天才ゲーマーは異界で召喚師やってます。

リリア

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第11話 難しい選択

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「俺、ルイについていく。」
ディアロスが突如放った言葉。
「はぁ?」
思わずそんな声が漏れでる。
「俺を仲間にしてくれ!!」
「するわけないじゃん。」
スパッとルイは突っ込む。
「私は目立ちたくないから、だから、ごめん。」
簡潔な言葉。目立ちたくないから、ただそれだけの理由で、仲間にはしてもらえなかった。短い言葉はディアロスの心を射す。
ディアロスは、何も言わず、ルイに背を向けた。そして、町の方へと続く道へと姿を消した。
「ルイ、何で断ったの?」
突如後ろから声がかかる。アトラだ。
「どこから聞いてた?」
「二人が名前を言い合ってるところぐらい。」
「ほとんど最初からじゃん!」
思わず突っ込むルイ。でも、彼女の表情は暗い。
「何で断ったの?」
もう一度同じ質問をして来るアトラ。
「彼は私やアトラとは違うと思うから。私も、アトラも、家族以外にあまり他人との接点はないでしょ?でも、彼は、ディアロスは違う。いろんな人と繋がって助け合って生きてきた。そんな気がする。だから、頷けなかった。なんか、怖かったんだよ、ね。」
「そっか。・・・ルイが決めたんならそれでいいや。」
そうして、二人は森のさらに奥へと進みだした。


 ◆ ◆ ◆

「悔しい。あんな理由で俺は仲間にしてもらえなかった!せっかく、目標が見えたと思ったのに・・・!!」
ディアロスは、唇を強く噛み締める。
しかし、彼は諦めてはいなかった。つぎこそは認めてもらえるようになりたいと。そう、思っていた。
そうして、また、森の奥へと歩を進めた。

    ◆    ◆    ◆

二人はまた、森の奥で出会った。いや、詳しくはまだ会っていないアトラも一緒だが。
正直、今は会いたくないというのがこの場の全員の感想であった。
「俺、やっぱり・・・」
沈黙を破ったのはディアロスだった。
「俺、初めてアンタミたいな強いやつに出会ったんだ。今まで目標も無く勇者でいた。そして、互角、いやそれ以上の力を持っている人に出会えたんだ。諦められねぇーよ。・・・もう一度聞く。ついて行っていーか?」
「・・・」
ルイは無言のまま。口を開こうとしない。うつむきフードを被ってしまい、顔の表情も見えなくなった。
「・・・正直いって、私は目立ちたくない。それに、君には壁を勝手に感じてきた。でも違ったんだ、って気づいたよ。。君も孤独だったんだね。」
「自分で決めなよ。自分の人生でしょ?好きに生きればいいじゃん!」
ひと呼吸置いてルイはそう言った。ばっと顔を上げ、ディアロスに向かってはにかんだ。
「サンキュ!!これから宜しくな、ルイ、アトラ!」
ディアロスもニカッと笑う。

後にディアロスは、ルイと共に戦う一人となる。まあ、今の彼ら、いや、彼女らは知るはずもないのだが。


あとがき
   更新遅れました。このシーンは悩みに悩みました。結局よくわからない終わり方をしてしまいましたが。よくわからなかったという方もいらっしゃると思います。申し訳ありません。
    文字数も少ないですね。(汗)次はもっと内容ガッツリにしたいと思うのでよろしくお願いします!

       それでは、また、次回お会いしましょう!!
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