悪役令嬢の次は、召喚獣だなんて聞いていません!

月代 雪花菜

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第四章 心を満たす魔法の手

ちょっとしたことだけど、大事だったりします

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「なーなー、そのスープの味はどうなんだよ」

 余計な方向へ思考が向かいそうになったのですが、カカオの言葉で我に返り、スープを慌てて見つめます。
 確か、このスープはカカオとミルクが作ってくれたのですよね。
 この子達とチェリシュが一緒にスープやうどんを作っていた光景を見てみたかったです。
 きっと、可愛らしくて癒やされたでしょう。
 リュート様は勿論のこと、お母様もしっかり眺めていたりするのでしょうか。

 そんなことを考えながらスープをスプーンですくって飲んでみると、なんというか……雑味が感じられます。

「素直に言っていいぞ」
「……ということは、リュート様も感じたのですか?」

 勿論というように頷く彼は、私が作ったスープを飲んでいるからでしょうか、顔に『不満です』という言葉を貼り付けてあるかのような表情をしていらっしゃいました。
 本当に、お料理の味に関して厳しいですよね、リュート様は……でも、それだけカカオとミルクを気に入っているのということなのでしょう。
 カカオは料理に対し、とても真面目に取り組んでいる様子ですから、誤魔化すこと無く素直な感想を述べたほうが良いように感じます。
 波風立てないような無難な答えを求めていない様子が見て取れました。

「スープの味にまとまりがなく、少々雑味が感じられます」

 そういうと、カカオの目がキラリと光り真剣味を帯びます。
 隣のミルクも息を呑み、次の言葉を待っているようでした。

「カフェとラテも同じところで疑問を持っておりましたから、多分これじゃないかという原因がありますが……」
「原因?あのカフェとラテでも悩んだってのか」
「あの……原因を聞きたいですにゃ」

 言ってからハッとしたように、口元を両手で覆ったミルクの不自然な様子に疑問を覚えます。

「どうしました?」
「あ……えっと……口癖を直している最中なのです……」
「あー!語尾の『にゃ』ですか?キャットシーだったら当たり前なのでしょう?」
「で、ですけど……上位称号持ちの家に雇われているのに、田舎臭い語尾をつけるなんて品格を疑うと……」
「誰に言われた」

 リュート様の低く苛立ちを含む声に、ミルクの体がビクリと震えました。
 駄目ですよ、リュート様。

「ミルクに怒っているわけではないのですよ。リュート様は、ご自身の守ろうとしている方々が、そういう風に言われることを嫌いますから」
「え……あ……そう……なのですか?」
「カフェとラテの妹であるミルクを気にしていないはずがありません。厳しく味の評価をしていいというのは叱るためではなく、二人ならやれると信じているからですもの」
「ルナ……」

 リュート様が何か言いたげに私の名を呼びますが、その後に続く言葉が見つからなかったのか黙り込んでしまいました。
 その様子が図星だと指し示していたので、ミルクの表情が明るくなります。

「え、えっと……この前、買い出しをしている時に会った、称号持ちの家に雇われている隣村の同族です」
「アイツ、隣村の村長の息子だったんだけどさ、腕と性格の悪さが災いして上位称号持ちの家に雇われなかったんだよ。だから言ったろ、別に気にしなくていいって」
「カカオの語尾にも『にゃ』がつきませんが……」
「俺様は男として格好がつかないからやめてんの!ミルクとは違うからっ」
「そうなのですか……『にゃ』って可愛らしいのに……」
「男が可愛いっていわれて喜ぶケースは稀だと思うけどなぁ」

 何故かカカオにジトリと見つめられましたが、キャットシーの外見で語尾が『にゃ』は可愛いですよね。
 お母様も「そうよねぇ」と私に同意してくださいましたが、「ちょっと気になるのは仕方ないかな」と、ロン兄様とリュート様はカカオの気持ちがわかるようです。
 男同士でわかり合っている感じですか?
 なんだか……ちょっぴり羨ましいです。

「まあ、とりあえずだ。好きに話せばいい。そんなものを気にする必要はない。キャットシー族の話し方なのだから胸を張っていろ」
「リュートの言う通りだよ。雇用前に注意した点だけ守ってくれたら、ほかは問題ないからね」

 ロン兄様とお母様もミルクの口調について気になっていたのでしょう。
 なかなか話してくれなかったようですが、リュート様に全幅の信頼を寄せているようで、ミルクのことでロン兄様は近々リュート様に相談しようと考えていたと、こっそり教えて下さいました。

「なーなー、それよりも!スープ!雑味の原因ってなんなんだっ」
「人に教わる姿勢じゃねーな……」
「イダッ!イタイにゃっ!」

 リュート様に頭をグリグリされたカカオは、目尻に涙をためながらジタバタ逃げようと努力しておりますが、相手が悪いとしか言いようがありません。
 身体能力の差は歴然です。
 素が出ると語尾に「にゃ」が出ちゃうみたいですね。
 これはこれで可愛いです!

