恋愛経験ゼロの俺が、一目惚れした天使にストーカーと勘違いされた挙句、男女比1対9のハーレム・シェアハウスで一緒に住むことになった話

永遠光(とわのひかり)

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第1章 禍福は糾える縄の如し

第3話 ストーカー疑惑

 祐希が到着する少し前、シェアハウスの共用ラウンジでは、女子3人が話していた。

 白いワンピースの美少女『早乙女さおとめさくら』(18歳)が、同居人の『真城朱音ましろあかね』(21歳)と『早見里緒奈はやみりおな』(22歳)にストーカーに追いかけられたと、青ざめた顔で話していた。

「え~、またストーカーなのぉ……
 う~ん、さくらちゃん、可愛いからなぁ。
 もし、私が男なら追いかけたくなるかも……」

「ちょっと、朱音! 冗談もいい加減にしなさいよ。
 さくらちゃん、ストーカー被害、最近ほとんど毎週じゃない。
 しかも、今日はまだ夕方だって言うのに……
 警察には相談したの?」
 里緒奈は、心配そうにさくらの顔を覗き込んだ。

「い、いえ、まだです……」

「今日のストーカー、どんな男だった?」

「私より少し年上な感じで……
 もしかしたら、大学生かもしれません……」
 さくらは、いかにも疲れたという表情で呟いた。

「え、それ余計に怖いよね!
 最近、駅前に大学生っぽい変質者が出没するって言うし、気をつけた方がいいよ」

「はい、気をつけます」

 3人がストーカーの話に夢中になっていると、チャイムが鳴り、客の来訪を告げた。
 管理人の明日奈が、ドアホンの受話器を取り、誰かと話している様子だった。
 どうやら明日奈の客のようだ。

 玄関を開けて明日奈が連れてきた男の顔を見て、さくらは凍りついた。
 その男は、ついさっきまで、自分の後をつけていたストーカーだったからだ。

「えっ、なんでここにいるの……その人ストーカーよ!」
 さくらは、祐希を指さし、激しい口調で非難した。

「ストーカー!?
 ち、違うって、誤解だ……
 僕はストーカーなんかじゃない!」
 祐希は、戸惑いを隠せなかった。

 まさか白いワンピースの美少女が、シェアハウスの住人だとは思いもしなかった。
 しかもストーカーと勘違いされ、最悪の初対面となってしまった。

 さくらは、軽蔑するような目で祐希を睨みつけた。
 その瞳に宿っていたのは、明らかな「拒絶」の色だった。
 憧れの天使に向けられた冷たい視線に、祐希は言葉を失った。

「ちょっと待って、ストーカーってどういうこと?
 祐希くん……あなた、ストーカーだったの?」

「ち、違いますよ、明日奈さん……
 駅からここへ来る途中、彼女がずっと僕の前を歩いていただけです……
 それで多分、ストーカーと勘違いしたんじゃないかと思います……」

「あ~、なるほどね、そういうことか……」

「明日奈さん、このストーカーと知り合いなんですか?」
 さくらは、明日奈が何故ストーカーを招き入れたのか、理解できなかった。

「だから、ストーカーじゃないって言ってるだろ!」
 普段は温厚な祐希も、感情を抑えきれず声を荒げた。

「さくらちゃん、落ち着いて……
 彼は義弟おとうとの祐希くん、私の身内なの」

 さくらは、信じられないという表情で、明日奈と祐希の顔を交互に見た。
「明日奈さんの弟さん……?
 でも、全然似てないですよ」

「彼は、私の亡くなった夫の弟なの……」
 明日奈の言葉に、里緒奈と朱音が「えっ!?」と声を漏らした。
 2人は明日奈が未亡人であることを知っているのだ。
 さくらは、にわかには信じられないという表情で、明日奈と祐希の顔を交互に見た。

 ようやく状況を把握すると、さくらは祐希に、頭を下げた。
「祐希さん、ストーカーと勘違いしてしまって、ごめんなさい。
 最近、頻繁にストーカーに後を付けられたので……
 まさか、目的地が私と同じだったなんて……
 本当にごめんなさい……」

 朱音と里緒奈は、呆気に取られながら、そのやり取りを見守っていた。

「ううん、分かってくれれば、それでいいよ」
 祐希は、懸命に頭を下げる憧れの美少女と話せただけで、すっかり舞い上がっていた。

「明日奈さん、このシェアハウスって男子禁制じゃなかったですか?」
 それまで黙って見ていた里緒奈が口を挟んだ。

「里緒奈ちゃん、正確には『住人以外の男子は立ち入り禁止』よ。
 祐希くんは、今日からここの住人になるし、私の身内だから何の問題も無いわ」

「えぇぇぇぇ!!、この人、ここに住むんですか?」
 女子3人は、口を揃えて言った。

「そうよ、彼、とても可哀想な境遇なの……」
 明日奈は、祐希が住んでいたアパートが火災で全焼したことを3人に説明した。

「はぁ~、なるほどね……
 確かに、同情の余地はあるかもしれないわ。
 それに、管理人さんが許可するなら、私たち住人が反対したところで無駄だよね」

「とにかく、祐希くんは私の義弟おとうとなの。
 だから、みんな仲良くしてあげてね……」

「は~い、分かりました~」
 3人は口を揃えて言った。

「それじゃあ、改めて自己紹介しましょう。
 祐希くん、みんなに挨拶して」

 明日奈に促され、祐希は慌てて頭を下げた。
「は、はじめまして! 篠宮祐希、星城大学2年です。
 その……第一印象が最悪でしたが、決して怪しい者ではありません……
 これからお世話になりますが、よろしくお願いします!」

 祐希の必死な挨拶に、三者三様の反応が返ってきた。
「私は早見里緒奈はやみりおな
 星城大学の4年だから、祐希くんの先輩よ。
 大学で会ったらよろしくね」
 セクシー美女の里緒奈は冗談っぽくウインクした。
 その不意打ちのウインクは、破壊力抜群だった。

真城朱音ましろあかねよ。
 私は聖晶学園女子大学3年です。
 よろしくね、祐希くん! 
 これから賑やかになりそうね!」
 朱音は、小麦色の肌を持つ陽キャ美女だ。

 さくらは顔を真っ赤にしながら、小声で言った。
早乙女さおとめさくらです……
 聖晶学園女子大学1年です。
 さっきは、勘違いして本当にごめんなさい……
 こちらこそ、よろしくお願いします……」
 さくらは、まさに清純派美少女といった雰囲気で、祐希に微笑んだ。

 祐希はさくらの笑顔にドキドキした。

「さあ、これで疑いも晴れたわね。
 それじゃあ、祐希くんの部屋、見せてあげるわね」
 明日奈は祐希を手招きした。
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