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第二十五話 作戦開始
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セカンドは、ゾンビの群れに向かって颯爽と走り出す。
それを見つけたゾンビたちは、うめき声を上げながらセカンド追いかける。
ゾンビの走る速度は普通の人間と変わらない。だが、武装しているので少し厄介だ。
セカンドは、ゾンビたちと一定の距離を保ちつつ、ぐるっと囲むような動きで一か所に集めた。その後、スマホ爆弾をセットし、レベル2スキルの低距離瞬間移動でその場から離脱する。
次の瞬間、セットしたスマホ爆弾が爆発──激しい音と光が周囲に鳴り響くと同時に集まっていたゾンビは一瞬にして蒸発する。
セカンドは爆弾をうまく使いこなしている。この役を彼女に任せたのは正解だったようだ。
それでも、蒸発したゾンビを補うかのように、ゾンビは地面から次々と湧いて出る。さすがゾンビといったところだろうか。この地の死体を全て浄化しないと、この湧きは止まってはくれなそうだ。
──と、注意を陸地にだけ向けてはいられない。前方上空から灰色の飛行モンスターが大量に飛来してくるのが見えた。まるで羽の生えた悪魔だ。
「なんだあの灰色の飛行モンスターは」
ファーストは答える。
「あれは、ガーゴイルです。増援でしょうか……」
「ガーゴイル……」
見た目は強くなさそうだが空を飛んでいる分厄介な相手であることには違いない。幸い、セカンドの方へと向かって飛んでいってくれてるのでこちらとしては一安心だが──。
セカンドも抜け目なくガーゴイルの存在を察知していたようだ。飛来に合わせて距離を取り、上空を飛ぶガーゴイルに向かってスマホを遠投──空中で大爆発。
ガーゴイルは蒸発、その周囲を飛んでいたガーゴイルは、羽を焼かれ墜落する。
「まるで、花火だな……」
スマホ爆弾の効果は予想以上だ。
ともあれ、モンスターたちは、うまく陽動に引っかかってくれた。おかげで城の門への通路はがら空きだ。この機を逃してはいけない。
「ファースト、サード。今のうちに城に入るぞ」
「行きましょう、マスター」
「行ってあげなくも……ないんだからねっ」
僕らは、静かになった墓地を走り抜け、城壁の門をくぐり城内へと踏み込んだ。
門の中は破壊された家々、穴だらけの石畳、ところどころに人間の骨のようなものが転がったまま放置されている。人間が管理しているわけではないから、廃墟になって当然といえば当然だ。
それにしても、魔王がこの地の人間を全て殺し尽くしたのだとすれば──決して放置しておくことは許されない倒すべき相手だ。
警戒しながら城を目指して進む。外壁の外ほどではないが、ゾンビが稀に湧いて出る。丁寧に蹴散らしながら先へ進むと、外壁より頑丈そうな内壁に行く手を阻まれた。
壊してもいいのだが、それをやるとセカンドの陽動が無駄になってしまう。なので、ぽっと出のゾンビを倒しながら、内壁に沿って移動して入り口を探すことにした。
しばらく進むと、大通りらしき通路に出る。そこに豪華な彫刻のある柱のある門、内壁内への入り口を発見した。その先にあるのは豪邸の密集地帯。門付近の邸宅は崩れているが、奥の豪邸はほぼ無傷。おそらく、外壁内は一般民の居住区で、内壁内は貴族の居住区なのだろう。
突然、ファーストが門の側で足を止め、口を開く。
「結界のようなものが張られています。魔力……ではなく、別の何かを阻害する……」
ファーストは何かを感じ取ったようだ。
「どうした、ファースト。行動に支障がでそうか?」
「いえ、そういった類のものではありません。侵入を感知するものでもないので大丈夫だとは思いますが……」
──こういう時は、スマホにも確認を取った方がいいかもしれない。
「ふむ……おい、スマホ。わかるか?」
『何かの力を阻害しています。その何かは分析不明です。また、この力はこの世界の力を阻害するものではありません。スマホスキルも影響を受けません』
「なるほど……」
スマホの答えはファーストと大差ない。それなら行動に支障はないか──。
けど、スマホでも分析できない結界──何か嫌な予感がする。
「……用心するに越したことはないな」
「そうですね、行きましょう」
真剣な表情で先を見つめるファースト。
「早くっ、早くっ……」
目を輝かせ、まるでピクニック気分のサード。
能力的には、それほど強くはない筈なのだけれど、妙に頼もしい。
──と、感傷に浸って時間をかけてもいられない。セカンドの陽動の爆音が聞こえ続ける今が潜入時なのだ。
僕らは内壁内へと足を進めた。
門を通過してすぐ、スマホがアラート調に声を上げる。
『敵を発見しました』
「敵?」
『後方からの接近を確認。その数2』
どうやら、スマホのサーモグラフィーが新たな敵影を捉えたようだ。だが、どういうわけか発見した時の位置が近すぎる。
「敵? 何故こんな近くに!?」
普段なら、もっと離れた距離から感知してくれる筈なのだが──敵は瞬間移動でもしたのだろうか──。
