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㉗ 旅立ち〜ユズっち終章。
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「今日はごめんね、変な話しばかりして。」
「気にすんなよ、割といつもの事だから。」
「…そ、そうなんだ?」
一緒にお昼を食べ、ネコたちとお昼寝までした彼女のお子様たちは、そのまま起こすのも可哀想とそっと抱き上げて、迎えに来たパパの車でもぐっすり夢の国だった。
パパさんに今日の釣果を聞くと、坊主だったそうだが、周りの釣り人はそこそこ釣れていたそうで、何かいけなかったのか悩んでいたので、仕掛けを聞くと擬似餌を使っているとの事。
なので生前ウチの父はよく【アメリカザリガニ】を捕まえてからソレをエサにしていたとアドバイスしたら、大変驚いていた?
彼女たちが帰る間際に妹が、
「あの、コレワタシが作ったんです、小夏ちゃんと太浪クンに!
あ、パパさんとママさんの分も入ってますから!」
3時のおやつに用意してあったサツマイモモンブランをお土産に持たせ、
「じゃあ、また遊びに来てよ。」
「ええ、また。」
と、簡単な挨拶だけ交わして見送った。
もし、高校時代に彼女が転校しなければ、今俺の隣にいたのは美咲では無かったかも知れない…
いや、あの父親がいる限りは難しかったかな?
おっと、このまま終わってしまうと誤解されそうで、一応言っておくが決して重苦しい話しだけしていた訳ではないよ。
例えば同じクラスだった〇〇くん、今はあの高校で先生してるよとか、あの二人結婚したよとか、まぁ月並みな思い出話はしたつもりだけど?
一応、頼まれ事をされた?
「…元サヤとか無いよね?」
「俺は美咲たん一筋だお。」
嫁がいつに無く可愛い事を言うので、可愛く返した。
…最近も宗教絡みの事件で、大きく報道されていた事があったが、【困ったときの神頼み】なんて言うが、逆に【困った人を量産している】ような事になってないかな?
その晩、何か俺と美咲は目が冴えてしまい、布団の中でかなりエキサイトしてしまった。
「…あん、ワタシも小夏ちゃんみたいな可愛い女の子が欲しいよ~!」
「俺は元気なら男でも女でも構わないけど?」
確かにそろそろ子供も欲しいな?
翌朝、
「…今朝、あの場所にいってみた。
ひとまずワルさする様な霊体は無くなったし、呪具の類いもほぼ回収出来た。」
と、ユズっちから報告を受けた?
なんだ、夜中に出かけていたのか?
…なんで?
「…ほぼ?
完全じゃないんだ?」
「見てくれだけの【無害】なモノはあえて残しておいたのだ、急に全部持ち去ると、新たに持ち込まれるやも知れんし、またちょくちょく様子を見に来るので大丈夫だと思うぞ?」
確かに最近、あの辺りでは以前に比べると不審者情報がメッキリ減ったようだし、ご近所トラブルもあまり聞かないとか?
「…名残惜しいが、明日出ていく。
世話になったな。」
「えぇ~!
いいじゃん、ずっとココにいても!
ココ、ユズっちのベースにして良いからずっといなよ!」
こちらは本当にずっと居てくれても構わないし、ユズリハがいてくれたら朱野ちゃん達も遊びに来てくれるかも知れない?
「なら、せめてお別れパーティーとかやりませんか?」
英理が目に涙を溜めて懇願すはる?
「な、何も泣かんでも良いだろ⁈」
「じゃあ決まりですね!」
…某日、主だったメンツを呼んでユズリハの【送迎会】を行った。
ついにはユズリハも泣いてしまった、時々立ち寄ると約束させて…?
「…オジ様、お邪魔しますね!」
今日は【あけノン】こと朱野ちゃんが、学校学校帰りに立ち寄ってくれた?
