天才ゲーマーは異界で召喚師やってます。

リリア

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第12話 魔導書 レイピュキア

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ディアロスが仲間になり、一行はギルドに来た。

「あなた達、あの勇者様、ディアロス様と、パーティーを組むの?凄いわね!」
「こら、驚くのはわかるけれど、敬語を使いなさい。」
「あ、すみません。」
まあ、こんな感じで驚かれたルイ一行。
「出来ればこのことは御内密にお願いします。」
「分かりました。手は尽くしましょう。」

ギルドでパーティー登録を終えた3人は森の中にまたも足を運んだ。
「さて、ダンジョンにでも行こうか。」
目的はダンジョン。ゲーマーなら知っていて当然の冒険スポット。魔獣が大量に生息している。・・・はずだ。
「ダンジョン?なんだい、それ?」
どうやらアトラはダンジョンを知らないらしい。ここの森に住んでいたはずなのだけれど。
「冒険者をやっているのにダンジョンも知らないのか?ダンジョンは魔獣が大量に生息しており、この先にある、レレイルダンジョンには一番奥に宝が眠っているとか、いないとか・・・。」
「ディアロスには聞いてないよ!ルイに聞いたんだ。」
アトラは頬を膨らませる。
「まあまあ、二人とも。これから一緒に冒険する仲間なんだから、仲良くしてよ、ね?」
「「嫌だね。」」
ルイが二人をなだめるも、喧嘩したまま仲直りしない二人。この先本当にやって行けるのかな、と、ルイは不安になってきていた。


「もう暗くなってくるから、今日はここで野営しよう。」
と、テント?的なものをはっていた。アトラとディアロスはもちろん、仲直りしているはずもなく・・・。
「ご飯食べようか。」
そう言って、ルイは手早く料理を作り始める。急に漂ってくる美味しそうな匂いに二人は喧嘩をやめる。
『ぐううううぅー。』
二人のお腹が空腹を求める。

ご飯を出すとすごい勢いで料理はなくなっていった。

朝になると3人はダンジョンの中へついに足を踏み入れた。ダンジョンの中には高ランクレベルの魔獣がうようよいる。
「さっさと片付けるか。一人最低50匹な!」
アトラはそう言い残して風の如く走り出した。ディアロスも負けじと物凄い速度を出して魔獣を蹴散らしていく。
「《スキル紅華》」
ルイは紅華を使い、難なく敵を完膚なきまでにひれ伏させていく。
こんな感じでチートなルイ一行はものの数分でダンジョンを攻略してしまった。

と、行ってもルイたちはダンジョンを出た訳では無い。なんと、攻略したと思ったら、その奥には大きな扉があったのだ。
「アトラ、ディアロス、開けて・・・みる?」
二人は黙って頷く。
ルイが扉に手をかざすと、扉はギギィ・・・と音をたててゆっくりと開いた。

「「「!!!」」」

部屋の中にあったものに思わず3人は息を止めた。
部屋の中にあったもの、それは・・・

「魔導書・・・だな。」

「みたいだね・・・。」

「初めてみた。」

ー魔導書、それは唯一選ばれしもののみが使用できる、唯一無二の力。それは持つものによるが、神の力をも凌駕するともいまれていた。ー

そんな魔導書がどうしてこんな場所にあるのか、その理由は神のみが知る。

『我と契約を望むものは?』

抑揚のない声が部屋に響く。

「ルイ、契約を結ぶんだ。」
アトラが言う。
ディアロスも無言で頷く。
ルイは魔導書に手をかざし、
「我の名をルイ。契約を望む。」
魔導書は返事をするように光り輝き、ルイの中へ吸いこまれるように消えていった。
「これで契約完了かな?」
「多分。」
「・・・!!。早く出ないと、外はもう夜だぞ!」
三人は急いでダンジョンを出ました。なぜなら、ダンジョンは夜に新しい魔物を生み出すため、危険だからである。いくら倒しても湧いてくる、地獄の時間だ。