後ろを振り向くと、視界に映った2つの影が僕らの方へと近づいてくるのが見えた。
それを見つけたゾンビたちは、うめき声を上げながらセカンド追いかける。
ゾンビの走る速度は普通の人間と変わらない。だが、武装しているので少し厄介だ。
セカンドは、ゾンビたちと一定の距離を保ちつつ、ぐるっと囲むような動きで一か所に集めた。その後、スマホ爆弾をセットし、レベル2スキルの低距離瞬間移動でその場から離脱する。
次の瞬間、セットしたスマホ爆弾が爆発──激しい音と光が周囲に鳴り響くと同時に集まっていたゾンビは一瞬にして蒸発する。
セカンドは爆弾をうまく使いこなしている。この役を彼女に任せたのは正解だったようだ。
それでも、蒸発したゾンビを補うかのように、ゾンビは地面から次々と湧いて出る。さすがゾンビといったところだろうか。この地の死体を全て浄化しないと、この湧きは止まってはくれなそうだ。
──と、注意を陸地にだけ向けてはいられない。前方上空から灰色の飛行モンスターが大量に飛来してくるのが見えた。まるで羽の生えた悪魔だ。
「なんだあの灰色の飛行モンスターは」
ファーストは答える。
「あれは、ガーゴイルです。増援でしょうか……」
「ガーゴイル……」
見た目は強くなさそうだが空を飛んでいる分厄介な相手であることには違いない。幸い、セカンドの方へと向かって飛んでいってくれてるのでこちらとしては一安心だが──。
セカンドも抜け目なくガーゴイルの存在を察知していたようだ。飛来に合わせて距離を取り、上空を飛ぶガーゴイルに向かってスマホを遠投──空中で大爆発。
ガーゴイルは蒸発、その周囲を飛んでいたガーゴイルは、羽を焼かれ墜落する。
「まるで、花火だな……」
スマホ爆弾の効果は予想以上だ。
ともあれ、モンスターたちは、うまく陽動に引っかかってくれた。おかげで城の門への通路はがら空きだ。この機を逃してはいけない。
「ファースト、サード。今のうちに城に入るぞ」
「行きましょう、マスター」
「行ってあげなくも……ないんだからねっ」
僕らは、静かになった墓地を走り抜け、城壁の門をくぐり城内へと踏み込んだ。
門の中は破壊された家々、穴だらけの石畳、ところどころに人間の骨のようなものが転がったまま放置されている。人間が管理しているわけではないから、廃墟になって当然といえば当然だ。
それにしても、魔王がこの地の人間を全て殺し尽くしたのだとすれば──決して放置しておくことは許されない倒すべき相手だ。
警戒しながら城を目指して進む。外壁の外ほどではないが、ゾンビが稀に湧いて出る。丁寧に蹴散らしながら先へ進むと、外壁より頑丈そうな内壁に行く手を阻まれた。
壊してもいいのだが、それをやるとセカンドの陽動が無駄になってしまう。なので、ぽっと出のゾンビを倒しながら、内壁に沿って移動して入り口を探すことにした。
しばらく進むと、大通りらしき通路に出る。そこに豪華な彫刻のある柱のある門、内壁内への入り口を発見した。その先にあるのは豪邸の密集地帯。門付近の邸宅は崩れているが、奥の豪邸はほぼ無傷。おそらく、外壁内は一般民の居住区で、内壁内は貴族の居住区なのだろう。
突然、ファーストが門の側で足を止め、口を開く。
「結界のようなものが張られています。魔力……ではなく、別の何かを阻害する……」
ファーストは何かを感じ取ったようだ。
「どうした、ファースト。行動に支障がでそうか?」
「いえ、そういった類のものではありません。侵入を感知するものでもないので大丈夫だとは思いますが……」
──こういう時は、スマホにも確認を取った方がいいかもしれない。
「ふむ……おい、スマホ。わかるか?」
『何かの力を阻害しています。その何かは分析不明です。また、この力はこの世界の力を阻害するものではありません。スマホスキルも影響を受けません』
「なるほど……」
スマホの答えはファーストと大差ない。それなら行動に支障はないか──。
けど、スマホでも分析できない結界──何か嫌な予感がする。
「……用心するに越したことはないな」
「そうですね、行きましょう」
真剣な表情で先を見つめるファースト。
「早くっ、早くっ……」
目を輝かせ、まるでピクニック気分のサード。
能力的には、それほど強くはない筈なのだけれど、妙に頼もしい。
──と、感傷に浸って時間をかけてもいられない。セカンドの陽動の爆音が聞こえ続ける今が潜入時なのだ。
僕らは内壁内へと足を進めた。
門を通過してすぐ、スマホがアラート調に声を上げる。
『敵を発見しました』
「敵?」
『後方からの接近を確認。その数2』
どうやら、スマホのサーモグラフィーが新たな敵影を捉えたようだ。だが、どういうわけか発見した時の位置が近すぎる。
「敵? 何故こんな近くに!?」
普段なら、もっと離れた距離から感知してくれる筈なのだが──敵は瞬間移動でもしたのだろうか──。
後ろを振り向くと、視界に映った2つの影が僕らの方へと近づいてくるのが見えた。
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