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第八章 海の覇者
何カレーが好きですか?
しおりを挟む具材が良い感じに火が通り、透き通ってくる様子を確認しながら、野菜の甘みが最大限に引き立つ瞬間を見極めましょう。
兄はタマネギを飴色になるまで炒めておりましたが、私には今回それだけの時間がありません。
硬いスパイスと、細かくした野菜を炒めて甘みを出す方法でいきましょう。
兄から教えて貰ったスパイスを使ったカレー作りの基本をアレンジしながら、短時間で仕込むのは至難の業です。
ああ……カレールーが欲しいですっ!
企業努力の賜物を、私も手にすることができたら……いえ、それはチート以外の何者でもありませんよね。
さすがに、そんな能力が開花したら大変なことになりそうです。
むしろ、仕入れはどこからするのだという疑問すら浮かびますし……それを唯一出来るだろう時空神様はいらっしゃいましたね。
……はっ!
そうではないですよ、私っ!
それこそ不味くないですか!?
十神の最高位にいらっしゃる神に買い物を頼むなんて、此方の世界の方々に知られたら……間違いなくお説教されてしまいます。
それに、もし持ち込むことが出来るのなら、苦しんでいたリュート様を見かねて「コレを使って」とか言って、某メーカーのカレールーやお米や醤油などを持ってきそうですもの。
きっと、何らかの制約があるのでしょう。
オーディナル様もそうですが、時空神様も制約が厳しそうですし……
野菜がいい感じになったので、兄のアドバイス通りに焦げやすいショウガとニンニクを入れて、香りを出しておきます。
次に、発酵石の器に入れておいたスパイスと、湯むきしてカットしたトマト、ソースを作るときに濾して残った物を取っておいたので、それを準備しましょう。
ケチャップを作るときにも使いましたが、カレーのことを考えて少し取っておいたのは大正解です。
「キュステさん、香りがかなり立つと思いますから、お願いします」
「了解。まかせてぇな」
香味野菜へスパイスを入れて炒めていくと、先ほどよりも良い香りが広がっていきました。
これだけでも、リュート様は感極まってしまいそうですよね。
キュステさんとアレン様から力の流れを感じますが、この部屋の中に広がる匂いが一瞬で無くなったりはしません。
外へ出ていかないようにしながら、消臭しているようです。
なかなか大変なことを頼んでしまったかも……
そう考えている間にも、カレーは食欲を刺激する香りを辺りに振りまきます。
「強い香りだなー」
「本当ですにゃぁ」
「ポーションに使う薬草を使っているのに、いい香りですよね」
カカオが鼻をひくひくさせて目を細め、ミルクとマリアベルは顔を見合わせてニコニコ笑っておりました。
チェリシュはというと、近すぎる位置でジーッとフライパンを覗き込み、お母様に慌てて回収されております。
チェリシュ……危ないですよ?
時空神様は兄のカレーを思い出しているのか、すごく良い笑顔ですし、それを見たアーゼンラーナ様は幸せそうに微笑んでおります。
本当に夫婦仲がよろしいことで……
そんなお二方が、揃って上を見つめて意味深に微笑むのは、出来ればやめていただけませんか?
ちょっぴり怖いですから……ね?
「ホンマに凄い香りやねぇ……やけど、なんていうか……刺激的で良い香りやわぁ」
キュステさんの言葉に、アレン様も大きく頷きました。
どうやら匂いが嫌だということはなさそうで、ホッといたします。
しかし、香りだけが良くても仕方がありません。
兄の作ったカレーみたいな奥深い味を出すために、リンゴと蜂蜜とヨーグルトだけではなく、塩辛の汁と裏ごししたベリリジャムを考えておりますが……メインとなる具材を何にしましょう。
お米が無いのでナンを作りますから、それに合うカレー……と考えていたら、家の近くにあったインドカレーの専門店を思い出しました。
とてもスパイスがきいた本格カレーが食べられる店で、家族で食べに行き、あり得ないくらい大きなナンに驚いた覚えがあります。
それだけではなく、カレーの種類も豊富で、小さな器に入った豆のカレーやチキンカレー、トマトカレーやほうれん草のカレーなどがありました。
エビのカレーがとても辛くて、兄に涙目で「辛さのレベルが違うよ!」と訴えたら笑われたのも良い思い出です。
カレーライスだったら、一般的なジャガイモとニンジンとタマネギがごろっとしたチキンかビーフのカレーを選んだのですが、ナンは迷いますね。
カレーのベースは同じでも、具材によって味が変わりますから……うーん、リュート様は、どのカレーが好きだったのでしょう。
こうして悩んでいる間にも、リュート様が戻ってくるかもしれません。
時間がありませんよっ! 私っ!