「ギリギリセーフ、だったな。」
「今夜はここで野営しようか。」
「そだなー、って言うか早くご飯食おーぜー!腹減ったよ。」
「そうだね、《ロキ召喚》」

パァと魔法陣が輝き中からそいつがでてきた。

「よお、主、この俺を呼ぶってことは重要なことなんだろうなぁ?」

少し髪をかき上げ気味のチャラ男もとい、ロキはルイの新たな召喚獣である。

「あぁー、ごめんね、今日は見張りだよ。じゃああとは宜しく。」
と言って魔方陣にだいぶした。

ちなみにこの魔法も新たなスキルで、魔方陣の中には部屋部屋のような空間になっている。(中には色々道具入れてるけどね・・・ww)

「・・・ちくしょう。」
「・・・っていうか、魔法陣があるなら俺、必要なくね!?」
と、ロキの悲痛な叫びは誰の耳に届くこともなく、ただ夜はふけていった。


次の日の朝・・・
ルイたちはダンジョンで狩った魔物をギルドに売りに来ていた。
「うあー、今回もいっぱいですねー、さすが期待のるぅきぃですねぇー。」
受付嬢のフーコがこれまたいつも通り、ノーんびりと話しかけてくる。フーコは猫の獣人さんである。
「そう言えばー、最近マイアって言う貴族がある意味暴れ回ってるみたいなので、気をつけてくださいねぇー、ルイは強いけどー、お仲間にー、危害が加わるかもしれないですからねぇー。」
「うん、分かった。ご忠告ありがと、フーコ。」
ルイとフーコはけっこう仲が良い。


ルイがギルドから出たちょうどその時だった。
「ねえ、そこのお嬢ちゃん、」
声をかけて来たのは知らない太ったケバいおばさん。
「何ですか。」
ルイは少し警戒を強める。
「私わね、マイアっていうの。マイア・ウザワスソン。」
こいつがフーコの言ってた問題野郎か。
「はぁ、それで、私に何か?」
「突然で悪いけど、後ろの子達ってお仲間?」
「まぁ、そうですけど。」
思わず顔をしかめる。
「そう。・・・ねぇ、そこのお仲間たち売らない?きっと良い値で売れるわァ。どっちもイケメンだしぃ。あっ、私、奴隷商人やってるの。それでどうする?」
「すみません。意味がよくわかりません。」
「だから、売らないかって・・・・。」
ルイはマイアをどんと突き飛ばす。軽々と片手一本で、その巨体を。
「ちょっと!何すんのよ!私は貴族よ、貴族にそんなことしていいと思ってるの!?」
「そんなこと、知ったことではない。」
「《我が名の元に我に力を貸せ召喚レイピュキア》」
その途端魔法陣が浮かび上がりあの、魔導書が姿を現す。今まで遠巻きを見ていた街の人達も息を飲んでその様子を見守っていた。
大きな魔法陣が形成され、杖も召喚された。ルイが杖を握ると魔力の渦が巻いていく。そして、球状にまとまった。
「《アシタロス・ラグナロフ》」
かっと杖は輝き、球状だった魔力が溢れだし風となりマイアの体を突き抜けた。
「うああぁっ・・・って、痛く・・・ない・・・?」
「その行い、万死に値する・・・と言いたいところだけど、人殺しは性に合わないの。せいぜい死すら生ぬるいほどの痛みを味わうといいわ。」
そう言って、立ち去ろうとするルイをマイアは止めようとした。が、
「うああぁ!!」
突如、鋭い痛みに襲われ、それは叶わなかった。

しかし、マイアは知らない。もし、これが本当の威力を発揮していれば、マイアは痛みを味わうことすら叶わず、一瞬で命を散らせていたということを。


こうして、ルイは迷惑もののマイアを懲らしめたことで多くの冒険者から容姿からも実力からも一目置かれることになるなど、ルイは知るはずもなかった。




あとがき
     めちゃくちゃ更新遅れてすみませんでした。出来るだけ早く更新ができるように心がけようと思ったんですけどね・・・。なんか遅くなってしまいました。
     今回は、新しい召喚獣のロキと魔導書の登場ということで勘弁してください。(笑)

    それではまた次回お会いしましょう!

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