悪役令嬢の次は、召喚獣だなんて聞いていません!

月代 雪花菜

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第十三章 グレンドルグ王国

13-9 黒歴史確定

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 休憩を取りながらの移動なので、来たときよりもスローペースで進んでいるため、聖都に帰るのはあと数日かかりそうだ。
 やはり、病み上がりの人が多く、すぐに限界が来てしまう。
 エキドナがばらまいた病は、ポーションや私の料理で何とかなったが、体を蝕まれていた人たちに深刻なダメージを残していた。
 とはいえ、後遺症をもたらすモノでも無いので、ゆっくりと移動していれば、どうということはない。

 パスタとパンのおかげで、メニューも増えた。
 私も休みながら料理をするようにはなったが、毎回調理するだけの体力は無く、休息を必要とした。

「今日も快晴で良かったな」
「じーじが言ってたの。皆がこれ以上大変にならないように手配したらしいの!」
「オーディナルのおかげか。今度顔出す時は、蛍が取ってきてくれた高純度の魔石について、相談しねーとな」
「オーディナルが喜びそうだねー」

 抱っこしているチェリシュと、頭上の真白。
 そして、もう定番になってしまったように玉座になっている六花りっかの話を聞きながら、私はウトウトしていた。
 私がエナガの姿でポーチに入っているときは、いつも隣にいるはずの蛍だが、今はお父様の肩にいる。
 お父様の疲れを癒やしているのだろう。
 黒の騎士団の本隊は、とても和やかな雰囲気である。

「ルナは眠そうだな」
「んぅー……すこーし……眠い……です」
「まあ、もう少ししたら湿地帯も抜けるだろうが、今日は湿地帯を抜けた辺りで野営だろうし、それまで無理せず寝ていていいぞ?」
「すみません……どうも……痛みが引いてくると眠気が凄くて……」
「そっか。俺にはその辛さが判らないからな……ルナが楽になるように過ごして欲しい。何かあったら、遠慮無く言ってくれ」

 優しく頭を指で撫でられるのだが、それが余計に眠気を誘う。
 チェリシュも一緒になって私を撫でているし、真白と六花りっかはリュート様の頭から落ちそうになりながらも、私の方を見ていた。

「大丈夫ですよ……眠いだけ……で……」

 そこで、私の意識は途切れた。
 穏やかに眠っていたら、何かに呼ばれたように感じて重い瞼を開こうとするのだが、なかなか目を開くことが出来ない。
 それどころか、先ほどまであたたかい場所でくるまれていたというのに、今は少し違う感じもする。
 何よりも、外の空気があり得ないほど冷えていた。

「くちゅんっ」

 くしゃみが出てしまうほど寒くて羽毛を膨らませると、何かが私を包み込んだ。
 あ……これは……
 とてもよく知る香りに包まれた私は次に聞こえてきた声に笑みをこぼす。

「もしかして、寒いのか?」
 
 リュート様とは違う、低くてあまり抑揚を感じさせない声――間違いない。
 眠ったことで、いつもの場所へ、ようやく来られたようだ。
 久しぶりに感じる本物のベオルフ様に、口角が自然と上がるのだが、重い瞼はまだ持ち上がってくれない。

「体調が良くないのか?」

 聞こえる声に、少しだけ……と答える。
 さすがは、私の状況を瞬時に把握してしまう人だ。
 私の返答に何を考えたのか、ベオルフ様の匂いがする布地に包まれる。
 あ……これはあたたかいかも?

「それなら何故来たのだ。本体が移動していなくとも、辛いのは変わらないだろうに」

 心配してくれている彼の言葉は嬉しいが、それよりも、こうして触れ合うのは久しぶりなのだから、素直に喜んで欲しいところである。
 
「むぅ……大丈夫なのです……あと、2、3日もすれば治るので……」
「絶対とは言い切れんだろう」
「いいえ、言い切れる具合の悪さなので……」

 まさか、ベオルフ様相手に毎月のお客様の話をする訳にもいかない。
 期間限定で体の具合が悪くなると言う話に思い当たる節が無かったのだろう。
 彼は怪訝そうな空気を醸し出しながら「意味が判らん」と呟く。
 そういうところに疎いのがベオルフ様だと、少しばかり笑えてしまった。

 しかし、どうして、いつもの場所へ移動出来たのだろうか。
 寝ぼけてしまって、まだ半分も働いてくれない頭で考えながら瞼を開く。
 私を大事そうに抱えているベオルフ様の姿を見て、喜びが溢れる。
 こうして、私は知らないままに、今までも守られてきたのだろうと考えるだけで、申し訳なさが募った。

