乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

文字の大きさ
113 / 140
6章 女神祭に行こう

25話 転生と記憶と

しおりを挟む
 
 
 
   私は倉橋 衣瑠。
   16歳のある日、トラックに轢かれて死んでしまった。


   そして生まれ変わった。

   エルシーア=クルスナ=ディヴァン

   父、キースクリフ=オウル=ディヴァン
   母、クラリッサ=エレナ=ディヴァンの次女として生を受けた。

   何も覚えていない普通の赤子として、エレーニアの妹として生を受けた。

   ただ、その身に膨大な魔力を宿して。

   幸せな家族だった。父と母と姉と愛に囲まれた家族だった。

   1歳の時、【邪神の現し身】として邪神教団に攫われるまで。
   その時エルシーアの中で倉橋衣瑠が目覚めた。

   出なければ1歳の赤ん坊が明確な自我を持って【邪神の現し身】となる事を拒めるはずもない。
 
   私は【時間と空間の閉ざされた場所】で監禁されてしまった。
 【邪神】をその身に降ろすため、私の【自我】が孤独と闇によって崩壊することを目論んだ【邪神の使徒】によって。

 でも私は一人じゃなかった。


 私達は【時間と空間の閉ざされた場所】で耐えた。
   私を護る守護精霊のりゅー君と一緒に。

   でもりゅー君の力が尽きて、りゅー君が【時間と空間の閉ざされた場所】から弾き出されてしまった。

 だけどりゅー君は最後の力で【時間と空間の閉ざされた場所】を破壊した。

   守護精霊がいなくなり、抵抗力の落ちた私一人では【時間と空間の閉ざされた場所】で耐えられなかっただろう。

 【時間と空間の閉ざされた場所】から現実世界に戻ると、現実世界では4年もの月日が経っていた。
   【時間と空間の閉ざされた場所】は現実世界とは時間の流れが異なったようで、4年が経っても私の身体は2歳ほどまでしか成長していなかった。

   私は倉橋 衣瑠の記憶を使って【邪神教団】に洗脳された振り、従順になった振りをした。
   まさか小さな子供が異世界のラノベ知識で大人を騙しているなんて思わないよね。

   それから10年、なんとか逃げ出す機会を伺っていたのに。

   【儀式の日】がやって来てしまった。

   何人かの教団幹部は

「器の身体が幼すぎる、受け入れられず壊れてしまう」

   と反対したが、強行派は

「もう14年待った。あと何年待てと言うのだ!」

   と【儀式】を強行した。



【邪神の現し身】としてその身に【邪神】を降ろす儀式は強行され


   はエルシーアの身体から弾き出されてしまった。
   身体をなくし魂だけになってしまったは消えてしまうしかない。

   もう、どうすることもできない

   はずだった。




   エレーニアが

   姉様が私の魂を
   大地母神様の力を借りて
   自分を犠牲にして助けてくれた。

   1つの器に2つの魂は入らない。

   エルシーアの身体に邪神の魂が入り、私がはじき出されたように。

   でも大地母神様の力を借りてエレーニアは眠りにつき、その身を私に貸してくれた。

『エルシーア。貴女は弾き出された衝撃で多くの記憶をなくしてしまったのです。でもようやくここ私の元に来たことで、集めた記憶を返すことができました』

   暖かい風が大地母神様から漂い私を包む。
   私の小さな手をぎゅっと握る姉様を見上げると優しく微笑んでくれる。

『守護精霊とも巡り会えたようでよかった。でも彼の記憶も力も封印されてしまっています。まずは彼と一緒に獣神の本神殿へ赴き獣神と会い、封印を解くのです』

   守護精霊?りゅー君と巡り会えた?

   ふわりと風が吹くと雲海が揺れりゅー君がこちらを向いて立ち上がる。

「キューッ」

   りゅー君の身体が淡く霞みそこにウリュ君が立っていた。
 意識がないのか眼を閉じたまま眠っているようだ。

「ウリュ君?」

『そうです。彼は弾かれたあと、北方連合国の1つのフェレントに生まれ変わりました。ですが記憶と能力を封印されてしまっています。まずはフェレントの獣神殿へ行きなさい。そして【助け手】を得て【邪なる魂簒奪者】から身体を取り戻すのです』

   それを最後に大地母神様は光の粒子になって溶けて消えた。

   ウリュ君も光の粒子になって消えてしまった。

   残ったのは私と姉様だけ。


   姉様はしゃがんで目線を合わせると微笑んでくれた。

「ごめんなさい、綺麗な髪を切ってしまって」

   謝るとそっと抱きしめてくれる。

「髪はまた伸びるわ。いいの。好きに使いなさい。
   私の身体も、力も従魔も。彼らも貴女に力を貸してくれるわ。
   大地母神様も獣神様も天空神様も力を貸してくれる。
   そして身体を取り戻したら、お父様とお母様と、クリストフは別にいいかしら?
   みんなでゆっくりお茶を飲んでお話ししましょう」

「 うん、頑張る、頑張って身体を取り戻す」

   ぎゅっと抱きつきお胸様に顔を埋めると優しく頭を撫でてくれた。

   姉様は光に溶けて消えてしまった。
   あたりは雲海ではなく、最初の白い空間だった。


   何をどうすればいいか今はわからないけど、絶対身体を取り戻す。
   グッと小さな手を握るとあたりが眩しく光り出した。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シリアス回終了?です。
エルは転生で憑依と言う落ちでした(全然落ちてない?)
これで5章1話が繋がるわけですね。あれはエルシーアの記憶です。
もう予想ついてた人いたかも。
これから真面目に身体取り戻しにいかんとダメなんですがどうなるのでしょう。
6章もあと少し……のはず。風呂敷広げすぎて辛い。゚(゚´Д`゚)゚。
しかし、エレーニアはクリストフに冷たいかも?

最初は普通に『悪役令嬢モノ』を書くつもりだったのにケモ耳少年が出てきたあたりで全然違う方向に話が進んでます。
だって最初『題:乙女ゲームか~』を思いついてそこから話考え出したのに、今じゃ『題』が内容に合ってないよ(´;ω;`)

2017.04.07
女神様のセリフ一部  修正いたしました。
しおりを挟む
感想 222

あなたにおすすめの小説

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

処理中です...