乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

文字の大きさ
116 / 140
6章 女神祭に行こう

28話 バレた

しおりを挟む
 
 
 

「ま、まさかそれは……」

 あれ、もうバレた?

「まさかフェンリルの…」

「あーすみません。街を混乱させたくないので、シルバーウルフってことにさせていただいてます」

「本当に、フェ、フェンリルですの?大地母神様の御使と言われる……」

 ダイダニアさんもプルプル震えております。
   ギルマスが神妙な眼差しでこっちを見る。

「私は《魔力視》と言うスキルを持っている。魔力の質、力、特徴などを見ることができるのだ。
   立ち昇る青銀色の魔力、とてもシルバーウルフのものではあり得ないと。まあ貴方からも物凄い魔力を感じるので、只者ではないだろうが詮索はせんよ。犯罪を犯さんかぎりはな」

   あ、カマかけられたのか?しまった。
   そんな事を考えてたらダイダニアさんがフェンリルについて教えてくれた。


 昔、この龍峰には本神殿を守るフェンリルがいたそうな。
 そのフェンリルは【神獣】と言われ大地母神の御使と言われていた。しかし80年ほど前から龍峰でフェンリルの姿が見られなくなったという。

 ・・・確かカレラニアの母親がギルデ山脈のフェンリルの押掛女房になった頃か。それでいなくなったんだな。

『お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは今もらぶらぶだよ』

 それが1~2ヶ月前からフェンリルらしきものの目撃情報が冒険者ギルドに入ってきたらしい。神殿側とすれば【御使】が戻ってきたとしたらこれほどの祝事はない。なので『龍峯の調査』の依頼を出しているらしいが、まともな情報はないとか。

 どこまで伝えるべきか。

『いいんじゃない、本当のこと話して』

 軽くミニアから許可が…いいのか。ふう…
   一応真面目な顔でギルマスに向う。

「今、龍峰には二頭のフェンリルがいます。一頭、雌の方が昔龍峰にいたフェンリルの娘になり、出産の為に一時的にこちらに来ているそうです」


「おおっ」
「ああ、神よ…」

 マスターの方は単純に驚いているのですがダイダニアさんは床に跪き祈りの体制になりました。

「元々龍峰にいた魔物なんかがフェンリルを恐れカリオソの森に逃げたようで、そのせいで元々カリオソの森にいた弱い魔物が街道に逃げて出てきたようです」

「そうか、そうだろうな。フェンリルが現れたならそこそこ強い魔物でも逃げ出すか」

 ギルマスがうんうん、頷いている。

「で、この子はそのフェンリルの娘になるんですが、放置されていた罠にはまってけがをしていた処を保護しました。その縁で獣魔契約に至ったのです」

 まあ、嘘は言ってない。

   くわぁっと欠伸をするミニア。

「しばらくは龍峰に滞在する様なので本神殿から5合目辺りには冒険者の立ち入りを控えた方が良いかもしれません。出産間近のフェンリルを煩わせない方がいいかもしれません。あと、罠の放置も」

   ギルマスとダイダニアさんがウンウン唸っている。
   しばらく2人で話し合っていた。

「フェンリルについては神殿側に伝えねばならん、が…」

   ちらりとミニアを見る。

「ミニアことは内密でお願いします。私達は護衛依頼でケルムに来ただけで祭りが終われば去りますし」

「むう、それは仕方ない。了承した。ところで『金色の翼』は『カリオソの森、魔物発生の調査』と『龍峯の調査』の依頼を達成したことになる。今達成手続きをするのでしばらく待ってもらって良いかな」

   お、そうなのね。ラッキーですね。
   ギルマスが部屋から出て行こうとしたがダイダニアさんが何かモジモジしている。訝しむギルマス。

「ダイダニア、どうした、行くぞ?」
「あ、あのっ」

   ガバっと食い気味に迫って来るダイダニアさん。

「その、よろしければ、フェンリル様に触れさせていただけないかと…」

   眼がキラキラというかギラギラして迫られても。

「ミニアの主は私ではなく、アレクス君なんで…」

   バッとアレクス君の方を振り向くダイダニアさんにのけぞる様にするアレクス君。椅子に座ってるからこれ以上退がれなかった。

「ミ、ミニア」

   ミニアはちらっとダイダニアさんを見ると立ち上がる。

『いいよ』
「いいってさ」

「あ、ありがとうございます」

   おそるおそるミニアに近付くダイダニアさんは震える手をそっと伸ばす。
   指先が背中の毛絵に触れるか触れないかのところでプルプルしてようやくふわっとひと撫で…

   じれったいな。

「ふわぁあぁ…」

   恍惚としたダイダニアさん、キショイです。キリッとした神官さんかと思ったら。
   ミニアひと撫でいくらで儲け…すみません。ウリュ君もミニアもそんな澄んだ眼で見ないでください。
   でもミニアまだ子供なので毛が柔らかくってもふり心地いいんだよ。

   大きなため息をついたギルマスはダイダニアさんを放置して出て行きました。
   暫くして袋と私達のギルドカードを持って帰って来ました。

「Cランク依頼が二つなので報酬は結構な金額だ」

   本当5万リムスも入ってました。ギルマスに礼をして部屋を出る際「祭りを楽しんでくれ」と声をかけられた。
   ダイダニアさんは恍惚とした表情で惚けていたので放置しましたよ。私らには関係ないのでね。

  







「エルさん、あれはなんなんでしょうか」

   あれぇ?ウィルさんの顳?莵がヒクヒクしてる気がするんですが。気のせいですよね。

「龍峰の秘湯に行ったらテイムしてしまいまして」

「はぁぁ、まあエルさんに常識を求めるのは間違っているのでしょうか」

   それは言い過ぎではないでしょうか。レスさんとトーナさんも2人揃って頷かないで下さい。
   そして

   ロッテ嬢がミニアにしがみついてじゃれております。

「まあ、なんて綺麗な狼なんでしょう。
   毛並みがサラサラスベスベですわ。
   干し肉コレ食べるかしら。
   あらまあわたくしの手から食べましたわ。
   ねえ、ウィル、わたくしもシルバーウルフをテイムしたいですわ。
   飛行種も捨てがたいですけど、やはりこのもふもふは譲れません」

   すみません、ロッテ嬢がケモナーだったとは思いませんでした。


しおりを挟む
感想 222

あなたにおすすめの小説

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!

水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。 ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。 しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。 ★ファンタジー小説大賞エントリー中です。 ※完結しました!

処理中です...