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【2話】歪んだ視線の覚醒と倒錯した認識
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彩花にとって、他人の視線は常に自分を突き刺す針のようなものだった。
特に、満員電車の中では、それが顕著だった。
いつもは、周囲の視線から身を隠すように、なるべく小さく縮こまり、
電車の窓の外をぼんやりと眺めていた。
だが、ある時期から、その針が奇妙な、ねっとりとした熱を帯びていることに気づき始める。
きっかけは、ほんの些細なことだった。
ある日の放課後、彩花が教室で忘れ物をしていることに気づき、
取りに戻ろうと廊下を歩いていた時のことだ。
少し先に、クラスの男子数人が固まって話しているのが見えた。
彩花に気づいていないようで、彼らは楽しそうに笑い合っている。
通り過ぎようとしたその時、耳に飛び込んできた彼らの会話に、
彩花は思わず足を止めてしまった。
「はぁ~、城南の女子って、みんな細すぎだよな。もうちょい肉があってもいいんじゃね?
なんか、ガリガリすぎて抱き心地悪そうっていうか、抱いても骨が当たるだけって感じ?」
「だよな! あと、全体的に胸が薄い奴多くね? 俺、やっぱある程度はボリュームほしいんだよなー。
やっぱ神宮寺くらいあると、理想だわ。完璧なプロポーションって感じ?」
「お前マジかよ。俺は神宮寺みたいに完璧すぎるより、なんかギャップがある子の方が燃えるけどな。
佐藤とかさ」
彩花は、自分の苗字が出たことに、心臓が凍りつくような感覚に襲われた。
「え、佐藤? 地味な顔してるくせに、身体だけはマジでエロいよな、佐藤って」
「だよな! あれ、何カップなんだろうな? DかEくらいあんじゃね?
制服の上からでもわかるあの膨らみ…」
「Dカップは余裕であるだろ。制服の上からでもわかるってことは、
結構でかいってことだぞ。Eカップもあるんじゃね?
あの制服、やたら胸のラインが浮き出て見えるようにできてんじゃね?マジで目の毒だわ」
「俺は、Eカップだと思うね。満員電車で、佐藤の前に立ってた時、
つり革持つのに腕を上げたら、腕が佐藤の胸に当たっちまってさ。
あんなに柔らかい感触、初めてだったわ…」
「マジかよお前! 羨ましい! 俺も電車で隣になった時、佐藤が何か拾おうとしてかがんだら、
スカートの裾から太ももがチラって見えてさ、あの肉付きがたまんねぇって思ったわ。
俺の太ももに擦れるたびに、ドキドキするんだよな。なんか、こっちを誘ってるように見えてさ」
「俺は、佐藤をひざまずかせて、そのパンスト越しに、もっとデカいって言われてるその胸を、
俺のチンコで何度も突き上げてやりてぇんだよ。
佐藤が苦しそうな顔しながら、イクって言うまで、何度も何度も…」
「なんなら、放課後、人目のつかない教室で、佐藤とあの胸を、俺らの好きにしてやりたいわ」
彩花は、心臓が凍りつくような感覚に襲われた。まさか、自分について話しているとは。
彼らの口から放たれる卑猥な言葉に、彩花は羞恥と嫌悪で全身が震えた。逃げ出したい。
でも、足がすくんで動けない。
彼らは楽しそうに、そして下卑た笑い声を上げながら、彩花の身体について
品定めするかのような会話を続けている。
その視線は、まるでレントゲン写真のように彩花の制服だけを透過し、
その下の柔らかな肉体を隅々まで暴き立てるかのように感じられた。
その視線が、彩花の身体の曲線、胸の膨らみ、腰からヒップにかけてのラインを
ねっとりと辿り、脳内でその下の肌を想像しているのが手に取るようにわかる。
(もしかして、あの人たちは私を見て、私の胸の膨らみや、
腰からヒップにかけてのラインを想像してる?
私のスカートの下を覗き見ようとしてるんじゃないの?
電車が揺れるたびに、彼らの視線が私の太ももに絡みつくのを感じる…)
彼らの言葉は、彩花の乾ききった心に、得体の知れない甘い毒を注入した。
最初は羞恥と嫌悪だった感情が、いつの間にか、奇妙な高揚感へと変貌していく。
自分の身体が、彼らの性的な欲望の対象となっていることを、
奇妙な満足感と共に認識したのだ。
それは、まるで汚い泥水の中に咲いた一輪の毒々しい花のように、
その視線は彩花の奥底に眠っていた「自分を肯定する」という感覚を覚醒させていった。
この倒錯した妄想と男たちの視線は、彩花の内に眠る抑圧された自己肯定感と結びつき、
互いを増幅させながら、彼女の性に対する歪んだ認識を深く刻み込んでいく。
それはまるで、枯れた大地に注がれた毒液が、かえってそこに奇妙な花を咲かせるように、
彩花の心を徐々に浸食し、彼女の現実感覚を根底から揺るがし始めていた。
視線という名の栄養を得て、妄想という名の根が彩花の心の奥深くに張り巡らされ、
やがてそれは彩花自身が望む「自分」の姿を形作っていく、倒錯した共依存の関係だった。
特に、満員電車の中では、それが顕著だった。
いつもは、周囲の視線から身を隠すように、なるべく小さく縮こまり、
電車の窓の外をぼんやりと眺めていた。
だが、ある時期から、その針が奇妙な、ねっとりとした熱を帯びていることに気づき始める。
きっかけは、ほんの些細なことだった。
ある日の放課後、彩花が教室で忘れ物をしていることに気づき、
取りに戻ろうと廊下を歩いていた時のことだ。
少し先に、クラスの男子数人が固まって話しているのが見えた。
彩花に気づいていないようで、彼らは楽しそうに笑い合っている。
通り過ぎようとしたその時、耳に飛び込んできた彼らの会話に、
彩花は思わず足を止めてしまった。
「はぁ~、城南の女子って、みんな細すぎだよな。もうちょい肉があってもいいんじゃね?
