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1章 どうやら転生したようだが
14話 領都イチニに着きました
しおりを挟むあれから特になにも起こらなかった、ヨネ?
馬車の窓からご令嬢が顔を出して話しかけてくるぐらいで。
「ねえ、どうやったらグリフォンをテイムできるの?
ねえ、わたくしもグリフォンに乗ってみたいわ
ねえ、女性に人気があるのはペガサスって聴いたけどペガサスはいないの?
ねえ、わたくしも大きくなったらテイムできるかしら。
ねえ、あなた腰に剣を差しているのに槍を使うのね?
あれ、槍はどこかしら、もしかしてマジックバックなの?
ねえ、わたくしもマジックバックが欲しいとお父様にお願いしてるの、でもまだ早いって 」
「お嬢様!!」
さすがにメイドが止めた。申し訳なさそうにこちらを見る。
騎乗用の従魔として人気があるからと言って誰でもテイムできるわけでは無い。大型の騎乗用魔物をテイムしているのはかなりの実力者だ。
学園在学中にワイバーンをテイムできれば、卒業後無条件で【翼竜騎士団】に入ることができる。【翼竜騎士団】は【近衛騎士団】に次ぐエリートと言われている。【翼竜騎士団】の団長は火龍に乗っているが、ほぼ式典要員と化しているとかいないとか。大きな戦争はここ30年ほどオルフェリア王国では無い。これは現王の政治手腕の賜物と言われている。王妃様は隣国ウェイシアから嫁いで来られた現ウェイシア王の従姉妹にあたる王族だったんだ。
しかしよく喋るご令嬢だ。
「そうですね、女性に人気のある騎獣は確かにペガサスですが、ペガサスをテイムしている女性の話はあまり聞き及んでおりませんね。私の騎獣はこのレイディだけですし」
他にいるけどあんまり人様の前に出せないので内緒です。
「そうなの?残念だわ。わたくし14歳になったらオルフェリア王立学園に留学しますの。お父様がおっしゃるにはウェイシア王国の学園より良い魔法の先生が揃っているらしいですの。
いまのオルフェリア王太子の婚約者のディヴァン侯爵令嬢はものすごい魔法の使い手なんですって」
ぎっく~、そんな噂隣の国まで流れてるの?そりゃ時期王妃だしありえなくないか。まさか姿絵とか出回ってないよね。オルフェリア国内ではそれなりに顔を知られている(貴族階級限定)けど、ウェイシア王国までは大丈夫と思ってたが慎重にした方がいいかも。ーあ、でも婚約破棄までは知られてないのね。
「あ、そろそろイチニに着きますよ、検問に並ぶ人達が見えてきました」
ほっ、良いタイミングだった。これでご令嬢のお喋りが終わる。入都を待つ検問の列の最後列に馬車をつける。途端に周りがざわつき始めた。なに?馬車に貴族の紋章つけてないから貴族側の入り口に並ばなくてもおかしく無いよね。あ、盗賊つないでるから?馬車はスピード出さなかったけど盗賊は小走りで1時間引っ張られへばってる。
「おい、あれグリフォンだぜ」
「ひぃ、魔獣がっ」
「人がのってる、グリフォンってテイムできるのか?」
「うわっ、喰われる~」
……って、私ですか?こんな大きな街なんだから従魔連れくらい珍しく無いだろうに。
ざわつきが波紋のように伝播していく。ん?門の方から兵士っぽい人が走ってきた。
「どこに魔物がって、うぉっ!グ、グリフォン?」
兵士っぽい人が槍を構える。あのー人が乗ってるんだから野生じゃ無いですよ?騎獣ですよー。
「この子はむやみに人を襲いません、私の従魔ですから、ねえレイディ」
「Gyua!」
冷や汗をかいている兵士っぽい人にレイディがひと声鳴いて挨拶をする。その時、馬車からウイリアムさんが出てきた。
「イチニの警備隊の方ですか、ちょうどよかった、途中襲ってきた盗賊を捕まえ連行してきたのですが引き渡してもよろしいでしょうか」
「なに、盗賊だと、ちょっと待ってくれ、他にも連れてくる」
