乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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1章 どうやら転生したようだが

13話 テンプレ其の1キター

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   エイデ辺境伯領都城壁が見えて来た。領都イチニは元は隣国に対する防衛拠点の城塞であった為塀が高い。領都は従魔などを連れて入ることが出来るのでレイディも連れて行こう。城壁近くまで飛んでいくと飛行魔物と間違えて撃ち落とされるので手前で降りて街道を歩いて領都入りしなければならない。

   ふと前を見ると街道に土煙が上がっている。

「馬車でも跳ばしているのかしら」

   人通りの少ない街道を突っ走る馬車、もしかして…

「レイディ、近くまで行ってみましょう」

『あいなのヨ、御主人』

   まず見えて来たのは馬に乗ったボロい装備の男達5人。その前を2頭立ての上等な馬車と、その脇をハーフプレートメイルの騎士が馬で並走している。
   コレは間違いなくアレだ。テンプレキターー!

「レイディ、馬車の横の馬に寄せて」

「Gyua!」

   ひと鳴きすると高度を落としながら馬車に近づく、ボロい男達の頭上を追い越した時、ボロい男達の驚愕の表情が見えた。うん、どこから見ても“盗賊”だ。こんな真昼間から出るんだねぇ。

   馬車の少し手前で着陸し、レイディは走って騎士の横に並んだ。騎士は一瞬ギョッとした顔を見せたが、すぐさま剣を構えた。

「盗賊に追われているとお見受けしますが、ご助力いたしましょうか?」

   盗賊の仲間と間違えられて攻撃されたくないので助けがいるか声をかける。いつも思うが考えを言葉にすると上品な物言いに変換される。エレーニア仕様なのか。

「出来れば、お願いしたい」

「承りました」

   馬車を引いている馬はそろそろ限界のようでスピードが落ちて来ている。レイディに止まるように合図して、後方の“盗賊”を振り返る。

「《土壁アースウォール》」

   魔法一発、“盗賊”の進行方向に突然高さ1メートルの土の壁が出現する。先頭とその左右を走っていた三頭の馬が、止まる事も避ける事も出来ず脚を取られ転倒した。その勢いで乗っていた男達はゴロゴロと転がり落ちる。よかったね馬の下敷きにならなくて。残り二頭はギリギリ止まったようだ。
   レイディからヒラリと飛び降りインベントリからクレイブを取り出し構えた。

「さて、今なら見逃して差し上げますが」

   転がった3人の内2人が立ち上がる、1人は打ち所が悪かったのか気を失っているようだ。無事だった2人も馬から降りそれぞれ武器を構えた。

「は、言うじゃねえか、お嬢ちゃんよ。多少魔法が使える様だが、男5人に勝てると思ってんのか」

「そちらこそ、何かお忘れじゃありませんか?」

   ばかだ、こいつら。私の言葉に後ろのレイディが吼える。

「Guryuuu~」

「「「「ひっ」」」」

   あ、レイディの威圧にやられてやんの。私がグリフォンに乗ってたの見てたろうに。

「くそっ、引くぞ」

   武器を構えたまま後退る4人、気絶した奴は放置のようだ。馬に乗ろうとした男達は、泡を吹き硬直した馬の姿に驚く。馬達はさっきのレイディの威圧にやられてました。

「チッ、畜生」

   1人だけ私に剣を振りかぶって向かって来たが、残りは走って逃げようとする。見逃すほど甘くないよ。

「レイディ!」
「Gyua!」

   逃げた3人はレイディに任せ、向かって来た男に対処する。おお振りに振り下ろされた剣を半身を躱して避けつつ脚を引っ掛ける。男はつんのめったものの持ちこたえたが、すかさずグレイブの石突で背中をついてやる。

「グエェ」と潰されたカエルのような声を出したところに、クレイブを振り回し柄を頚部に打ち込み意識を狩った。うん、呆気ない。戻って来た騎士に声をかける。

「ロープか何かお持ちですか?」

「あ、ああ持ってくる」

   いやに顔色が悪いな、この騎士。汗いっぱいだし、あれ?そう思ったら騎士の身体がぐらりと揺れ膝から崩れ落ちる。

「ウイル!!」

   馬車から飛び降りて来たのは10歳くらいの女の子、上等なドレス姿といい、馬車と言いどっかの貴族令嬢だろう。ウイルと呼ばれた騎士を見ると、袖の一部が破れ血が滲んでいる。ああ、毒にやられたのか。盗賊の持っていた剣をよく見ると鉄にしては赤黒い、間違いなく毒だね。あの程度の盗賊なら騎士1人でも迎え撃てそうなのにと思ったらこうゆう事か。

「ウイル、ウイル」

   ご令嬢は苦しそうな騎士を揺さぶる、やめたげて、苦しそうな上、毒の回り早くなるよ?

