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1章
第1話
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「っどぅぁ!?」
ドスン!
《脱出》の魔法で一気に外へと追い出されたゼノは草むらに転げた。
「いってぇ……」
尻を擦りながら後ろを振り返ると、そこには死神の大迷宮の入口の穴があった。
「くそぉ~。お師匠様と別れのキスもできなかったぁ……」
そんなことをひとりごちながら、ゼノは5年ぶりとなる地上の空気を吸い込む。
「すぅぅーー、はぁーーっ。うん、久しぶりだ。空気がおいしいな」
辺りを見渡せば、そこは森の中であるようだった。
「けど、こんな所に5年間も入っていたんだ」
ハワード家の使用人の男とここへやって来た時は真夜中だったため、どこをどう辿って来たか、ゼノはまったく覚えていなかった。
今一度、迷宮の入口に目を落とす。
エメラルドはこんな場所に400年近くも閉じ込められているのだ。
「お師匠様……。絶対に俺が出して差し上げます。だから、少しの間だけ待っていてください」
ゼノは入口の穴に向けて深々と頭を下げると、その場をゆっくりと後にした。
◆
死神の大迷宮を後にしたゼノは、さっそく〔魔導ガチャ〕を使ってみることにする。
「さて、一度魔石を召喚してみようかな」
魔導袋の中から青クリスタルを取り出しながら、迷宮でエメラルドに言われた言葉を思い出す。
「たしか、青クリスタルの出現確率は、☆1の魔石が89%だったよな」
これは、魔石1個における出現確率らしい。
たとえば、10個の魔石を召喚すると、そのほとんどは☆1の魔石が出る計算であった。
だが、ゼノとしては、☆1の魔石だろうが、☆2の魔石だろうが、まったく気にしていない。
「だって、初めて魔法が使えるかもしれないんだ。なんでも嬉しいよ」
まずは言われた通り、ゼノは足元に魔法陣を発生させた。
「……よし。ここまでは問題ないな」
足元の魔法陣に目を向けながら、青クリスタルをギュッと握り締める。
「ここに、このクリスタルを放り込めば、魔石が召喚されるんだ」
意を決すると、ゼノはそのまま青クリスタルを魔法陣の中へと投げ込む。
「〔魔導ガチャ〕――発動!」
ゼノがそうかけ声を上げると……。
シュピーン!
突如、青色のサークルがゼノの周りに発生し、そこに10個の魔石が浮かび上がった。
----------
〇ガチャ結果
①New! ☆1《建築》
②New! ☆1《天気予報》
③New! ☆1《治療》
④New! ☆1《階段》
⑤New! ☆1《マップ》
⑥New! ☆1《散髪》
⑦New! ☆1《嫌われ者》
⑧New! ☆1《突風》
⑨New! ☆1《テレキネシス》
⑩New! ☆1《凍結》
----------
「うぉぉおっ~~!! 本当に出たぁっ!?」
エメラルドが使用したことのある魔法もあれば、初めて目にする魔法もある。
これらの魔法を、これから自分が使えるかもしれないのだ。
「すごいっ! これが魔石なんだ!」
サークルに浮かぶキラキラと光り輝く丸い石に目を向けながら、興奮は最高潮へと達する。
現在、発見されている魔法は全部で13種類。
だが、今召喚した魔石は、そのどれとも異なった。
つまり、未発見魔法を使える手段を、ゼノはこの瞬間に手に入れたのだ。
(この〔魔導ガチャ〕のスキルがあれば、666の魔法を列挙するのも本当に夢じゃないかもしれない……!)
あとは、実際に使えるのかどうか試すだけだったが、Ωカウンターのこともあるので、この場は魔石を魔導袋の中へしまうことに。
「必要な場面が来たら使おう」
ゼノは一旦先へ進むことにした。
◆
それからさらに歩くこと数分。
「……あっ」
目の前の道が倒れた大木によって通行不能となっていることにゼノは気付く。
「どうしようか。これじゃ通れないぞ」
来た道を一回引き返そうかと思うゼノだったが、ここで一度魔法を使ってみるのはどうかという考えに至る。
「たしかさっき、《突風》っていう魔石が手に入ったよな?」
魔導袋の中から《突風》の魔石を取り出す。
「えっと……。聖剣クレイモアにこの魔石をはめて……」
腰にぶらさげた聖剣をホルスターから引き抜くと、ゼノは鍔の丸い穴に魔石をすぽっとはめ込む。
形もぴったりだった。
その瞬間。
聖剣クレイモアは輝きをもって光り始めた。
「……っ、これで、いいのかな……?」
グリップを両手で握って、聖剣を高く掲げてみる。
「いつでも魔法が発動可能になったはずだけど……」
エメラルドによれば、この状態で魔法名を詠唱すれば、それだけで魔法が発動するという話であった。
詠唱文を読み上げることもできるが、破棄してしまっても問題はないようだ。
だが、ゼノは未だに半信半疑であった。
こんな簡単なことで、本当に魔法が使えるのだろうか。
(……いや、お師匠様がそう言っていたんだ。一度試してみよう)
大木に狙いを定めながら、聖剣クレイモアを振り下ろす。
「《突風》」
――すると。
光を帯びた聖剣から激しい風が放たれた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴッーーー!