警備隊(でしたか)の男はウイリアムさんの話を聴くとまた走って行った。男は上司らしき男のほか、同僚2人、計4人でやってきた。そのうちの上司らしき男が話を聴くということで私とウイリアムさんを門横の警備隊詰所に案内した。テーブルに向かい合わせに座ると、
「俺はイチニ警備隊第3隊副隊長のビルだ。さっそくだが身分証を見せてもらえるか」
ウイリアムさんは身分証を取り出して渡した。私は新たに考えた言い訳を言って見る。
「実はグリフォンで飛行中に荷物を落としてしまいまして。身分証をなくしてしまったんです。戻って再発行してもらうより、イチニで冒険者登録をして作ろうと思っている次第です」
テヘペロってか?ビルさんは立ち上がって出て言ったと思ったら水晶玉のようなものを持ってきた。
「判定球だ、手を乗せてくれ」
言われるまま右手を乗せると、判定球と呼ばれたそれは青く輝く。犯罪歴があると赤く光る。仕組みが全くわからない不思議装置だ。
「問題ない、それじゃあ入街税五万メルだがこれは冒険者カードを持ってくれば返金される。あと、あんたは従魔を連れているから、従魔の入街にさらに五万メル。これも街で従魔が問題を起こさなければ出ていくときに返す」
合計十万メル、日本円で十万円か、結構するな、ま返ってくるからいいけど。
お金は1メル1円、お札はなく十メルが小銅貨1枚、百メルが大銅貨1枚、千メルが小銀貨1枚、一万メルが大銀貨1枚、十万メルが小金貨1枚、百万メルが大金貨1枚である。
レートそのままだから計算楽だわ。カバンをゴソゴソするふりをして大銀貨10枚をインベントリから出してテーブルに置く、小金貨もあるけど、普通平民はあまり持ち歩かない。
ちなみにウイリアムさんは隣国の騎士の証明書だったので五千メル、平民だと大人千メル子供五百メルだそうだ。
ビルさんはお金を数えるとキャッシュカードサイズの銅板(五万メルの預かり証だ)と従魔の証明用の首輪を渡してきた。首輪は魔道具でサイズ自動調整機能付き。壊すと弁償として五万メルは戻ってこない。今レイディは馬車のところで待っている。
盗賊は別室で取り調べで判定球は当然赤く光り牢屋にぶち込まれ、別途詳しく尋問される。盗賊確定だと死ぬまで鉱山で働かされる。この国奴隷制度ないから。でもガガート帝国には奴隷いますけど。逃亡奴隷とかの引き渡しでよく揉めるらしいんだよね。
ウイリアムさんが経緯を説明する。
「犯罪者である事は確認できたので、盗賊1人につき捕縛で1万メル、犯罪歴によって報奨金がでる。後日連絡を入れるので連絡先を教えて欲しい」
「捕らえたのはエルさんなので、報償金はエルさんが受けとってください」
ウイリアムさんはそう言って報償金を辞退する。私?今後お金も何かと必要なので遠慮しませんよ。私はビルさんにお風呂に入れるおすすめの宿を聴きそこにしばらく滞在する事、移動するときは知らせることを伝え警備隊詰所の扉からイチニに案内された。
「ようこそ、領都イチニへ」
ビルさんはそう言って送り出してくれた。馬車の一行は私たちが警備隊詰所にいる間に手続きを済ませたようで警備隊詰所の領都内側の入り口の前で待っていてくれた。レイディも素直について来たようだが、なんだかビクついてる警備隊員に警戒されてるよ。
第1章ー終ー
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今日もなんとか更新できましたが、見直し甘いかもしれません、誤字脱字おかしな言い回し等ありましたら指摘していただけるとうれしいです。
2016.11.08誤字修正と、ウイリアムさんの【ギルドカード】を【身分証】に変更しました。
2017.02.03奴隷制度が無い設定に変更しました。
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