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最弱勇者は名付ける
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あー……これからどうしようかな。
自分の不甲斐なさに涙して、謎のホームレス少女を仲間にしてしまったが、正直そのあとのことは何も考えてなかった……
飯食わしとけばいいと思った。
まずこのスラム街のような街には人っ子一人おらず、無論食物も寝床も住むところもない。
一応散策して見たがあるのは雨を辛うじて防げるか防げないかという瓦礫の山だけ。勿論ここで二人で住むなんてことはできるはずもなく、だからこことは違う街に自ずと向かわなければならないのだ。
この世界で死ぬとどうなるかさっぱりわからない今、絶対に死ぬわけにはいかない。俺は慎重に動く男だ。猪突猛進は受け入れがたい。
ちなみに『自由な世界』ではプレイヤーがモンスターなどと戦って死んでしまうとそのプレイヤーのデータは二度と蘇らない。
…………絶対に死ねない。
そういえば全然考えてなかったが、一体この街は何処なのだろうか。
ゲームをしていた時にもこんな街を見かけたことはなかった。
もしかしたら新アップデートの追加データなのかもしれない。
実際その可能性が一番高い。
アップデートで新しい街や大陸ができることなんて『自由な世界』ではよくあることだ。
だとしたらこの街は何か新要素、またはストーリークエストがあるに違いない。
……あれ?
「そういえばさ、お前、名前はなんていうんだ?」
俺は名前も知らない人間を仲間にしようとしてたのか。我ながら驚愕。慎重に動く俺はどこに行った。
おそらくこの少女には何かしらこの街に関係するストーリーを持っているはずだ。そうでなければこんな謎の廃村に住んでいる筈がない。
なら尚更この少女について知っておかなければならない。
「私は……」
「私は?」
「……………………誰?」
まぁそんなもんだとは思ったぜ。
この手のキャラクターの名前はストーリーに関係する大切なものである。
簡単に教えてくれる物ではない。
例えば王様の隠し子だとか、生物兵器だとか。
何らかの事情で記憶喪失なのだろう。
しかし手掛かりが少なすぎて何もできない。
もしかしたらかなりでかいストーリーがあるのかもしれない。
「なぁ、なんか覚えてることはないのか?」
「……何も知らない。あ、でも食事の仕方は知ってる」
マナーとかかな?
「口に入れるだけ」
「そっかぁ……」
何にも知らないことがわかった。
「でも呼ぶ時とかに不便だなぁ……名前つけてやろうか?」
「いいの?」
「センスは保証しないけどな」
「別に…良いよ。食べ物くれたし」
「そうか……うーん……じゃあ……マナーからとって、マナ。お前の名前はマナだ!」
「マナー?私はマナー!」
「いや違ぇよ、マナだよ」
「マナー!マナー!」
「うるせぇな!もうマナだって言ってるだろ!」
「マナー!マナー!」
「しつこいわ!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
パーティーにメンバーが増えました。
カグラ・タダヒロ
マナー NEW
ーーーーーーーーーーーーーーー
マナーで登録されている…
「…まぁいいか。さ…て、それじゃあ行くか」
「何処に?」
「人のいるところだよ」
この街から次の街へはニート的に考えれば少し距離があるが、まぁモンスターに会わなければ問題ないだろう。
そう、モンスターに会わなければ。
「何も出てくんなよ……」
何が出てきても死にかけるんだから
自分の不甲斐なさに涙して、謎のホームレス少女を仲間にしてしまったが、正直そのあとのことは何も考えてなかった……
飯食わしとけばいいと思った。
まずこのスラム街のような街には人っ子一人おらず、無論食物も寝床も住むところもない。
一応散策して見たがあるのは雨を辛うじて防げるか防げないかという瓦礫の山だけ。勿論ここで二人で住むなんてことはできるはずもなく、だからこことは違う街に自ずと向かわなければならないのだ。
この世界で死ぬとどうなるかさっぱりわからない今、絶対に死ぬわけにはいかない。俺は慎重に動く男だ。猪突猛進は受け入れがたい。
ちなみに『自由な世界』ではプレイヤーがモンスターなどと戦って死んでしまうとそのプレイヤーのデータは二度と蘇らない。
…………絶対に死ねない。
そういえば全然考えてなかったが、一体この街は何処なのだろうか。
ゲームをしていた時にもこんな街を見かけたことはなかった。
もしかしたら新アップデートの追加データなのかもしれない。
実際その可能性が一番高い。
アップデートで新しい街や大陸ができることなんて『自由な世界』ではよくあることだ。
だとしたらこの街は何か新要素、またはストーリークエストがあるに違いない。
……あれ?
「そういえばさ、お前、名前はなんていうんだ?」
俺は名前も知らない人間を仲間にしようとしてたのか。我ながら驚愕。慎重に動く俺はどこに行った。
おそらくこの少女には何かしらこの街に関係するストーリーを持っているはずだ。そうでなければこんな謎の廃村に住んでいる筈がない。
なら尚更この少女について知っておかなければならない。
「私は……」
「私は?」
「……………………誰?」
まぁそんなもんだとは思ったぜ。
この手のキャラクターの名前はストーリーに関係する大切なものである。
簡単に教えてくれる物ではない。
例えば王様の隠し子だとか、生物兵器だとか。
何らかの事情で記憶喪失なのだろう。
しかし手掛かりが少なすぎて何もできない。
もしかしたらかなりでかいストーリーがあるのかもしれない。
「なぁ、なんか覚えてることはないのか?」
「……何も知らない。あ、でも食事の仕方は知ってる」
マナーとかかな?
「口に入れるだけ」
「そっかぁ……」
何にも知らないことがわかった。
「でも呼ぶ時とかに不便だなぁ……名前つけてやろうか?」
「いいの?」
「センスは保証しないけどな」
「別に…良いよ。食べ物くれたし」
「そうか……うーん……じゃあ……マナーからとって、マナ。お前の名前はマナだ!」
「マナー?私はマナー!」
「いや違ぇよ、マナだよ」
「マナー!マナー!」
「うるせぇな!もうマナだって言ってるだろ!」
「マナー!マナー!」
「しつこいわ!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
パーティーにメンバーが増えました。
カグラ・タダヒロ
マナー NEW
ーーーーーーーーーーーーーーー
マナーで登録されている…
「…まぁいいか。さ…て、それじゃあ行くか」
「何処に?」
「人のいるところだよ」
この街から次の街へはニート的に考えれば少し距離があるが、まぁモンスターに会わなければ問題ないだろう。
そう、モンスターに会わなければ。
「何も出てくんなよ……」
何が出てきても死にかけるんだから
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