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サイボーグVSスナイパーVS・・・
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「はぁ、はぁ、はぁ」
セイナは切断されたアームで足を補強し、なんとか街を歩いていた。
「クソッ、このままじゃ勝てない・・・どっかに隠れなきゃ」
そう言ったところで、離れた所にある建物の屋上が、チカリと光ったことに気が付いた。そして、
「くっ!」
セイナは急いで遮蔽物の裏へダイブする。
するとセイナの頬を弾丸が掠めた。
「ちっ!スナイパーか!」
セイナは遮蔽物を盾にしながら建物の屋上を睨む。
距離は1000メートル程だろうか。そこにスナイパーがいた。
「・・・隠れたな。いい反応速度だ」
バトルロイヤル参加者、スコープ。裏社会では名の知れた凄腕狙撃手だ。
スコープはセイナに向かって引き金を引く。
ダァン!!という音と共に弾丸が放たれ、それは一直線にセイナへと飛んでいく。
「ぐわっ!」
少ししか頭を出していなかったが、奴の弾丸は正確にセイナの頭目掛けて飛んできた。サイボーグの反射神経で弾丸を何とか回避する。
しかし、その隙にスコープは次の弾を放ってくる。
「うぉ!?」
セイナは慌てて隠れる。
ダァン!!! と、またもや弾丸はセイナの近くを通り過ぎていった。
「くっそ!何とかしないと!」
だがこの距離、この状態、今のセイナにはどうしようもない。
「ふぅー・・・すぅ」
スコープは息を止める。そして狙いを定めた。
セイナは隠れているつもりだが、スコシダケ頭が遮蔽物からはみ出ていた。スコープはその少しを見逃さない。
そしてスコープが引き金を引く。引こうとした。のだが、
突如爆音が鳴り響き、スコープの後ろにあった建物が爆発した。
「っ!?」
大きな瓦礫が飛んでくる。寝転んでライフルを構えていたスコープはこれを避けれず、瓦礫に潰されてしまった。
そして爆煙の中から男が一人飛び出してきた。
「ちっ!鬱陶しい!」
黒い鎧で全身を包んだ騎士だ。
彼はこのバトルロイヤル参加者の中でも優勝候補にあがる程の実力者、ブレンだ。
そして煙の中から出てきたのはそれだけではなかった。
小型の追尾ミサイルがブレンを追っていたのだ。
「よっ」
ブレンは建物の屋上から空高くジャンプし、空中でミサイルの方へ振り返った。
「剣!十本寄越せ!」
するとブレンが言った通り十本の剣が一瞬にして現れた。召喚の類いだ。
そしてブレンが手をミサイルへ向けて振り下ろすと、その動きに連動して剣が飛んでいった。
空中で剣とミサイルが激突し、爆発する。
だがそんな爆風の中、一つの影がブレンへ向かって跳んできた。
金属の装甲で身を包んだバトルロイヤル参加者、ザークである。奴も優勝候補の一人だ。
ザークは落下中のブレンに追いつき、殴りかかった。
「戦鎚!」
ブレンの手にハンマーが召喚される。そしてそのハンマーを大きく振り、ザークの拳にぶち当てた。
両者の攻撃は相殺され、二人が地面に着地する。
「拳を割るつもりだったが、中々硬ぇなロボット野郎」
「ロボットじゃない。アンドロイドだ」
「つまりロボットだろ?」
「厳密には違う・・・まぁ、今から死ぬお前が覚える必要はない」
ザークの腕が変形し、エネルギー式のキャノン砲へ変わる。
「死ね!!」
そして熱線が発射された。
「おっと」
ブレンはそれを難なく避ける。熱線はそのまま真っ直ぐ進み、建物に当たって大爆発を起こした。
「わーお、当たったら死ぬなぁ」
ザークの腕から空になった電池が放り捨てられる。
「バッテリーは今のが最後か・・・じゃあ切り殺す」
今度はザークの腕がブレードに変形する。さらに背中の一部がパカッと開き、複数のミサイルが発射される。
「切り殺すとは」
そう呟きながらも、ブレンは冷静に盾を召喚した。
盾はミサイルを全て防いでくれたが、その隙にザークは接近していた。