「…(私服かわゆい!)、悪かったね朱野ちゃん、木苺パイ食べる、自家製だけど?」
「わ~い、食べま~す!」
今日あけのんが我が家に来てくれたのは、ユズリハからあるモノを預かって届けに来てくれたからだ?
元三条さんから相談されて、俺が思い付いてユズっちに頼んでいたモノ…?
「もぐ…もぐ…、オジ様、ユズリハ姐さまの【悪霊退散】や【破邪牽制】のお札なんて何に使うんですか?
ソレ、強力過ぎて悪霊はモチロン、下手すると守護霊サンも離れちゃうカモですよ?」
「…え、そんなに?」
それならソレでいいかも?
「なんなら、ワタシが書きますよ、朱野特製【家内安全・幸福招来】のチョーハッピーなおフダですよ!」
ナニソレ、普通に欲しいんですけど?
「そうだね、念の為にソレも貰えるかな、お代はちゃんと払うからね!」
後日、佐藤さんの家に訪れる、お札を渡す為に。
「この可愛い方のお札をあまり目立たない所に貼っておくと良いよ、それでもダメなら最後の手段でこれかな?」
「…任せてくれって、このお札の事だったの?
…私が相談したかったのは…」
「ネコを飼いたいんだろ?
昔からみたいに、この家でさ?」
子供達にせがまれたそうだが、何やらトラウトがあるらしく…
「この家で暮らしていた時に、あんなに可愛がっていた子たちが居なくなったの…、部屋の中も荒らされていたから、警察は転売目的でペットを盗む泥棒もいるからって、でも父はきっとあの連中だって…」
それで誰にも何も伝えずに引っ越したそうだが…
「でもお父さんも亡くなって弁護士先生から、もう大丈夫って言われたからこの家に戻ってきたんだろ?」
何でも伯父である先生がこの家を今まで管理していてくれたそうだ、いずれ戻ってくる彼女の為に…
「そうなんだけど、お札を貼るって言うのは、なんか【宗教】みたいで、胡散臭く…」
俺が折角持って来たモノにケチを付けた様になり、口籠る彼女。
当然と言えば至極当然だ!
「コレね、この子のお手製なんだ、ほら!」
俺はスマホを取り出し、少女巫女の画像を見せると彼女の表情が少し明るくなった。
「…えっと、本物の巫女さんなのかな、この子?」
神社を背景に俺たち家族と一緒にダブルピースしている巫女服のあけのん、ファンが見たら羨ましがるのは当たり前⁈
「…気休めでも構わないし、この辺りの治安は以前と比べるとさ、かなり良くなっているそうだからさ、でも防犯意識はしっかり持っておいた方が良い。
ココは田舎町とは違うからね。」
そして、すかさず自分の会社が提携している【警備会社】を紹介した!
「神頼みとか、あやふやなモンには頼らないよ。
後で旦那さんにも、コレ渡しといてよ。」
続いて、この地域の【消防団のススメ】なる小冊子を渡した。
「…コレって?」
仮に消防団とは名されているけど、この地域で運営している【自衛団】の様なモンで町内会の活動の一つだ。
田舎の青年団みたいなのだ。
「ちょっとこの地域さ、少し前まで治安に不安なところがあってさ、それで地域住民の方々で防犯パトロールとか、清掃活動とか協力していこうって事なんだ!
で、この間のイベントでは【家庭用防犯ベル】とか【児童用防犯ブザー】とか試作品の展示とかしてたんだよ、風船配りながらね!」
「…あ、あれ、そうだったんだね?
もう何の展示か覚えてないよ?」
アレね、あのイベントね、元々地元地域の人も治安が悪いのは自覚していたみたいだ、犯罪の抑止の為にも住民たちが頑張っていきまっしょっいってイベントだったんだよね!
そんなんでイベントには、暮らしを見守る警備会社や、アイデアバッチリの防犯アイテム製造販売の会社、その他そんな感じの企業さんが協賛していたのでした。
まぁウチの会社もパッケージのデザインやカタログの作成なんかで協力していたので、俺は着ぐるみを被っていたんだが?
