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ソレでは良い人生を⁈

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 どうやらオレは死んだらしい、ただソレが神様たちからするとだったらしくて、その所為で色々と問題が起こっているらしい?


 一応、生き返らしてもらえるらしいのだが…

 「さて、ここまでお話しして大変な事が起こっている事は分かって頂けたと思います。」

 「はぁ、一応は。

 それでですね、実は一つ疑問が有るのでお尋ねしても良いですが?」


 「…ええ、構いませんよ。
 大体予想してましたから、

 アナタの「記憶」の事ですね。」



 「ハイ、その通りです。

 「俺」、自分の事を全く覚えていない。

 死んだら、皆さんそうなんですか?
 お二人と話していると、何か違和感が有るのですが?」

 そう、オレはこのお二人を知っている様な?
 
 「あら、意外と冷静に見てるじゃない。
 その通りよ、普通は生前の記憶って、次に生まれ変わる直前まで残っているモノなのよ。」

 女神サマの軽く馬鹿にしたが逆に確信した。

 
 「…なら、何故オレは?」


 「今回、アナタが亡くなった事自体がイレギュラー想定外ですからね。
 それが「記憶」が無い事の原因かと思われますが?」


 記憶が無いと言っても、
 信号は「赤は止まれ、青は進め!」とか、
 食事とは「人が良くなる事」と書くとか、
 愛とは「躊躇わない事」とか的な事は憶えている。


 「今回の事は本当に、
 実に本当にかなり異例ですので、様々な方面で多大な影響が出ました。

 それを修正する為に、アナタには大変申し訳ありませんが、ココとは違う世界場所に生まれ変わって頂きます。

 異世界転生ですね。」


 「えっ?」
 

 「本当ならアナタ、曾孫のオムツをニコニコしながら取り替えてる余生を送るはずだったのよ、

 人間にとっては、それだけ長い時間なら、関わる筈だった人たちもたくさんいて、それだけの人の未来にも影響が出てしまう訳で、

 この先、アナタに出会えない事でその人の人生に大なり小なり空白ができてしまうのよ!

 その空白を補填する為に帳尻をあわせたら、別の世界にも少なからず「歪み」が出てしまったのよ。」

 正直説明されてもよくわからない。


 「とにかく、今度はそのを直す為にがその別の場所に産まれ変わらないといけないのですね?」


 「すいません、その通りです。
 本来なら元の世界で産まれ変わるのが当たり前と言うか、なのですが、それだけ今回はな事が起こったのです。」
 

 「稀なんですか、別の世界に生まれ変わる事は?」
 
 
 「そうよ、殆どが生前に果たせなかったを次の人生で叶えようと、よく似た環境に産まれ変わる事を希望するわ。」

 「なので、コチラも出来る限り希望に転生場所に誘導しているのですが、最近では「異世界転生」なるモノが流行っており、難義してます。」

 「難義ですか?
 あっ!
 担当が違うのですね?」

 他者のナワバリに余所者を捩じ込もうとして、担当の神様と揉めてしまうのだろうか?

 「そうですね、そう言う事も有るかも知れませんが、私たちが担当している『異世界』ならナワバリなど関係無いです。

 問題は、転生した方々から『クレーム』が多いのです。」

 「…クレーム?」


 「過去に他の神が担当した転生者が、想定外に早く亡くなったのよ!

 その殆どが「こんな筈じゃ無かった!」って、自分を「過小評価、又は過剰評価」していたの。

 無謀にモンスターを倒そうとして死んじゃうとか、
 自分の価値観で転生先の平和を乱したり、
 お陰でもう一度生き返らせたり、大きく乱したその世界の秩序を安定させたりと大変だったそうよ?」


 「それからは、異世界への転生には適正が無い者は行なってはいけないのルールが出来まして、それ以降は殆ど生前と同じ世界に産まれ変わってもらっていました。」


 ルール化するぐらいだから、きっと相当面倒な事だったんだろう?
 
 「なら、オレはが有った訳ですか?」

 「そこなのよ!」

 「どこです?」

 「打つわよ!」


 何故だろう、何かこのが懐かしいような、当たり前の様な?


 「今回、アナタを異世界に転生して頂くにあたり、適正を確認したところ、何故かアナタの魂がアチラ異世界の人間のモノとほぼ同じ状態に変化している事が判明したのです!」


 「??…すいません、何がナニやら?」

 「多分、多分よ⁈  
 アナタが想定外の死に方をした結果、魂魄が変質したらしく、歪みの修正が必要な世界の人と同質の魂、

 つまりは適正がほぼ100点で異世界人になってしまったのよ?」


 「もっと分かりません?」

 「…そうよね、言ってる私も訳わからないわ?

 あまりにも鹿らしくてね。

 …とにかく、元の世界に生まれ変わる事が逆に困難になるレベルの症例よ。手の打ちようが無いわ!」

 「病気みたいに言わないで下さい!」

 ったく、この女神サマは!