リュート様は「祖母の料理が好きだった」と、おっしゃっておりました。
私の祖母はどうたったでしょう。
一般家庭でしたから、お値段の張るビーフはご馳走、普段はチキンという感じだったはず……
『そういえば……綾音ちゃんが作ったイチゴジャムを使ったカレーって、何を入れていたのかしら』
ふと、兄との会話に出てきたイチゴジャムを使ったカレーの話を思い出した私は、知らず知らずのうちに日本語で、そう呟いておりました。
イチゴジャムを使ったカレーの件は印象的でしたし、兄が一度しか食べられなかった、親友の作る思い出の味に強い興味を覚えたのです。
『あー、それだったら、チキンほうれん草カレーだよ。今度作るって約束してたよ』
『今度……作る?』
『うん。あの子は、もう大丈夫』
日本語で時空神様が答えてくれた言葉に、嬉しさがこみ上げてきました。
そうですか……綾音ちゃんは、元気になったのですね。
本当に良かった!
お兄ちゃん、グッジョブですよっ!
チキンほうれん草カレーって、綾音ちゃんが好きでしたよね。
そういえば、大学で昼食にカレーを食べていたとき、チキンほうれん草のカレーは家の定番で、ジャガイモは少し大きめ、チキンは柔らかく煮込んでトロトロになったのが美味しいと言っていたような……
「カカオ、鶏肉ってありますか?」
「んー、焼くの? 煮込むの?」
「煮込みます」
「それだったら、鶏肉よりもグリフォンの肉が良いぜー、味が濃くて鶏肉みたいにパサパサにならずトロトロになるんだ。煮物料理には欠かせない肉だぜ」
うわぁ……煮込み料理には打って付けの鶏肉ですね……って、鶏肉扱いで良いのですか?
少々疑問は残りますが、味の濃い鶏肉と考えたら、とても扱いやすそうです。
鶏肉は煮込み料理にすると、火加減や煮込み時間が難しいお肉ですけれど、牛や豚肉と同じくトロトロになってくれるなんて本当に嬉しい!
カレーに入れて長時間煮込みすぎたら、繊維状にほどけて消えてしまったなんてこともありましたから……
あ、アレは気合いを入れすぎた結果ですよ?
普段から、そんな失敗をしておりません。
数日間煮込むと美味しいと教わったから、気合いを入れて煮込んだら、具材が全部溶けて消えてしまっただけです。
慌てている私の横で、兄が夏野菜や肉を焼き、カレールーの上にトッピングしてくれたので、家族揃って食べてみたら、とても美味しくて両親には褒めてもらえました。
ただ、兄が笑いながらどれくらい頑張っていたのか話した内容を聞いて、肉も消えたのかと笑われたのは恥ずかしかったし……ちょっぴり失敗したなぁって思ったのはナイショにしておきましょう。
「この地域やったら簡単に手に入るし、新鮮なんが欲しかったら、海岸沿いに巣を作ることが多いから、だんさんに頼んだら仕入れ放題やね」
「繁殖力もあるから、定期的に狩らねばならん。そろそろ、グリフォン討伐の依頼も増えるころじゃろうな」
「ラミアも増える時期やねぇ……産卵期やから、注意せんといかんわ」
魔物の繁殖時期を把握しているのですね……
もしかしたら、皇族として当たり前の知識なのかもしれません。
国民の被害が出ないように考え、対策を練るには必要だったはずですものね。
魔物討伐や繁殖時期の把握なんて、私には縁の無かった物です。
あちらでは、野生動物や野盗などの報告が主でしたし、その全てをベオルフ様のお父様が率いるアルベニーリ騎士団が対処しておりました。
そう考えると、ベオルフ様だけではなく、アルベニーリ家そのものが凄まじいのではないかと考えてしまいます。
一人で野盗の根城を壊滅させてしまう実力を持つ父の背を見て育ったベオルフ様とガイセルク様も、類い稀な戦闘センスを持っておりますもの。
あのご兄弟に匹敵する戦闘力を持つ貴族が、グレンドルグ王国に存在するのでしょうか……
リュート様が所持している背筋がゾクリとするような美しさを持つ剣では無く、ゴテゴテと過剰なくらいの装飾が成された剣で、何を守ろうというのでしょう。
絶対に、持っている覚悟が違いますよね。
「順調にすっぱいトマトがなくなっていくわぁ……奥様って、ホンマに凄いねぇ」
「そう言ってもらえると嬉しいです。これからは、こういうスパイス系も消費していきますから、ロヴィーサ様にお願いしないといけませんね」
「あー、それやったら、だんさんが既に動いてはったから心配いらへんよ。莫大な援助金出さはって、それで設備を整えるて言うてはったし。その黄色いやつも、ギムレットの奥さんが手配してくれはるみたいで、ロヴィーサ様が栽培する手はずになってるみたいやわ」
え、えっと……リュート様の仕事の速さに賞賛を送るべきか、注意をするべきなのか……迷いますね。
