天才ゲーマーは異界で召喚師やってます。

リリア

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第10話 ディアロス

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ルイとアトラはリアデン樹林にいた。ここは強い魔物がたくさんいるため人が寄りつかない。そのため、ルイはフードをとっていた。
「よし、アトラ、まずはティエスロを群れごと狩ってきて。」
「分かったよ。」
アトラは普通に狩りに行った。でも、本当はティエスロという魔物は普通の冒険者なら5、6人はいないと倒せないやつである。もちろん、1ぴきで、だが。
「主、我らは何をすればよいですか?」
声をかけてきたのは召喚したレイル。その後ろにはピャクヤもいる。
「そうだねぇ、今はとにかく魔物を狩ることかなぁ。ティエスロはアトラが狩ってくるから、てきとーに狩ってきてよ。」
「大雑把な説明ですね。分かりました。てきとーに、狩ってきますよ。」
そうして、レイルとピャクヤは森の奥へ姿を消した。
「私はどうしよっかな。魔物はアトラたちが狩ってくるから・・・。」
ドンッ!その時、ルイのいる地面が揺れた。
「魔物、か。」
正体はすぐわかった。さっきの地響きからして、巨体だと想像できる。また、こっちに向かってきていることも分かっている。予想できなかったのは“こちら”である。
「女の子・・・。おい!早く逃げろ!魔物が来るぞ!」
普通の人間がここにいたことである。
「大丈夫。あなたこそ早く逃げたら?」
「いいから早くこっちにこい!死ぬぞ!」
ドンッ!また、地響きがすると、巨体の魔物が姿をあらわした。
「下がっててよ。」
「はぁ?お前一人で何ができるって・・・。」
ルイはその災厄を呼び出す。
「《召喚 魔王サタン》」
ー魔王サタン。それは魔界の王であり、覇者。その力は魔界最強である。神々すら恐れるその驚異。それが魔王の力であるのだ。ー
「召喚してまだ、日が浅いけど、よろしく頼むよ。」
サタンはウォォーとだけうなり、目の前にいる巨体に向かった。
サタンは口に魔力を集中させる。
「ウオオオオオォォォォオ!」
サタンの声が発せられると共に、魔力が一気に巨体へと当たる。巨体の魔物の体は霧散し、心臓(コア)だけが残った。
「よくやったね、サタン。これでレベルが1なんて誰も思わないよね。」
《サタンのステータス》
Lv. 1

MP 5000 

HP  5000 
 
スキル
魔王の吐息(サタンブレス)
スキル吸収


称号
魔界の王
魔界の覇者


相変わらずチートだなあ、とルイはため息をはく。

「それは・・・なん、だ?」
後ろから聞こえる、恐怖の混じる声。
「私の魔法、召喚魔法。」
「なんだと!?召喚魔法はこんなことができたのか!」
こっちが聞きたいよ!といいたい気持ちをおさえる。正直いって、ルイも、どうしてこんなことができるのか分からないでいる。
「あなた、名前は?」
「・・・ディアロス。」
「ふーん、知らないな。誰?」
「知らないの!?俺、有名だよ。で、あんたの名前は?」
「ルイ。」
「うん、知らないな。」
ディアロス。ー彼はこの世界の英雄。知らない人がいるはずがない。そのはずなのに、ルイと名乗る少女は知らないといった。今までの会話から見て知らないのは本当のことだろう。ー
ディアロスはワクワクした。ここに自分と同じ、もしくはそれ以上の強者がいることに。追われる立場だった。彼女に出会い、追う立場となることができる。目標ができる。嬉しかった。だからー
「決めた、俺、ルイについていく。」
そう決めたんだ。ー


あとがき
 ディアロスに仲間になりたいと言われたルイは一体どうするのか、気になりますね!断るのか、それとも引き受けるのか。目立つことがあまり好きではないルイ。難しい展開になりそうです。
 9月が今日でもう、おしまいですね。夏の暑さから涼しくなった夜。秋ですね~。近況ボードでも書きましたが、体調を崩さないようにしてくださいね。
 
 それではまた次回お会いしましょう。

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