30 / 80
13才
しおりを挟む
アーシェンとアレンの13才の誕生日。
レイドから祝いの手紙と、綺麗な栞が投書箱に届いた。
祝辞と祝いの品が小さく申し訳ないと書かれていた。イシスが鎖国をしているせいで投書箱に入る薄い物しか贈れないのである。
イシス国では特別行事を祝う習慣がないため、誕生日でも普段と何ら変わらない日常だが、レイドからの手紙は嬉しかった。
「ふふ、きれい」
アーシェンはしばらく眺めてから机の上に飾った。
アレンはきちんと本に挟んで使用している。
レイドは手紙のやり取りに積極的で、アーシェン宛てにせっせと送ってきた。
最初は軍隊の報告書のような文章だったが、だんだんと一目でいいから会いたい、番に想いが伝わり幸せだ、結婚が楽しみで待ちきれない、と恋人に送るような内容になってきて、読んだ後は心拍数が上がってしまい部屋に籠もりベッドに突っ伏していた。
今回の手紙には、もう離れて数ヶ月経ち苦しいので個人的に会いに行きたい。イシス国を訪れる許可をいただきたいと書かれていたので、アーシェンは2人の王と父に聞いてみた。
「1人で行くなら3日で到着できるって書いてある。随分な道のりだったけど。狼ってすごいね」
「彼の原動力は愛の力よ」
ウルシュとノアは相変わらずだが、セーカはうらぶれている。子供にも妻にも大変優しい父なのだが、竜になって家出してから、どこかトゲのある性格になってしまった。
「はっ、皇太子もヒマなんだね。アーシェンにしょっちゅう手紙をよこすし、今度は遊びに来たいだって?招待もされていないのに図々しい」
「セーカ、君だって毎月のようにノアに会いに来てたじゃないか」
誰も招待してないのに、勝手に。
竜の姿のまま、予告なく王宮の庭に下りて来るから、ノアとウルシュの母で当時の女王が毎回、大慌てだったのだ。
とまでは言わなかったが。
「毎月?お父様が?」
アレンはグラーツでウルシュから聞いていたが、アーシェンは初耳、興味津々だ。
「この人も夫が無理なら、召使いとして雇ってくれって言ったのよ。数少ない竜だから絶対に役に立つはずだ。立ってみせるって」
「ノア、頼む。子供達の前ではやめて。」
「どうしてお父様、こんな素敵なお話!」
飄々とした父からは、想像できないアプローチだ。
「私はこんな格好いい竜の男性と結婚できて、最高に幸せ者よ。子供達のことは可愛がってくれるし、気が利く上、器用で私の世話も何でもしてくれるし、いつもいつも感謝していたの。旦那様ありがとう。」
愛する番のノアに褒め称えられ、セーカの機嫌はあっさり治った。
ノアとセーカ以外の3人には、私の世話も何でもしてくれるし、のところが引っかかっのたが。
双子の13才の誕生日は、竜人の父と番の母の恋物語を聞き、楽しく幕を閉じた。
レイドから祝いの手紙と、綺麗な栞が投書箱に届いた。
祝辞と祝いの品が小さく申し訳ないと書かれていた。イシスが鎖国をしているせいで投書箱に入る薄い物しか贈れないのである。
イシス国では特別行事を祝う習慣がないため、誕生日でも普段と何ら変わらない日常だが、レイドからの手紙は嬉しかった。
「ふふ、きれい」
アーシェンはしばらく眺めてから机の上に飾った。
アレンはきちんと本に挟んで使用している。
レイドは手紙のやり取りに積極的で、アーシェン宛てにせっせと送ってきた。
最初は軍隊の報告書のような文章だったが、だんだんと一目でいいから会いたい、番に想いが伝わり幸せだ、結婚が楽しみで待ちきれない、と恋人に送るような内容になってきて、読んだ後は心拍数が上がってしまい部屋に籠もりベッドに突っ伏していた。
今回の手紙には、もう離れて数ヶ月経ち苦しいので個人的に会いに行きたい。イシス国を訪れる許可をいただきたいと書かれていたので、アーシェンは2人の王と父に聞いてみた。
「1人で行くなら3日で到着できるって書いてある。随分な道のりだったけど。狼ってすごいね」
「彼の原動力は愛の力よ」
ウルシュとノアは相変わらずだが、セーカはうらぶれている。子供にも妻にも大変優しい父なのだが、竜になって家出してから、どこかトゲのある性格になってしまった。
「はっ、皇太子もヒマなんだね。アーシェンにしょっちゅう手紙をよこすし、今度は遊びに来たいだって?招待もされていないのに図々しい」
「セーカ、君だって毎月のようにノアに会いに来てたじゃないか」
誰も招待してないのに、勝手に。
竜の姿のまま、予告なく王宮の庭に下りて来るから、ノアとウルシュの母で当時の女王が毎回、大慌てだったのだ。
とまでは言わなかったが。
「毎月?お父様が?」
アレンはグラーツでウルシュから聞いていたが、アーシェンは初耳、興味津々だ。
「この人も夫が無理なら、召使いとして雇ってくれって言ったのよ。数少ない竜だから絶対に役に立つはずだ。立ってみせるって」
「ノア、頼む。子供達の前ではやめて。」
「どうしてお父様、こんな素敵なお話!」
飄々とした父からは、想像できないアプローチだ。
「私はこんな格好いい竜の男性と結婚できて、最高に幸せ者よ。子供達のことは可愛がってくれるし、気が利く上、器用で私の世話も何でもしてくれるし、いつもいつも感謝していたの。旦那様ありがとう。」
愛する番のノアに褒め称えられ、セーカの機嫌はあっさり治った。
ノアとセーカ以外の3人には、私の世話も何でもしてくれるし、のところが引っかかっのたが。
双子の13才の誕生日は、竜人の父と番の母の恋物語を聞き、楽しく幕を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
君は僕の番じゃないから
椎名さえら
恋愛
男女に番がいる、番同士は否応なしに惹かれ合う世界。
「君は僕の番じゃないから」
エリーゼは隣人のアーヴィンが子供の頃から好きだったが
エリーゼは彼の番ではなかったため、フラれてしまった。
すると
「君こそ俺の番だ!」と突然接近してくる
イケメンが登場してーーー!?
___________________________
動機。
暗い話を書くと反動で明るい話が書きたくなります
なので明るい話になります←
深く考えて読む話ではありません
※マーク編:3話+エピローグ
※超絶短編です
※さくっと読めるはず
※番の設定はゆるゆるです
※世界観としては割と近代チック
※ルーカス編思ったより明るくなかったごめんなさい
※マーク編は明るいです
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる