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4章 ダンジョンに行きます
19話 金色の
しおりを挟む夕陽はすでに沈み空にはキラキラと星が瞬き始めた。遅いな、2人とも。
ようやく廊下に気配を感じ椅子から立ち上がるとノックの音がした。
「エル姉、ただいま」
「開けてくだちゃい」
ドアを開け2人を迎え入れる。
「遅かったね、もうご飯できてるよ」
なんとなくもじもじするアレクス君と、アレクス君を肘でツンツンするウリュ君。なんだろう。
「オ、オレ達、エル姉に話があるんだ」
「話し?」
「ちょうでちゅ」
「オレ、オレ達エル姉にすごく感謝してる」
え?あらたまってなに?
「僕達、オネーちゃんに拾ってもらって感謝ちてます」
「エル姉のお陰でお金も稼げたし、強くなれた」
それって…
「冒険者になれたのも全部オネーちゃんのお陰でちゅ」
まさか、まさか…
「だから、オレ達…」
もう…私…必要…な………い?
「「これからもよろしくお願いします」ちまちゅ」
差し出された2人の手、ウリュ君の手には金色の装飾品、アレクス君の手には可愛らしい花束がのっていた。
固まったまま動けないのに、足の力が抜けペタンと座り込んでしまった。2人がそばに駆け寄って来る。
「あれ?オネーちゃん?」
「…エル姉?なんて顔してんだ?」
だって、だって『いらない』って言われるのかと、また『いらない』って…
ウリュ君が私の頭を撫でる、いつもと逆だ。
「えっと、そんなにびっくりちまちたか?」
「遅くなって心配した?とか」
2人の言葉にふるふると首を振る。
「耳と尻尾ちゃわっていいでちゅよ?」
「うっ、オ…オレもちょっとなら」
思わず2人を抱き寄せた、力一杯。
「ぐぇっ」
アレクス君から変なうめき声が聞こえたが気にしない。おもいっきり抱きしめる。
「ありがとう、2人とも、こんな私だけど一緒にいてくれる?」
「僕まだオネーちゃんにおちょわりたい事いっぱいありまちゅ」
「オレだって、もっと強くなって一緒にダンジョンに行って冒険したい」
「うん、そうだね、一緒にいっぱい頑張ろ」
「「うん」」
目尻を拭って立ち上がる。2人の手からプレゼントを受け取った。
「プレゼント悩んだんだぜ。武器とかはエル姉いっぱい持ってるし、あにさまが前に『女の人は花が好き』って言ってたから」
「マジックアイテムもオネーちゃんなら自分で良いの造っちゃうから、ただのアクちぇちゃリーだけど、おちょろいなんだよ」
見ると2人の耳に金色の羽のモチーフのイヤーカフが着けられている。
「本当は『翼』が良かったんだけど無くってさ」
「ちゃがちてておちょくなりまちた」
「『金色の翼』…」
「おう、オレ達のチームなっ」
「レイディのぶんもあるけど」
「あいつの耳どこなんだろ?」
「耳無理っぽいからチョーカーにでもしてみようか」
「せっかくだからお揃いが良かったけど耳朶なさそうだしな」
そんな会話をかわしながらコップに水を出し花束を生けテーブルの真ん中に飾る。
「さあ、お肉料理いっぱい造ったよ、みんなで食べよう」
「やった~、肉肉~」
「お昼もいっぱいお肉食べたのに、アレクちゅぢぇったい、お腹だけ大きくなるんだ」
「なんだよ~、そんなこと言うならウリュのぶんもオレが食う」
「ダメ、オネーちゃんのお料理、ちゃんと僕が味わって食べまちゅ、アレクちゅにはあげまちぇん」
楽しくて騒がしい夕食が始まった。
第4章ー終ー
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微妙なエルのトラウマ発覚でした。
次5章1話目、構成上1000文字程度で短いので今日中に投稿します。
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