「まあまあ、リュート様。カフェとラテも知りませんでしたし、もしかしたら、カカオたちも知らないのかなって考えたのです」
「二人も知らなかった?」
「ちょっとしたことなのです。ですが、味を左右するひと手間だったりします。具材を鍋で煮ていると、黒っぽい泡が立ちますよね」
「あー、それだったら、ふつーに出てくるやつじゃん」

 解放されてまだ痛むのか頭を擦っていたカカオは、視界をくるりと回したあと、不思議そうに首を傾げました。
 うん、料理をしているときに何がどうなっているか、シッカリと見てますね。

「あの泡を私の世界では『アク』と呼んでおります。あの泡の正体は、食材に含まれる『えぐ味』『苦味』『渋味』や、血液などに含まれるタンパク質が固まったものだったりします」
「な、なんか……聞いてるとヤバイ感じがする……」
「あのアクをとったことは?」
「ない……」
「えぐ味や苦味や渋味は、人の舌に不快な味と認識されるので、できるだけ取ったほうがいいと思います。くつくつ煮立ったら中央に集まってきますから、それを取るだけでも違いが出ますからね?」
「ルナ様は、とってるのでしょうか……」

 ミルクがおずおずと尋ねてくるので、私は笑みを返します。

「勿論なの!」

 おっと?
 私が返答するより先に、チェリシュが自信満々に答えちゃいましたね。

「ルーはすっごーく、丁寧にとってたの!」
「つまり、その工程を俺様は今までしていなかったから、スープの味に違いが出たってことか……アクね。覚えた。次からは全部とる!」
「わ、私もですにゃっ」
「あ、でも、取り過ぎも良くないですからね?ほどほどに……」
「わかりましたにゃ!」

 二人同時に元気よく返事をしたあと、真剣な表情でうんうんと頷きあっている姿を見て、何だかとても可愛らしくもあり、真剣に料理と向き合っている姿に胸がきゅんっとしてしまいます。
 チェリシュもとるのー!とカカオとミルクに混じってうんうんと頷いている姿は、可愛らしすぎて癒やされますね。
 3人の姿に和んでいたらリュート様が「ルナ」と呼ぶので、なんでしょうかと声がしたほうへ視線を向けると、ずいっと差し出されたのは、箸につままれているうどん……

「え……と……」
「食え」
「あの……自分で……」
「食えって言ってんの。さっきから全く中身が減ってねーだろ」
「で、ですが……」
「あーん」

 あ、駄目です。
 これは、口を開いて食べるまで許してくれないパターンですね。
 しかし、こんなに柔らかいうどんを箸でよくつまめますよね……リュート様はお箸の使い方がとても綺麗です。
 もしかして、食事のマナーが厳しい家庭に育ったのでしょうか。
 とりとめもなくそんなことを考えて照れを誤魔化しながら、私はうどんをぱくりと食べます。
 それほど咀嚼する必要もなく、喉を通っていきました。

「よし」
「あ、あとは自分で食べますから……」
「なに、俺の手から食べるのは嫌なのか?」
「そ、そうではなくて……ですね……その……は、恥ずかしい……ですっ」
「ん?……あ……そうだったな」

 寮の部屋じゃなかったんだった……と、リュート様が苦笑を浮かべておりますけれども、お母様もロン兄様もセバスさんも微笑ましいというように見ているだけで、からかいの色がありません。
 チェリシュとカカオとミルクは、なんだか私の料理の話で盛り上がっている様子です。
 時折、耳と尻尾がぴーん!としているのが可愛らしいですね。
 そう、どんなに口では言っていようと、正直な耳と尻尾がいろいろ教えてくれるのです。
 実体験で理解したあとですから、思わずジッと見てしまいました。

「しかし、食材全てに含まれるのでしたら、そのアクとやらに強弱などがあるのですかな」

 長く生きていて初めて知ったと、セバスさんが興味を覚えたように質問してきます。
 アク抜きを知らないということは、筍などのアクが強い食べ物は、食材という認識がないのかもしれません。
 旬の筍や山菜は美味しいのですけど……ごぼうなどは、木の根とか言われてしまうのでしょうか。
 地球でも、海外の方々には日本のごぼうが木の根にしか見えなかったようです。
 食物繊維が豊富で大腸がん予防に効果があると知られるようになってからは、海外でも注目されるようになった食材のひとつですが……こちらで手に入りそうにありませんよね。
 聖都で誰もが知っている食材でアクが強いといったら、ナスでしょうか。

「聖都でよく食べられる野菜にナスがありますよね」
「ナスはお肉と一緒に焼くことが多いですにゃ」

 ミルクがナス料理を思い浮かべながら答えてくれたので、やっぱりよく食べる食材なのだと胸をなでおろします。
 カフェとラテが使っている食材が、この聖都では当たり前だと思っていたら、そうではないのかもしれないと言ってから気づいたからでした。
 だって、リュート様の努力があって使われている食材だって存在するはずですもの。
 事実、自らの舌で試している物が多いようでしたから。