でも、それは全て───
「奥様が喜ぶ思うてやらはったことやし、大目に見たってな」
「リューは、ルーがうれしいをいっぱいしたいの……なのっ」
「せやねー。チェリちゃんもしたいもんねぇ」
「チェリシュも、いっぱーい、頑張ってするの! キューちゃんも……なの?」
「僕は、奥様だけやのぅて、だんさんもやけどね」
「それは、チェリシュもなのっ」
や、やっぱり……私が喜ぶから……ですよね。
もう……私に甘いのですから……
嬉しいやら恥ずかしいやら照れるやらで、心は忙しく動きます。
大切にされていることが嬉しくて、リュート様が甘やかしてくれることが申し訳なく感じると同時に、ちょっぴりくすぐったい。
湯むきしてカットしたトマトなどを入れて煮込みに入りながら、カカオが出してきてくれた、見た目は鶏肉と変わらないグリフォンの肉を適当な大きさに切り、小麦粉をまぶして別のフライパンに入れて表面をカリッと焼きました。
深さのある大きなフライパンでも難しい分量になってきたので、大きな寸胴鍋に取り替え、フライパンの野菜たち、グリフォンの肉、ジャガイモ、塩辛の汁と裏ごししたベリリジャム、すりおろしたリンゴと蜂蜜を加えてから、水を入れて煮込みに入ります。
大量のカレースパイスを作ったので、それを全部使ってできあがるカレーの総量は、寸胴3つが限界でしょう。
万が一にも、リュート様が寸胴を一つ抱えて食べたとしても何とかなる計算ですが……だ、大丈夫……でしょうか。
さすがに足りますよね?
これだけ大量に仕込むのは大変ですが、リュート様の笑顔が見られるのなら、苦でもありませんっ!
それに、朝食の準備が終わったカカオたちも手を貸してくれたので、スピードアップです。
人出が多いと本当に助かりますよね。
マリアベルが野菜をきざみ、ミルクがスパイスを細かくして、カカオが炒めてくれております。
本当に手際が良い……
わ、私もぼんやりしていられませんっ!
焦げないように注意しながら混ぜていると、小麦粉をまぶした肉のおかげか、少しとろみがついてきました。
もう少しとろみが欲しいかしら……あとで、小麦粉やジャガイモをすりおろした物で調整しましょう。
とりあえず、肉がトロトロになるように煮込みましょうか。
できあがる前に、ほうれん草とヨーグルトを入れたら、彩りも綺麗でしょうし、味も馴染むはず。
「これでトロトロになるまで煮込んでいけば、完成ですね」
「発酵石の器で、温度調整ができル……ああ、こっちネ。コレの中に入れておけば良いヨ」
そうすれば、良い感じに煮込み料理ができるはずだからと時空神様が笑いますが、どう考えても発酵石の器の中に寸胴鍋は入りません。
大きさが……
「あの……さすがに入りませんので……」
発酵石の器に寸胴は1つも入らないので、ある程度煮込んだら、私のポーチの中に隠さないといけません。
匂いが漏れるなんてこと……無いですよね?
「ルナちゃん。父上が何もしていないと……本気で思ってル? アレでも、リュートくんのこと、心配しているシ、今回の無茶なお願いのお礼だと思って受け取ってネ」
あわわわわわっ
お、オーディナルさまああぁぁぁ!
な、何を……何をしていったのですかああぁぁっ!?
ここで叫んでも返答は無いとわかっていながらも、魔改造されてしまった気しかしない発酵石の器を見つめました。
「大丈夫、これ1個だけだカラ」
時空神様が笑顔でおっしゃいますが、なんのフォローにもなっておりませんよっ!?
指し示された発酵石の器からは、確かにオーディナル様の力を感じます。
いつの間に……
時空神様だけではなく、アーゼンラーナ様も意味深に笑っているので、親子で会話をしている時……ですか?
……と、いうことは、チェリシュも知っていましたねっ!?
視線を向けると、チェリシュは小さな手で小さな口を塞ぎ、コクコクうなずいておりました。
や、やっぱりーっ!
オーディナル様……さすがに、力を使いすぎなのでは……?
そう考えながら、時空神様が指し示す発酵石の器を見ると、白い器だったソレは、真珠のような光沢を帯びておりました。
ああ……魔改造の痕が、そこかしこに感じられる……消費魔力も増えていそうで怖いです。
私はまだ上手に魔力を流せないのに、ハードルを上げていかないでくださいっ!
泣きそうな目をしてキュステさんを見つめたら、何とも言えない表情で弱々しく首を横に振り、隣にいたアレン様は天を仰ぎ見て「無茶ぶりじゃが、ある意味、リュートと同様に過保護じゃなぁ」と呟いたのは言うまでもありません。
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