「……今までは、ベオルフ様が私の命を繋いでくれておりました。何時死んでもおかしくない状態だったけど、定期的に私に力を分け与えることで、何とか生きていました。感謝しております」

 突然のことにベオルフ様は驚いたようだが、伝えたくて……いや、ちゃんと話しておきたいことがあったのだ。

「気にしなくて良い。当たり前のことをしただけだ」
「ベオルフ様が当たり前だと思ってやってくれたことを、私は呪いのせいで……セルフィス殿下がしてくれていたと記憶を改ざんされておりました……最近、それを唐突に思い出すのです」
「別段……思い出さなくても良いのだがな」
「どうしてですか? 記憶が改ざんされて……嫌ではないですか? ベオルフ様が善意でしていたことを、横取りされていたのですよ?」

 本当なら怒るところだ。
 不満を持つところではないかと彼を見るが、全く気にしている様子が無い。

「些細なことだ。過去の事だし、これからも共にいるのに何か問題があるのかと問われたら、全く影響がない。それに、卒業パーティー以降に起こった出来事が現実離れしすぎていて、そんな些細なことを気にしている暇が無い」
「些細な事……ですか?」
「些細な事だろう? 私が過去にしてきたことを数え上げるより、これから共に過ごしていく記憶や時間のほうが大切だ」

 過去より未来を――
 ベオルフ様らしい考え方だと、私は小さく頷く。

「確かに……そうかもしれませんね」
 
 ベオルフ様がそう言うのであれば、私が拘るのも違うだろう。
 自分の記憶が知らない間に改ざんされ、それが唐突に修正される。
 これは、思っている以上に怖いことだった。
 自責の念や、後悔。
 何よりも、一番被害を受けているベオルフ様に申し訳無くて仕方が無かったのだ。
 これはリュート様にも詳しく話せていない。
 最近はぼーっとすることが多いな……と、気づかれている部分はある。
 しかし、真相に気づくことは無いだろう。

 あまりセルフィス殿下の話をすれば、リュート様の機嫌も悪くなってしまうので、出来るだけ避けたい話題だ。

「アイタタ……」

 さすがに体が冷えたのか、暫くなりを潜めていた痛みが下腹部を襲う。

「本当に大丈夫なのか?」
「だ、大丈夫……だいじょーぶ……です……体を冷やしてはいけないのです。だから、私を労ってぬくぬくにしておいてくださいね?」
「ふむ……こうか?」
「えへへー、もっと甘えさせてくれても良いのですよ?」

 久しぶりだから思いっきり甘えようと翼を広げる。
 すると、彼は仕方がないとばかりに顔を寄せてくれた。
 こういうところで甘いのがベオルフ様ですよね!
 素直に甘えやすい。
 痛みがあるためか、はたまた、ここ数日は夢で会えなかったことが影響しているのか、少し我が儘を言って甘えたいのだ。

「そうだ、ルナティエラ嬢に聞きたいことがあったのだが、良いだろうか」
「なんでしょう」
「クロイツェル侯爵夫妻とフェリクスのことなのだが……」

 タイミング的に、手紙のことだろうと察した私は彼を見上げる。
 
「あー、そのことですか。もしかして、何か問題でも?」
「いや……どうして、フェリクスをクロイツェル侯爵夫妻に任せようと思ったのか、直接確認したくてな」
「合理的に考えて、良い手段だと思ったのと……最近、ちょっとしたすれ違いで深い溝が出来てしまった家族を見ていたから……少し……私自身のことも考えていたんです」

 思い出すのは、やはり……リュート様たちのことだ。
 今は何のわだかまりも無く仲良くしているが、少し前までは違っていた。
 ほんの少し、互いに違う方向で気遣ったが為にすれ違い、本来は仲の良い家族であっただろうに、会話することさえ難しかったのである。
 
「ふむ……すれ違いで深い溝……か」
「はい。その家族は、互いに思い合った結果、すれ違って互いに距離を取っていました。側で見ていればわかるのですが、とても歯がゆく感じてしまいました。ベオルフ様も……私と両親に同じ物を感じているのでは無いかと思いました」
「まあ……そうだな」
「正直に言えば、私たちも互いの事を考えた結果、こうなったのかもしれない。でも、それだけで片付けるには……あまりにも、お互いが傷つきすぎました」

