乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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6章 女神祭に行こう

24話 衣瑠とエルとエレーニア

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   眩しい

   眼がチカチカする

   眼を開けても黒いというか紫色の残像で何も見えない。



『・・・%£・・+*~#・・・』

   不思議な声が聞こえた、というより頭の中で響く。
 途端に視界がひらけ、私は真っ白な空間にポツンと立っていた。

   白一色と言うのではなく、雲か霞が漂っているかのような微妙な陰影がある。

   そうだ、アレクス君達は?左には誰もいない、右を向くとそこには小さな白い動物。



「フェレット?」

   真っ白ではなく部分的に茶色がかったフェレット、尻尾の先が黒い。




「……りゅー君?」

「キュ」

   そうだ、うちで飼ってたフェレットのりゅー君。
 全体に白くて頭と肩のあたりが少し黒と茶色が混ざってて。

   りゅー君に手を伸ばした時自分の服が視界に入る。

   セーラー服だ、これ。高校の制服、自分の身体を確かめる。
 手はエレーニアの透き通る白さではなく日本人特有の肌色で、髪は黒い。
   ふと目の前の霞に自分の姿が映る。曇った鏡のように。

   倉橋 衣瑠、日本人の16歳
 高校の制服はセーラー、本当はブレザーが着たかったなんて思い出す。



   ・・・


   ・・・・・


   そう、思い出した。


   あの日、りゅー君と公園に散歩に行った

   中間テストが終わって午前で学校が終わったし

   天気も良かったから久しぶりにりゅー君と公園の芝生に寝っころがろうと思って

   でも歩道を歩いてたら突然トラックが突っ込んで来た。




   痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

   凄く痛かった









   「キューッ、キュキュキュッ」

   りゅー君が蹲る私に駆け寄る。
   私はりゅー君を抱きしめる。
 懐かしい毛並み、柔らかくって暖かくって。
 でも最近も触れた気がする。








 思い出したくなかったけど


 思い出した


   りゅー君の籠は私とトラックの間で潰れた




   あの時倉橋 衣瑠とりゅー君は



   死んだ。












『・・・%£・・+*~#・・・』

   また頭の中で声がする。



   眼を開けると、さっきよりは少し灰色がかった世界

   ふと腕の中を見るとりゅー君がいない。




「りゅー君、どこ?」

   そして違和感、自分の小さな手。子供の手。
   顔を上げると靄に映るのは黒っぽい茶髪に藍色の瞳、黒いワンピースを来た10歳くらいの少女。
   どことなくエレーニア、いやママンに似た顔を両手で撫でる。
   霞に映る少女も顔を両手で撫でる。

   誰?

   これは誰?



   倉橋 衣瑠でもない

   エレーニアでもない

   私は誰?





『・・・%£・・+*~#・・・』

   また頭の中で声がする。




   後ろから優しく誰かが抱きしめて来た。

   ふわりと軽く、でもしっかりと。



   耳元で優しく囁かれる。


「大丈夫、 今度は離さないから

   ちゃんと守ってみせるから……」

   振り返り、仰ぎ見ると




  エレーニアが優しく微笑んでいた。

  私が切ってしまった銀色の長い髪。いまは腰のあたりまで緩く波打って綺麗だ。

   エレーニアが

   ニッコリと微笑む。


「エルシーア…

  ちゃんと守ってみせるから…」





「………姉様?」

  

 


『・・・エルシーア、思い出しましたか?』

   頭の中で声が響く。
 周りの霞が晴れ青空に囲まれた雲海の上に、エレーニア姉様と二人立っていた。
 エレーニア姉様は私の手を握ってくれた。


   目の前には神殿にあった大きな女神像によく似た女性




 違う、反対だ。女神像がこの方の姿を写したものだ。



   大地母神様が微笑んでいた。




   そして全てを思い出した。













ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
話の加減で文字数少ないです。
途中文末に『。』がないのも、行間が空いているのも仕様です。
連載始めてちょうど半年目です。もうそんなに経ったかと驚きです。
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