「では、ひと手間ですが、ナスを適当な大きさに切ったら、暫く塩水にさらすか塩をふって出てきた水気を拭き取るのをおすすめします」
「なんで?」

 不思議そうにするカカオは、目をまんまるにして首を傾げます。
 同じような仕草をするチェリシュとミルクもリンクしていて可愛いですよっ!?
 あ、いけません、身悶えそうになっている時ではありませんでした。

「そうすると、適度にアクが出て口当たりがよくなります。あ、あと、塩水にするのは色味を綺麗に仕上げるためですから、必要がないと思うなら水にさらすだけで大丈夫ですよ」

 私の説明を聞いていたカカオは、数回まばたきをしたあと、目をキラキラ輝かせて笑います。

「異世界の料理法か……すっげー面白いな!確かに手間はかかるけど、やればやるだけ食材が応えてくれるって、魔法みてぇだ!」
「本当ですねぇ」
「ルーはみんなを幸せにする魔法つかいなのっ」

 え、えっと、そんな大それた者ではありませんよ?
 大体、ベリリ酵母だってチェリシュが育ててくれましたし、作りかけのケチャップとソース………………ああああぁぁぁぁっ!

 思わずガタンっ!と椅子を蹴倒さん勢いで立ち上がってしまいました。
 あまりにも勢いが良かったからか、それともまだ本調子ではないことが災いしたのか、視野が一瞬ブレてしまいます。

「どうした、ルナ」

 すかさず私の体を抱きかかえたリュート様が、驚いたように声をかけてくださいました。
 す、すみません。
 心配をかけてしまいました。

「ごめんなさい。思い出したことがありまして……寮の部屋に戻れないでしょうか……あ……でも、今から戻っても手遅れかも……あぁ……どうしましょう……」
「ん?話が見えないんだが?」
「私が仕込んでいたものは、ベリリ酵母だけではなく、イカの塩辛もそうですし、作っている途中の物が……」

 どうしましょうと泣きそうになりながら訴えると、リュート様は驚いたように目を丸くしたあと、チェリシュの方を見て苦笑を浮かべます。

「やっぱり、チェリシュが言った通りだったな。言われた物を回収していなかったら、ルナが泣いちゃうところだ」
「だからいったの!チェリシュ正解なの!」
「おう、さすがはチェリシュだ」
「えっへん……なの!」

 私をそっちのけで父娘会話をしておりますが……何が正解……なのですか?

「ルナが倒れたあと、いろいろ手続きをしていたんだけど、寮の部屋は施錠もしてあったから、戻らなくてもいいだろうと考えていたんだ。でも、チェリシュがどうしても回収してほしい物があって、それが駄目になるとルナが泣くっていって聞かなくてな」
「チェリシュ……」
「ルーが、いっしょうけんめい作ってたの。一番がんばってたの。だから、ちゃーんとリューが回収したの。大丈夫なの」
「良かった……本当に良かったぁ」

 ドッと体から力が抜けていき、リュート様が慌てて私を抱え直しました。
 それから、ゆっくり椅子に座るよう誘導されて元の席に戻ります。

「そんなに大事なものだったのか……」
「リュート様が間違いなく喜んでくださるものですもの……私にとっては、とても大事なものなのです」
「……俺のため?」
「勿論です!ソレ以外に何があるというのですか」

 リュート様の喜ぶ顔が見たいから、必死に頑張っているというのに……という思いをこめて見つめたら、フイッと顔をそらされてしまいました。
 こちらから見える肌の部分がほんのりと赤い……あれ?……あれれ?もしかして……

「ベリリなの!」
「ですよねー」
「言うな」

 カカオたちとの会話が終わったのか、私の膝の上によじよじ登ってきたチェリシュがすかさず「ベリリなの!」を発動し、リュート様の肌がさらに赤く染まります。
 そんなリュート様が意外だったのか、お母様は驚いてリュート様を見てから嬉しそうに微笑みました。

「あらあら、本当にベリリね」
「母さんまで!ロン兄……」
「あははは、リュートが恥ずかしがっているから、そのへんにしてあげて。でも、本当に俺の弟は可愛いねぇ」

 フォローになっているのかいないのか……ロン兄様の弟愛は偉大です。
 その時になって戻ってきたテオ兄様は、赤くなっているリュート様を不思議そうに眺め、何かを察したように「良かったな」と言って頭を撫でておりました。
 うん、テオ兄様も流石です!

「ルー」
「なんですか?」
「チェリシュ、役にたった……なの?」
「勿論です。さすがはチェリシュですね。とっても嬉しいです、本当にありがとう!」

 ぎゅーっと抱きしめると、チェリシュから喜びを含んだ「きゃー」という声が上がり、ぎゅーっと抱きついてきます。
 今回はチェリシュにとても助けられました。
 チェリシュが守ってくれたトマトケチャップとソースは、確実に完成させないとですね!
 いま無理をしたら元も子もありませんから、落ち着いたら作らせてもらえるように交渉しようと心に誓いました。

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