天才ゲーマーは異界で召喚師やってます。

リリア

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第7話 森の中にて

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少しステータスが上がってきたのでそろそろ森にいってみようと思う。
「主、今日はどのような内容でしょうか?」
「う~ん、レベルをあげるかな?最近レベルが上がりにくくて一気にあげとこうと思うんだけど。」
「そうですねー、主はレベルが元々高いので上がりにくいのだと思いますよ。」
ちなみに今の会話はレイル、ルイ、ピャクヤの順である。
「そうだ!主、奥まで行きましょう!奥には強い魔物や魔獣たちがうようよいますから!」
「よし、なら行こう!」
3人?は意気揚々と奥の森へと足を運んだ。その先にある強大な力を知らずに。

「はっ!」
持っている短剣で自分の何倍もの大きさの魔獣を倒している少女、ルイは魔力、体力共にほとんど消費していない。
「そこら辺の魔獣よりは強いみたいだね、でも、相手にならないや。」
周りの魔獣、計50匹をすべて片付けたレイル、ピャクヤに向かって計70匹を片付けたルイが話しかける。
「そうですね、私は準備体操と思ってますけど。」
「そうだね、準備体操ってことにしとこうか。」
ー実のところこんなにも軽々しく倒せている魔獣、一般の人(Lv. 100 ぐらい)なら六人以上いてやっと倒せるぐらいの強さである。ー
「ねえ、これって売れると思う?」
ルイが持っているのはこちらも通常なら強い魔獣に分類されるものである。種族はレスリード。攻撃に長けた魔獣である。見た目は熊のような感じで大きな手で相手を襲う。その毛皮はレアもので結構な高値で取引されている。
「レスリードですね!結構な高値で売れると思いますよ。」
「たまに魔玉を持っている奴がおりますぞ。」
「そうかー、なら売ろうか。魔玉は濃密な魔力を宝石にこめたアイテムだよね。それはそのうち見つかるでしょ。・・・多分。」
魔玉のレア度はこめられた魔力の強さによって変わる。ドラゴンの魔玉なら激レアのうちのAランクに分類される。ちなみに一番激レアランクはSSである。

しばらく森を歩いていたその時、ルイはただならぬ気配を感じた。レイルもピャクヤもその気配を感じとり周りを警戒している。
「どうやら森の主のご登場みたいですね。」
「こちらも全力でかかるとしましょう、主!」
森の主の気配は今までの魔獣とは比べ物にならないくらい強い濃密な魔力だった。ここで手を抜いてしまえばこちらの命が危うい。ルイは奥の手を使うことを決心した。
「まだあなたの力についてはよくわからないのだけれど。」
ルイの前に魔方陣が浮かび上がる。
「私に力を貸して。《白月召喚》」
魔方陣は光輝き、その中から男の子が現れる。
「ようやく呼んでくれたな、主!」
男の子の名は白月(はくづき)。幼さが見えるその容姿に似合わず邪悪な笑みを浮かべる。
「さーて、初の大舞台だ。思う存分暴れるとするか!」
白月は背中に背負った三日月型の剣を手に取る。
ーこの剣の名は白月剣。その剣先は白月の自由自在に形を変えることができる。ー
「みんな、十分に警戒を、ボスをぶっ潰す!」
「「「我が主の仰せのままに!」」」
ボスを目にした一同はその獣の大きさに驚いた。七メートルほどもあったのだ。獣の種族はドライン。ドラゴンの下級種族である。下級と言えど、強い。攻撃力も、防御力も、である。
「《スキル 紅花》」
このスキルはルイが新しく習得した刀術のもので、相手の命を一瞬で狩りとり、赤い花を咲かせるという恐ろしいスキルである。
「ぐるルルルルルルルルぅ。」
相手の技を見極めるためかドラインは防御体勢をとった。それが、いけなかった。レイルの新スキル、捕縛がドラインの身動きを封じた。ドラインの背後を白月の剣が襲う。また、白月剣には炎がまとわせられており、威力を倍増されている。ちなみにこの炎はピャクヤの狐火である。
「これで終わりよ!」
そして、とどめとばかりにルイのスキルが追撃する。
辺りには血が花のように飛び散り、地を赤く染めている。はなの真ん中には巨大な魔獣、ドラインが事切れている。ルイは刀についた血を振り落とすと、鞘にしまった。
「見事です!主!」
「まあ、これくらい出来ないと俺の主とは認めないけどな。」
「お疲れさまです、主!」
順にレイル、白月、ピャクヤである。
「みんな、ナイスアシストだったよ。以外と早く決着がついてよかった。さーて、こいつのレベルはいくつかな?《スキル 解析》」
解析のスキルとは相手のレベル、ステータスを見ることができるものである。こちらも新しく習得したスキル。実用的なスキルで冒険者に人気が高いのだが、冒険者で持っている人は少ない。なので、このスキルを持った人はパーティーに誘われることが多い。
《ドラインのステータス》
Lv. 852 

スキル

防御魔法
攻撃魔法(水 雷)

特徴
とかげのような見た目だが、体がでかい。竜の鱗を持ち、防御力が高い。(ドラゴンには劣る。)攻撃は魔法の攻撃と手についている鋭い爪でする。レベルが一定(Lv. 1000 )を越えると、ドラゴンへ進化する。

「レベルが800以上のわりにあっさりいけたなー。」
「主、そろそろいきましょう。」
「あっ、待って!魔玉を回収するから。」
ドラインは魔玉を持っていた。レベルが800以上の魔獣が持っていた魔玉となれば威力は高い。
ルイが魔玉を拾ったとき・・・

 ガサッ 

草むらから音がした。
ルイと召喚獣たちは一気に警戒を強めた。しかし、草むらから出てきたのは魔獣でも、魔物でもない、ルイより、少し年上かと見られるぐらいの少年であった。



あとがき
 こんにちは!今回も読んでいただきありがとうございました。
 ちなみに、今回は魔獣と魔物の違いを説明したいと思います。魔獣は地球の獣が魔法を使うものを言います。魔物は人に近い姿をしたものを言います。お分かりいただけたでしょうか?説明が分かりにくくてすみません。
 それでは、また、次回お会いしましょう。
 感想お待ちしてます!







    
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