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4章 ダンジョンに行きます
10話 ギルドで依頼処理
しおりを挟む「え~っと、Fランクの依頼はゴブリン5匹で700メル、アーチャーやメイジが1匹500かあ、街より安いなぁ」
「ちょれだったらEランクのアーチャー2匹ちぇんメルの方が高ランク依頼なんでランクアップ条件だよ」
「んー、あと二ヶ月ランク据え置きなんだよなぁ」
「今クリアしておけば14歳になった時点で条件クリアでアップできるよ」
「んじゃあ、そっちで」
「あとはウォーリアー2匹で1200メルか、チームだと一度に5件受注できるからハニービー3匹で針納品すれば1800メルの5つにしよう」
「おっし」
アレクス君が今言った常時依頼の木札をとる。ダンジョン村のギルドはモンスター討伐は薬草採取と同じ常時依頼で依頼書の下にある木札をとってカウンターに持っていく方式になっている。
ダンジョンの討伐依頼は街と比べて格段に安い。素材納品はもう少しするが、ゴブリンに素材なんてないから。ハニービーは討伐証明部位の針が素材になるので少し色がつく。
アレクス君が自分のギルドカードと木札をカウンターに置く。後ろから私のギルドカードも差し出す。
「これお願いします」
「冒険者ギルドエオカ支部【四季ダンジョン】出張所、担当のカールです。依頼受注ですね」
「あ、依頼達成処理も同時でお願いします」
あらかじめ討伐証明部位はアレクス君に渡してあるので、アレクス君はマジックリュックから小分けした麻袋を取り出しカウンターに置く。
「えーっと、これがゴブリン45個と、アーチャーが13個、メイジが12個、それとウォーリアーが14個、ハニービーが、うっ、重い53個と」
担当のカールさんの口が開いた。最後のハニービーの袋がでかいのでカウンターにドンと置く。
周りがざわりざわざわと騒がしくなった。
「まじ?あの小娘とガキンチョが」
「あの娘、ほら、グリフォン連れた…」
「あんな娘がグリフォンテイムって」
「おお、お近付きになりたい…」
なんかゾワってした。ウリュ君が振り返って睨んでるし。
「ちょっと…計算しますのでお待ちください」
「じゃあ、ちょっと商業ギルドに用事があるのでまた後できます」
「わかりました、ではこれを」
差し出された3番と書かれた札をもらい、隣の商業ギルドに行く。ダンジョン素材の買取価格一覧があれば見せてもらおう。ダンジョン村の冒険者ギルドの買取価格は街より安いから、多分商業ギルドも街より安いだろうけど、冒険者ギルドよりましな気がする。どうせインベントリの中だから街まで戻って売ってもいい気がするけどね。
ここの商業ギルドも門番的な人はいない。ドアを開けて入ると割と人がいた。商人が買い付けに来ているのだろう。
受付嬢に商業ギルドカードを渡しつつ声をかける。
「ダンジョン素材の買取価格表とかありませんか?」
「そちらのホールの壁面に提示しております」
おりょ、目の前でした。おお、素材品名の横に木札の値札が桁ごとに変更できるようになってるのか。値段の変動に対応できるようになっててすごい。
「オネエちゃん、ウォールナットトレントが1本10万メルもちまちゅ」
「げ、ほんとだチェリーでも8万アップル9万だよ」
「チェリー多めに伐採したし売っちゃおうか」
「あんた、そこの嬢ちゃん。チェリートレントあるのか、ならワシに売ってくれんか?」
「いや、お嬢さん、わしは8万2千だすぞ」
「見せてくれんかトレント、良いものだったらもっと出すぞ」
商人のおじさん達がわらわら寄ってきた。トレントは大きいので持って帰って来るのが大変だからか。チェリーやアップルとかこのスモークシリーズは【四季ダンジョン】の固有種で人気があるらしい。なんかホールが大変なことになってる。冒険者ギルドの討伐は1体100メルなのに。移動しないモンスターだから安いんだよ、ダンジョンから出て来ることないからね。
「なんの騒ぎだ、これは」
「あ、所長」
突然現れた50代の男性、在りし日のショーン・コ◯リーのようなシブメンだ。受付嬢が説明を買って出た。
「こちらのお嬢さんがトレントを売りに出すとおっしゃったもので皆さんが…」
シブメンが近寄ってきた。
「【四季ダンジョン】出張所、所長のコネリーだ。あんた冒険者か?本当にトレントを持ってるのか?」
おお、コネリーさん。疑わしそうに私をみるので、2枚のギルドカードを見せる。
「冒険者で商人ですよ。お疑いなら現物お見せしますが」
顎に手をあて考えるコネリーさん、シブメン。
「わかった、じゃあ現物倉庫に持ってきてくれ。ああ、エル?といったか?そっちがよければ競り形式で売らないか、その方がいい値がつくぞ」
「初値をこちらでつけていいなら」
「解った、どれくらいで運び込める?」
「今すぐにでも」
「ふっ、聞いた通りだ、トレントが欲しいやつは競りの参加手続きをして1時間後に2号倉庫に集合してくれ」
「「おお」」「「解った」」
ムウ、できる男かも。
「エル、付いてきてくれ」
コネリーさんは奥の廊下をズンズン進んで行くので、慌てて付いて行く。一番奥の扉を開けるとイチニにもあった買取カウンターだ。
「ハッシュ、ちょっと一緒に来てくれ」
「なんだコネリー」
ハッシュと呼ばれた30後半の男性が現れた。
「こいつは査定人のハッシュだ。ハッシュ、このお嬢さんがトレントを競りに出す、2号倉庫に行くぞ」
「へ、こんなお嬢さんがトレントだって、冗談…じゃねえのか」
ハッシュさんに向かってニッコリ微笑む。
「見かけで判断ちゅるのはちつれいでちゅ、ちょんな事では痛い目みまちゅよ」
ウリュ君がハッシュさんを睨んでるし、アレクス君も殺気を放ってる。アレクス君、いつの間に《殺気》放てるようになったの?
「なんかボウズ達もただもんじゃなさそうだ」
ははっとコネリーさんが笑い、2人の頭を乱暴になでた。嫌そうにする2人が可愛いっす。
「おい、こっちだ」
通路を奥の扉を開けてハッシュさんが呼ぶので、2人に「ありがと」と礼を言い頭を撫でる。コネリーさんの時と違ってニッコリ笑い返してくれる。
2号倉庫と呼ばれた場所はテニスコートよりは狭いか、でも十分に広い。トレントは高さ5~8メートルはあるからな。
「何本くらいあるんだ?そこの扉が外と繋がってる。荷車ごと入るからこの辺のど真ん中に置いてくれ」
ハッシュさんが真ん中をさして言う。
「幹はそことして、腕枝はどうします?」
「腕枝は腕枝だけ固めて並べてくれ」
「わかりました」
倉庫の真ん中にいくとハッシュさんとコネリーさんが変な顔をする。ああ、外に取りに行くと思ってるのね。マジックバックから取り出すふりをして先ずチェリーから出して行く。10本あるし5本出すかな?
ズゥン……ズゥン……ズゥン…
「お、おい、一体何本あるんだ?っていうかそのマジックバックどんなけ入ってるんだよ!」
ハッシュさんが慌てたように言う。
「あ~、一度に出すと値崩れするかなぁ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アレクス君はGランクなのでFランクにはGランク10件連続達成がランクアップ条件だがそれはすでにエオカでクリア済み。
Eランクの依頼も今回で余裕でクリアです。
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