それは、目の前の大木を押し退けていく。
大木はそのまま粉々に砕かれて、あっという間に目の前の障害物は取り除かれた。
「おぉっ……すごい! これが魔法なんだ!」
本当に魔法が使えたという喜びが、徐々に実感としてゼノの中で大きくなっていく。
(魔法なんて、もう一生使うことができないって思ってたけど)
実家から迷宮に廃棄されて、絶望の淵を漂っていたあの日の自分に、この事実を伝えたいとゼノは心から思った。
「お師匠様の言う通りでした! 俺、本当に魔法が使えましたよぉぉっーー!!」
その瞬間、喜びを爆発させたゼノの声が森の中に木霊した。
◆
それからひと通り喜んだ後、ゼノは一度クールダウンする。
「……と、そうだ。Ωカウンターもチェックしておかないとな」
エメラルドによれば、青クリスタルで召喚できる魔石なら、その上昇率は微々たるものという話だったが、さすがにどれくらい上昇するのかはゼノも気になっていた。
《突風》は☆1の魔石だ。
☆1の魔石でどれくらいカウンターが上昇するのかが分かれば、それが今後の基準となってくる。
「ステータスオープン」
ゼノがそう唱えると、目の前に光のディスプレイが現れる。
----------
【ゼノ・ウィンザー】
[Lv]24
[魔力値]0 [術値]0
[力]12 [守]6
[魔攻]170 [速]9
[スキル]〔魔導ガチャ〕
[魔石コンプ率]010/666
[所持魔石]
☆1《建築》 ☆1《天気予報》
☆1《治療》 ☆1《階段》
☆1《マップ》 ☆1《散髪》
☆1《嫌われ者》 ☆1《テレキネシス》
☆1《凍結》
[所持クリスタル]青クリスタル×49
[Ωカウンター]000.07%
----------
「……000.07%か。思ったよりも上昇しないな」
てっきり1%くらいは上昇するものだと思っていたので、少しだけ拍子抜けしてしまう。
「けど、これは下がることはもうないんだよね」
なんだか、死のレースが幕を切って落とされたようで、途端に緊張感が走り抜ける。
「……うん。やっぱり甘く考えちゃダメだ。お師匠様の言う通り、使う魔法を選別していこう」
決意を新たにすると、ゼノは森の出口を目指して歩みを進めるのだった。
ドスン!
《脱出》の魔法で一気に外へと追い出されたゼノは草むらに転げた。
「いってぇ……」
尻を擦りながら後ろを振り返ると、そこには死神の大迷宮の入口の穴があった。
「くそぉ~。お師匠様と別れのキスもできなかったぁ……」
そんなことをひとりごちながら、ゼノは5年ぶりとなる地上の空気を吸い込む。
「すぅぅーー、はぁーーっ。うん、久しぶりだ。空気がおいしいな」
辺りを見渡せば、そこは森の中であるようだった。
「けど、こんな所に5年間も入っていたんだ」
ハワード家の使用人の男とここへやって来た時は真夜中だったため、どこをどう辿って来たか、ゼノはまったく覚えていなかった。
今一度、迷宮の入口に目を落とす。
エメラルドはこんな場所に400年近くも閉じ込められているのだ。
「お師匠様……。絶対に俺が出して差し上げます。だから、少しの間だけ待っていてください」
ゼノは入口の穴に向けて深々と頭を下げると、その場をゆっくりと後にした。
◆
死神の大迷宮を後にしたゼノは、さっそく〔魔導ガチャ〕を使ってみることにする。
「さて、一度魔石を召喚してみようかな」
魔導袋の中から青クリスタルを取り出しながら、迷宮でエメラルドに言われた言葉を思い出す。
「たしか、青クリスタルの出現確率は、☆1の魔石が89%だったよな」
これは、魔石1個における出現確率らしい。
たとえば、10個の魔石を召喚すると、そのほとんどは☆1の魔石が出る計算であった。
だが、ゼノとしては、☆1の魔石だろうが、☆2の魔石だろうが、まったく気にしていない。
「だって、初めて魔法が使えるかもしれないんだ。なんでも嬉しいよ」
まずは言われた通り、ゼノは足元に魔法陣を発生させた。
「……よし。ここまでは問題ないな」
足元の魔法陣に目を向けながら、青クリスタルをギュッと握り締める。
「ここに、このクリスタルを放り込めば、魔石が召喚されるんだ」
意を決すると、ゼノはそのまま青クリスタルを魔法陣の中へと投げ込む。
「〔魔導ガチャ〕――発動!」
ゼノがそうかけ声を上げると……。
シュピーン!
