honey

栢野すばる

文字の大きさ
22 / 28
第一章

5

「ねえ、りっちゃん、これだけ取って?」
 ブラの肩紐に指を引っ掛け、チカが利都の耳に囁く。
 その吐息に確かな熱を感じ、利都は頬を火照らせながら頷いた。
 ――うう、久しぶりだからやっぱり恥ずかしい……。
 こういう展開になるのは薄々分かっていたけど、緊張でにわかに脈が早くなってしまう。
 背中を向け、言われたとおりにスリップを脱ぎ、ブラを外して両腕で胸を覆った時、チカが脱いだスリップを差し出した。
「はい」
 利都はびっくりしてチカの顔を見上げる。脱いだのにまた着て欲しいとはどういうことだろう。
「この可愛いやつだけ着てよ」
「どうして?」
「いいから、さあ」
 利都は頷き、薄く繊細なスリップだけを素肌にまとい直す。
 ――うう、透けるから落ち着かない……。
 身体を抱きしめたまま、利都は膝を抱え込む。
 ――やっぱりちょっと太ったのかな? 服のサイズは変わらないけど……大丈夫かな? 変じゃないかな?
 先ほど「むにむにの抱き心地」と言われたことを思い出し、恐ろしくなって利都はますます身を縮めた。
「綺麗」
 不意に背中から抱きしめられ、利都の身体がびくりと揺れた。
「このピンク、肌の色に合ってる。センス良いね」
「こ、これは英里ちゃ……会社の友達が選んでくれて……」
 チカの肌の感触を背中に感じながら、利都はつかえつかえ答えた。
 ドキドキ言いすぎて、自分の心臓の音が聞こえてきそうだ。
 チカの指が、利都の髪をサラリとかきあげ、片側に寄せた。
「へえ、そうなんだ。ナイスアドバイスだね。本当にりっちゃんの肌ってミルクみたい……ピンク着ると際立つよ。あは、舐めたら甘そう」
 唇が利都のうなじに当たる。
 絹のように柔らかな唇の感触を感じた瞬間、利都の身体にじわりと熱が生まれた。
 キスされたうなじに感じた熱さが、体の芯をゆっくりと落ちて、下腹に静かに溜まっていく。
「っ……あ……」
 利都はかすかに身体を震わせながら、声を漏らした。
「どうしたの?」
 からかうようにチカがいい、後ろから利都の太腿に手を置く。
 もう片方の手は利都の肩からゆっくりと下りてゆき、薄いレースに包まれた胸の膨らみあたりで止まった。
 感触を楽しむように、片方の手のひらが左側の乳房を覆う。
「この着てるのに着てない感じがたまんない」
 チカがつぶやいて、腿に置いた手をすっと上へ滑らせる。
 スリップの裾をたくし上げ、利都の履いたレースのショーツの間に指を差し入れて、チカが身を乗り出して利都の身体を背中からぎゅっと抱き込んだ。
「やっぱりちょっと丸くなったかもね、りっちゃん」
「う、嘘、ダイエットする……っ」
 怪しげな場所でとどまったままの指先を痛いほど意識しながら、利都は小さな声で答えた。
 じくじくと重たい熱が、チカに触れたすべての場所から生まれてくる。
 だんだん、息が熱くなってきたのが自分でわかる。
「しなくていい。ムチムチのほうがいいもん。りっちゃんは痩せ過ぎなの」
 そう言ったチカが、急に利都の左の乳房を手のひらで持ち上げた。
「ここはバッチリ肉ついてるけどね……なんでこんなエロい体なんだろ?」
 乳房を持ち上げた指先が、尖り始めた利都の乳嘴の先端を柔らかく弄ぶ。
 ひ弱な小鳥を撫でるような繊細な手つきに、耐え難い疼きが体の芯に生まれた。
 利都の身体は意志とは裏腹にこわばってしまう。
「どうしたの?」
「な、なんでも……な……」
 息を弾ませながら、利都は震え声でそう答えた。
 チカの指から逃れようと身体を浮かそうとした刹那、ショーツの中に潜り込んだ指が濡れた茂みの入り口に忍び込む。
