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プロローグ★
「愛してる」
また、彼は嘘を吐いている。否、正確には嘘ではない。私に向けられた言葉ではないだけだ。
焼き切れそうな程に熱い欲を解放する瞬間に囁かれた甘い愛の言葉。
彼が腰を一気に突き動かす度に、奥まで擦れ、高まっていく快楽。触れる所からドロドロと溶かされていくような絶頂の中、私は何度目か数え切れない程の絶望感に襲われる。
だって、彼は自分のことを見ていないのだ。絡み合って、こちらを見つめているはずの瞳は私を見つめながらも、私の中の面影……どこか遠くを見つめている。
昔から、出会ったときからそうだった。彼は私を見ていない。そんなこと分かりきっている。それでも良いと、自分から手を伸ばした。少しでもその優しい温もりに触れたくて――。
「……サーシャ、君は僕とずっと一緒にいてくれるよね?」
彼がゴムの口を結んで捨てた後に、寝っ転がってその行動をボケっと見つめていた私を正面から抱きしめてくる。
いっそそんなもの付けずに、中に出してくれれば、私は彼の目に映れるのではないのかと考えたこともあった。しかし彼はいつでも避妊を必ずしてくれたし、私自身を見つめてくれることはなかった。
でもそれでよかったのかもしれない。
事後特有の倦怠感に襲われ、微睡みの中にいる私に掛けられる執着染みた言葉。
この言葉も、本来なら自分ではない他の誰かに向けられるはずのものなのだろう。いつもは感情を押し殺して、肯定を答えられるはずのソレに今日は何故か答えることが出来なかった。
喉がひくついて言葉が出てこない。だから眠ったふりをして、逃げたのだ。こんなことをしたのは初めてだった。
「眠っちゃった?」
きっと無理をさせて、私が返事すらも出来ないくらいに疲れ切っていると思ったのだろう。「ごめんね」と小さく呟いて、彼は黙って眠っている振りをしている私の腰に手を回し、すぐに寝息を立て始める。
ぬくもりがむしろ、孤独を際立たせた。
彼の優しい温もりを感じながら、暗闇の中でさっきの言葉に返事を出来なかった理由を見つけ出す。
もう、心が限界なのだ。
私は彼の事が好き。でも彼にとっての自分は所詮、手に入らなかった、恋焦がれた『誰か』の代わりでしかない。
もうこんな関係は嫌だ、辛い、疲れてしまった――。そう、心が叫んでいるのが分かった。
また、彼は嘘を吐いている。否、正確には嘘ではない。私に向けられた言葉ではないだけだ。
焼き切れそうな程に熱い欲を解放する瞬間に囁かれた甘い愛の言葉。
彼が腰を一気に突き動かす度に、奥まで擦れ、高まっていく快楽。触れる所からドロドロと溶かされていくような絶頂の中、私は何度目か数え切れない程の絶望感に襲われる。
だって、彼は自分のことを見ていないのだ。絡み合って、こちらを見つめているはずの瞳は私を見つめながらも、私の中の面影……どこか遠くを見つめている。
昔から、出会ったときからそうだった。彼は私を見ていない。そんなこと分かりきっている。それでも良いと、自分から手を伸ばした。少しでもその優しい温もりに触れたくて――。
「……サーシャ、君は僕とずっと一緒にいてくれるよね?」
彼がゴムの口を結んで捨てた後に、寝っ転がってその行動をボケっと見つめていた私を正面から抱きしめてくる。
いっそそんなもの付けずに、中に出してくれれば、私は彼の目に映れるのではないのかと考えたこともあった。しかし彼はいつでも避妊を必ずしてくれたし、私自身を見つめてくれることはなかった。
でもそれでよかったのかもしれない。
事後特有の倦怠感に襲われ、微睡みの中にいる私に掛けられる執着染みた言葉。
この言葉も、本来なら自分ではない他の誰かに向けられるはずのものなのだろう。いつもは感情を押し殺して、肯定を答えられるはずのソレに今日は何故か答えることが出来なかった。
喉がひくついて言葉が出てこない。だから眠ったふりをして、逃げたのだ。こんなことをしたのは初めてだった。
「眠っちゃった?」
きっと無理をさせて、私が返事すらも出来ないくらいに疲れ切っていると思ったのだろう。「ごめんね」と小さく呟いて、彼は黙って眠っている振りをしている私の腰に手を回し、すぐに寝息を立て始める。
ぬくもりがむしろ、孤独を際立たせた。
彼の優しい温もりを感じながら、暗闇の中でさっきの言葉に返事を出来なかった理由を見つけ出す。
もう、心が限界なのだ。
私は彼の事が好き。でも彼にとっての自分は所詮、手に入らなかった、恋焦がれた『誰か』の代わりでしかない。
もうこんな関係は嫌だ、辛い、疲れてしまった――。そう、心が叫んでいるのが分かった。
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