乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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2章 冒険者になろう

3話 ぶらりイチニ

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   予定外に時間が余ってしまった。夕食には早いし、お買い物は明日も出来るけどメインストリートって東西南北広いから今日は日用品でも見るか。

   東西のメインストリートは食堂、酒場、宿が東、西は大きな商会の店舗が多い。これはここが東のオルフェリア国内と西のウェイシアを繋ぐ中継地となっているからだろう。オルフェリア中から集まった商品(商隊)が隣国ウェイシアに、反対にウェイシアから来た物がオルフェリアへと流れて行く。
   この街で取引をする商人も多い。その為ウェイシアの目ぼしい大店がここイチニに支店を構えている。なので西の冒険者ギルドの向かいは商業ギルドの建物がある。こっちは五階建てで冒険者ギルドよりでかい。
   その為ここイチニにはウェイシア中の品が集まる……羨ましい。隣の領であるうちと商業取引による税収入は段違いなのだ。まあ、国境防衛にさく費用も凄いけどね。
   でもこの東西の大店は大口取引の客が多い。小売もしてるけどね。歩いてる人は街の人より旅人が多い

   北は工房系が多い。武器、武具などの鍛治工房。木工、陶器などの工芸工房。魔法薬、魔道具などの魔術師工房…そう、魔道具のお店も北。直ぐにでも行きたいところだがここは資金をある程度集めてからだ。冷やかしと思われると商品見にくくなるからね。魔導オーブンあるといいな。

   そう言えば買取について聞くの忘れたな。登録前でも買い取ってくれるのか?でもきっと割安買取だろうからいいか。

   そして最後、南は街の人達の為のいわば『商店街』八百屋、肉屋などの食材関係から、服屋、道具屋(金物とか様々な日用品を扱っている)北ほどでは無いがチョットした冒険者向けのお店もある。
   南のお店を覗いてみよう。

「そこの奥さん、今日は旦那に角鹿のステーキ何てどうよ、今晩ハッスル間違いないぜ」
「ディヴァン産のいい大根あるぜ~」
「農場直送、新鮮卵だよ、今日生みたてだ」
「鰯、秋刀魚、鯵の干物が入ったよ。海魚何て滅多に食えないよ~」

   ちょうど夕食用の買い出し時間に当たる為、呼び込みがすごい。肉系は狩ればいいからいらないけど野菜がほしい。乾燥じゃなくフレッシュなのが。アオ村の村長さんにはインベントリもマジックバックも秘密にしてたので(イナミさん夫婦にはマジックバックはバレてるかも。目の前で調合道具屋出し入れしたから)旅人らしく乾燥野菜をお願いしたのだ。あれはあれで旨味凝縮されてて美味しいけどね。
   ディヴァン産の大根って割高だ。物価は衣瑠の生きてた日本の十分の一くらいなのに。輸送に日数がかかるから魔道具でも使ったのかな?普通の大根が一本10メルなのにディヴァン産の大根は30メルもする。それでも売れるって事は美味しいのか。

「よう、ネエさん。ディヴァンの大根どうだ、辛味がなく甘味があって美味いぜ」

   ほう、そうなのか。産地でそんなに味が違うのか。

「魔素も多く含まれて一級品だよ」

   あ、そうか。ディヴァン領の北にあるキルデ山脈は魔素が濃い。山脈から続くうちの土地は魔の森といい魔素の濃い土地が多い。その為魔獣も多いけど。だから野菜も美味しいんだね。

「じゃあ、ディヴァンの大根10本もらえる?あ、そこの玉葱10キロとジャガイモ10キロ人参 10キロとそこのニンニク2籠も、あとねえ」

「おい、ネエさんそんなに買ってどうやって持つんだよ、っつーかなん人分だ、腐るぞ?」

「マジックバックがあるから大丈夫よ」

   驚く店主にニッコリ、ほんとはインベントリだけどね。マジックバックは時間が止まらないから大量買の理由にはならない。他にも欲しいけどあんまり大量に買うと変に思われるのでこの辺にしとこう。いくつかのお店でチョットづつ買った方がよかったかな?でもいっぱい買ったんでオマケもしてくれた。ホクホク。

