乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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2章 冒険者になろう

10話 森で

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   歩きながらの《エリアサーチ》で薬草系も探しておく。あ、ヒール草がポツポツ生えてるので摘みながら行こう。


   30分ほど進むと角猪発見。レイディと挟み撃ちにする。レイディが「Gyua!」と鳴いて威嚇すると驚いた角猪が反対方向に走り出す。そこで待ち受けてる私。そのまま真っ直ぐ突っ込んで来たのでひらりと身を交わしつつすれ違い様グルカナイフをひと薙する。首を斬られた角猪は暫く進むが脚がもつれ、ドウッっと倒れる。そのまま近くの木にぶら下げ血抜き解体。いや解体にこのグルカナイフお役立ちです。ミスリル製なので魔力を通すとスパスパ切れます。

   もう1匹角猪飼ったところでお昼にしました。レイディには狩りたての角猪肉をあげる。
お肉って熟成させた方が美味しいというのが日本人知識にあるが魔獣は魔素を多く含んだ狩りたての方が美味しいのだ。時間で魔素が抜けていき味が落ちるらしい。インベントリに入れておくといつでも狩りたて。売る分は狩りたてすぎも怪しまれるので街に帰る前にマジックバックに入れ替えないとな。

   さてレイディにもたれて食休みもとったし昼からは薬草採取でもしましょう。

   2時間ほどぶらぶらしながら薬草採取してると崖下に突き当たる。結構断崖絶壁っぽいがレイディに乗ればひとっ飛び……あ、崖の中腹辺りに角鹿発見。
   ここで妖精の弓を取り出す。雷の属性を込めてピュッとな。急所に当たらなくとも雷で痺れて一発で落ちて来る。そこを《フローティングコントロール》で優しくキャッチ。でないと崖で擦って毛皮の価値が下がっちゃいます。
   角鹿にトドメさしてるとレイディが寄って来た。

『御主人、なんか来たなのヨ』

   レイディが何かを察知したようなので私も《エリアサーチサーチ》。コッチにジリジリにじり寄る点がひーふーみー…6っつ。何だろうと一番近い奴の方向を見ると、ガサリと繁みの間から出て来たのは森狼もしくはグリーンウルフと呼ばれる魔獣。うん、深緑色の毛並み。そりゃ人間もピンクだの青だの紫だの色んな髪の毛生やしてるんだから、獣も色んな毛生やしてるよね。

   グルルルゥっと唸るグリーンウルフ、しかしレイディをみてビビってます。だがのそり、のそりと次々現れるグリーンウルフ。角鹿と言うより私がロックオンされてる気がする。

『うっとおしいのなのヨ、御主人、やっちゃっていいなのヨ?』

「Gyuryuuu~」

   レイディが唸ると前傾姿勢で構えるグリーンウルフ達、1、2、3、4、5、あれ、1匹足りないな、と思った瞬間。

   繁みから「ガオォォン」と吠えながらひとまわり大きなグリーンウルフがレイディに飛びかかって来た。レイディは前足を振り上げグリーンウルフに一撃を加えようとするがグリーンウルフは素早く跳びのき、爪は空を切る。レイディがグリーンウルフを追いかけると、残りの5匹が一斉に私に飛びかかってきた。
   インベントリからグレイブを出し大きく振り回す。当たるとは思ってない、とりあえず牽制して隙をさがす。レイディに向かって行ったのが群れのボスだろう。自分を囮にしてレイディを引き寄せ、その間に仲間が弱い私を狙う、頭がいいボスだわ。しかし、私を弱いと舐めた事を後悔させてあげる。

「《雷の蛇サンダースネイク》」

   地を這うように3本のイカズチがグリーンウルフに向かう」

「キャウンッ」「ギャウッ」

   1匹避けられた。魔法で狙わなかった左のグリーンウルフに踏み込みグレイブを横薙ぎに払う。浅い、胸元を僅かに掠っただけで横っ飛びに逃げられた。その隙を狙いフリーになっている1匹が飛びかかって来る。

「甘い!《石の壁ストーンウォール》」

   突如地面から突き出た厚さ10センチ横幅50センチ高さ150センチの石の壁にグリーンウルフが突っ込む。

「ギャウッ」

   突っ込んで来たグリーンウルフは鼻面をしたたか打ち転げるがすぐに立ち上がる。グレイブを左のグリーンウルフの喉元に突き刺し払う。喉を裂かれたグリーンウルフは払った勢いでそのまま倒れる。

「まず、1匹目」

   石壁を蹴り倒しぶつかって来たグリーンウルフに向かって走り出す。「ガウォォォォン」と遠吠えのようにボスが吠えた。その途端動ける2匹が踵を返し去っていく。ボスを見ると苦々しげに(いや、そんな感じがしただけ)睨むと藪の中に飛び込み走り去って行った。

『逃がさないのなのヨ』

「レイディ、追いかけなくていいわ」

   跡を追おうとするレイディを引き止める。遊ばれた感があるのか悔しそうなレイディを撫でて宥める。《サンダースネイク》で気を失った2匹のグリーンウルフにトドメを刺し3匹をそのままマジックバックの方に入れる。グリーンウルフの肉は食べられないので時間が経ってもいいのだ。解体するの邪魔くさいのでこのまま売ろう。

   狼は集団で狩をする。グリフォンに敵わないと踏んだあのボスは自分がレイディの気を引いている隙に手下に私を襲わせた。そして魔法を使った私にも不利だと感じたら、即退却した。普通の狼より頭がいいと言うか判断力があると言うか、この世界の魔獣は侮れない。ここで角鹿の解体はヤバそうなのでインベントリに放り込んで移動する事にした。

   《エリアサーチ》で各種薬草と獣の動きをチェックしつつ採取をすると結構疲れてきたので、レイディに辺りを警戒して貰いながら採取に集中する。キノコ&野草もみっけ。あ、野苺だ。もう少ししたらブルーベリーとかも取れるかな。




   そろそろ四時くらいか、6時には門が閉まるので今日はこれくらいにして帰るかな。

   レイディにまたがり上昇する、東南方向に進路をとるとすぐに城壁と時の塔が見えてきた。時の塔は朝6時から夕方6時まで3時間おきに鐘を鳴らし時間を教えてくれる。また6時の鐘はそれぞれ開門と閉門の合図でもある。鐘は神殿が管理しているところが多く、イチニも神殿管理となっている。この世界の時計は魔道具で精密機械ではないので持ってるのは貴族とか金のある商人とかだ。え、エレーニア?持ってるに決まってるでしょう。蓋に花の透し彫りが入った懐中時計型。当然パパンからのプレゼントだ。

   西門が見えてきたので街道に降りる。そのままレイディを歩かせて入門待ちの列に並ぶ為降りる。
従魔の首輪をつけているので、最初のようなことはないがやはりビビられてる。レイディを撫でながら進むと門兵に「グリフォン…」と青い顔をされた。南門から出たから西門通るの始めてか。ギルドカードを見せて無事イチニに入る。レイディを宿に連れて行ってから冒険者ギルドに行こう。

「レイディ、お疲れ様」

   なでなでしてるとベン青年が来たので今日と明日の朝の分の角猪肉を渡しておく。

   さて、納品行きますか。
   


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レイディの鳴き声だけがアルファベットなのは仕様です。
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