 長い間に蓄積してしまった記憶と想い。
 それを無かったことには出来ないが、過去だけに縛られて、未来を閉ざすのも違うのだと、私はもう気づいていた。

 頭では判っている。
 あとは、心の問題だ。

「両親にも事情があったのは理解しております。しかし、ベオルフ様がいなければ確実に死んでいた……それを、無かったことにはできません。私の中で折り合いをつけるのに、まだ時間が必要だと思います。我ながら心が狭いと感じますが……」
「そんなことはあるまい。むしろ、そこで簡単に許す方が私は信用できん。無理をして心を抑え込めば歪みが生まれる。時間をかけてでも修復していく方が健全だ」
「……そうですか?」
「恨んではいないのだろう?」
「恨むだなんて、そんな……私の事を考えて、仕方なくしたことだと……頭では理解しております。でも……思い出すと怖いのです……無い者として扱われる恐ろしさが……まだ残っていて……すみません」
「それは、謝罪するようなことではない。早急に解決しようと考えなくて良いのだ。頭でわかっているのなら、いずれ心もついてくる。時間はかかるだろうが、大丈夫だ。そのために、私がいるのだからな」
「そう……ですね。良かった……」

 ベオルフ様が間に入ってくれるというのなら心強い。
 私だけでは、きっと何を話して良いか判らずに困惑して時間だけが過ぎてしまうだろう。
 互いに気まずいのに変わりは無いので、第三者がいるのは有り難い。

「いつか……素直に話せる日が来ると思います。私だけでは無く、両親にも時間は必要でしょう。穏やかに過ごしていれば、いずれそんな日も来るはずですが……その平穏を脅かす者がいます」
「黒狼の主ハティだな」
「はい。野放しにはしておけません。クロイツェル侯爵夫妻は、私が戻らないことで後継者を探さなくてはならなくなりました。身元がシッカリとしていて、黒狼の主ハティの危険性を知り、あちら側には絶対に囚われない人物が望ましいと考えました」

 追い詰められた黒狼の主ハティは、此方にとって面倒だと感じる策を練っていてもおかしくない。
 あれだけ陰湿な性格をしているのだ。
 私の両親の命を奪うタイミングを狙っているはず。

「ヘタな人では、黒狼の主ハティにつけ込まれます。口が上手い上に、立ち回りも上手です。おそらく、貴族内でも相当上手に動いていると思われます。ベオルフ様は初心者なので、そこは太刀打ちできませんし……」
「まあな……否定はしない」

 ジトリと見つめながら言うと、彼はばつが悪そうに視線を逸らした。
 自覚をしてくれただけでも進歩なのだが、不安で仕方が無い。

「良いですか? 貴族間のトラブルは、フルーネフェルト卿か王太子殿下にお願いしてください。ベオルフ様が単体で動かないことです。今現在、後手に回る可能性があるのは、その点のみなのですからね?」
「うむ……判った。なるほどな……そういう理由もあって、フェリクスを選んだのか」
「それだけではありません。フェリクスにも保護が必要です。屋敷を聖域化しているのであれば、暫く滞在していたら体調は戻るでしょうが、平民なので客人扱いも難しいですし、関係性が薄すぎると休養期間中に追い出される可能性もあります。そういう作戦を練るのを、黒狼の主ハティは得意としているのですから、警戒して対策しておきたかったのです。ラルムが命がけで開いた道なのですから、潰すわけにはいきませんもの」

 どんな思いで彼は覚悟を決めたのだろうか。
 弟の為にと、自分を投げ出すことの出来る人が守り続けていた人を、出来る事なら、私だって守りたいのだ。
 幸い私には、その手段がある。

「そうだな……つまり、どちらにとっても良い条件だから、引き合わせて養子に取ろうということか」
「できれば、互いの意志を尊重して、こういうことは決めて欲しかったのですが……遅くなればなるほど危険です」

 後手に回れば、必ず何かしらの被害が出るだろう。
 なるべく被害を少なくしたいと考えるなら、前もって打てる手は打っておきたい。
 
「私の名前が大きくなりすぎました……後継者になり、私の兄弟だということで名を悪用しようとする者も出てくるはずです。それを回避したい……父と母を守るためには、それがどうしても必要なのです。それに……フェリクスは病弱で、誰かの庇護が必要なのです。ずっと、ベオルフ様が側にいるわけにはいかないでしょう?」
「暫くは王都にいるが……先は見えないからな」

 ベオルフ様は黒狼の主ハティに唯一対峙できる人物だ。
 相手が王都を中心に動いているのかどうかは判らないが、グレンドルグ王国とエスターテ王国の戦争を望んでいるのであれば、広範囲に活動しているはず。
 それを一つずつ潰していく彼が、王都へとどまることなど出来るはずが無い。
 
「その点、お父様とお母様はとても良い人たちです。私に出来なかったことを、フェリクスにしてくれるはず……フェリクスも、ラルムに甘えられなかった分、私の両親に甘えられたら良いな……って……そう考えたのです」
「ルナティエラ嬢も甘えたかっただろうに……」

