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6章 女神祭に行こう
27話 ケルムに戻って
しおりを挟む『いいか、知らない狼について行くんじゃないぞ』
『わかってる』
『エレーニアの言うことをよく聴いてだな』
『はいはい』
『拾い食いはダメだぞ、あと生水に気をつけるんだ』
『…うん』
『寂しかったらいつでもパパを呼んでいいんだぞ』
『………う、ん』
『あ・な・た』
グランザがさっきからミニアから離れません。
レイディにミニアが仲間になった事を言うとまたもや『アタチ、オネーサンなのヨ』と胸をはる。
うん、一応レイディの方がちょっとだけオネーサンだね。
「カレラニアは赤ちゃんが産まれたらギルデ山に帰るの?」
「しばらくはこっちで子育てするわ。カリオソの森も近いから餌にも困らないし、龍峰もここしばらく強そうな魔物もいないから子育てしやすそうだし』
「じゃあケオカの街に罠の設置とか控えるように伝えておく。ミニアがかかってたし」
『じゃあ、パパ、ママ行ってきます。赤ちゃん産まれたら教えてね、見にくるから』
『ミニア、強くなるのよ。主の助けになれるように』
『うん、がんばる』
前脚を振るカレラニアと涙を拭うグランザに見送られ私達は山を降りる。
「ミニアも一緒に乗るのは無理かな?」
『だいじょうぶ、ちょっとの間小さくなれるの!』
レイディに3人と1匹は無理かな、なんてアレクスが心配してると、ミニアがバク宙と共にポワンと光る。
着地した時には中型犬サイズ。ミニアは自分を見てもう一回バク宙。
今度は小型犬サイズ。さすが神獣フェンリル、子供でもワザ持ってます。
『これくらいまでかな』
なんて言いつつアレクス君に飛びつくミニア。
カレラニアは大型犬サイズが限界だったが元が小さいミニアだから小型犬サイズが可能なんだね。
ミニミニア・・・ププッ。
レイディにウリュ君、ミニミニア、アレクス君、私の順で騎乗する。
滑走できないので重力魔法で補助しテイクオフ!
帰り道は一直線なので15分もかかりませんでした。
行きは正門から出たのですが、今日の正門前は祭り前日でものすごいことになっております。
なので帰りは神殿横の門から帰ります。ひらけた場所がないのでここでも重力魔法で補助。
普通のグリフォンは垂直離着陸できないのだよ。
ミニアには悪いがフェンリルってバレたら騒ぎが起こるのでシルバーウルフってことにしてもらう。
『えー、あんなのと一緒にされるのやだなぁ』
「じゃあ、エル姉に塊焼き作ってもらうからさ。すんげー美味いんだぞ」
『なにそれ、肉?肉なの?食べた~い』
二人はニクスキーな絆で結ばれていたのか…
今日の夕食に塊焼きを作ることになりました。
「僕はいいでちゅ」
「小さめに作るよ?」
この前はちょっと遊びごころもあってビジュアル(サイズ)的にこだわったのでデカイ塊焼きでした。
「じゃあ、ちょれでお願いちまちゅ」
ウリュ君が私を見上げてふっと微笑む。私はその笑顔を見て微笑み返す。
「二人とも、なにしてるんだよ、早く行こーぜ」
先に進むレイディとミニアとアレクス君。アレクス君が振り返り私たちを呼んでいる。
「行こっか」
「うん」
自然に繋げられた手を握りしめ跡を追いかける。
「シルバーウルフですか?」
「そうです、龍峰でテイムしました」
怪しむ門番にしれっと答える。ここリュミエール神皇国には獣魔の首飾りシステムはない。あれは冒険者ギルドのシステムだがそれを国として取り入れているオルフェリア王国とウェイシア王国のような国もあれば、リュミエール神皇国のように取り入れていない国もある。
ただし主の身分と獣魔を記録し、何かあれば責任追及できるようにはなっている。
大型犬サイズに戻っているミニアは門番の前でお座りしあざとく「Kuunn」とひと鳴きしてコテンと首をかしげる。おとなしいよアピールです。
「りょ、了解した。通っていいぞ」
む、門番さんケモナーか、ケモナーなのか。耳が赤くなっているぞ。ミニアのサラサラな毛並は極上でもふもふすると…あ、はい置いていかないでください。みんな。
気を取り直し冒険者ギルドに行くことにする。
受付でギルドマスターに面会を申し込んだ。
怪しむ職員に仕方ないのでフェンリルの件だと小声で伝えると「お待ちください」と奥に引っ込んだ。
しばらくすると3階の応接室っぽい部屋に通される。
10分ほどするといかにも魔術師という50代の女性と、その後ろには神官服の30代の女性がやってきた。
「ケルム冒険者ギルドのマスターでジーラーシャという。こちらは副ギルドマスターのダイダニアだ。位は次席司祭になる」
「ダイダニア・レバイトスです」
紹介された副ギルドマスターは挨拶をする。
リュミエール神皇国の冒険者ギルドには神殿側からの監査役というかパイプ役というのか必ず神官が派遣されているらしい。
「まず、ギルドカードを確認させてもらう」
言われて私達はギルドカードを提示する。
「ふむ、チーム【金色の翼】か。ん、確か【ノップ盗兵団】を捕まえた者達か。全員ランクDだがグリフォンを連れているとか。なるほどなかなかな魔力量だな」
マスターのセリフにダイダニアさんが少し驚いている。
ふとアレクス君の足元に丸まっていたミニアに眼を向けたマスターが眼を剥く。
「ま、まさかそれは……」
あれ、もうバレた?
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タイトルを変更しようか悩んでます。
近況ボードの方でご意見募集しております。
感想でなく近況ボードの方にご意見いただけると嬉しいです。
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