ザークの蹴りが炸裂し、蹴りを防いだ盾ごとブレンを吹っ飛ばす。蹴りの威力はミサイル以上のようだ。
「ちっ!」
「ふんっ!」
ブレンが地面を足甲で削り、何とか止まったところにザークの追撃が入る。
「盾!」
ブレンは咄嵯に盾を自分の前に出して防御するが、
「!?」
ザークのブレードが光を纏った。
するとブレンの盾は焼けるように溶けながらブレードに切られていく。
「くそ!」
ブレンは盾を捨てて飛び退き、ザークから距離を取る。どうやらブレードにエネルギーを送り込むことで刃に熱を持たせ、盾を焼き切ったようだ。
「逃がさん!」
ザークが地を蹴り、ブレンに接近する。
ブレンは剣を召喚し、鉄をも溶かすブレードの攻撃を受け止めた。
剣から白い煙が上がり、ジューと焼けるような音がする。が、剣は溶けていなかった。
「あ?」
見ると、ブレンが召喚した剣の刀身は青白く光っている。
「魔法の剣か!」
「ご名答!」
ブレンが今持っているのは、魔法の掛けられた氷の剣だ。
それによりブレンの剣は熱に耐え、逆にザークのブレードの温度を下げたのだ。
「はっ!」
ブレンは鍔迫り合いを押し返し、ザークを後退させることに成功した。だがザークはすぐに体勢を立て直す。
そして再び斬りかかる。ブレンも応戦した。
超高温と極低温の刃がぶつかり合い、二つの刃は白い爆発を引き起こした。
「ゲッホゲホッ!」
白煙を振り払い、ブレンが姿を現す。
そんなブレンの目線の先がチカリと赤く光った。
「!」
嫌な予感のしたブレンは全力で体を反らす。
すると次の瞬間、赤いレーザービームが白煙を突き破って飛んでいき、ブレンの兜を掠めた。
「うぉ!?」
そのあまりの速さに驚きつつも、ブレンは攻撃の主を見る。
「避けるのか・・・予想外」
白煙が晴れて出てきたのは、顔の装甲を開けて頭部のレーザービーム砲を露出させたザークだった。赤い光を漏らすモノアイがギョロついていて何とも不気味だ。
「次こそ当てる」
ザークはもう一度レーザーを撃とうとする。
「槍!」
ブレンが叫び、彼の手元に槍が召喚される。
そしてブレンが槍を投げるために構える。それと同時にザークのレーザービーム砲がキラッと光る。
二人の攻撃が同時に放たれ、そして衝突する。
そして赤いレーザービームを、ブレンの槍が貫いた。
「!」
そして槍は真っ直ぐ飛んでいき、ザークの頭部を少し抉った。ギリギリで回避した為頭部はまだ全然残っているが、ビーム砲の無力化には成功した。
「くそっ!」
すると、ザークの腕部、背部、肩部、胸部、脚部が開いた。
「なら吹き飛ばす!」
そして無数のミサイルをブレン目掛けて発射した。それを見たブレンはすぐ行動に移る。
「剣!良い奴三本寄越せ!」
フワッと浮いた剣が三本現れる。そしてその剣達はプロペラのように集まって高速で回転し始めた。
「裂回斬!」
ブレンが回転する剣をミサイルの大群へ向けて放った。
三本の刃は横向きの竜巻かのように飛んでいき、大量のミサイルを巻き込んで爆発を起こす。
「うおっ!」
爆風が凄まじく、セイナは思わず目を瞑ってしまった。
爆発が収まり、両者一息つくかと思いきや、ブレンの回転する剣はまだ止まっていなかった。
爆煙を破って進み、ザーク目掛けて突進した。
「くっ!」
ザークは腕をブレードに変形し、剣を受け止める。が、まだ回転は止まらない。
「ぐ、ぐぉおお!」
ブレードにエネルギーを流し込む。
二つの高威力な攻撃がガリガリと競り合い続ける。
剣の回転は、ブレンが念力の魔法によって動かしているものだ。魔法に使う魔力も、ザークのエネルギーも無限ではない。どちらかが先に力を使い果たし、どちらかが絶対に殺られる。
「うぉおおおお!!」
「ぐぬぁああああ!!」
両者の力は互角で、どちらも引かない。
そして強大な魔力とエネルギーがぶつかり合った結果二つの刃は大爆発した。
爆風に吹き飛ばされ、ザークが天高く飛んでいった。おそらく死んだだろう。
「ふぅ・・・」
ブレンは一息付くと、次の獲物を探しに歩き出した。