 私の心の底を見透かした言葉にドキリとするが、首を左右へ振る。
 昔の私なら泣いていただろう。
 だが、今は違う。
 だって……私の周りには沢山の人たちがいるのだ。
 少し考えるだけでも、沢山の人たちの顔が浮かんでは消えていく。
 私は、もう独りではない。
 
「私は良いのです。こうして、ベオルフ様が甘やかしてくださいますし、オーディナル様も甘々ですし! 時空神様やノエルや紫黒、真白もいます。それに……私は今、あちらで沢山の人たちに囲まれて、とても幸せなんですよ? 大好きな料理を作って、美味しいって食べて貰える。それだけでも幸せなのに、毎日たくさんの人と交流をして、ワイワイ騒いでおります」
「はしゃぎすぎて転けないようにな」
「もう! 私はそこまで……あ、いえ……まあ……うん……気をつけます」
「なんだ、もうやらかしたあとか」
「やってませんー!」

 私の変化を敏感に感じ取ったのだろう。
 すかさずベオルフ様が私をからかってくる。
 本当に……こういうところが彼らしくもあり、困ったところでもあった。

「えー? ルナ、転けちゃったのー?」
「怪我は無いか?」

 その時になって会話に参加してきたのは、ノエルと紫黒である。
 いつも集まる場所にいるのは予測出来たが、今までずっと無言だったことに驚いた。
 
「ノエルと紫黒もいたのですか? それにしては、やけに静かだったような……」

 そう言って視線を上げ、ベオルフ様の背後に誰かがいることに気づいた。
 オーディナル様か時空神様かな?
 そんなことを考えて見上げた先にいたのは、知らない顔の青年だ。
 黒に近い茶色の髪と、獣を思わせる紫の瞳を持つ青年は、どことなく誰かを彷彿とさせる眼差しを持つ。
 その隣には、見知ったマテオさんが柔和な微笑みを浮かべて立っていた。

「は? え……あの……ど、どちら様……ですか? あ、此方は、マテオさんですよね……? あれ? い、いつもの……場所……で……は?」
「彼はラハトだ。私の従者をしてくれている」
「ラハト……ああ、彼が! えっと、ベオルフ様が色々と迷惑をかけると思いますが、これからもよろしくお願いいたしますね」
「あ、はい、此方こそ……いや、でも……あの……ルナティエラ様? えーと……本当にルナティエラ様なのですよね?」
「はい! あ、これは指輪の力を使って小鳥になっているのです。省エネモードというやつですね。人間の体では消耗が激しいので……」

 なるほど、彼が元ラルムか……と、納得する。
 通りでオーディナル様の力を感じるわけだと納得したのは良いが、いつもの場所に、この二人がいるのはおかしい。
 王太子殿下の時のように、誰かの夢にお邪魔したのだろうかと考えるが、それなら、ラハトかマテオさんのみのはず……
 ま、まさか……と、私は背中に冷たい物が流れ落ちるのを感じながら、ベオルフ様を見つめた。

「ベオルフ様……ここは……どこでしょう」
「父の執務室だな」
「……父の? アルベニーリ騎士団長の……執務室?」
「そうだ」

 あ……私……間違いなくやらかした――!
 周囲を見るのが怖い。
 誰がいるのか知るのが怖くて視線を動かすことも出来ない。
 ぷるぷる震える体を優しく包み込むベオルフ様は、とても良い笑顔だ。
 そう……憎たらしいほど良い笑顔!
 こんな時だけ、そういう笑顔になるのは、色々とズルいのですよっ!?
 
「どうして先に教えてくださらなかったのですか!? 先ず、真っ先に教えることですよねっ!?」
「いや、すまん……クククッ……申し訳……ないっ」
「全然申し訳ないと思っていないですよねっ!? ベオルフ様のバカバカバカバカー!」
「悪かった……ゆるっ……ダメだっ……いや、思った以上に良い反応で……ついっ……」

 ぷはっと吹き出すように笑う彼は珍しいが、それよりもこの状況をどうしてくれるのだと心の中で悲鳴を上げる。
 体をくの字に曲げて笑うというレアなベオルフ様を、心から堪能できないのも悔しい!
 アルベニーリ騎士団長の執務室で大失態なんて、黒歴史確定だ。
 泣きそうになりながら、羞恥心に耐え、元凶であるベオルフ様に泣きついてどうにかしてもらうしかない。

 本当に……本当に大事なことは先に言っておいてください!
 心臓に悪いですからっ!
 心の中で悪態をつきながら、私は唇を……いや、嘴を尖らせて怒ることしか出来なかった。

 
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