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第二章
1-28 青の騎士
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シロのスピアーブラストの攻撃で、レイヤの霊装シナージュの胸の鎧の部分が弾け飛んだ。
「ここまでか……」
レイヤの霊装が強制解除され、霊装シナージュは消失した。
「俺の勝ちだ! レイヤ!」
シロはレイヤに槍を向け、突進した。
突然、シロの目の前に青い影が割り込んだ。そして、丸い盾がシロの槍を遮る。
「なん……だと……」
その姿は、青いフルプレートに細剣と円盾の霊装を携えた騎士であった。
「あーあ、レイヤの霊装こわれちゃったね、そのおかげで僕の出番がやっときたよ」
「カイン、助かった。礼を言う。ちょっと遊びが過ぎたようだ。私はこれから箱舟の起動準備にとりかかる。気を付けろ、奴は強い。早めに切り上げろよ」
「まーまかせてよ。僕の霊装ギャンファンが白いのを滅多突きにするから」
レイヤは奥の小さな扉から部屋を出た。
青の騎士は『カイン・D・トラベル』であった。
シロはこの声に聞き覚えがあったので、すぐにカインと分かった。その瞬間、シロの血は沸騰した。
「おまえがカインかー!」
「そうだよ、僕は君なんて知らないけどね、なんで僕を知ってるのかなー。僕も結構有名になったかな」
カインはゲス顔でシロを睨み付けた。
シロはその顔を見てイラっとした。そして力任せに槍を突く。
「おららららぁ!」
連打で、カインの盾を突く。ただ力任せにシロは突く。
「期待はずれだねー。雑魚は死んでよ」
カインの盾から放射状に閃光が走る。
シロの羽はその閃光に反応してガードをする。
だが、その閃光はその羽を簡単に貫いた。閃光は鎧に当たりシロの体を吹っ飛ばした。
「ぐはッ……」
シロはかなりの衝撃ダメージを食らった。
そして、霊装ペガコーンから機械音声が発せられる。
[
エネルギーエンプティ、スキルアンユージブル、ネクストチャージテンミニッツ
]
霊装は輝きを失った。
「くっ、エネルギー切れか……」
シロは機械音声の内容をなんとなくだが理解した。
シロの霊装は連戦のおかげで内在するエネルギーを使い果たしていた。スキルを発動する為には、エネルギーを溜める為の時間を要するのだ。
そして、羽もオートガード能力を失っていた。さっきのカインの閃光を防御する事ができなかったのはその為だった。
シロは、自分のピンチを理解した。
カインが細剣を構え、突進してくる。
「ニードルスプラッシュ!」
霊装ギャンファンの突きの連打がシロを襲う。
シロは鎧に守られているものの、突きのダメージは計り知れなかった。体は宙に浮き、そのまま吹っ飛ばされた。
「うわああああぁぁぁぁ!」
そして、そのまま壁に激突するかに見えた。
シロの体は壁に激突する寸前、何かが激突のショックを和らげていた。その何かは……。
メイだった。
メイは、吹っ飛んできたシロを確認した後すぐに駆け込み、シロの体を支えたのだ。
「平気……?」
「ガス欠……ハハハ、ちょっと、頑張りすぎたみたい」
シロは少し萎縮していた。だが、メイに助けられ、正気に戻った。
「クリスタルは……回収したわ」
メイは、水筒程の大きさのクリスタルを四つ、抱えていた。そのクリスタルの中には、精霊が小さな姿で閉じ込められていた。
「これが……四大精霊」
突然四つのクリスタルが光りだした。
「俺は地獄の業火。サラマンダー」
赤いクリスタルが宙に浮く。
「私は生命の泉。ウンディーネ」
青いクリスタルが宙に浮く。
「僕は大地の守護。ノーム」
茶色のクリスタルが宙に浮く。
「え、私? 疾風の風。エアリアル」
緑のクリスタルが宙に浮く。
メイが呟く。
「シロ……精霊達が力を貸してくれる……」
「!」
四本のクリスタルはシロの霊装に吸い込まれる。そして、シロは頭の中に浮かんできた呪文を思わず叫んだ。
「精霊ブースト!」
シロの霊装が一瞬、眩しい光を放つ。
[
エネルギーチャージフル、フォースエレメンタルアビリティーコネクト、キャパシティーオーバ300%、スタビライザーノープロブレム、アクティブリミット10ミニッツ、スタート
]
霊装ペガコーンの機械音声が聞こえた後、白かった霊装は虹色に輝いた。
「力が溢れてくる……これなら!」
カインは輝く霊装ペガコーンに見とれそうになっていた。だが、すぐに正気を取り戻した。
「なに光らせてるんだよ、僕のだって光るんだからね」
カインは叫んだ。
「魔導ブースト!」
霊装ギャンファンは青白い光を放った。
「これで僕の霊装は三倍パワーアップしたよ。お前の勝ち目はなくなった!」
カインは円盾を前面に出して構えた。
「貫け! メガニードルスプラッシュ」
円盾から青白いレーザーが発射された。
シロはそのレーザーを、槍で軽く薙ぎ払った。
「嘘……だろ……!」
カインは、目の前で起こった事実を受け入れることが出来なかった。
「行くぞカイン!」
シロの槍が形状を変える。槍の先端が放射状に開き、虹色の光を集め始めた周囲の空間が歪む。
「フォースエレメンタルメガブラスト!」
霊装ペガコーンの槍は虹色の巨大な閃光を放ち、カインを直撃した!
