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本編
第二十五話 鮫人間と人魚
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考えるよりも先に俺は軽トラックの中へと飛び乗った。もし、鮫人間が林道で頭を突っ込んできた時と同じように攻撃してくるなら、勝機はある。いや、それしか方法がない。
車が正面を向いていないことが何よりの救いだ。鮫人間は助手席側へと向かって突っ込んでくる。俺はすぐに助手席の扉を閉め、運転席へと移動し、退避できるように運転席側のドアを開ける。
鮫人間は、猛スピードで車へ体当たりする。その衝撃で助手席のドアがへこみ車が倒れそうになった。
次に、鮫人間は黒い頭部がガツンと窓にぶつけ、窓ガラスを割る。そして、頭を左右に振りながら鋭い牙をむき出しにして襲ってくる。
俺は恐怖に震える心を抑えつつ、その様子を眺めた。
鮫人間の体が半分ほど窓枠に入ると、鮫の胴体部分が窓枠にハマり、動きが止まった。
「──チャンスだ!」
だが、次の瞬間体が持ち上げられるような感覚に襲われ、バランスを崩す。鮫人間は大口を開いてトラックを持ち上げ、上を向いたのだ。
開けておいた運転席側の扉も、角度がついてしまったせいで閉じ、退路は断たれた。
──ゴチ……ソウ……──
鮫人間は大きな口を開けて俺が口の中に落ちてくるの待つつもりだ。もう、逃げ道もない。あとは、黒髪の少女が言ったことを実行するだけ──。
俺は運転席のハンドルを右手で握りしめ、姿勢を維持しつつ、髪飾りを左手で握り、鮫人間の鼻先へと突き刺した。
──瞬間、体がふわっと浮いたような感覚に襲われた。鮫人間が力を抜いたのだろうか、車は地面に着地し、元の状態へともどった。俺はすぐに車を降りる。
──グギャギャギャギャァァァァ!──
鮫人間が断末魔の悲鳴を上げ、地面に転がった。鼻の頭に突き刺さった髪飾りは、虹色の光を放ち始める。それと同時に左腕に付けていた璃星の腕輪も同じく光り輝く。その光は、なんとも言えない熱を放っていた。
突如、鮫人間の体に異変が起こった。鮫の頭部が蒸発するように消失を始めたのだ。
生臭い異臭を放ちながら、まるでバターのように溶けていく。
溶けたものが蒸発し終えると、その中から和服を着た一人の男が姿を現した。
「これはいったい……」
──その時だ。
和服姿の男の後ろから、何者かが倒れている男に覆いかぶさった。
よく見ると、その何者かは、黒髪の少女だった。
「お父さん……もう、終わろう……私も……ついていくから……」
「あ……あ……君は……まさか……」
「母さんが……待ってる……」
「そうか……これで……」
二人は、しばらく語り合っていた。しばらくして和服姿の体も解け始める。
鮫人間は、やはり、人間から生まれたものだったのだろうか。そして、黒髪の少女は、この鮫人間の家族──なのだろうか。
「これが……私の罰なのかもな……」
「悪いのは……この村の人間たち……お父さんは……何も悪くない……」
「そうか……ありがとう……小夜子……」
男の体は全て蒸発し、その場にはボロボロになった和服だけが残った。黒髪の少女は、それを見届けると、和服をぎゅうっと握りしめ、涙を流していた。こぼれ落ちる涙は、まるで真珠のような輝きの宝石へと変化する。
「涙が真珠に……まさか、この黒髪の少女は……人魚……!?」
俺は車から降り、黒髪の少女に近づいた。すると黒髪の少女は、こちらに気づき、顔を俺の方へと向けて涙を拭い、一言放つ。
「ありがとう……」
それは、お礼の言葉だった。
すると黒髪の少女は、ゆっくりと背を向け、裏路地の方へと歩いて行った。俺は思わず、その少女に声をかける。
「ま……待ってくれ……君はいったい……」
すると、黒髪の少女は立ち止まり、振り向かずに答える。
「人間には用はない……早くこの島から……出ていけ」
黒髪の少女はそう言って足早に立ち去った。
「やはり彼女は……人魚……なのか……!?」
俺はただその場に呆然と立ち尽くし、少女が見えなくなるまで後姿を見ていた。
その後、ゆっくりと今の状況を確認する。
河童は鮫人間食べられた。
鮫人間は倒した。
だが、オカ研の仲間は──緑色の液体のままだ。
誰も救えていない。
さらに、最悪なことに巻き戻りの力の源と思われる鱗は全て美しい輝きを失い、黒く変色している。おそらく、この腕輪の力は失われた可能性が大きい。
