でいい迷惑よ!』

 ほかにも知らない男子上級生もいた。この事が知れたら今よりもっとマズイ事になるとは考えないの?
 まずお兄ちゃんやその友達がタダでは置かない。
 その前に「私」が「無事」に帰さ無い。
 変質者対策で華月ちゃんちの道場で「急所への攻撃」を実戦訓練している。ただし子供相手に使わない事と注意されている、大人になった時に赤ちゃんが作れなくなるかもだからだ。


 『みんな!やめて!』
 タカちゃんの声!

 なんでも、クラスの「あるグループ」とあまり素行の良く無い男子たちが見当たらない、「生意気な下級生を懲らしめる」とか言っていたと聞いて先生達が探しているらしい。
 タカちゃんも以前嫌がらせを受けた場所を探していたらしい。
 もうすぐ先生も駆けつけてそうだ。やれやれ、私の「武勇伝」はまたの機会に。

 なんて余裕ぶってないで、私はすぐタカちゃんの側に向かうべきだった。
 
 『何よ!アンタも私に逆らうの!』渡部涼子の恫喝に取り巻き女子が反応して、
 『そうよ!こんな時だけ良い格好するんじゃ無いわよ!』とタカちゃんを突き飛ばした。
 『きゃ!』タカちゃんはその先にいた男子にぶつかった、その時に発育の良いタカちゃんの胸が男子の体に触れた。
 顔を赤らめる男子、思わず両手で抱きしめる様に胸を庇うタカちゃん。そんなタカちゃんをまた今度は渡部涼子が突き飛ばした!

 『何イチャイチャしてるのよ!馬鹿じゃないの!』

 『何すんの!タカちゃん大丈夫!』この時タカちゃんは腕で胸を覆っていたので、受け身も取れずに倒れてしまった。

 『タカちゃん?』返事が無い?
倒れてるタカちゃんに駆け寄り、抱き上げる。 
 『!』額から血が!
 頭を打った時に何かで切ったのだ。薄暗いのでよくわからない、私は叫ぶ!
 
 『誰か来てー!タカちゃんが、大怪我したー!先生ー!先生!』

  『な、何よ?大袈裟に騒がないでよ!そんなの大した事無いわ。』よく見ずに渡部涼子が怒る?しかし、

 『ぎゃーー!血が!血が!』
 一人の女子がタカちゃんの顔を覗き込み、叫び声を上げた。しかも同じく見ていた別の女子はその場にペタリっと座り失禁してしまった。
 『うわぁー!』大声をだして逃げた男子を見つけ、先生がやっと来た。



 『ごめんね、こんな事になるとは思わなかった。』
 
 私の視線の先、倉庫の外にいる子。アレは誰?

 右往左往している先生や先徒はあの子に気付いて無い、いや渡部涼子はあの子を見ている、そして

 『違う、違うの!そんなつもり無い!だってあの子が!』


 その後、タカちゃんが救急車で運ばれ、私も念のために病院に。

 その後の学校の様子はお兄ちゃんや友達から聞いたけど、もうすぐ卒業を控えて、あまり騒ぎ立てず携わる上級生たちは、卒業出来るギリギリの日数停学となった。
 
 処分に不服な親は転校を検討したがこの時期の転校は不自然と考慮し、中学は地元公立の進学を変更して、可能な限り別の中学に進学した…らしい。

 渡部涼子は元々、有名私立中学を受験して入学を予定していたが、
 そこが「藤ノ宮高等学校附属中学校」だった。
 しかし、この年この名前は改名され、渡部涼子の入学も取り消される。

 彼女の受験合格は不正なものだったから。

 もちろんこれは、個人情報!
 殆どの人は知らない話し、今回被害者として「北代家」に報告された後始末の話し。

 この頃、お父さんが一文字のオジ様を通して、華ちゃんの叔父さまから華ちゃん達の警護と山王院の大掃除を頼まれた。

 報酬は「藤ノ宮」を買い取って新たな理事長になってもらう事。
 
 それまで「藤ノ宮」の利権やブランド名を利用して甘い汁を貪ってる連中は叩き出したって、
 しかも私達が通っている小学校にもその人達と通じていた先生もいたらしい。
  
 翌年、「山代学園」と改名された…お父さんが高道オジ様は命名センスが無いって、そう?お父さんといい勝負では?

  「山王院 高道」
 つまり華ちゃんの亡くなったお父さんのお兄さんで「山王院」の次期当主候補。
 そして華ちゃん達の支援者。
 
 現在の当主は華ちゃんのお爺ちゃん、二葉にだけ甘い

 「山王院 鷹上」

 ウチのお爺ちゃんより年上みたいで、華ちゃんの一番嫌いな人らしいけど。

 あの事がきっかけで…と言うではなかったみたいだけど、この辺りの学校でウラで悪い事していた人が捕まったり、飛ばされたり、色々有ったけど、子供達が心配しない様に配慮していたみたい?