「これからは、ご近所の皆さんと協力して、今の暮らしを守ってよ。
それでも何かヤバい時はその時専門家にお願いするから!」
この地域の【悪い気】の様なモノはかなり薄まったそうだから、大丈夫だとは思う。
カタログを見ながら、今夜にでも旦那と相談してみるそうだ。
我が家でも夫婦の大切な相談事は【夜】と決まっているしな。
彼女がこの家で父親と暮らしていた当時、まだ怪しい宗教が多くは無かったが、逆に際立ったモノが残っていたのかも知れないし、もうそれは信仰でも宗教でも無い別の何かだった…
良くも悪くも【集団】とは大きな力なんだ、それに対抗、または駆逐するには同等かそれ以上の力が必要なのかも知れない …まぁ気休めくらいにはなるだろう?
それに彼女には大きな存在が味方に付いてる訳だし。
「…ソレと子猫なんだけど、その朱野ちゃんの神社に【迷い猫】がいてね、貰い手を探しているそうだよ。」
…疲れた。
色々と気を使って…
元三条さんは近日中に家族であけのんのおウチ、某神社に行って見るそうだ。
さて、
弁護士先生の話しでは、すでに普段から親しくしているその道のプロの人に頼んで、彼女とその家族の身辺を影ながら、秘密裏に警護しているのだとか?
実際、怪しいのを一人捕まえて色々吐かせたら、海外に潜伏していた【架空請求】や【オラオラ詐欺】組織の幹部の情報を入手出来たそうだ?
(…入手して、その後どうしたんだろうか?)
なので、おそらくこの先彼女ら家族に害を為す【個人・団体】様はいないと思われる…多分な?
ただし、あくまで彼女達には【秘密裏】である。
だから、その為の【気休め】だったんだけどね。
少なくとも、怪しい教祖より、可愛い少女巫女のご加護の方が何万倍も癒されると思ったのだけど?
ダメかな?
「…ただま~。」
おかえりなさいを言って欲しいのだが、何やら家の中が賑やかで、聞こえなかった様?
よく見ると玄関にかわうぃうぃお靴が二つある!
なるほど。
「朱野ちゃんと伽羅ちゃん、いらっしゃ……?」
「うむ、おかえり。
ん、どうした?
ワタシの顔に何か付いているか?」
「…口元にクリームついてるぞ、
…ユズリハ。」
来客は四名、あけのんと伽羅ちゃん、了子ちゃんにソレとユズっちだった?
「…す、すいません、またお邪魔して⁈
そこで、ユズリハさんにお会いして、そしたら朱野ちゃんたちもお邪魔していて…」
了子ちゃんが恥ずかしそうに説明してしてくれた。
「…いいよ、此処が【実家】だと思ってちょくちょく遊びに来てよ。」
すると、
「ただいま戻りました~!
えっと、ちょっとお高いカップアイス買って来ました~!
あ、アレ、お兄さん今おかえりですか?
ヤベ、お兄さんの分は無いや?」
しんちゃん、女子のパシリかよっ!
別室でユズリハと二人で話しをする事に…
「最近、ナントカ雛芥子除草されとったぞ?
もうあの場所、怨念とか呪いとか大丈夫なのか?」
「此処に来る前に探ってきたさ、ほぼ許容範囲以下だな、完全なゼロに成る事は無いが、気にしなければどうと言う事も無い程度だ。」
だそうだ?
よくわからんが心配しなくても良いって事はわかった。
「…ソレでな、ご主人殿?」
「…ん、どした?」
「…いや、やはりやめておくか?」
「なんだ、気になるな?
口にしたんだ、最後まで言いなさいよ?」
「…そうか、なら…
またしばらくココに世話になっても良いか?
…実はな」
「もちろん、良いぞ!」
「食い気味だな⁈
最後まで言わせんか⁈」
理由とか訳とかはどうでもいい!