「うわああああぁぁぁぁ!」
カインは悲鳴を上げた。
吹っ飛んで壁に激突し、その場で倒れた。青白い光を放っていた霊装はいとも簡単に砕け散り、その場には恐怖で青白い顔をしたカインが倒れているだけだった。
シロは言葉を返した。
「雑魚はお前だったな」
「ここまでか……」
レイヤの霊装が強制解除され、霊装シナージュは消失した。
「俺の勝ちだ! レイヤ!」
シロはレイヤに槍を向け、突進した。
突然、シロの目の前に青い影が割り込んだ。そして、丸い盾がシロの槍を遮る。
「なん……だと……」
その姿は、青いフルプレートに細剣と円盾の霊装を携えた騎士であった。
「あーあ、レイヤの霊装こわれちゃったね、そのおかげで僕の出番がやっときたよ」
「カイン、助かった。礼を言う。ちょっと遊びが過ぎたようだ。私はこれから箱舟の起動準備にとりかかる。気を付けろ、奴は強い。早めに切り上げろよ」
「まーまかせてよ。僕の霊装ギャンファンが白いのを滅多突きにするから」
レイヤは奥の小さな扉から部屋を出た。
青の騎士は『カイン・D・トラベル』であった。
シロはこの声に聞き覚えがあったので、すぐにカインと分かった。その瞬間、シロの血は沸騰した。
「おまえがカインかー!」
「そうだよ、僕は君なんて知らないけどね、なんで僕を知ってるのかなー。僕も結構有名になったかな」
カインはゲス顔でシロを睨み付けた。
シロはその顔を見てイラっとした。そして力任せに槍を突く。
「おららららぁ!」
連打で、カインの盾を突く。ただ力任せにシロは突く。
「期待はずれだねー。雑魚は死んでよ」
カインの盾から放射状に閃光が走る。
シロの羽はその閃光に反応してガードをする。
だが、その閃光はその羽を簡単に貫いた。閃光は鎧に当たりシロの体を吹っ飛ばした。
「ぐはッ……」
シロはかなりの衝撃ダメージを食らった。
そして、霊装ペガコーンから機械音声が発せられる。
[
エネルギーエンプティ、スキルアンユージブル、ネクストチャージテンミニッツ
]
霊装は輝きを失った。
「くっ、エネルギー切れか……」
シロは機械音声の内容をなんとなくだが理解した。
シロの霊装は連戦のおかげで内在するエネルギーを使い果たしていた。スキルを発動する為には、エネルギーを溜める為の時間を要するのだ。
そして、羽もオートガード能力を失っていた。さっきのカインの閃光を防御する事ができなかったのはその為だった。
シロは、自分のピンチを理解した。
カインが細剣を構え、突進してくる。
「ニードルスプラッシュ!」
霊装ギャンファンの突きの連打がシロを襲う。
シロは鎧に守られているものの、突きのダメージは計り知れなかった。体は宙に浮き、そのまま吹っ飛ばされた。
「うわああああぁぁぁぁ!」
そして、そのまま壁に激突するかに見えた。
シロの体は壁に激突する寸前、何かが激突のショックを和らげていた。その何かは……。
メイだった。
メイは、吹っ飛んできたシロを確認した後すぐに駆け込み、シロの体を支えたのだ。
「平気……?」
「ガス欠……ハハハ、ちょっと、頑張りすぎたみたい」
シロは少し萎縮していた。だが、メイに助けられ、正気に戻った。
「クリスタルは……回収したわ」
メイは、水筒程の大きさのクリスタルを四つ、抱えていた。そのクリスタルの中には、精霊が小さな姿で閉じ込められていた。
「これが……四大精霊」
突然四つのクリスタルが光りだした。
「俺は地獄の業火。サラマンダー」
赤いクリスタルが宙に浮く。
「私は生命の泉。ウンディーネ」
青いクリスタルが宙に浮く。
「僕は大地の守護。ノーム」
茶色のクリスタルが宙に浮く。
「え、私? 疾風の風。エアリアル」
緑のクリスタルが宙に浮く。
メイが呟く。
「シロ……精霊達が力を貸してくれる……」
「!」
四本のクリスタルはシロの霊装に吸い込まれる。そして、シロは頭の中に浮かんできた呪文を思わず叫んだ。
「精霊ブースト!」
シロの霊装が一瞬、眩しい光を放つ。
[
エネルギーチャージフル、フォースエレメンタルアビリティーコネクト、キャパシティーオーバ300%、スタビライザーノープロブレム、アクティブリミット10ミニッツ、スタート
]
霊装ペガコーンの機械音声が聞こえた後、白かった霊装は虹色に輝いた。
「力が溢れてくる……これなら!」
カインは輝く霊装ペガコーンに見とれそうになっていた。だが、すぐに正気を取り戻した。
「なに光らせてるんだよ、僕のだって光るんだからね」
カインは叫んだ。
「魔導ブースト!」
霊装ギャンファンは青白い光を放った。
「これで僕の霊装は三倍パワーアップしたよ。お前の勝ち目はなくなった!」
カインは円盾を前面に出して構えた。
「貫け! メガニードルスプラッシュ」
円盾から青白いレーザーが発射された。
シロはそのレーザーを、槍で軽く薙ぎ払った。
「嘘……だろ……!」
カインは、目の前で起こった事実を受け入れることが出来なかった。
「行くぞカイン!」
シロの槍が形状を変える。槍の先端が放射状に開き、虹色の光を集め始めた周囲の空間が歪む。
「フォースエレメンタルメガブラスト!」
霊装ペガコーンの槍は虹色の巨大な閃光を放ち、カインを直撃した!
「うわああああぁぁぁぁ!」
カインは悲鳴を上げた。
吹っ飛んで壁に激突し、その場で倒れた。青白い光を放っていた霊装はいとも簡単に砕け散り、その場には恐怖で青白い顔をしたカインが倒れているだけだった。
シロは言葉を返した。
「雑魚はお前だったな」
応援ありがとうございます!
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