乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

文字の大きさ
53 / 140
4章 ダンジョンに行きます

11話 トレント事情

しおりを挟む
 
 
 
「おい、エル、お前さん、インベントリ持ちか?」

   あ、やっぱり誤魔化せないか。ソリャこんなでっかいトレント分割せずに丸ままだし。しかし、シラを切る!

「いや~このマジックバック大容量なんで」
「………まあいい、で後どれくらいあるんだ?」
「どれくらいほしいです?」

   コネリーさんがフッと笑う、できる男感醸し出してますな。

「まあ、チェリー以外があれば」
「一本づつでいいです?」
「ってあるんかい!」

   ハッシュさんからツッコミいただきました。

「しかもこいつは…全然傷がねえ、一撃で仕留めたって事か」 

   ズゥン……ズゥン……ズゥン

   チェリーの横にアップル、ウォールナット、オークを並べて行く。その横に腕枝をチェリー6本他を2本づつ。

「腕枝も傷なしか、あんたどんな腕してんだよ」
「アレクス君とウリュ君がいてくれたから、1人じゃ絶対無理ですよ」

   ハッシュさんが驚いたように2人を見る。ウリュ君は知らん顔だがアレクス君はニヤッと笑う。

「エル、ちょっとこい」

   コネリーさんに指でクイクイ呼ばれて行くと真剣な顔で言われた。

「マジで後何本あるんだ?後いつま此処にでいる?」
「………」
「お前さんの事は秘密にすると誓おう、最近トレントを狩ってくる奴はほとんどいないんだ。品薄で困ってる、上からはせっつかれててな。依頼を出しても誰も受けないんだ」

   まあ、マジックバックでも1本丸々入らないし、台車でも持ち込まない限り、トレントは分割してる間に吸収されるからなぁ。
   商人は信用第一だけど、口が上手くないと商業ギルドで上に登ることはできないか。ん~、コネリーさん信用出来そうな雰囲気だしいいか。

「今出した分合わせて、チェリー10本、他が6本づつありますよ。後明日一度エオカに戻って明後日から【四季ダンジョン】の夏階層に挑戦するつもりです」

「…だったら明後日、ダンジョンに行く前にトレントを同数してもらえねえか。こっちも出来れば別けて売りたい。」
「邪魔くさいので今日の競り終わったら残り出しますよ。競りの日はそちらで自由に設定して貰って構いませんし、なんでしたら明日エオカの商業ギルドにも売りに行きましょうか?」

「いいのか?すまん頼めるか。そうだな、エオカに競りをできるようにこっちから速文で連絡を入れておく」
「初値はロビーの表示価格でお願いします。じゃあ、また後で戻ってきますね」
「競り見ていかないのか?」

   アレクス君とウリュ君と手を繋いで倉庫を出て行こうとするとコネリーさんに引き止められた。

「冒険者ギルドで依頼達成の査定待ちなんでそろそろいかないと。後宿もとってないし」
「宿ならうちの職員用の部屋を無料で提供するぞ」

   コネリーさんから意外な提案です。

「…お風呂あります?」
「いや、洗い場ならあるが湯船はねえ、つうかここの宿も風呂はねえぞ」

   なんですと!風呂がない!じゃあ洗い場に風呂桶持ち込んで……うん、商業ギルドの方が無理ききそう。

「わかりました。お世話になります。あ、従魔用の厩舎ってあります?グリフォンなんですけど」
「グリフォンって、噂のグリフォン連れの冒険者ってエルの事か…うちの荷馬車用でいいなら空いてるぜ」

「じゃあお願いします。行こうか、2人ともお待たせ」

   アレクス君はちょっと退屈してたみたい、と言うかお腹が空いているのだろう。急いで冒険者ギルドに戻ろう。



   ギルドハウスに戻って次の依頼を探す。

「アントやクロウラーの依頼書探してくれる?」
「オーケー」
「わかりまちた」

   うーん、Eランクじゃあないのかな、Dランクになるのか、1匹としては強くないけど大量に湧くからか。
   それはエルの感覚で、ワーキングアントは殻が硬く、クロウラーは糸を吐き、どちらもランクとしては単体でEランク推奨でなかな手強いモンスターなのである。ただ春階層の虫系は『除虫香』で避けられるのでEランク冒険者の挑戦が許可されている。まさかEランクチームが『除虫香』なしで挑戦したとは誰も思わない。

「あったよ、ランクDでゴブリンジェネラルが3000メル」
「こっちも、ブルークロウラー糸袋込みで5匹で1万メル、グリーンクロウラー糸袋込みで5匹で1万メルでちゅ」
「ビッグモスが3000メル、羽がないと1000メルか。ゴールデンはなさそうね」
「ワーキングアントが5匹攻殻込みで1万メルだよ」

   それぞれ木札を持ってショーンさんのカウンターへ並ぶ。
「お待たせしました、あ、チーム【金色の翼】の…ちょっとおまちください」

   ショーンさんはしゃがんで足元からトレーを出してきた。3番の木札と私とアレクス君のギルドカードを渡す。

「ええっと、全て依頼達成です。ゴブリン45匹で6300メル、アーチャー13匹で6500メル、メイジ12匹で6000メル、ウォーリアーが14匹で8400メル、ハニービーが53匹で31800メル、合計59000メル、1割引いて53100メルになります」

   耳や針を入れていた袋と大銀貨5枚、小銀貨3枚、大銅貨1枚を渡された。それを受け取りマジックバックに入れる。

「じゃあ今度こっちも依頼達成処理してもらえます?」
「え?まだあるんですか」
「3日間、春階層こもってましたから。あと、ビッグモスの羽がなくて替わりにゴールデンビッグモスの羽でもいいです?」
「えええっとぉ、ちょっとお待ちください」

   またこのパターンだ。あ、誰か連れて戻ってきた。

「解体、査定担当のラッシュだ、ついてきてくれ」

   あれ、この人もしかして。テクテクとラッシュさんの後をついて行く。

「もしかしてラッシュさん、商業ギルドのハッシュさんとご親戚ですか?」

   部屋のドアを開けながら振り向くラッシュさん。

「ハッシュは弟だ、あんたハッシュの知り合いか?」
「いえ、先ほど商業ギルドにトレントを納品してきたので」
「トレント、あんたトレント討伐したのか?でもこの中にトレントは無いが」
「ええ、私達商業ギルドにも登録してますので、向こうに売りました」
「まあ、トレントは商業ギルドの方が高く買い取ってくれるからな。じゃあ、このテーブルの上に出してくれるか」
「アレクス君、討伐証明部位出してくれる?」
「わかった」

「ゴブリンジェネラルの耳1個と、ブルークロウラーの触角19個とグリーンクロウラーの触角33個、ワーキングアントの触角は30対入りが2袋と24対入りっと。モスはウリュの方だ」
「ゴールデンビッグモちゅの口吻とビッグモちゅの口吻でちゅ」

   2人が討伐証明部位を出している横で大量の糸袋と攻殻を積み上げて行く。でも素材は半分にしておこう。明日エオカの商業ギルドで売った方が高く売れるだろうから。
   ん?ラッシュさんが冷や汗かいてるように見えるが知らんぷり。あーワーキングアントの攻殻置くとこなくなったから床の上でいいかな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エルのインベントリ、気づかぬ内にさらに巨大化(拡張)してます。
エルはできるだけアレクス君達の取り分が増えるよう考えてます。


しおりを挟む
感想 222

あなたにおすすめの小説

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

処理中です...