「打つ手……無し……か……」
その場で俺は、土下座するように手と膝をつく。悔しくて涙が止まらなかった。
だが、そうしてもいられない。緑色の液体と化した俺の仲間が襲ってくる可能性がある。
恐怖に駆られながらも俺は足を動かし、緑色の液体に注意しながら民宿にある自分の荷物を回収してその場を離れ、日の出まで逃げ続けた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
結局、俺は何の解決もできないまま、港へとたどり着く。その後、周囲を警戒しつつ、朝一番に着いたフェリーに飛び乗った。
フェリーは無事出発する。
フェリーの自由席に座り、ほっと深呼吸をする。周囲には誰もいない。どうやら、本土に向かうのは俺一人のようだ。
ゆっくりとフェリーが動き出す。一度席を立ち、甲板に出て島を眺める。港には怪しい気配はない。何事もなく、本土へたどり着けるといいのだが──。
だが、これからのことを考えると頭が重い。6人もの人間が島で消えたとなれば警察も動く。そうなると俺は重要参考人として、いろいろと聞かれるだろう。
その時、警察に鮫人間や緑色の液体や河童のことを話して、それを信じてもらえるだろうか──おそらく、絶対にあり得ない。変な誤解を招かないようにそれらしい言い訳を考えておいた方が無難かもしれない。
島がどんどん離れていく。それを見届けた俺は、座席へと戻った。
今思い返してみると、俺はただ単に人魚伝説に関した狂気な出来事に巻き込まれただけに過ぎない。そして、巻き込まれた俺は黒髪の少女に利用された──といったところだろう。
そのせいで、京谷、棗、仁人、香奈江、雫、萌々香を失った。
もし、髪飾りが全ての力を使うものだということを知っていれば、あの時何もせずに死ぬことだってできたはずだ。
それに──何度も仲間の死を見せつけられて、そういった感覚がマヒしているのだろうか──全く悲しい感じがしない。またすぐに復活してくれる、そんな感覚がまだ残っている。
────だが、それはもうできない。
仕方がないと割り切るしかない。俺は髪飾りを握っていたあの時、思考を停止していた。何度も何度も死を味わいすぎて、疲れていた。
だから、考えるのをやめた。この残酷な巻き戻りをさっさと終わらせて帰りたかった。ただ、それだけだったのだと思う。
それでも、後悔の念に耐えられず、発狂してしまいそうな衝動に駆られる。まだ、頑張れたかもしれない。
それにしても──理不尽な状況がこうも立て続けに起こった挙句、バッドエンド──最悪のシナリオだ。だが、もしそうならこのまま終わりそうな気がしない。もっと卑劣で残酷な最後が待ち受けていてる可能性だってある。
本土へ無事たどり着けるといいのだが──。
物凄い睡魔が襲ってくる。それもその筈、ろくに寝ないで島中を逃げ回っていたのだから仕方がない。
もうこの眠気の勢いで寝てしまいたい──そう思った刹那、不思議な声が聞こえてきた。
「どうして夫を……」
それは、とても小さな女性の声だった。だが、今このフェリーには客は乗っていない筈だ。
周囲を見回しても、人っ子一人いない。幻聴の類だろうか──いや、霊という線もある。今まで遭遇したものは実体化されていた者たちだらけだ。あれだけのものが現実にあったのだ。おまけで目に見えないものが出てきても、おかしくはない。
最後は、霊に憑りつかれて終わりみたいなことだって──。
「もしくは、宇宙人に遭遇してキャトられることもあるかもしれないわね……」
一瞬、聞き覚えのある声が聞こえた。その声はもう聞くことはもうないはずの声──オカ研部長の香奈江の声だった。俺の心の動きをなぞる様な言葉に恐怖を覚えた。
ゆっくりと振り向くと、香奈江、京谷、棗がいた、そしてみんなも──。
「隆司、先に帰るなら一言くれよ。車置いてきちまったぜ」
「また私を置いてきぼりにするなんて……許せない……」
京谷と棗がグチをこぼす。
──生きている!?──
そんなことは一瞬たりとも思わなかった。おそらく、こいつらは緑色の奴らだ。初めから潜んでいたのだろうか──それとも、海を渡って──。
オカ研メンバーらしき姿の生物たちは、体の中からバールのようなものを取り出した。そして、俺を囲むように近づいてくる。
「お仕置きが必要ですね」
仁人の姿をした生物は、チェーンソーを装備していた。エンジンをかけて刃を回転させる。
──ブオオオオオオオオ……──
俺を殺すためだけに、そんな武器まで用意してきたのか!
