チートスマホで異世界攻略

マイきぃ

文字の大きさ
21 / 28

第二十一話 仲間の食事

しおりを挟む
 森林地帯を抜け、山岳地帯を進む。
 足場は悪いが見通しは良く、警戒は赤外線サーモグラフィーだけで事足りた。

「グルルルルル……」

 時折、ウェアウルフが5匹程群れを組んで襲ってくるが、ファーストが余裕で対処してくれる。どうやら、ファーストをスピードタイプに設定したのは正解だったようだ。

「キャイィィィィン!」
「連携もなしに突っ込んでくる……これじゃあ、群れを成す意味がありませんね」

 稀に赤外線サーモグラフィーが熱源反応をキャッチしても、視界に敵がいない場合がある。それは、上空からのガルーダの攻撃だ。急降下で僕たちを狙ってくる。
 だが、それをセカンドは稲妻の魔法で一蹴する。

「サンダー!」

 稲妻の攻撃を受けたガルーダは、黒く焼け焦げ墜落していった。

「近づいてくるとわかれば怖くありません」

 ──この場合も課金を消費するわけだが──まあ、一応節約指令は出してある。ちょっと金銭的な事に関して、神経質になりすぎているのかもしれない。

 サードが墜落するガルーダを見てつぶやく。
「あの鳥、食べれるかな」
「食べないでください」
 と、すかさずセカンドが突っ込む。

 ──そういえば、「食べる」で気が付いたのだが、このメイドたちが食事をとっているところを見たことがない。スマホの仲間の場合は、大丈夫なのだろうか──。

「君たちは、食事はとらなくても平気なのかい?」
「食事ですか……取らなくても平気といえば平気ですが、食べると能力値がUPするようにできています」

「それは初耳だ……」
 というよりも──これでスマホで作成した仲間は人間ではないという事実が判明してしまった。人の姿をした別の何かと捉えた方がいいのだろうか──。
 ──と、だからといって別に困ることもないので、その辺のことは考えないようにした。

「そうですね。試しにサードがガルーダを食べるとどうなるか試してみましょう」
 セカンドはそう言うと、墜落したガルーダの足を握って拾い上げると、すかさずファイヤーの魔法で念入りに焼き、サードへと差し出した。

「いっただっきまーす! モグモグモグ……うまーい!」

 こんがりと焼けたガルーダを、サードがかぶりつく。とても美味しそうに食べている。

「あーおいしかった……あれ、なんだか背中がむず痒い……」
「どうした、サード」

 サードの様子が変だ。背中をもぞもぞと動かし、次第にのたうち回り始める。

「あーん、かいて~背中が痒い~」
「どれ、かけばいいんだな」

 ──と、背中を差し出すサードの上着の背中をめくったその瞬間──。

 ──ボフッ──

 サードの背中から勢いよくモフモフな羽が生え、僕の顔はその羽に埋ずまった。
「ゲホッ……ゴホッ……これは……どういうことだ?」

 羽は、さっきセカンドがサードに食べさせたガルーダのものと同じだ。スマホに事の詳細を尋ねると、即座に回答が返ってきた。
『食べたものが指定のモンスターの場合、一時的にそのモンスターの能力をランダムで得ることができます』
「ランダム……じゃあ、今回は羽だったのか……」
『ただし、運悪くハズレになった場合、指定外のモンスターを食した場合、複数の食事で食い合わせが悪い場合は、激しい腹痛と下痢で戦闘不能に陥ります』
「え……じゃあ、もしハズレだったら……」

 ──どうやら、モンスターを食べさせるのは、あまり望ましくないようだ。

「サード、良かったですね。おなか壊さなくて」
 セカンドがサードを皮肉るが、サードは羽を動かすことに夢中でまるで聞いていない。それどころか空をぐるぐると飛び始める。

「飛べる! 私飛んでる!」
「おーい、サード。あまり長い時間は飛べないぞ。早く降りてこい」
 心配するファースト。だが、大喜びで飛び回るサードの耳には届かない。羽が生えてうれしいのはわかるが──。

 ──と、突然サードは空中で静止して指を差す。
「ねえねえ、あそこに城が見えるよ。真っ黒い雲に包まれてる。私たち、今からあそこに行くんだよね」
「城? 魔王の城か!?」
「壁があって町があって、中央に城がある。結構大きい城だね」

 サードが指を差した方向は、僕らが今目指している魔王の城の方向だった。

 ──そこに、魔王が存在する。おっぱいの成長の力を、今もなお吸い続けている邪悪な魔王が──。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...