バトルロイヤル セイナVSスコープ&ザークVSブレン
スコープ死亡 接戦の末ブレンの勝利
残り13人
セイナは切断されたアームで足を補強し、なんとか街を歩いていた。
「クソッ、このままじゃ勝てない・・・どっかに隠れなきゃ」
そう言ったところで、離れた所にある建物の屋上が、チカリと光ったことに気が付いた。そして、
「くっ!」
セイナは急いで遮蔽物の裏へダイブする。
するとセイナの頬を弾丸が掠めた。
「ちっ!スナイパーか!」
セイナは遮蔽物を盾にしながら建物の屋上を睨む。
距離は1000メートル程だろうか。そこにスナイパーがいた。
「・・・隠れたな。いい反応速度だ」
バトルロイヤル参加者、スコープ。裏社会では名の知れた凄腕狙撃手だ。
スコープはセイナに向かって引き金を引く。
ダァン!!という音と共に弾丸が放たれ、それは一直線にセイナへと飛んでいく。
「ぐわっ!」
少ししか頭を出していなかったが、奴の弾丸は正確にセイナの頭目掛けて飛んできた。サイボーグの反射神経で弾丸を何とか回避する。
しかし、その隙にスコープは次の弾を放ってくる。
「うぉ!?」
セイナは慌てて隠れる。
ダァン!!! と、またもや弾丸はセイナの近くを通り過ぎていった。
「くっそ!何とかしないと!」
だがこの距離、この状態、今のセイナにはどうしようもない。
「ふぅー・・・すぅ」
スコープは息を止める。そして狙いを定めた。
セイナは隠れているつもりだが、スコシダケ頭が遮蔽物からはみ出ていた。スコープはその少しを見逃さない。
そしてスコープが引き金を引く。引こうとした。のだが、
突如爆音が鳴り響き、スコープの後ろにあった建物が爆発した。
「っ!?」
大きな瓦礫が飛んでくる。寝転んでライフルを構えていたスコープはこれを避けれず、瓦礫に潰されてしまった。
そして爆煙の中から男が一人飛び出してきた。
「ちっ!鬱陶しい!」
黒い鎧で全身を包んだ騎士だ。
彼はこのバトルロイヤル参加者の中でも優勝候補にあがる程の実力者、ブレンだ。
そして煙の中から出てきたのはそれだけではなかった。
小型の追尾ミサイルがブレンを追っていたのだ。
「よっ」
ブレンは建物の屋上から空高くジャンプし、空中でミサイルの方へ振り返った。
「剣!十本寄越せ!」
するとブレンが言った通り十本の剣が一瞬にして現れた。召喚の類いだ。
そしてブレンが手をミサイルへ向けて振り下ろすと、その動きに連動して剣が飛んでいった。
空中で剣とミサイルが激突し、爆発する。
だがそんな爆風の中、一つの影がブレンへ向かって跳んできた。
金属の装甲で身を包んだバトルロイヤル参加者、ザークである。奴も優勝候補の一人だ。
ザークは落下中のブレンに追いつき、殴りかかった。
「戦鎚!」
ブレンの手にハンマーが召喚される。そしてそのハンマーを大きく振り、ザークの拳にぶち当てた。
両者の攻撃は相殺され、二人が地面に着地する。
「拳を割るつもりだったが、中々硬ぇなロボット野郎」
「ロボットじゃない。アンドロイドだ」
「つまりロボットだろ?」
「厳密には違う・・・まぁ、今から死ぬお前が覚える必要はない」
ザークの腕が変形し、エネルギー式のキャノン砲へ変わる。
「死ね!!」
そして熱線が発射された。
「おっと」
ブレンはそれを難なく避ける。熱線はそのまま真っ直ぐ進み、建物に当たって大爆発を起こした。
「わーお、当たったら死ぬなぁ」
ザークの腕から空になった電池が放り捨てられる。
「バッテリーは今のが最後か・・・じゃあ切り殺す」
今度はザークの腕がブレードに変形する。さらに背中の一部がパカッと開き、複数のミサイルが発射される。
「切り殺すとは」
そう呟きながらも、ブレンは冷静に盾を召喚した。
盾はミサイルを全て防いでくれたが、その隙にザークは接近していた。
ザークの蹴りが炸裂し、蹴りを防いだ盾ごとブレンを吹っ飛ばす。蹴りの威力はミサイル以上のようだ。
「ちっ!」
「ふんっ!」
ブレンが地面を足甲で削り、何とか止まったところにザークの追撃が入る。
