【R18】異世界リゾートライフ《第2部》~カイトの異世界ハーレムライフ~

永遠光(とわのひかり)

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第24章 結婚編

第384話 王宮での結婚祝賀会(後編)

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 ステージに残ったリオナが、弾けるような笑顔で会場に語りかけた。
「皆様、盛大な拍手ありがとうございました。
 次は私たちASR39の番です。
 今夜は、選抜メンバー12名で、特別ライブをお届けします。
 みんな、出ておいで~」

 リオナの言葉に、ステージの袖からトリンとマリン、そして9名のメンバーたちが姿を表した。 
 総勢12名のトップアイドルが放つ、華やかなオーラが会場の雰囲気を一変させた。

「最初の曲は、私たちのデビュー曲『ポニーテール記念日』です。お聞きください」
 会場にポップなイントロが流れ、スポットライトがリオナとサブセンターの2人を照らし出した。
 12色のAラインドレスに身を包んだメンバーが、ポニーテールを揺らしながら踊り始めた。
 絶対的センターであるリオナの洗練されたパフォーマンスと、美少女たちが振りまく爽やかなお色気に、会場の雰囲気は一気に盛り上がった。

 2曲目は、『パレット39』だ。
 この曲は、ASR39のテーマソングで、トリンとマリンが交互にリードボーカルを務め、メンバー12人がキャンバスの上で思い思いの絵を描くように、目まぐるしくフォーメーションを変化させた。
 それはメンバーの多様性と一体感を表現した、見事なパフォーマンスだった。

 曲が終わり、リオナが再びセンターへ戻った。
「ラストの曲は、皆様を常夏の楽園へといざないます。
 エメラルド・リゾートのキャンペーンソング、『エメラルド・サマー』です。
 お聞きください」

 軽快なギターのイントロが、会場の空気を一瞬で夏の渚へと変えた。 
 爽快感満点のメロディーに乗せて、リオナのカリスマボイスと、マリンのクールで澄んだ歌声、そしてトリンの明るく元気な歌声が、代わる代わるリードボーカルを務めた。

 三者三様の魅力が混ざり合い、独自の色彩を放つ様は、まさに圧巻の一言。
 サビでは12人全員の歌声が一つになり、会場の華やかな雰囲気は最高潮に達した。
 曲が終わると、12人はステージに横一列に並び、満面の笑みで一礼した。 

 ASR39は、リオナを残して全員がステージを降りた。
「さてラストは、私達の妹分『ネオ・プリンセス』の登場です」
 リオナがそう言うと、ステージの照明が落ち、暗闇の中、僅かなバックライトに5つのシルエットが浮かび上がった。
 スポットライトが灯ると、そこに立っていたのは、それぞれ異なるデザインのクールなステージ衣装に身を包んだ5名の美少女たち。

 その中で、ひときわ異彩を放つ超絶美少女がいた。
 サファイアブルーの輝く瞳、肩までのサラサラの金髪、スレンダーで女性らしいプロポーション、王国の至宝と言われた王女3姉妹にも引けをとらない完璧な容姿。
 彼女こそ『ネオ・プリンセス』の絶対的センター、マリスである。
 彼女の横に、黒髪ロングの4名、エレン、リリア、シオン、レイナが整列している。

 マリスがマイクを持ち話し始めた。
「こんばんは、『ネオ・プリンセス』のスペシャルステージへ、ようこそ。
 私、メインボーカルのマリスが代表して祝辞を申し訳あげます。
 シュテリオンベルグ公爵閣下、ならびに本日、公爵妃となられたジェスティーナ様、アリエス様、フローラ様、エレナ様、ご結婚、誠におめでとうございます。
 この輝かしき日を、心よりお祝い申し上げます。
 私たちの歌とダンスを、お楽しみください」

 マリスの祝辞が終わると、スタイリッシュなイントロが流れた。
 1曲目の『Surprise』は、R&B系のクールなリズムで、5人が一糸乱れぬキレのあるダンスパフォーマンスを繰り広げた。
 メンバー5人の中で、センターに立つマリスの存在感は圧倒的だった。
 彼女の一挙手一投足が、会場の視線を釘付けにした。

 実はマリスこそ、王女3姉妹の弟マリウスの今の姿だ。
 マリウスは、トランスジェンダーであることに悩み、カイトが苦労の末に調達した『性転換の秘薬』を服用し、生涯女性として生きることを決めたのだ。
 かつては、この国の第1王子として、将来は王太子、そして国王となるべく、この宮殿の王室居住区で暮らしていた身だ。
 しかし、生涯女性として生きると決めたことで、国王から廃嫡を言い渡され、今は王室とは絶縁状態にあるのだ。
 その決断に、マリスは後悔していなかった。
 自分が納得して決めた道なのだから…

