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4章 ダンジョンに行きます
4話 ダンジョン2日目です
しおりを挟む今日は3階層の階段部屋で野営するかな。【転移水晶柱】がないので厳密なセーフティゾーンではないけど普通の階層よりは格段に安全だし、結界魔法&レイディで見張りなくとも大丈夫だ。
本当は訓練も兼ねて交代で見張りをたてる予定にしていたのだが【ワーキングアント】戦で疲れてしまったようで、ウリュ君は夕食を食べつつ舟を漕ぎ出した。魔法もいっぱい使ったからね。
お風呂は無理そうなので《ピュリフィケイション》で綺麗にしてから二人を先に休ませた。
今後の事も考えてマナポーションを作っておこう。クロスボウのボルトが50本用意していたのだが【ワーキングアント】戦で減ってしまった。硬い攻殻の所為で先が潰れてしまったのだ。ウリュ君は今後魔法を使う事が増えそうだから、マナポーションは準備しておこう。
2時間程でマナポーション50本作り上げた。瓶は50本しか購入してなかったのでこれで終わろう。ヒールポーションも作ろうかと思ったが、ウリュ君の事があるので明日にしよう。
「レイディ、私も休むから何かあったら起こしてね」
『了解なのヨご主人、あたちオネーサンなのヨ、まかせるなのヨ』
なぜかいつもよりはりきっているレイディの頭をわしゃわしゃしてから二人の横に並んで眠ることにした。
モゾモゾ
ゴソゴソ
ん?
薄眼を開けるといつの間にかウリュ君がしがみついてました。おうふっ。寝返りした時にひっ付いたのか。うう~ん、睫毛長いし白い、眉毛はちょっと茶色がかってますね。うふふふ、思わぬご褒美いただきました。
そんな事を考えつつまた眠りに落ちた。
「おはよう、エル姉ちゃん(ハラヘッタ~アサメシ~)」
「おはよ、オネーちゃん」
なぜか副音声でアレクス君の心の声が聞こえる気がする。
「おはよう、ちょっと待ってね、顔洗ったら朝ごはんにしよう」
この世界には歯ブラシあります。木の持ち手に動物の毛や何かの植物の繊維を使ってます。桶に水を入れて3人で並んでゴシゴシ、ガラガラ、ぺっ。
朝は作り置きのサンドイッチと牛乳でさっと済ませる。昨日は夜は何もせず寝てしまったので3階層に出たらまず【ワーキングアント】の解体から始めましょう。
春の3階層、そこは小川の流れる林のエリアでした。相変わらず広くてワンフロアだよ。コレ地図っているの?
(エルは地図を見てないので知らないが階段の位置だけでなく、出て来る魔物の種類やボス、採取できる素材、罠の場所なども記載されている)
小川の横で解体開始。使い物にならなさそうなものは小川にポイする。その辺にポイしても時間がたてばダンジョンに吸収されるのだが邪魔なので投棄だ。ウリュ君にはボルトの手入れもするように言ってある。あ、忘れずに2人にマナポーション5本づつ渡しておこう。
解体の成果は触角82対、魔石73個、やはりレイディに潰された分で採取出来ないのがありました。
攻殻69体分、焼けて使えなさそうなやつはポイ、いっぱいあるからいいよね。
小川で手を洗ってから出発準備。
「ウリュ君、3階層に出る魔物はナニかな」
「【ブルークロウラー】と【グリーンクロウラー】ごく稀にレア種の【ゴールデンクロウラー】でちゅ」
図鑑のページを広げて見せてくれる。青虫、緑虫……芋虫ですね。
体長1メートルから大きなもので2メートル、木の上から下を通る獲物に向かって落ちて来る事がある。糸を吐いて獲物を搦めとると、レア種の【ゴールデンクロウラー】の糸はシルクのように滑らかで且つ防刃性能があり高額で取引される。討伐証明部位は角のような触角、素材として使えるのは糸袋か。
がさりと下生えをかき分けてゴブリンが顔を出す。春階層では全階層にいるゴブリンですが2、3匹ならアレクス君1人で瞬殺します。
「この剣ほんとよく切れるね」
気に入ってくれた様だけど、抜刀時右手で剣を、左手で鞘を引っ張らないと抜けないし、鞘に収めるのもちょっと大変そう。街に戻ったらもう少し短めのミドルソードあたり買ったげよう。
少し進むと桜に似た薄いピンクの花をつけた木があった。蕾は花びらより濃いめの薄紅色が綺麗だ。
「オネーちゃん、あれは【アップルトレント】でちゅ」
またまた図鑑を広げて見せてくれるウリュ君。其処には林檎の木に枝の鼻とうろの目がついた【アップルトレント】の絵。えーっと【チェリートレント】にそっくりなんですが?