「盾!」
ブレンは咄嵯に盾を自分の前に出して防御するが、
「!?」
ザークのブレードが光を纏った。
するとブレンの盾は焼けるように溶けながらブレードに切られていく。
「くそ!」
ブレンは盾を捨てて飛び退き、ザークから距離を取る。どうやらブレードにエネルギーを送り込むことで刃に熱を持たせ、盾を焼き切ったようだ。
「逃がさん!」
ザークが地を蹴り、ブレンに接近する。
ブレンは剣を召喚し、鉄をも溶かすブレードの攻撃を受け止めた。
剣から白い煙が上がり、ジューと焼けるような音がする。が、剣は溶けていなかった。
「あ?」
見ると、ブレンが召喚した剣の刀身は青白く光っている。
「魔法の剣か!」
「ご名答!」
ブレンが今持っているのは、魔法の掛けられた氷の剣だ。
それによりブレンの剣は熱に耐え、逆にザークのブレードの温度を下げたのだ。
「はっ!」
ブレンは鍔迫り合いを押し返し、ザークを後退させることに成功した。だがザークはすぐに体勢を立て直す。
そして再び斬りかかる。ブレンも応戦した。
超高温と極低温の刃がぶつかり合い、二つの刃は白い爆発を引き起こした。
「ゲッホゲホッ!」
白煙を振り払い、ブレンが姿を現す。
そんなブレンの目線の先がチカリと赤く光った。
「!」
嫌な予感のしたブレンは全力で体を反らす。
すると次の瞬間、赤いレーザービームが白煙を突き破って飛んでいき、ブレンの兜を掠めた。
「うぉ!?」
そのあまりの速さに驚きつつも、ブレンは攻撃の主を見る。
「避けるのか・・・予想外」
白煙が晴れて出てきたのは、顔の装甲を開けて頭部のレーザービーム砲を露出させたザークだった。赤い光を漏らすモノアイがギョロついていて何とも不気味だ。
「次こそ当てる」
ザークはもう一度レーザーを撃とうとする。
「槍!」
ブレンが叫び、彼の手元に槍が召喚される。
そしてブレンが槍を投げるために構える。それと同時にザークのレーザービーム砲がキラッと光る。
二人の攻撃が同時に放たれ、そして衝突する。
そして赤いレーザービームを、ブレンの槍が貫いた。
「!」
そして槍は真っ直ぐ飛んでいき、ザークの頭部を少し抉った。ギリギリで回避した為頭部はまだ全然残っているが、ビーム砲の無力化には成功した。
「くそっ!」
すると、ザークの腕部、背部、肩部、胸部、脚部が開いた。
「なら吹き飛ばす!」
そして無数のミサイルをブレン目掛けて発射した。それを見たブレンはすぐ行動に移る。
「剣!良い奴三本寄越せ!」
フワッと浮いた剣が三本現れる。そしてその剣達はプロペラのように集まって高速で回転し始めた。
「裂回斬!」
ブレンが回転する剣をミサイルの大群へ向けて放った。
三本の刃は横向きの竜巻かのように飛んでいき、大量のミサイルを巻き込んで爆発を起こす。
「うおっ!」
爆風が凄まじく、セイナは思わず目を瞑ってしまった。
爆発が収まり、両者一息つくかと思いきや、ブレンの回転する剣はまだ止まっていなかった。
爆煙を破って進み、ザーク目掛けて突進した。
「くっ!」
ザークは腕をブレードに変形し、剣を受け止める。が、まだ回転は止まらない。
「ぐ、ぐぉおお!」
ブレードにエネルギーを流し込む。
二つの高威力な攻撃がガリガリと競り合い続ける。
剣の回転は、ブレンが念力の魔法によって動かしているものだ。魔法に使う魔力も、ザークのエネルギーも無限ではない。どちらかが先に力を使い果たし、どちらかが絶対に殺られる。
「うぉおおおお!!」
「ぐぬぁああああ!!」
両者の力は互角で、どちらも引かない。
そして強大な魔力とエネルギーがぶつかり合った結果二つの刃は大爆発した。
爆風に吹き飛ばされ、ザークが天高く飛んでいった。おそらく死んだだろう。
「ふぅ・・・」
ブレンは一息付くと、次の獲物を探しに歩き出した。
バトルロイヤル セイナVSスコープ&ザークVSブレン
スコープ死亡 接戦の末ブレンの勝利
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