「ああっ……」
「何? 可愛い声出してどうしたの」
「っ、いじわる……っ……」
 巧みに体を押さえつけられ、腕の中に抱き込まれながら、利都は首を振った。
 やはり恥ずかしさで身体が燃え上がりそうだ。
 こんな裸同然の格好で……いや、素肌にレースのスリップ姿なんて、裸より恥ずかしい。そんな姿をチカに見られるなんて。
 身体の線が完全にあらわになった姿で、利都は忍び込もうとするチカの手の甲を必死に抑えた。
「やだぁ、指、だめ……っ」
「もうぐしょぐしょのくせに何言ってるの? ……ねえ、俺のことちょっとは恋しかった?」
 利都の肩に形の良い顎を乗せ、チカが笑いを含んだ声で利都に尋ねた。
「え、あ、会いたかった……よ……?」
「じゃあ、確かめたい」
 乳房を弄んでいた左手が、尖った先端をきゅっとつまんだ。
「どのくらい俺に会いたかったのか確かめたいよ。多分俺のほうがずっと会いたがってたと思う。ねえ、背中に痕付けていい?」
「み、見えないところなら」
 たどたどしい答えを待たずに、肩甲骨の横辺りに甘い痛みが走った。
「あんまりりっちゃんの背中が綺麗だから、なんか意地悪したくなる」
 利都の背中に顔を押し当て、チカがつぶやく。
 それから身を起こし、利都の身体をぐいと抱き寄せ、チカが言った。
「見えないところにいっぱい痕付けたい」
 ショーツに潜り込んだ指が、濡れた花芯の奥にずぶ、と沈み込んだ。
 突然の衝撃に身体を引きつらせた利都の背を胸に抱き寄せ、左手で乳房を揉みしだきながらチカが言う。
「キツくなっちゃったね。せっかく慣らしたけど」
「やあ、ああ……っ」
 行き来する指の感触に、利都はチカの腕にしがみついて思わず声を漏らした。
「あれ? りっちゃん、俺の形わすれちゃったのかな」
「っ、なに……っ、指、や……め……、あ、ああ……ッ……」
「なんか妖精さんを泣かせてるみたい、ゾクゾクしてきた」
 利都の哀願を無視して、内壁をこするチカの指の動きが粘度を増す。
 絡みつく感覚を楽しむようにゆるゆると利都を責め立てながら、チカが小さく喉を鳴らした。
「着てるのに全部丸見えって最高……今度インポートの綺麗なランジェリー、プレゼントしてあげるね。こういう時のために着るやつ」
 チカが、中に挿した指を僅かに曲げた。
「ひっ……」
 指の背で花芽を擦られ、利都は耐え難くなって小さな悲鳴を漏らす。
「そういうの着て、オレのこと挑発してよ。何もわかりませんって顔してないでさ」
「あ、ああっ、挑発なんかしてな……あ、あーっ」
 胸と足の間を絶え間なく弄ばれ、利都の目から涙がぽろりとこぼれた。
「してるよ、めっちゃ挑発してる……だって最高にエロいのに身体だけ処女みたいになってるもん……」
 利都の腰に、昂ぶった熱杭が触れる。
「ごめん、せっかく可愛い下着なのにびしょ濡れにしちゃった」
 その言葉と同時に、チカの指がずるりという音を立てて抜き放たれた。
 同時に乳房を揉む手からも開放され、利都は力が抜けてベッドに倒れ込む。
「ちか……さ……ん……」
「綺麗だよ、りっちゃん」
 膝立ちになった上半身裸のチカが、涙ぐんで振り返る利都のことを淡い笑みで見下ろしていた。
 濡れた指を赤い舌で舐め取り、チカが優しく聞こえる声で利都に言った。
「ねえ、今から俺の身体を全部思い出して」
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

藤白ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。