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第8話 とある少年
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ガサッ
草むらから音がした。ルイと召喚獣たちは一気に警戒を強めた。しかし、草むらから出てきたのは魔獣でも、魔物でもない、ルイと少し年上かと見られるぐらいの少年であった。
「君らは一体・・・?」
「私は冒険者よ。どうして貴方みたいな子供がここにいるのかしら?」
ルイは気づいていないようだが、端から見れば「お前も子供だろ!」と突っ込まれるところである。
「君の方が年下だろ!」
やはり、そこは突っ込まれたルイであった。
「質問に答えてないわよ。」
「それは・・・。」
答える気がないと判断したルイはその場を離れようとした。
「待って!」
引き留められた。何故?その疑問がルイの脳内を駆け回った。
「ここは危険だよ。とりあえず僕の家に来なよ。僕はアトラだ。」
「そう、私はルイよ。」
とりあえず、アトラの案内により森の中の家にたどり着いた。
「アトラ、貴方、一人で住んでるの?ここに?」
「ううん、母さんと二人で今までは住んでた。でも、この前、ルイが倒したあいつに殺されちゃったんだ。」
「そう。」
ルイはそんなことしか言えない自分を叩いてやりたかった。でも、アトラはそれだけで嬉しかった。友達なんていなかったから。
「お腹、すいたな。」
ボソッと呟いたアトラの声をルイは聞き逃さなかった。
「ご飯、作ろうか。」
実のところ、ルイは料理が得意だ。日本では数々の料理を作り、家族に振る舞っていた。その感想はすべておいしいであった。夜ご飯はすべてルイに任され、振る舞うたびに褒めちぎられていた。
家の中はいい匂いに溢れ、アトラのお腹がぐううぅ、となった。
「お待ちどうさま。」
作った料理はハンバーグ。アトラはガツガツと食いついた。あまりにも美味しくて無言で一皿を平らげた。ルイはその様子を見てクスクスと笑う。微笑ましかった。
「こんなに美味しい料理ははじめてたべたよ!」
ルイは食器を片付けて、そろそろ町に戻ろうかと思い、身支度を始めた。
「ねえ、ルイ。せめて顔ぐらい見せてよ。僕、ルイの顔が見たいんだ。」
といわれた。ビックリした。笑われるんじゃないかと思った。ひかれるとも思った。でも、いつまでも逃げてちゃダメだとも思った。
「仕方ない、ね。」
ルイは被っていたフードをとった。こちらでフードをとるのは寝るときぐらいしかなかった。
◆ ◆ ◆
ルイにフードをとってとお願いしたらフードをとってくれた。フードをとったルイの顔を見て僕はビックリした。人間とは思えないほど美しかったから。黒い髪に黒い瞳はさほど珍しい色ではない。しかし、顔のパーツが見事に配置されている。僕は決心した。
「僕とパーティーを組んでください!」
◆ ◆ ◆
「僕とパーティーを組んでください!」
そういわれてビックリした。笑われるんじゃないかと思った。ひかれるとも思った。でも、そう言われるとは思っていなかった。嬉しかった。自分の顔を見てそう言ってくれたから。この醜い顔を見ても。だから、答えは決まっている。
「ありがとう。そんなこと言われたのは初めて。これからよろしくね。」
つまり、返事はOKだ。アトラは嬉しそうな顔をしてはにかんだ。もし、女子がこの顔を見れば一瞬でいちころであろう。アトラはめちゃめちゃかっこよいのだから。
ルイは初めて友達ができた。それもアトラというめちゃめちゃイケメンの。
二人はギルドへと向かった。パーティー登録をするために。
あとがき
今回は新しい仲間が増えました。めちゃめちゃ嬉しいです。次回はアトラとルイのお互いの能力を知る話にしたいとおもいます。アトラがこんな森の奥にいた理由がわかるかも!ぜひ、楽しみにしていてください。
今回はめちゃめちゃショックだったことがあったんですよ。それはですね、せっかく最後にさしかかった、というところで勝手にデータがこの第8話だけ消えてしまったんです。なにもしてないのにですよ!ちょっと原因がわかる人教えてもらえませんか?すごくショックでした。(泣)
それでは、また、次回お会いしましょう。
感想お待ちしてます!