 仕方ない、どうせ記憶は無いんだ、どこで生まれ変わっても左程変わらない気がする。


 「異世界と言うから、今覚えているは役に立たないのですか?」


 「そうかもしれませんし、案外役に立つかも知れません。
 全てはアナタ次第ですが。」

 おや、男神さんらしからぬ曖昧な答え?

 何かのヒントだろうか?

 ソレとも例の禁則事項とやらかな?

 「とにかく悪いけど、元の世界でやり直す事は危険かも知れないとが判断したのよ。」

 「ああ、そういえば上司の方がいるんですよね?

 その方にも、ご迷惑をおかけしたなら一言お詫びを…いや、ご挨拶を!」

 「この馬鹿⁈」

 「ハハハ、きっとお喜びになると思いますが、今別件で手が離せないのでお気持ちだけ伝えておきます。」

 「そ、そうですか?残念です。」



 

 「では、名残惜しいですがそろそろ転生してもらいますね。」

 「の、望むところです!」

 これから行く異世界の事など説明を受けて、ついにその時が来た!


 「そうだ、ねぇアナタは何がいい?」


 「すきる?

 …ん~、別にいりませんよ。」


 「そっ。
 じゃぁ、元気でね!」

 「ちょっ、ちょっと待って下さい!」


 おや、男神さんがものすごい勢いで慌ててオレを引き止めた?


 「ちょっと何を考えているのですか!
 で生きていける程甘い世界では有りませんよ!」

 「でもオレは適正アリなんですよね!」
 
 「そうよ、適正100%なんて現地の人でもいないわ、ソレが良いのか分からないけど?」


 「なら、ソレで充分ですよ。

 過ぎたチカラは災いの元ですから。」


 「いいじゃない、元々モノは持たせてるのだから?」

 そうなのだ、実はオレ個人のは無くしてしまったが、何故かは引き続げる事になった。

 「でも、異世界転生や異世界召喚にですよ。

 「鑑定」とか「無限収納」とか!

 本当にいらないのですか?」


 「ええ、何故かモノでないと、ものすごい嫌悪感を感じるんです。」

 「…ソレって前世のでは有りませんか?」

 何故か男神さんが驚いた顔をしている、女神サマは「してやったり」みたいな顔でニヤニヤしている?

 「言われてみたら、そうですね?
 記憶が戻って来ているのですかね、このタイミングで?」


 そう、これからオレの異世界生活が始まる時が来たのだ。

 このは時間の流れがよくわからないのだけど、転生先をなるべく希望通りにとをかけて選定してくれていたのだ。

 まるで、友達と旅行に行く場所でも決めるかの様に…

 

 「わかりました、
 でも異世界に転生された方には必ずお渡ししていたので、
 もし後から必要と思ったらいつでもお気軽にお申し下さい、
 お一人様三つまでお渡ししてますから!」

 「この人の事だから、死ぬまで受け取らないわよ?」

 なんだかこんなやり取りが当たり前になって、名残惜しい。


 これから生きる世界は元の世界に比べると文明レベルは低いが「魔法」が存在して、「魔獣」や「妖精」がいるファンタジーな世界らしい。

 オレは特に裕福な環境は望まず、煩わしい権力階級と無縁な生活を希望した、その結果「農家」の家に産まれる事になった。

 何となく「土いじり」が好きだった気がするし、農家なら牛とか馬など家畜がいるかもしれない、動物は好きだったと思う。

 「ワガママを言ってすいません、色々お世話になりました。」

 「いえ、コレも仕事ですし、からね。」

 「本当よ、次は面倒ごとはにしなさいよ!」

 「止めろとは言わないのですね?」

 「…アナタの事だから、…無理でしょ、絶対?」

 「女神サマ、泣いてます?」

 「ば、馬鹿!そう言う所よ!」


 「では、そろそろ時間です、次のではあまり無理をしないでくださいね。

 ソレと必要と思ったら、遠慮なくスキル受取を申し出てください。」

 「…アナタ、しつこいわね?」



 「では行って来ます、本当に色々ありがとうございました、お元気で!」

 「そういうのいいから、さっさと行きなさい!
 今度こそ幸せにならないと、許さないから!

 絶対よ、絶対にのよ!」

 「はぃ?」

 「ホラ!早く行きなさい!」

 オレは女神サマに蹴り飛ばされて、意識が無くなった!


 

 次に目が覚めた時にはは母親の横で目が覚めた。

 ボクは農家の息子に生まれ変わっていた、
 優しい両親と祖父母がいる決して裕福では無いけど、
 暖かい家に産まれる事が出来た。



 
 


 

 「まだ泣いているのですか?」

 「う、うるさい!」

 「この後、まだと話さないといけないのですよ。」

 「そのくらい、アナタ1人でも大丈夫でしょ。行き先は絶対同じよ!」

 「でしょうね、だからこそですよ!」


 どうやら、神さまたちのお仕事はまだ終わっていないみたいです。
 
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