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4章 ダンジョンに行きます
18話 ランクアップ
しおりを挟むバスケットコート2つぶんはあるだろう訓練場に。マーリオさんとやってきた。
「じゃあ先ずはアレクス君から、武器はショートソードでいいかな」
「普段これ使ってるんだけど」
と言ってマジックリュックからブロードソードを取り出す。
「ああ、ではこっちのロングソードで」
練習様の刃を潰した剣だが打ち所が悪ければ致命傷も与えられる。
マーリオさんは練習様の刃を潰した戦斧だ。子供相手に真剣に構える。
「じゃあいつでもいい、かかってこい」
「よしじゃあ行くよ」
言うと同時に《瞬足》で一気にマーリオさんの前に出る、そのまま突きの姿勢で突っ込むが戦斧で逸らされた。アレクス君は二撃目をやめサイドに跳びのき横から剣を振り回す。それもマーリオさんに簡単に避けられたが、一見力任せに振り回したように見えるが遠心力を利用して身体をくるりと反転しそのまま勢いを殺さず叩きつける。
ガキィン
素早い剣回しに剣筋を反らせずマーリオさんは戦斧で受け、鍔迫り合いになった。だが力で敵わないのはアレクス君も承知しており、マーリオさんの押し出す力を利用して後ろに飛び退った。
「ストップ、終了だ」
「え?もう終わり」
マーリオさんは戦斧を下ろした。
「これは力量を見るための試験だ、勝敗を決めるものではない、君は十分戦える、合格だよ」
「やったあ、ウリュ、エル姉合格だよ」
「「おめでとう」」
走って来たアレクス君はウリュ君、私の順にハイタッチを交わした。
「次はウリュ君だが、君は魔法弓士、珍しいな遠距離タイプか。じゃあ向こうの的を狙って弓からいこうか」
面白い的だ。三重の円を描いた板が洗濯ロープのようなものにつられていて二本の柱の間にぶら下がっている。端のロープを引くことで的が動く仕組みだ。小型のクロスボウなので射程は短いので10メートルの距離から狙い撃つ。5本撃って3本は中心の円の中、2本は二重目の円の中に当たる。
魔法は《ウインドカッター》を3発放ち板を真ん中から切り落とした。
「ほう、獣人族で《詠唱破棄》で撃てるとは。しかも魔力操作もできるようだ。羨ましいな」
「先生がいいでちゅから」
にっこり微笑むウリュ君です。
獣人族に次いで魔法が不得意とされるのがドワーフ族だ。羨ましいと言うのは本心だろう。
「君も合格だ、ではカードを預ろう、リーダーの分も書き換えるので全員だ」
私たちはカードを渡し訓練場を後にする。
最終的に3人のギルカはこうなった。
名前:エル・年齢:16歳・性別:女
出身地:ディヴァン領、オルフェリア王国
職業:魔法剣士、冒険者
所属:ウェイシア王国、クロード領、エオカ支部
ランク:D
チーム:金色の翼/リーダー
チームメンバー
・アレクス(剣士)・ウリュ(魔法弓士)
賞罰:ー
名前:アレクス・年齢:13歳・性別:男
出身地:シーデ村、北方連合国
職業:剣士、冒険者
所属:ウェイシア王国、クロード領、エオカ支部
ランク:E
チーム:金色の翼/メンバー
賞罰:ー
名前:ウリュ・年齢:10歳・性別:男
出身地:北方連合国
職業:魔法弓士、冒険者
所属:ウェイシア王国、クロード領、エオカ支部
ランク:E
チーム:金色の翼/メンバー
賞罰:ー
チームとしてはDランクになるのかな。二人とも赤いギルカにニッコニコだ。今日はお祝いで肉パーティをしようかな。
「エルさんはCランクにアップするには試験が必要だ。ギルドが指定する護衛依頼、もしくは盗賊討伐依頼だが、今盗賊討伐依頼は無いから護衛依頼になる。こちらで依頼を検討するので数日間待ってもらわないといけないのだが」
と、カードを渡してくれたマーリオさんが説明をしてくれた。
「すぐにランクアップの必要はないので今はいいです。当分ダンジョン三昧の予定ですし」
ウリュ君達がDランクに上がった後でいいや。
「そうか、試験は街以上のギルドでしか受けられないので覚えておいてくれ」
「はい、ありがとうございました」
「では俺はこれで失礼する」
「「ありがとうございました(ぢゃいまちた)」」
ギルドを出たところで二人に告げる。
「結構時間がかかったから武器探しは明日にして、今日はランクアップお祝いで肉パーティにしよう」
「肉パーティ!!」
アレクス君が食いついた。
「じゃあ材料買って帰ろうか」
ではまずお肉屋さんに行きましょう。角牛シリーズ、出来れば黒毛和牛があればと思ってね。
「お嬢ちゃん、角アンガス牛のフィレなんてどうだ?、角ヘレフォード牛のタンもあるぜ」
えっと、種類の違いがどう味に違いが出るのかわからないのですよ。でもタンシチューを作りましょう。当然ステーキは必須ですね、あとはローストビーフ。あ、ミートボールスパゲティなんていいかな、あとはブロック肉の丸焼き…は部屋の中じゃちょっとまずい。角牛シリーズは秋エリアにいるらしい。いずれ狩に行くけどいくらかストックほしいな。
「えっと、じゃあ、コレとこれとそれ、あそっちも10キロづつくださいな、あ、タンは一本でお願いします」
「…ま、まいどあり、姉ちゃん配達してやろうか?」
「あ、大丈夫です、バックあるんで」
アレクス君の目がキラッキラです。あとは野菜を買って帰りましょう。
「アレクス君達は自由にしてていいよ。支度に時間がかかるから、夕方まで自由行動ね」
「え、お手伝い「はいっ、わかりまちた」」
アレクス君を遮るようにウリュ君が返事をする、珍しいな」
「おい、ウリュ「ぢゃあ、行こうアレクちゅ」ウ、ウリュ?」
アレクス君の背中をグイグイ押しながらウリュ君は雑踏に紛れていった。
エオカで一年近く暮らしていたのだからこの街のことは私よりよく知っている二人だ。行きたいとこあるんだろう、さあ、戻って料理しないと。
窓を開け風魔法で煙や匂いを逃しつつ調理。タンシチューの鍋は土魔法と火魔法と時魔法を合成して作り出したオリジナル魔法《保温調理》で鍋を包む。短時間で長時間煮込んだ効果が得られる優れものだ。この魔法鍋に付加したらシャト◯シェフみたいな調理器具作れそうだ。
ローストビーフはオーブンの中、。今は鍋の中でトマトソースとミートボールとハンバーグが煮込まれている。ハンバーグはダンジョン用に煮込みハンバーグを作り置き。そろそろいい頃合いだ《保温》をかけておくか。パスタは茹でたてをインベントリに入れてあるしでサラダはすでに出来上がっている。あとはステーキ用はハーブや塩胡椒でマリネしてあるのでこれから焼く。
アレクス君はライス派、ウリュ君はパン派なのでどっちも用意済み、パン屋さんで大量購入しておいた。
二人ともそろそろ帰って来るかな。窓の外からは夕陽に染められた中庭が見える。先にレイディに餌をあげてこよう。レイディにも今日は牛をたっぷりプレゼント。
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