またしばらく賑やかになるなら。
とさ。
「気にすんなよ、割といつもの事だから。」
「…そ、そうなんだ?」
一緒にお昼を食べ、ネコたちとお昼寝までした彼女のお子様たちは、そのまま起こすのも可哀想とそっと抱き上げて、迎えに来たパパの車でもぐっすり夢の国だった。
パパさんに今日の釣果を聞くと、坊主だったそうだが、周りの釣り人はそこそこ釣れていたそうで、何かいけなかったのか悩んでいたので、仕掛けを聞くと擬似餌を使っているとの事。
なので生前ウチの父はよく【アメリカザリガニ】を捕まえてからソレをエサにしていたとアドバイスしたら、大変驚いていた?
彼女たちが帰る間際に妹が、
「あの、コレワタシが作ったんです、小夏ちゃんと太浪クンに!
あ、パパさんとママさんの分も入ってますから!」
3時のおやつに用意してあったサツマイモモンブランをお土産に持たせ、
「じゃあ、また遊びに来てよ。」
「ええ、また。」
と、簡単な挨拶だけ交わして見送った。
もし、高校時代に彼女が転校しなければ、今俺の隣にいたのは美咲では無かったかも知れない…
いや、あの父親がいる限りは難しかったかな?
おっと、このまま終わってしまうと誤解されそうで、一応言っておくが決して重苦しい話しだけしていた訳ではないよ。
例えば同じクラスだった〇〇くん、今はあの高校で先生してるよとか、あの二人結婚したよとか、まぁ月並みな思い出話はしたつもりだけど?
一応、頼まれ事をされた?
「…元サヤとか無いよね?」
「俺は美咲たん一筋だお。」
嫁がいつに無く可愛い事を言うので、可愛く返した。
…最近も宗教絡みの事件で、大きく報道されていた事があったが、【困ったときの神頼み】なんて言うが、逆に【困った人を量産している】ような事になってないかな?
その晩、何か俺と美咲は目が冴えてしまい、布団の中でかなりエキサイトしてしまった。
「…あん、ワタシも小夏ちゃんみたいな可愛い女の子が欲しいよ~!」
「俺は元気なら男でも女でも構わないけど?」
確かにそろそろ子供も欲しいな?
翌朝、
「…今朝、あの場所にいってみた。
ひとまずワルさする様な霊体は無くなったし、呪具の類いもほぼ回収出来た。」
と、ユズっちから報告を受けた?
なんだ、夜中に出かけていたのか?
…なんで?
「…ほぼ?
完全じゃないんだ?」
「見てくれだけの【無害】なモノはあえて残しておいたのだ、急に全部持ち去ると、新たに持ち込まれるやも知れんし、またちょくちょく様子を見に来るので大丈夫だと思うぞ?」
確かに最近、あの辺りでは以前に比べると不審者情報がメッキリ減ったようだし、ご近所トラブルもあまり聞かないとか?
「…名残惜しいが、明日出ていく。
世話になったな。」
「えぇ~!
いいじゃん、ずっとココにいても!
ココ、ユズっちのベースにして良いからずっといなよ!」
こちらは本当にずっと居てくれても構わないし、ユズリハがいてくれたら朱野ちゃん達も遊びに来てくれるかも知れない?
「なら、せめてお別れパーティーとかやりませんか?」
英理が目に涙を溜めて懇願すはる?
「な、何も泣かんでも良いだろ⁈」
「じゃあ決まりですね!」
…某日、主だったメンツを呼んでユズリハの【送迎会】を行った。
ついにはユズリハも泣いてしまった、時々立ち寄ると約束させて…?
「…オジ様、お邪魔しますね!」
今日は【あけノン】こと朱野ちゃんが、学校学校帰りに立ち寄ってくれた?
「…(私服かわゆい!)、悪かったね朱野ちゃん、木苺パイ食べる、自家製だけど?」
「わ~い、食べま~す!」
今日あけのんが我が家に来てくれたのは、ユズリハからあるモノを預かって届けに来てくれたからだ?