「私たちと、同じになりましょう」
「そうだよ、逃げちゃだめだよ」
雫と萌々香の姿をした生物は緑色の液体に姿を変え、俺の足元に絡みついてくる。足はその固定された。もう、逃げられない。
「さあ、私たちと一緒に……」
仁人の姿をした生物は、チェーンソーを俺めがけて振り下ろす。
もう、時間が巻き戻ることはないだろう。
慣れた痛みを感じながら、声一つ上げずに俺は命を落とした。
END
車が正面を向いていないことが何よりの救いだ。鮫人間は助手席側へと向かって突っ込んでくる。俺はすぐに助手席の扉を閉め、運転席へと移動し、退避できるように運転席側のドアを開ける。
鮫人間は、猛スピードで車へ体当たりする。その衝撃で助手席のドアがへこみ車が倒れそうになった。
次に、鮫人間は黒い頭部がガツンと窓にぶつけ、窓ガラスを割る。そして、頭を左右に振りながら鋭い牙をむき出しにして襲ってくる。
俺は恐怖に震える心を抑えつつ、その様子を眺めた。
鮫人間の体が半分ほど窓枠に入ると、鮫の胴体部分が窓枠にハマり、動きが止まった。
「──チャンスだ!」
だが、次の瞬間体が持ち上げられるような感覚に襲われ、バランスを崩す。鮫人間は大口を開いてトラックを持ち上げ、上を向いたのだ。
開けておいた運転席側の扉も、角度がついてしまったせいで閉じ、退路は断たれた。
──ゴチ……ソウ……──
鮫人間は大きな口を開けて俺が口の中に落ちてくるの待つつもりだ。もう、逃げ道もない。あとは、黒髪の少女が言ったことを実行するだけ──。
俺は運転席のハンドルを右手で握りしめ、姿勢を維持しつつ、髪飾りを左手で握り、鮫人間の鼻先へと突き刺した。
──瞬間、体がふわっと浮いたような感覚に襲われた。鮫人間が力を抜いたのだろうか、車は地面に着地し、元の状態へともどった。俺はすぐに車を降りる。
──グギャギャギャギャァァァァ!──
鮫人間が断末魔の悲鳴を上げ、地面に転がった。鼻の頭に突き刺さった髪飾りは、虹色の光を放ち始める。それと同時に左腕に付けていた璃星の腕輪も同じく光り輝く。その光は、なんとも言えない熱を放っていた。
突如、鮫人間の体に異変が起こった。鮫の頭部が蒸発するように消失を始めたのだ。
生臭い異臭を放ちながら、まるでバターのように溶けていく。
溶けたものが蒸発し終えると、その中から和服を着た一人の男が姿を現した。
「これはいったい……」
──その時だ。
和服姿の男の後ろから、何者かが倒れている男に覆いかぶさった。
よく見ると、その何者かは、黒髪の少女だった。
「お父さん……もう、終わろう……私も……ついていくから……」
「あ……あ……君は……まさか……」
「母さんが……待ってる……」
「そうか……これで……」
二人は、しばらく語り合っていた。しばらくして和服姿の体も解け始める。
鮫人間は、やはり、人間から生まれたものだったのだろうか。そして、黒髪の少女は、この鮫人間の家族──なのだろうか。
「これが……私の罰なのかもな……」
「悪いのは……この村の人間たち……お父さんは……何も悪くない……」
「そうか……ありがとう……小夜子……」
男の体は全て蒸発し、その場にはボロボロになった和服だけが残った。黒髪の少女は、それを見届けると、和服をぎゅうっと握りしめ、涙を流していた。こぼれ落ちる涙は、まるで真珠のような輝きの宝石へと変化する。
「涙が真珠に……まさか、この黒髪の少女は……人魚……!?」
俺は車から降り、黒髪の少女に近づいた。すると黒髪の少女は、こちらに気づき、顔を俺の方へと向けて涙を拭い、一言放つ。
「ありがとう……」
それは、お礼の言葉だった。
すると黒髪の少女は、ゆっくりと背を向け、裏路地の方へと歩いて行った。俺は思わず、その少女に声をかける。
「ま……待ってくれ……君はいったい……」
すると、黒髪の少女は立ち止まり、振り向かずに答える。
「人間には用はない……早くこの島から……出ていけ」
黒髪の少女はそう言って足早に立ち去った。
「やはり彼女は……人魚……なのか……!?」
俺はただその場に呆然と立ち尽くし、少女が見えなくなるまで後姿を見ていた。
その後、ゆっくりと今の状況を確認する。
河童は鮫人間食べられた。
鮫人間は倒した。
だが、オカ研の仲間は──緑色の液体のままだ。
誰も救えていない。
さらに、最悪なことに巻き戻りの力の源と思われる鱗は全て美しい輝きを失い、黒く変色している。おそらく、この腕輪の力は失われた可能性が大きい。
「打つ手……無し……か……」
その場で俺は、土下座するように手と膝をつく。悔しくて涙が止まらなかった。
だが、そうしてもいられない。緑色の液体と化した俺の仲間が襲ってくる可能性がある。