 しかし、姉たちの結婚祝賀会に出て、その花嫁姿をひと目見たい、お祝いの言葉を述べたいという切実な願いに、カイトが機転を利かせ、アイドルグループのメンバーとして祝辞を述べる機会を与えたのだ。

 ひな壇からジェスティーナは胸に手を当て、アリエス、フローラ、エレナの3人は涙を浮かべながら、マリスの美しく流麗なパフォーマンスを見つめていた
 国王は口を真一文字に結び、腕を組んだまま。王妃は涙を拭いながら、今やカリスマ女性アイドルとなったかつての息子を見つめていた。 
 2曲目である『Hyper Love』のアップテンポな曲調に合わせ、5人は複雑なフォーメーションチェンジを繰り返しながら、より激しく、そして華麗に舞う。
 それは、祝宴の余興という枠を遥かに超えた、プロのステージだった。

 そして、ラストの曲『Starry Night』のイントロが静かに流れ始める。
 それまでの激しいダンスから一転、5人は叙情的なメロディーに合わせ、感情を込めた流麗な動きで歌の世界を表現していく。 
 夜空の星に、届かぬ想いを馳せる、切なくも美しい曲である。
 
 やがて3曲のパフォーマンスが終わり、5人がステージ中央で完璧なポーズを決めた。
 一瞬の静寂の後、会場はこれまでで最も大きな、万雷の拍手に包まれた。
 それは、彼女たちの圧倒的な実力と、そして、参列者の殆ど誰もが知らない、元王子の覚悟と生き様に対する、最大の賛辞であった。
 マリスは、汗を輝かせながら、この日一番の、吹っ切れたような笑顔で、深々と頭を下げた。

「ネオ・プリンセス」のライブが終わり、ふと壇上を見ると王女3姉妹とエレナまで涙を流しているではないか。
 しかも王妃まで泣いているのに気づいた人々は、いったい何があったのかと不思議に思った。
 最後の曲は、泣けるような曲ではなかったはずだが…

「ねえねえ、王女様たち、何で泣いてるの?」
 事情を知らない、ヒカリが不思議そうに隣のサクラに聞いた。
 するとサクラまで号泣しているではないか。
 しかも、リオナやトリン、マリンまでもが泣いていた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 約2時間30分にも及ぶ結婚祝賀会はすべてのプログラムが終了した。
「ご列席の皆様、ここで新郎のシュテリオンベルグ公爵閣下よりご挨拶を賜ります」
 司会の言葉に、カイトはその場で立ち上がり、マイクを握った。

「ご列席の皆様、本日は、私どもの結婚祝賀会にご臨席賜り、誠にありがとうございました。
 また、王国内各地から、あるいは同盟国・友好諸国から、遠路はるばるお越しいただきましたこと、重ねてお礼申し上げます
 本日、こうして盛大な披露宴を催していただけましたこと、国王陛下をはじめ、王室ならびに関係者の皆さまに、改めてお礼申し上げます

 さて、最初の婚約から2年近くが経過し、本日、ジェスティーナ、アリエス、フローラ、そしてエレナと、晴れて結婚できましたこと、心より嬉しく思うと共に、これまでの道のりを思うと、感慨深いものがございます。
 特にジェスティーナには、長い間待たせるしまったが、その間も、変わらぬ愛を私に捧げてくれたこと、心から感謝しています」
 その言葉を聞いたジェスティーナは思わず目頭を抑えた。

「さて、私が結婚したことにより、この肩に掛かる責任は更に重いものになったと自覚しております。
 妻たちの助力を得て、シュテリオンベルグ公爵家をより一層盛り立て、ソランスター王室を支えていく所存です。
 国王陛下から、早く孫の顔が見たいとプレッシャーを掛けられておりますので、早期にご期待に添えるように努力してまいります。
 また、航空産業大臣として、王国民の暮らしがさらに豊かになるよう、新たな施策を実行していく所存です。
 もう一つの職責である情報大臣としては、国内外の危機に即応できる体制を整え、王国民が安心して暮らせる仕組みを、新たに構築してまいります。
 そして、私の得意分野である建築設計・観光・リゾート開発を核とした新規事業を展開し、雇用の安定を図っていく所存です。

 引き続き、ソランスター王家ならびにシュテリオンベルグ公爵家に、ご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げ、私からの御礼の挨拶とさせていただきます。
 本日は誠にありがとうございました」

 カイトの挨拶が終わると、嵐のような拍手がわき起こり、結婚祝賀会は閉会した。
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