なんか、ガリガリすぎて抱き心地悪そうっていうか、抱いても骨が当たるだけって感じ?」
「だよな! あと、全体的に胸が薄い奴多くね? 俺、やっぱある程度はボリュームほしいんだよなー。
やっぱ神宮寺くらいあると、理想だわ。完璧なプロポーションって感じ?」
「お前マジかよ。俺は神宮寺みたいに完璧すぎるより、なんかギャップがある子の方が燃えるけどな。
佐藤とかさ」
彩花は、自分の苗字が出たことに、心臓が凍りつくような感覚に襲われた。
「え、佐藤? 地味な顔してるくせに、身体だけはマジでエロいよな、佐藤って」
「だよな! あれ、何カップなんだろうな? DかEくらいあんじゃね?
制服の上からでもわかるあの膨らみ…」
「Dカップは余裕であるだろ。制服の上からでもわかるってことは、
結構でかいってことだぞ。Eカップもあるんじゃね?
あの制服、やたら胸のラインが浮き出て見えるようにできてんじゃね?マジで目の毒だわ」
「俺は、Eカップだと思うね。満員電車で、佐藤の前に立ってた時、
つり革持つのに腕を上げたら、腕が佐藤の胸に当たっちまってさ。
あんなに柔らかい感触、初めてだったわ…」
「マジかよお前! 羨ましい! 俺も電車で隣になった時、佐藤が何か拾おうとしてかがんだら、
スカートの裾から太ももがチラって見えてさ、あの肉付きがたまんねぇって思ったわ。
俺の太ももに擦れるたびに、ドキドキするんだよな。なんか、こっちを誘ってるように見えてさ」
「俺は、佐藤をひざまずかせて、そのパンスト越しに、もっとデカいって言われてるその胸を、
俺のチンコで何度も突き上げてやりてぇんだよ。
佐藤が苦しそうな顔しながら、イクって言うまで、何度も何度も…」
「なんなら、放課後、人目のつかない教室で、佐藤とあの胸を、俺らの好きにしてやりたいわ」
彩花は、心臓が凍りつくような感覚に襲われた。まさか、自分について話しているとは。
彼らの口から放たれる卑猥な言葉に、彩花は羞恥と嫌悪で全身が震えた。逃げ出したい。
でも、足がすくんで動けない。
彼らは楽しそうに、そして下卑た笑い声を上げながら、彩花の身体について
品定めするかのような会話を続けている。
その視線は、まるでレントゲン写真のように彩花の制服だけを透過し、
その下の柔らかな肉体を隅々まで暴き立てるかのように感じられた。
その視線が、彩花の身体の曲線、胸の膨らみ、腰からヒップにかけてのラインを
ねっとりと辿り、脳内でその下の肌を想像しているのが手に取るようにわかる。
(もしかして、あの人たちは私を見て、私の胸の膨らみや、
腰からヒップにかけてのラインを想像してる?
私のスカートの下を覗き見ようとしてるんじゃないの?
電車が揺れるたびに、彼らの視線が私の太ももに絡みつくのを感じる…)
彼らの言葉は、彩花の乾ききった心に、得体の知れない甘い毒を注入した。
最初は羞恥と嫌悪だった感情が、いつの間にか、奇妙な高揚感へと変貌していく。
自分の身体が、彼らの性的な欲望の対象となっていることを、
奇妙な満足感と共に認識したのだ。
それは、まるで汚い泥水の中に咲いた一輪の毒々しい花のように、
その視線は彩花の奥底に眠っていた「自分を肯定する」という感覚を覚醒させていった。
この倒錯した妄想と男たちの視線は、彩花の内に眠る抑圧された自己肯定感と結びつき、
互いを増幅させながら、彼女の性に対する歪んだ認識を深く刻み込んでいく。
それはまるで、枯れた大地に注がれた毒液が、かえってそこに奇妙な花を咲かせるように、
彩花の心を徐々に浸食し、彼女の現実感覚を根底から揺るがし始めていた。
視線という名の栄養を得て、妄想という名の根が彩花の心の奥深くに張り巡らされ、
やがてそれは彩花自身が望む「自分」の姿を形作っていく、倒錯した共依存の関係だった。
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