突如、青色のサークルがゼノの周りに発生し、そこに10個の魔石が浮かび上がった。
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〇ガチャ結果
①New! ☆1《建築》
②New! ☆1《天気予報》
③New! ☆1《治療》
④New! ☆1《階段》
⑤New! ☆1《マップ》
⑥New! ☆1《散髪》
⑦New! ☆1《嫌われ者》
⑧New! ☆1《突風》
⑨New! ☆1《テレキネシス》
⑩New! ☆1《凍結》
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「うぉぉおっ~~!! 本当に出たぁっ!?」
エメラルドが使用したことのある魔法もあれば、初めて目にする魔法もある。
これらの魔法を、これから自分が使えるかもしれないのだ。
「すごいっ! これが魔石なんだ!」
サークルに浮かぶキラキラと光り輝く丸い石に目を向けながら、興奮は最高潮へと達する。
現在、発見されている魔法は全部で13種類。
だが、今召喚した魔石は、そのどれとも異なった。
つまり、未発見魔法を使える手段を、ゼノはこの瞬間に手に入れたのだ。
(この〔魔導ガチャ〕のスキルがあれば、666の魔法を列挙するのも本当に夢じゃないかもしれない……!)
あとは、実際に使えるのかどうか試すだけだったが、Ωカウンターのこともあるので、この場は魔石を魔導袋の中へしまうことに。
「必要な場面が来たら使おう」
ゼノは一旦先へ進むことにした。
◆
それからさらに歩くこと数分。
「……あっ」
目の前の道が倒れた大木によって通行不能となっていることにゼノは気付く。
「どうしようか。これじゃ通れないぞ」
来た道を一回引き返そうかと思うゼノだったが、ここで一度魔法を使ってみるのはどうかという考えに至る。
「たしかさっき、《突風》っていう魔石が手に入ったよな?」
魔導袋の中から《突風》の魔石を取り出す。
「えっと……。聖剣クレイモアにこの魔石をはめて……」
腰にぶらさげた聖剣をホルスターから引き抜くと、ゼノは鍔の丸い穴に魔石をすぽっとはめ込む。
形もぴったりだった。
その瞬間。
聖剣クレイモアは輝きをもって光り始めた。
「……っ、これで、いいのかな……?」
グリップを両手で握って、聖剣を高く掲げてみる。
「いつでも魔法が発動可能になったはずだけど……」
エメラルドによれば、この状態で魔法名を詠唱すれば、それだけで魔法が発動するという話であった。
詠唱文を読み上げることもできるが、破棄してしまっても問題はないようだ。
だが、ゼノは未だに半信半疑であった。
こんな簡単なことで、本当に魔法が使えるのだろうか。
(……いや、お師匠様がそう言っていたんだ。一度試してみよう)
大木に狙いを定めながら、聖剣クレイモアを振り下ろす。
「《突風》」
――すると。
光を帯びた聖剣から激しい風が放たれた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴッーーー!
それは、目の前の大木を押し退けていく。
大木はそのまま粉々に砕かれて、あっという間に目の前の障害物は取り除かれた。
「おぉっ……すごい! これが魔法なんだ!」
本当に魔法が使えたという喜びが、徐々に実感としてゼノの中で大きくなっていく。
(魔法なんて、もう一生使うことができないって思ってたけど)
実家から迷宮に廃棄されて、絶望の淵を漂っていたあの日の自分に、この事実を伝えたいとゼノは心から思った。
「お師匠様の言う通りでした! 俺、本当に魔法が使えましたよぉぉっーー!!」
その瞬間、喜びを爆発させたゼノの声が森の中に木霊した。
◆
それからひと通り喜んだ後、ゼノは一度クールダウンする。
「……と、そうだ。Ωカウンターもチェックしておかないとな」
エメラルドによれば、青クリスタルで召喚できる魔石なら、その上昇率は微々たるものという話だったが、さすがにどれくらい上昇するのかはゼノも気になっていた。
《突風》は☆1の魔石だ。
☆1の魔石でどれくらいカウンターが上昇するのかが分かれば、それが今後の基準となってくる。
「ステータスオープン」
ゼノがそう唱えると、目の前に光のディスプレイが現れる。
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【ゼノ・ウィンザー】
[Lv]24
[魔力値]0 [術値]0
[力]12 [守]6
[魔攻]170 [速]9
[スキル]〔魔導ガチャ〕
[魔石コンプ率]010/666
[所持魔石]
☆1《建築》 ☆1《天気予報》
☆1《治療》 ☆1《階段》
☆1《マップ》 ☆1《散髪》
☆1《嫌われ者》 ☆1《テレキネシス》
☆1《凍結》
[所持クリスタル]青クリスタル×49
[Ωカウンター]000.07%
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「……000.07%か。思ったよりも上昇しないな」
てっきり1%くらいは上昇するものだと思っていたので、少しだけ拍子抜けしてしまう。
「けど、これは下がることはもうないんだよね」
なんだか、死のレースが幕を切って落とされたようで、途端に緊張感が走り抜ける。
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だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
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その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
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