恐怖に駆られながらも俺は足を動かし、緑色の液体に注意しながら民宿にある自分の荷物を回収してその場を離れ、日の出まで逃げ続けた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
結局、俺は何の解決もできないまま、港へとたどり着く。その後、周囲を警戒しつつ、朝一番に着いたフェリーに飛び乗った。
フェリーは無事出発する。
フェリーの自由席に座り、ほっと深呼吸をする。周囲には誰もいない。どうやら、本土に向かうのは俺一人のようだ。
ゆっくりとフェリーが動き出す。一度席を立ち、甲板に出て島を眺める。港には怪しい気配はない。何事もなく、本土へたどり着けるといいのだが──。
だが、これからのことを考えると頭が重い。6人もの人間が島で消えたとなれば警察も動く。そうなると俺は重要参考人として、いろいろと聞かれるだろう。
その時、警察に鮫人間や緑色の液体や河童のことを話して、それを信じてもらえるだろうか──おそらく、絶対にあり得ない。変な誤解を招かないようにそれらしい言い訳を考えておいた方が無難かもしれない。
島がどんどん離れていく。それを見届けた俺は、座席へと戻った。
今思い返してみると、俺はただ単に人魚伝説に関した狂気な出来事に巻き込まれただけに過ぎない。そして、巻き込まれた俺は黒髪の少女に利用された──といったところだろう。
そのせいで、京谷、棗、仁人、香奈江、雫、萌々香を失った。
もし、髪飾りが全ての力を使うものだということを知っていれば、あの時何もせずに死ぬことだってできたはずだ。
それに──何度も仲間の死を見せつけられて、そういった感覚がマヒしているのだろうか──全く悲しい感じがしない。またすぐに復活してくれる、そんな感覚がまだ残っている。
────だが、それはもうできない。
仕方がないと割り切るしかない。俺は髪飾りを握っていたあの時、思考を停止していた。何度も何度も死を味わいすぎて、疲れていた。
だから、考えるのをやめた。この残酷な巻き戻りをさっさと終わらせて帰りたかった。ただ、それだけだったのだと思う。
それでも、後悔の念に耐えられず、発狂してしまいそうな衝動に駆られる。まだ、頑張れたかもしれない。
それにしても──理不尽な状況がこうも立て続けに起こった挙句、バッドエンド──最悪のシナリオだ。だが、もしそうならこのまま終わりそうな気がしない。もっと卑劣で残酷な最後が待ち受けていてる可能性だってある。
本土へ無事たどり着けるといいのだが──。
物凄い睡魔が襲ってくる。それもその筈、ろくに寝ないで島中を逃げ回っていたのだから仕方がない。
もうこの眠気の勢いで寝てしまいたい──そう思った刹那、不思議な声が聞こえてきた。
「どうして夫を……」
それは、とても小さな女性の声だった。だが、今このフェリーには客は乗っていない筈だ。
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最後は、霊に憑りつかれて終わりみたいなことだって──。
「もしくは、宇宙人に遭遇してキャトられることもあるかもしれないわね……」
一瞬、聞き覚えのある声が聞こえた。その声はもう聞くことはもうないはずの声──オカ研部長の香奈江の声だった。俺の心の動きをなぞる様な言葉に恐怖を覚えた。
ゆっくりと振り向くと、香奈江、京谷、棗がいた、そしてみんなも──。
「隆司、先に帰るなら一言くれよ。車置いてきちまったぜ」
「また私を置いてきぼりにするなんて……許せない……」
京谷と棗がグチをこぼす。
──生きている!?──
そんなことは一瞬たりとも思わなかった。おそらく、こいつらは緑色の奴らだ。初めから潜んでいたのだろうか──それとも、海を渡って──。
オカ研メンバーらしき姿の生物たちは、体の中からバールのようなものを取り出した。そして、俺を囲むように近づいてくる。
「お仕置きが必要ですね」
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──ブオオオオオオオオ……──
俺を殺すためだけに、そんな武器まで用意してきたのか!
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「そうだよ、逃げちゃだめだよ」
雫と萌々香の姿をした生物は緑色の液体に姿を変え、俺の足元に絡みついてくる。足はその固定された。もう、逃げられない。
「さあ、私たちと一緒に……」
仁人の姿をした生物は、チェーンソーを俺めがけて振り下ろす。
もう、時間が巻き戻ることはないだろう。
慣れた痛みを感じながら、声一つ上げずに俺は命を落とした。
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