 「下地が出来た。」って誰か言ったような。
 
 私が大体の事を知ったのは小学校を卒業する時、「あの子」を見かけた。
 
 あの時は副担で、今は担任の先生が卒業の年に教えてくれた。
 
 ウチの小学校は「山代学園」の「附属小学校」に統合される。

 私と華ちゃんはもちろん、優斗と二葉ちゃんは小中高、山王院の学校に通う事になる。
 
 元々「藤ノ宮」には行くつもりだったけど、これで成績さえ落とさなければ「元藤ノ宮」の「山代」に「進級」の形で通える!

 お兄ちゃんはどうかな?

 まぁ、どうにかしたんだけど。
 
 

 タカちゃんと救急車で病院に連れて行かれた日

 お父さんが病院に来て、私を見つけ早歩きで近づくと、
 
 『心配したんだ。ゴメンな、そばに居てやれなくて。父親失格だな。』
 
 怒られるかと思った。
 初めて見た、お父さん泣いてた。本気で思う、お父さんは私を怒らない、叱らない。
 でも、愛して無い…って思った事がある。

 ごめんなさい、お父さん。

 お父さんは私の事、信じて見守ってくれていたのに…。

 お父さん、執事服を着て、何か知らない人みたい、カッコイイとか漠然と思った。

 気が付いたら私はお父さんに抱きつき大泣きしていた。
 



 『何か有ったら、教えてくれる約束だったろう?』俺はソイツの胸ぐらを掴んで問い詰めた。

 『ず、すい、すいません、まさか、ここまで拗れていたとは!』

 『使えないなら、邪魔だけはするな。高道さんに言っとけ、あの子たちも俺が預かる。山王の連中は腑抜けてる!』

 これは八つ当たりだ、わかっちゃいるが期待もしていた。

 「お前の裁量にまかせてやる。」
 雇い人は高道先輩だが、俺にそう言い捨てたジジイの言葉を利用した。

 『爺さんの許しは頂いてますから、これからは好きにさせて貰いますって高道さんに伝えなさいな!』手を離すと連絡係はぺたんっと地面に腰を落とした。

 『ごほ、ごほ。何をなさるのですか?貴方は!』

 『使えないのなら、使える「元山王院の忠臣」に返り咲いて頂くまで。』



 

 お父さんが華ちゃんと二葉ちゃんを家に連れて来た。遊びに来たとかで無く、一緒に暮らす為に。
 何故かメイドさん1人、ワンコが13匹、後から九院さんが来た。

 『すんばらしーデスっ!何ですか!この毛並みの良さはー!』
 
 ヒメに目を奪われる変態さんはのちに山王院の執事長になる九院さんと、
 
 『兄が変態ですみません。』っと言う割に、お兄ちゃんと優ちゃんを溺愛固めしているメイドさんの岬さん。「ショウタロウコンプレックス」って何?28号って何のこと?


 『お前らー↓、仕事してー↓、ヤル気無いなら帰れー↓。まだワンコ達の方が有能だぞ。』


 ワンコなんて可愛い呼び方してるけど、シェパード、ドーベルマン、土佐?の大型犬が一般家庭の庭としては、そこそこ広いスペースを有効にパトロールしている。
 
 その内の一匹がウチのヒメと仲良くしてる?あの子雌?何かお腹大きくない?

 猫屋敷が犬屋敷になりました。


 最初、私と華ちゃんは最悪なタイミングで出会うけど、一緒に暮らしてお互い誤解してた事が分かった。

 「ねえ、私たち協力しない?私の山王院乗っ取りに協力してくれたら舞華の夢に協力してあげる!」










 『舞華!舞華!ねぇ大丈夫?』

 あれ?華ちゃんが育った?

 『休憩室で寝るのはいいけど、時間過ぎないでね。あとヨダレ垂れてる。』
 
 「森猫」の休憩室でいつの間か寝てたみたい。夢から覚めて、何か懐かしいような、悔しいような、切ない思いが気持ち悪い!

 『ん~。お昼食べ過ぎたかも?華ちゃん、水有る?』

 『ほら、お茶でいいか?』
 『うん、ありがと。ゴクゴク?ん?』
 あれ?今のって!
 ぷぷっと華ちゃんが笑いを隠し切れず、顔を背けている。
 『!センにぃ⁉︎なんでいるの?』あれ!今のペットボトル、蓋緩かったけど?

