レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~

サイダーボウイ

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3章

第1話

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「…………ん」

 気付くと俺――レオ・アレフは真っ白な空間に体を漂わせていた。

(どこだここは?)

 眼下には色鮮やかな庭園が広がり、その中央には可愛らしいモルタルの小屋が見える。
 こじんまりとした噴水もあって小屋の近くには花柄のガーデンテーブルが置かれていた。

 こんなメルヘンチックな場所は知らないぞ。

「よっと」

 どうやら自由に降りることができたらしい。
 地面に足をつけると一度辺りを見渡してみる。

(空が見えないな。庭園の奥は真っ白な空間が続いてるだけだ。一体どうなってるんだ?)

 魔王を倒して世界を救ったから、これから仲間たちと田舎でスローライフを送るつもりだったんだが。

 そんなことを考えているとどこからともなく声が聞えてくる。
 
「ほぅ、目覚めるのも早かったのぅ~。さすがは最強の勇者レオじゃ!」

 それは幼い女の子の声だった。

「誰だ?」

 辺りを見渡しても誰の姿も見えない。

 シュポン!

 すると、突然白煙が上がったかと思うと、真っ白な聖衣を羽織った幼女が宙に姿を見せる。

「歓迎するぞぉ~。よくぞ我ら神族が暮らす地へとやって来たのぅ~♪」

 宙でくるりと回転して幼女がぱちぱちと拍手する。
 なんだこいつは……。

(神族とか言ってたが)

 こんな小さな女の子が神様だとでも言うのか?

 幼女はショートツインテールのピンク色の髪を嬉しそうに揺らしながらそのまま地面へと降り立つ。
 こんな幼い容姿のくせに下は際どいミニスカートをはいていたから降りてくれて助かった。

 パンツを覗いたとかあらぬ罪で責められたくないからな。
 
「やはり相当な色男じゃな! 其方がさまざまな女子から言い寄られてきた理由もこれで納得じゃ~」

「というかあんた何者だ? なんで俺のことを知ってる?」

「妾は女神だからじゃ」

「女神? ただのガキにしか見えないんだが」

 俺が想像していたナイスバディの女神と180度違ったから思わずつっこんでしまう。

「なにぃ~!? 妾はガキなんかじゃないぞぉーー! こう見えても其方たち人族には想像もつかないくらい長い年月を生きておるのだからのぅ~! なかなか失礼なヤツじゃ~!」

 ロリ女神は頬を膨らませてぷりぷりと怒り出す。
 そういうところが子供っぽいんだが……まあいいか。

 実際は6~7歳にしか見えなくても俺よりも長く生きているんだろうし。

(こんなわけの分からん空間に突然現れたわけだからな。こいつの言うことを信じてみるか)

「それで。なんで俺はこんなところにいる?」

 少なくとも俺は自分の意思でここへ来た覚えはない。

「それは妾が其方をこの上位界へと召喚したからじゃ! 其方の活躍はすべて見ておったぞぉ~」

「上位界?」

「便宜上そう言ってるだけじゃ。我ら神族が暮らす地のことを指す。そいで其方らが暮らす並列異世界を下位界と呼んでおる」

 ちょっと待て。
 一気によく分からない単語が出てきたぞ?

 なんだ? 並列異世界って。

「さすがの其方でも混乱している様子じゃな」

「ああ。できれば一から説明してくれ」

「うむ。ではそのテーブルにつくのじゃ。そこで詳しく説明するぞ~」



 ◇◇◇



 ロリ女神がパチンと指をはじくとテーブルの上にティーカップとポットが現れる。
 カップに紅茶を注ぎながら幼女は自己紹介をした。

「妾の名はシルル・ティターン・オリュンポス。12柱神のうちの1人じゃ。主に勇者のスカウトを担当しておる」

「急にそれっぽい設定が出てきたな」

「だから妾は本当に女神なのじゃ~~!」

 椅子の上で手足をバタバタとさせて訴える姿はやっぱり子供にしか見えない。

「じゃが妾を前にしても臆することのないその度胸は気に入ったぞぉ~! さすがは妾が見込んだ男だけのことはあるのぅ~!」
 
 よく分からないがどうやら幼女に気に入られてしまったらしい。

「長い名じゃから今後はシルルと呼ぶがいい」

「分かった」

 次は俺の番だな。

「俺の名前はレオ・アレフだ。勇者として魔王を倒して世界を救った。……と言っても、どうせあんたは全部知っているんだろ?」

「うむ。それだけじゃないぞぉ? 其方が並列異世界の勇者の中で最速で魔王を倒したということも知っておる! 実に天晴あっぱれなことじゃ~!」

 また並列異世界か。
 それに俺が魔王を最速で倒したって……どういうことだ?

 俺は思わずシルルに訊ねた。
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