元三条さんから相談されて、俺が思い付いてユズっちに頼んでいたモノ…?
「もぐ…もぐ…、オジ様、ユズリハ姐さまの【悪霊退散】や【破邪牽制】のお札なんて何に使うんですか?
ソレ、強力過ぎて悪霊はモチロン、下手すると守護霊サンも離れちゃうカモですよ?」
「…え、そんなに?」
それならソレでいいかも?
「なんなら、ワタシが書きますよ、朱野特製【家内安全・幸福招来】のチョーハッピーなおフダですよ!」
ナニソレ、普通に欲しいんですけど?
「そうだね、念の為にソレも貰えるかな、お代はちゃんと払うからね!」
後日、佐藤さんの家に訪れる、お札を渡す為に。
「この可愛い方のお札をあまり目立たない所に貼っておくと良いよ、それでもダメなら最後の手段でこれかな?」
「…任せてくれって、このお札の事だったの?
…私が相談したかったのは…」
「ネコを飼いたいんだろ?
昔からみたいに、この家でさ?」
子供達にせがまれたそうだが、何やらトラウトがあるらしく…
「この家で暮らしていた時に、あんなに可愛がっていた子たちが居なくなったの…、部屋の中も荒らされていたから、警察は転売目的でペットを盗む泥棒もいるからって、でも父はきっとあの連中だって…」
それで誰にも何も伝えずに引っ越したそうだが…
「でもお父さんも亡くなって弁護士先生から、もう大丈夫って言われたからこの家に戻ってきたんだろ?」
何でも伯父である先生がこの家を今まで管理していてくれたそうだ、いずれ戻ってくる彼女の為に…
「そうなんだけど、お札を貼るって言うのは、なんか【宗教】みたいで、胡散臭く…」
俺が折角持って来たモノにケチを付けた様になり、口籠る彼女。
当然と言えば至極当然だ!
「コレね、この子のお手製なんだ、ほら!」
俺はスマホを取り出し、少女巫女の画像を見せると彼女の表情が少し明るくなった。
「…えっと、本物の巫女さんなのかな、この子?」
神社を背景に俺たち家族と一緒にダブルピースしている巫女服のあけのん、ファンが見たら羨ましがるのは当たり前⁈
「…気休めでも構わないし、この辺りの治安は以前と比べるとさ、かなり良くなっているそうだからさ、でも防犯意識はしっかり持っておいた方が良い。
ココは田舎町とは違うからね。」
そして、すかさず自分の会社が提携している【警備会社】を紹介した!
「神頼みとか、あやふやなモンには頼らないよ。
後で旦那さんにも、コレ渡しといてよ。」
続いて、この地域の【消防団のススメ】なる小冊子を渡した。
「…コレって?」
仮に消防団とは名されているけど、この地域で運営している【自衛団】の様なモンで町内会の活動の一つだ。
田舎の青年団みたいなのだ。
「ちょっとこの地域さ、少し前まで治安に不安なところがあってさ、それで地域住民の方々で防犯パトロールとか、清掃活動とか協力していこうって事なんだ!
で、この間のイベントでは【家庭用防犯ベル】とか【児童用防犯ブザー】とか試作品の展示とかしてたんだよ、風船配りながらね!」
「…あ、あれ、そうだったんだね?
もう何の展示か覚えてないよ?」
アレね、あのイベントね、元々地元地域の人も治安が悪いのは自覚していたみたいだ、犯罪の抑止の為にも住民たちが頑張っていきまっしょっいってイベントだったんだよね!
そんなんでイベントには、暮らしを見守る警備会社や、アイデアバッチリの防犯アイテム製造販売の会社、その他そんな感じの企業さんが協賛していたのでした。
まぁウチの会社もパッケージのデザインやカタログの作成なんかで協力していたので、俺は着ぐるみを被っていたんだが?
