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4章 ダンジョンに行きます
11話 トレント事情
しおりを挟む「おい、エル、お前さん、インベントリ持ちか?」
あ、やっぱり誤魔化せないか。ソリャこんなでっかいトレント分割せずに丸ままだし。しかし、シラを切る!
「いや~このマジックバック大容量なんで」
「………まあいい、で後どれくらいあるんだ?」
「どれくらいほしいです?」
コネリーさんがフッと笑う、できる男感醸し出してますな。
「まあ、チェリー以外があれば」
「一本づつでいいです?」
「ってあるんかい!」
ハッシュさんからツッコミいただきました。
「しかもこいつは…全然傷がねえ、一撃で仕留めたって事か」
ズゥン……ズゥン……ズゥン
チェリーの横にアップル、ウォールナット、オークを並べて行く。その横に腕枝をチェリー6本他を2本づつ。
「腕枝も傷なしか、あんたどんな腕してんだよ」
「アレクス君とウリュ君がいてくれたから、1人じゃ絶対無理ですよ」
ハッシュさんが驚いたように2人を見る。ウリュ君は知らん顔だがアレクス君はニヤッと笑う。
「エル、ちょっとこい」
コネリーさんに指でクイクイ呼ばれて行くと真剣な顔で言われた。
「マジで後何本あるんだ?後いつま此処にでいる?」
「………」
「お前さんの事は秘密にすると誓おう、最近トレントを狩ってくる奴はほとんどいないんだ。品薄で困ってる、上からはせっつかれててな。依頼を出しても誰も受けないんだ」
まあ、マジックバックでも1本丸々入らないし、台車でも持ち込まない限り、トレントは分割してる間に吸収されるからなぁ。
商人は信用第一だけど、口が上手くないと商業ギルドで上に登ることはできないか。ん~、コネリーさん信用出来そうな雰囲気だしいいか。
「今出した分合わせて、チェリー10本、他が6本づつありますよ。後明日一度エオカに戻って明後日から【四季ダンジョン】の夏階層に挑戦するつもりです」
「…だったら明後日、ダンジョンに行く前にトレントを同数してもらえねえか。こっちも出来れば別けて売りたい。」
「邪魔くさいので今日の競り終わったら残り出しますよ。競りの日はそちらで自由に設定して貰って構いませんし、なんでしたら明日エオカの商業ギルドにも売りに行きましょうか?」
「いいのか?すまん頼めるか。そうだな、エオカに競りをできるようにこっちから速文で連絡を入れておく」
「初値はロビーの表示価格でお願いします。じゃあ、また後で戻ってきますね」
「競り見ていかないのか?」
アレクス君とウリュ君と手を繋いで倉庫を出て行こうとするとコネリーさんに引き止められた。
「冒険者ギルドで依頼達成の査定待ちなんでそろそろいかないと。後宿もとってないし」
「宿ならうちの職員用の部屋を無料で提供するぞ」
コネリーさんから意外な提案です。
「…お風呂あります?」
「いや、洗い場ならあるが湯船はねえ、つうかここの宿も風呂はねえぞ」
なんですと!風呂がない!じゃあ洗い場に風呂桶持ち込んで……うん、商業ギルドの方が無理ききそう。
「わかりました。お世話になります。あ、従魔用の厩舎ってあります?グリフォンなんですけど」
「グリフォンって、噂のグリフォン連れの冒険者ってエルの事か…うちの荷馬車用でいいなら空いてるぜ」
「じゃあお願いします。行こうか、2人ともお待たせ」
アレクス君はちょっと退屈してたみたい、と言うかお腹が空いているのだろう。急いで冒険者ギルドに戻ろう。
ギルドハウスに戻って次の依頼を探す。
「アントやクロウラーの依頼書探してくれる?」
「オーケー」
「わかりまちた」
うーん、Eランクじゃあないのかな、Dランクになるのか、1匹としては強くないけど大量に湧くからか。
それはエルの感覚で、ワーキングアントは殻が硬く、クロウラーは糸を吐き、どちらもランクとしては単体でEランク推奨でなかな手強いモンスターなのである。ただ春階層の虫系は『除虫香』で避けられるのでEランク冒険者の挑戦が許可されている。まさかEランクチームが『除虫香』なしで挑戦したとは誰も思わない。
「あったよ、ランクDでゴブリンジェネラルが3000メル」
「こっちも、ブルークロウラー糸袋込みで5匹で1万メル、グリーンクロウラー糸袋込みで5匹で1万メルでちゅ」
「ビッグモスが3000メル、羽がないと1000メルか。ゴールデンはなさそうね」
「ワーキングアントが5匹攻殻込みで1万メルだよ」
それぞれ木札を持ってショーンさんのカウンターへ並ぶ。
「お待たせしました、あ、チーム【金色の翼】の…ちょっとおまちください」
ショーンさんはしゃがんで足元からトレーを出してきた。3番の木札と私とアレクス君のギルドカードを渡す。
「ええっと、全て依頼達成です。ゴブリン45匹で6300メル、アーチャー13匹で6500メル、メイジ12匹で6000メル、ウォーリアーが14匹で8400メル、ハニービーが53匹で31800メル、合計59000メル、1割引いて53100メルになります」
耳や針を入れていた袋と大銀貨5枚、小銀貨3枚、大銅貨1枚を渡された。それを受け取りマジックバックに入れる。
「じゃあ今度こっちも依頼達成処理してもらえます?」
「え?まだあるんですか」
「3日間、春階層こもってましたから。あと、ビッグモスの羽がなくて替わりにゴールデンビッグモスの羽でもいいです?」
「えええっとぉ、ちょっとお待ちください」
またこのパターンだ。あ、誰か連れて戻ってきた。
「解体、査定担当のラッシュだ、ついてきてくれ」
あれ、この人もしかして。テクテクとラッシュさんの後をついて行く。
「もしかしてラッシュさん、商業ギルドのハッシュさんとご親戚ですか?」
部屋のドアを開けながら振り向くラッシュさん。
「ハッシュは弟だ、あんたハッシュの知り合いか?」
「いえ、先ほど商業ギルドにトレントを納品してきたので」
「トレント、あんたトレント討伐したのか?でもこの中にトレントは無いが」
「ええ、私達商業ギルドにも登録してますので、向こうに売りました」
「まあ、トレントは商業ギルドの方が高く買い取ってくれるからな。じゃあ、このテーブルの上に出してくれるか」
「アレクス君、討伐証明部位出してくれる?」
「わかった」
「ゴブリンジェネラルの耳1個と、ブルークロウラーの触角19個とグリーンクロウラーの触角33個、ワーキングアントの触角は30対入りが2袋と24対入りっと。モスはウリュの方だ」
「ゴールデンビッグモちゅの口吻とビッグモちゅの口吻でちゅ」
2人が討伐証明部位を出している横で大量の糸袋と攻殻を積み上げて行く。でも素材は半分にしておこう。明日エオカの商業ギルドで売った方が高く売れるだろうから。
ん?ラッシュさんが冷や汗かいてるように見えるが知らんぷり。あーワーキングアントの攻殻置くとこなくなったから床の上でいいかな。
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エルのインベントリ、気づかぬ内にさらに巨大化(拡張)してます。
エルはできるだけアレクス君達の取り分が増えるよう考えてます。
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