 『ここに配達が有ってな、丁度華に会ったから次いでにここまで運んだ。』優しいセンにぃらしいけど。

 『大丈夫か?顔が赤いぞ?』

 センにぃが私のオデコに手を当てる、ああ。
 華ちゃん、へるぷ。
 
 『戦貴兄さま、配達はココが最後なのでしょ?お急ぎで無ければお茶でもどうですか?』

 『いや、スピカで父さんが待っている。一緒に昼食を食べようと誘われているんだ。』

 『そうですか、今日はウチに戻ってこられるのですか?』
 
 『そうするよ。』
 『ですって。良かったわね、舞華。ん?舞華?』


 ペットボトルの蓋が緩いって事はデスよ?飲みかけだったって可能性があり、戦貴兄様のお飲みかけだった訳で、それを私が飲んたら…か、か、間…ぷしゅ~。



 『あら?やだ舞華、また寝ちゃいましたわ。』

 『どれ、疲れているのか?色々有ったらしいな。華は大丈夫かい?』
 
 『えぇ、ご心配ありがとうございます、兄様。ところで…先程のペットボトルは?』

 『ん、あぁ、俺の飲みかけを渡してしまったか。舞華、気を悪くするかな?』ぷぷぷっ!
 『それは有りませんから、大丈夫ですわ、兄様!』



 目が覚めたら、センにぃが居ない?夢か?夢よね!

 『店長!大丈夫Deathか?先程、主成分の半分が優しさで出来てそうなお兄さんが心配してましたよ?飴ちゃん貰いました!』

 それ、間違いなくセンにぃ。


 それにしても、後輩ちゃんの
「主成分の半分が…」って面白い表現だけど。
 そうか、誰が見てもセンにぃは優しい人って印象なんだ……、印象か?

 もしかして、いやいやいや、でも


 私とお兄ちゃん、同時には「良子」ちゃんに会ってないなぁ?

 確認するか、お兄ちゃんと二葉ちゃんは一緒に「良子」ちゃんと会っている。

 写真とか無いかな?無ければ似顔絵とかでも?
 
 何となく、私とお兄ちゃんたちの「良子」ちゃんの印象が違うような?

 まさか、「良子」が二人いるとかないよね?





 
 朝霧家の娘たちにふうなの子猫を託し、それを口実に元同僚を引き込んだ、
 
 首輪の事を知りたくて!

 「都市伝説」に詳しい方々なら聞いた事は無いだろうか。

 「小鳥箱」では無く
 
 「コトリバコ」、


「子取り箱」ではないかと言われている強力な呪いのアイテムだ、
そんな物と同等なモノを平気で子供に使う。
 
 『ヤバい連中なのは確かだけど、俺たちも相当「ヤバい」奴らだし。』

 俺は出来れば、気楽に生きていたいんだ。やらなくて良いことはやらない主義なんだ。

 だとしても、ソレを邪魔するのなら。
 
 『一度、大掃除が必要かな?』

 『ん?何か言ったか?』
 店の本を興味深く見ては、手に取り読み耽る。刑部の興味を引く物がある様だ。

 『なぁ、セン坊元気か?』
 
 最近、俺があの古本屋の店番をしていると知ってから「インチキ祈祷師」の刑部がちょいちょい店に顔を出してる。まぁ想定内だし。

 『ん、何なん?いきなり?』
 『アイツの力も必要かもよ?』

 『駄目です。ウチの子に危ない事させません。』

 『俺は良いのか? …なぁ、怒るかもしれんが、あくまで俺の見解だけど。』
 『何なん?』
 『あの首輪の件と、戦貴くんと初めて会った時の状況と似てないか?』

 刑部が神妙な顔つきで話し出す時はろくな話では無い。
 
 『どこがさ?似てるか、首輪とかしてなかったぞ。』

 『方向性って事。幼女に服従させる為に呪いの首輪付けるとか、村人の幸せの為に「忌み子」とか「罪人の血筋」とか言って「村人の穢れ」を全てあの子に負わせる慣しとか、昭和ミステリー臭的な?』連続殺人事件が起きるヤツな。

 『探偵なら、今いないよ。大学で犯罪心理の特別講義の依頼でな。』

 『あの人、何気に凄いな。』
  
 『誰か凄いのかい?』

 『げ!風間?何だよ、警察のお偉いさんがこんな埃臭い所に何の用だ?』刑部、五月蝿い。

 『よぉ、良ちゃん。忙しくて来れないって祭ちゃんから聞いてだけど?』
 
 『親友に会いに来るのに、ちょっと張り切ってさ!』恥ずかしいな。
 
 『恥ずかしいな。お前!』いっちゃったよ、刑部!
 『朝霧、居たのか?立ち読みなどせずに購入して、さっさと帰って境内の掃除でもしていたらどうだ。』

 『姉さんみたいな事言うな!』


 『懐かしいーな!この下り。あの頃みたいだ。』
 
 三人共、顔を見合わせて大笑い!


 『猫部だっけ?まだ有るのか、あの溜まり場?』

 『ん、鍵は華に渡した。舞斗は無くしそうだし、舞華は要領が悪い、昔からな。』

 『悪童の集まり、未だ健在か?あ、そうだ、ケンちゃん?』良平、「ちゃん」はやめて。

 『ん、何なん?』

 『インターポールに知り合いとか居るかな?』

 『いくら北の字でも、…!』

 『いるけど何なん?』

 『いるのかよ!』

 『いや、二人とも知ってる奴だって!ジミ助だよ。』

 『ジミー・ウィルソンか!』
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