「これからは、ご近所の皆さんと協力して、今の暮らしを守ってよ。
それでも何かヤバい時はその時専門家にお願いするから!」
この地域の【悪い気】の様なモノはかなり薄まったそうだから、大丈夫だとは思う。
カタログを見ながら、今夜にでも旦那と相談してみるそうだ。
我が家でも夫婦の大切な相談事は【夜】と決まっているしな。
彼女がこの家で父親と暮らしていた当時、まだ怪しい宗教が多くは無かったが、逆に際立ったモノが残っていたのかも知れないし、もうそれは信仰でも宗教でも無い別の何かだった…
良くも悪くも【集団】とは大きな力なんだ、それに対抗、または駆逐するには同等かそれ以上の力が必要なのかも知れない …まぁ気休めくらいにはなるだろう?
それに彼女には大きな存在が味方に付いてる訳だし。
「…ソレと子猫なんだけど、その朱野ちゃんの神社に【迷い猫】がいてね、貰い手を探しているそうだよ。」
…疲れた。
色々と気を使って…
元三条さんは近日中に家族であけのんのおウチ、某神社に行って見るそうだ。
さて、
弁護士先生の話しでは、すでに普段から親しくしているその道のプロの人に頼んで、彼女とその家族の身辺を影ながら、秘密裏に警護しているのだとか?
実際、怪しいのを一人捕まえて色々吐かせたら、海外に潜伏していた【架空請求】や【オラオラ詐欺】組織の幹部の情報を入手出来たそうだ?
(…入手して、その後どうしたんだろうか?)
なので、おそらくこの先彼女ら家族に害を為す【個人・団体】様はいないと思われる…多分な?
ただし、あくまで彼女達には【秘密裏】である。
だから、その為の【気休め】だったんだけどね。
少なくとも、怪しい教祖より、可愛い少女巫女のご加護の方が何万倍も癒されると思ったのだけど?
ダメかな?
「…ただま~。」
おかえりなさいを言って欲しいのだが、何やら家の中が賑やかで、聞こえなかった様?
よく見ると玄関にかわうぃうぃお靴が二つある!
なるほど。
「朱野ちゃんと伽羅ちゃん、いらっしゃ……?」
「うむ、おかえり。
ん、どうした?
ワタシの顔に何か付いているか?」
「…口元にクリームついてるぞ、
…ユズリハ。」
来客は四名、あけのんと伽羅ちゃん、了子ちゃんにソレとユズっちだった?
「…す、すいません、またお邪魔して⁈
そこで、ユズリハさんにお会いして、そしたら朱野ちゃんたちもお邪魔していて…」
了子ちゃんが恥ずかしそうに説明してしてくれた。
「…いいよ、此処が【実家】だと思ってちょくちょく遊びに来てよ。」
すると、
「ただいま戻りました~!
えっと、ちょっとお高いカップアイス買って来ました~!
あ、アレ、お兄さん今おかえりですか?
ヤベ、お兄さんの分は無いや?」
しんちゃん、女子のパシリかよっ!
別室でユズリハと二人で話しをする事に…
「最近、ナントカ雛芥子除草されとったぞ?
もうあの場所、怨念とか呪いとか大丈夫なのか?」
「此処に来る前に探ってきたさ、ほぼ許容範囲以下だな、完全なゼロに成る事は無いが、気にしなければどうと言う事も無い程度だ。」
だそうだ?
よくわからんが心配しなくても良いって事はわかった。
「…ソレでな、ご主人殿?」
「…ん、どした?」
「…いや、やはりやめておくか?」
「なんだ、気になるな?
口にしたんだ、最後まで言いなさいよ?」
「…そうか、なら…
またしばらくココに世話になっても良いか?
…実はな」
「もちろん、良いぞ!」
「食い気味だな⁈
最後まで言わせんか⁈」
理由とか訳とかはどうでもいい!
またしばらく賑やかになるなら。
とさ。
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