   あ、香辛料屋みっけ。香辛料は結構お高い。日本に比べて10倍くらいか?でもターメリック、セージ。クミンにガラムマサラ、その他諸々買い込んだ。ここもオマケしてもらった。これでカレーが作れる。あ、とすると米がいる。米と小麦買わないと。
   隣は調味料専門店、味噌、醤油、ウスターソース、ケチャップ、酢、塩、胡椒をゲット。あれさっきの香辛料屋の店主だ、何だ全部で1つのお店なのね~
   あ~なんか楽しい。こう見えて衣瑠は主婦してたので値切り交渉はよくしたよ。

「じゃあ、これオマケしてよ、さっき香辛料イッパイ買ったし…」

   なんてねえ。

   結局アッチコッチのお店見て買って回った。これで当分飢えることはない。うん安心。懐具合は良くないけど。現金確保しないとな。

   色々見て回ってるうちに随分時間が経った。宿屋に帰ってごはんの時間までレイディと戯れるかな。狭い厩舎じゃあストレス溜まるだろうし。






   ん?宿の厩舎係かな。レイディを案内してくれた青年が、厩舎の影から中を覗いてる。変なの。
声掛けるか。

「あの…」

「はいぃぃっ!」

   いや飛び上がって驚かなくてもいいのに。冷や汗ダラダラで振り返る青年。

「お、お客さん。グリフォンの…」

「ウチの子、何かしました?」

「い、いえ?そうじゃないんです。餌を持ってきたんですが、俺グリフォンって初めてで…その…あの…」

   ああ、ビビっちゃったのね。仕方ない。最低3日はお世話になるんだから慣れてもらわないと。

「じゃあ餌を持ってついて来てもらえますか」

   青年を伴いレイディの厩舎に入る。たまに大型の従魔を連れてくる人もいるので仕切りを外せば拡張できる便利な厩舎だ。今、レイディの居る厩舎は普通の馬用の倍を使っている。

『御主人、遊ぶ?遊ぶなのヨ?』

   私を見つけたレイディが立ち上がって翼をバッサバッサするので青年がビクッと後ずさる。

「レイディ、このお兄さん…お名前聴いてませんでしたわ」
「べ、べ、べ、ベンです」
「べべべベンさん?」

    わかってるけど小首を傾げて言って見た。ベン青年は真っ赤になり「ベンでしゅ」と、今度は噛んだ。さらに赤くなる。笑う顔をベン青年に見られないようレイディを振り返り、喉を撫でる。

「レイディ、ここにいる間、このベンさんがお世話してくれるの。噛んだり引っ掻いたりしちゃダメよ」

『ここにいないとダメ?御主人出たらダメなのヨ?』

   チョット寂しそうなレイディ、閉じ込めるのは可哀想だけど我慢してもらおう、それとも…

『嫌なら一度帰る?それでもいいわよ?』

   ベン青年に聞こえないように念話で尋ねる。レイディは首を右にコテン、左にコテンと振り悩んでいる、可愛いのう。

『や、アタチ我慢するなのヨ。御主人といっしょがいいなのヨ』

   甘えん坊さんなんだから♡スリスリと頭を擦り付けてくる。その様子を見てベン青年が若干後ろに下がった。

「じゃあ約束、ベンさんは餌をくれるの、仲良くするのよ」

    そう言いながらベン青年を手招きする。近づいて来たところでベン青年の手を掴み、レイディの嘴を撫でさせる。ベン青年にはさっきからレイディの鳴き声が「Guryuu~、Gyauu~Gugya!」っと聞こえている。撫でられて「Gyua!」っと鳴くとビクッとしたものの手は離さなかった。

   餌のバケツを見ると何か解らないが屑肉が入っていたので、インベントリから角猪肉を出し上からのせた。後でベン青年にも渡しておこう。レイディはこう見えて美食なのだ。甘やかし過ぎ?まあいいじゃない。


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