「お嬢さん、ちょっと失礼」

   ご令嬢を騎士から引き離すと、後ろからメイド服のおばさん(うん、おばさんだ)が馬車から降りて来てご令嬢をおいかけて来ていたのだろう、ご令嬢を引き受けてくれた。
   騎士は剣を突き立て懸命に倒れないよう耐えている。バックから出したように見せかけてインベントリから毒消し薬の小瓶を出しふたを開ける。何の毒を使ったか解らないのでとりあえずの応急処置だ。毒限定出来たら解毒剤作れるんだけど。

「飲めますか?毒消し薬です」

   疑わしげに睨む騎士。え~、毒消し薬に一服盛るなんてしないよ?そんな手間かけなくとも放置すればいいんだし。

「お疑いでしたら毒味しますが?」

「いや、かたじけない」

   逡巡したのは一瞬で、騎士は小瓶を受けとり一気に飲み干す、あ、半分傷にかけた方が良かったのに…仕方ない。インベントリから毒消し草の葉を一枚取り出し、手ですり潰す。騎士の袖を捲りあげすり潰した薬草を塗りつける。

「かたじけない」

「いえ、困った時はお互い様ですよ、とりあえず休んだ方がいいでしょう」

   騎士に肩を貸し街道横の木陰に座らせると、ちょうどレイディが戻って来た。口に2人加え(キチャナイ)前脚で1人引っ掛け引きずっている。御者が馬車を引いて戻って来たので盗賊の乗っていた馬を集めてもらう。騎士はメイドにまかせた。
   ご令嬢は騎士の横に跪いてオロオロしている。

   インベントリからロープ(ホント、なんでもはいってるよな)を取り出し、盗賊5人の手を後ろにしばりもう1人の首に括るという作業をする。逃げると仲間の首が閉まるという寸法だ。え、だって目覚めて逃げられてもめんどいし。レイディには角兎のモモ肉をあげ、殺さずに連れて来たので褒めておく。んじゃこいつら放置で騎士の様子見にいこう。

   顔色良くなったみたい、ご令嬢も落ち着いたようだ、近づくと立ち上がってお辞儀をする。騎士も立ち上がろうとしたのでが手でそのままでと、制止する。

「危ないところをお助けいただきかたじけない」
「ウイルだって毒なんか使われなかったらあんな連中一捻りだったんだからっ」

   いや、お嬢さん、毒喰らった時点でダメでしょ。それが解っているのか騎士はご令嬢を見て苦笑する。

「私はウイリアム=カーチス、こちら「わたくしはアンネロッテ=クロード、ウェイシア王国、クロード辺境伯爵令嬢よっ」」

   騎士に被せ気味に自己紹介をするご令嬢、騎士もメイドも、御者もあ~あって顔をした。馬車に紋章がないし、騎士も紋章なしのハーフプレートメイルだし、お忍びだったんじゃね?ご令嬢台無しだよ。騎士の困り顔を見て「あっ!」って言ったよ。こっちはにっこり笑顔で返しておく。

「私はエルと申します、冒険者になる為領都イチニに向かう途中でした。こちらは私の従魔のレイディ」
   紹介されたレイディは「Gyua!」とひと鳴きした。

「魔法といい、その従魔といい、どちらかのご令嬢かと思っておりましたが…いえ、我らもイチニに向かう途中でした本当にありがとうございます」

   騎士さんはお互い事情ありと判断したのか追求を避けた。何か言いたそうなご令嬢をメイドが抑えている。

「お邪魔でなければイチニまでご一緒しませんか。あいつらに背後が無いかどうか尋問するにもイチニへ連行しなければなりませんし、ウイリアムさんも毒消し薬を飲んだとはいえ、今日1日は無理しない方がよろしいでしょう?」

「よろしいのですか、お言葉に甘えさせていただきます」

   ここからイチニまで馬車だと1時間くらいか、その間の護衛も必要だろう。御者と2人で盗賊を叩き起こし馬車の後ろに繋ぐ。馬の怪我は《初級回復ヒール》で治療するしてから同じように馬車の後ろにつないだ。盗賊の怪我?知らんよ、なにそれ?

   ウイリアムさんには馬車に乗ってもらって出発だ。レイディに乗って馬車の横を並走する。





   ヤッタネ!【盗賊に襲われている馬車を助ける】テンプレイベントクリアーだ!



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   なんとか更新できましたが、見直し甘いかもしれません、誤字脱字おかしな言い回し等ありましたら指摘していただけるとうれしいです。
   イベントは衣瑠が勝手に転生モノとして設定してるだけです(≧∇≦)
毒消しは解毒剤と違って特効薬ではなかったりする。
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