焚き木にすると良い香り、肉を燻すと美味しい燻製ができる、とな。説明文も同じやんけ。まあチップ変えたら色々な燻製できるか。
《エリアサーチ》で木と【アップルトレント】を見分けながら伐採しませう。
【アップルトレント】は近づくと枝を鞭の様にしならせて攻撃して来る。以下同文…
【チェリー】より少なめで6本ほど伐採しました。伐採中にもぞもぞ這い出てきた【ブルークロウラー】はレイディが「バチュン、バチュン」と潰してましたね。まあ、頭じゃなく胴狙ってくれたので触角と糸袋は問題なく回収出来ました。
「エル姉ちゃん、ココなんか変だよ」
ちょうど罠らしきものが《サーチ(範囲検索と地形探索併せてサーチ呼び)》に引っかかったのを、アレクス君も見つけた。斥候としても優秀です。
「ほんとだ、よく見つけたね」
頭をクリクリ撫でると困ったような顔をして少し頬を染める。褒められて嬉しさ半分子供扱いが嫌なの半分ってとこですか。
《石の玉》の魔法でボーリングよろしく転がしてみると『ガコン』と音を立てて地面に穴が開く。そっと中を覗くと暗くてよく見えないが結構深そうな落とし穴だった。1分ほどで穴は閉じる、不思議装置だな。
「また見つけたら教えてね」
「うんっ」
そして3人と1頭は各種クロウラーをスパッと両断、トスッと一撃ち、バシュッと一潰ししながら進んで行きました。
進行方向に周りより一回り大きな木があった。雰囲気は 某電機メーカーCMのモンキーポッドのような木だ。風もないのに枝が揺れて……ぞわってした。よく見ればモンキーじゃなくクロウラーの木でした。
枝にいっぱい青や緑の芋虫が…毛虫よりマシか?
「あ、オネエちゃん、あちょこ金色」
ウリュ君の指差す方向に金色の芋虫、なんかでかい気がする。
【ゴールデンクロウラー】は欲しいが、周りの青と緑が邪魔だ。遠距離攻撃でピンポイントで金をやったとしても回収する為に木の下に行くともれなく青と緑が落ちてくるだろう。
「いいんじゃね?あれくらいオレたちでヤレると思う」
「僕も頑張りまちゅ」
「Gyawa!」『あたちがんばるなのヨ」
なんて逞しいの、うちの子達。立派になってヨヨヨ。
では作戦たてましょう。
まず私が木の周りにC型に深さ1メートルの溝を掘ります。落ちたクロウラーは後回し。残した通り道からレイディに【クロウラー】を釣って来てもらう。そこでアレクス君とレイディには戦ってもらう。
私とウリュ君は溝の外から遠距離攻撃で仕留めましょう。
「何か質問は?」
「「ないよ」」
「じゃあ行くね《溝掘り》」
ゴゴゴゴゴゴ、ボコボコンと地面が凹んで行くのを眺めていると、綺麗にC型に溝ができた。
「じゃあ位置について、レイディお願いね」
「Gyua!」
レイディがトットットと徐々にスピードをあげ、木の周りをぐるっと一周すると、ボトボトッ、ボトンと【クロウラー】が落ちて来た。
【クロウラー】達はモゾモゾと這いながらレイディを追ってくる。こうして樹海が広がっゲフンゲフン。アレクス君に「ほーら怖くない」とか言わないよ?
ウリュ君はクロスボウを放つと次のボルトをセットしつつ《ウインドカッター》を唱える。
私は《氷の矢》で木の上の【クロウラー】を落としつつ(落ちた時には凍りついいている)ミスリルの槍で戦士の武技《スラッシュ》で見えない刃を飛ばして這い寄る蟲を切りとばす。
アレクス君は右手にショートソード、左手にブロードソードで無双してました。
そしてレイディは溝の内側で爪攻撃乱舞。結構いい感じ、これならすぐ終わるかなって思った途端レイディが「Gyuwawaa!」て鳴く。
みると蟲が一斉に糸を吐き出した。
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