草むらから音がした。ルイと召喚獣たちは一気に警戒を強めた。しかし、草むらから出てきたのは魔獣でも、魔物でもない、ルイと少し年上かと見られるぐらいの少年であった。
「君らは一体・・・?」
「私は冒険者よ。どうして貴方みたいな子供がここにいるのかしら?」
ルイは気づいていないようだが、端から見れば「お前も子供だろ!」と突っ込まれるところである。
「君の方が年下だろ!」
やはり、そこは突っ込まれたルイであった。
「質問に答えてないわよ。」
「それは・・・。」
答える気がないと判断したルイはその場を離れようとした。
「待って!」
引き留められた。何故?その疑問がルイの脳内を駆け回った。
「ここは危険だよ。とりあえず僕の家に来なよ。僕はアトラだ。」
「そう、私はルイよ。」
とりあえず、アトラの案内により森の中の家にたどり着いた。
「アトラ、貴方、一人で住んでるの?ここに?」
「ううん、母さんと二人で今までは住んでた。でも、この前、ルイが倒したあいつに殺されちゃったんだ。」
「そう。」
ルイはそんなことしか言えない自分を叩いてやりたかった。でも、アトラはそれだけで嬉しかった。友達なんていなかったから。
「お腹、すいたな。」
ボソッと呟いたアトラの声をルイは聞き逃さなかった。
「ご飯、作ろうか。」
実のところ、ルイは料理が得意だ。日本では数々の料理を作り、家族に振る舞っていた。その感想はすべておいしいであった。夜ご飯はすべてルイに任され、振る舞うたびに褒めちぎられていた。
家の中はいい匂いに溢れ、アトラのお腹がぐううぅ、となった。
「お待ちどうさま。」
作った料理はハンバーグ。アトラはガツガツと食いついた。あまりにも美味しくて無言で一皿を平らげた。ルイはその様子を見てクスクスと笑う。微笑ましかった。
「こんなに美味しい料理ははじめてたべたよ!」
ルイは食器を片付けて、そろそろ町に戻ろうかと思い、身支度を始めた。
「ねえ、ルイ。せめて顔ぐらい見せてよ。僕、ルイの顔が見たいんだ。」
といわれた。ビックリした。笑われるんじゃないかと思った。ひかれるとも思った。でも、いつまでも逃げてちゃダメだとも思った。
「仕方ない、ね。」
ルイは被っていたフードをとった。こちらでフードをとるのは寝るときぐらいしかなかった。
◆ ◆ ◆
ルイにフードをとってとお願いしたらフードをとってくれた。フードをとったルイの顔を見て僕はビックリした。人間とは思えないほど美しかったから。黒い髪に黒い瞳はさほど珍しい色ではない。しかし、顔のパーツが見事に配置されている。僕は決心した。
「僕とパーティーを組んでください!」
◆ ◆ ◆
「僕とパーティーを組んでください!」
そういわれてビックリした。笑われるんじゃないかと思った。ひかれるとも思った。でも、そう言われるとは思っていなかった。嬉しかった。自分の顔を見てそう言ってくれたから。この醜い顔を見ても。だから、答えは決まっている。
「ありがとう。そんなこと言われたのは初めて。これからよろしくね。」
つまり、返事はOKだ。アトラは嬉しそうな顔をしてはにかんだ。もし、女子がこの顔を見れば一瞬でいちころであろう。アトラはめちゃめちゃかっこよいのだから。
ルイは初めて友達ができた。それもアトラというめちゃめちゃイケメンの。
二人はギルドへと向かった。パーティー登録をするために。
あとがき
今回は新しい仲間が増えました。めちゃめちゃ嬉しいです。次回はアトラとルイのお互いの能力を知る話にしたいとおもいます。アトラがこんな森の奥にいた理由がわかるかも!ぜひ、楽しみにしていてください。
今回はめちゃめちゃショックだったことがあったんですよ。それはですね、せっかく最後にさしかかった、というところで勝手にデータがこの第8話だけ消えてしまったんです。なにもしてないのにですよ!ちょっと原因がわかる人教えてもらえませんか?すごくショックでした。(泣)
それでは、また、次回お会いしましょう。
感想お待ちしてます!
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