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宴の始まり
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ぼくは中二のころ、一人で歩道を歩いていたら、黒いスモークガラスのハイエースに拉致られ、眠らされてしまった。そして、気が付くと、知らない綺麗な女の人と一緒にいた。
その女の人は、コスプレでもしているのだろうか、魔女の姿をしていた。思わず、笑いそうになったが、何か事情があるのだと思って話しかけた。
すると……。
「あなたの魂は、わたしのもの。お前はわたしの下僕。こんどの魔女集会の日に、他の魔法使いの下僕と戦って勝利しなければならない」
と、そう告げられた。
最初、何言ってんだこいつって思った。でも、目がマジだった。
ぼくは、その女の人に連れられ、牢屋に入れられた。
そこは、光がほとんど差し込まない暗闇。鼠の気配がする。あと虫の気配。
ひねっても出ない水道の蛇口からポタンポタンと垂れる水の音。
穴の詰まったトイレ。
最悪の環境だった。
一日一回、女のメイドが持ってくるパンとスープを食べる。ただそれだけ。
ぼくは日に日に衰弱していく。
だが、命だけはなんとかつなぎとめていた。
そんな地獄の日々が10か月続いた。
その後、ぼくは、牢屋から出される。そして、すぐに変な薬を飲まされた。
薬を飲むと、ぼくの体はたちまち元気になった。
筋肉もムキムキ、そして、背も高くなる。
そして、声も美しく、髪の毛もさらりとした美男子になっていた。
「こ……これはいったい」
「お前が知る必要はない。ほら、これがお前の正装だ。これを着て、あした集会に行くんだ。わかったな。そして、必ず勝ってこい。勝ったら、褒美をやる。だが、負けたら……どうなるか分かってるな……」
────要するに、負けられない戦いということだ。
ぼくはその日、名前を付けられた。名前はポチ。これって、犬の名前だろ……。
ようは、勝てばいいのであって、名前なんてどうだっていいのだ。
案内人の後について、地下闘技場、ワルプルギスの中へ入る。
そこは……ステキな男子がいっぱいだった。
みんな目が輝いてスラっとした体付きをしている。
声も綺麗だ。
実は、ぼくも薬のせいでそんな声になっている。
しばらくして、女の恰好をした男が、ぼくに近付いてきた。
そして、ぼくのお尻をさわりながら……。
「あなた、かわいいわね。でも、勝ちは譲ってあげないわよ」
と、低い声でそういって、ニヤニヤしながら離れて行った。
怖かった。なんだか、早く勝って帰りたい。そう思った。
でも、ぼくはどうやって勝てばいいんだろう……。
ただ、勝てといわれても、喧嘩で勝てばいいのか、それとも別ななにかなのか、まったくわからない。
そして、この大会の主催者という魔女が、檀上に上がった。
「さあ、魔女に育てられた、ショタたち! 今日はワルプルギスの宴の日。さあ、殺し合いましょう!」
「「「おおおおおおおおおおおお!」」」
闘技場はすごい熱気だ。みんな上着を脱いで、上半身裸になる。ぼくも、熱気で暑苦しいので、つられて上半身裸になった。
魔女たちの男たちの裸を見て歓喜の声を上げる。それは、恐ろしい光景だった。
そして、夜中の12時を回った。
ゴングとともに、戦いが始まる。
その女の人は、コスプレでもしているのだろうか、魔女の姿をしていた。思わず、笑いそうになったが、何か事情があるのだと思って話しかけた。
すると……。
「あなたの魂は、わたしのもの。お前はわたしの下僕。こんどの魔女集会の日に、他の魔法使いの下僕と戦って勝利しなければならない」
と、そう告げられた。
最初、何言ってんだこいつって思った。でも、目がマジだった。
ぼくは、その女の人に連れられ、牢屋に入れられた。
そこは、光がほとんど差し込まない暗闇。鼠の気配がする。あと虫の気配。
ひねっても出ない水道の蛇口からポタンポタンと垂れる水の音。
穴の詰まったトイレ。
最悪の環境だった。
一日一回、女のメイドが持ってくるパンとスープを食べる。ただそれだけ。
ぼくは日に日に衰弱していく。
だが、命だけはなんとかつなぎとめていた。
そんな地獄の日々が10か月続いた。
その後、ぼくは、牢屋から出される。そして、すぐに変な薬を飲まされた。
薬を飲むと、ぼくの体はたちまち元気になった。
筋肉もムキムキ、そして、背も高くなる。
そして、声も美しく、髪の毛もさらりとした美男子になっていた。
「こ……これはいったい」
「お前が知る必要はない。ほら、これがお前の正装だ。これを着て、あした集会に行くんだ。わかったな。そして、必ず勝ってこい。勝ったら、褒美をやる。だが、負けたら……どうなるか分かってるな……」
────要するに、負けられない戦いということだ。
ぼくはその日、名前を付けられた。名前はポチ。これって、犬の名前だろ……。
ようは、勝てばいいのであって、名前なんてどうだっていいのだ。
案内人の後について、地下闘技場、ワルプルギスの中へ入る。
そこは……ステキな男子がいっぱいだった。
みんな目が輝いてスラっとした体付きをしている。
声も綺麗だ。
実は、ぼくも薬のせいでそんな声になっている。
しばらくして、女の恰好をした男が、ぼくに近付いてきた。
そして、ぼくのお尻をさわりながら……。
「あなた、かわいいわね。でも、勝ちは譲ってあげないわよ」
と、低い声でそういって、ニヤニヤしながら離れて行った。
怖かった。なんだか、早く勝って帰りたい。そう思った。
でも、ぼくはどうやって勝てばいいんだろう……。
ただ、勝てといわれても、喧嘩で勝てばいいのか、それとも別ななにかなのか、まったくわからない。
そして、この大会の主催者という魔女が、檀上に上がった。
「さあ、魔女に育てられた、ショタたち! 今日はワルプルギスの宴の日。さあ、殺し合いましょう!」
「「「おおおおおおおおおおおお!」」」
闘技場はすごい熱気だ。みんな上着を脱いで、上半身裸になる。ぼくも、熱気で暑苦しいので、つられて上半身裸になった。
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そして、夜中の12時を回った。
ゴングとともに、戦いが始まる。
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