神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜

サイダーボウイ

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第25話

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「ほぅ。《氷殺邪竜波フリーズ・ロック・バレット》を避けたか。わざわざ封印を解いて挑んでくるだけのことはある。だがしかし! この特技は小手調べにすぎぬ! ここからが我の本領発揮よ」

 そう宣言すると氷剣竜ミラジェネシスは大きな翼を広げてふたたび宙に飛び上がった。

「《掌握空域レムオル・シークレット》」

 その瞬間、相手の姿は透明となる。
 氷剣竜は完全にフロアから姿を消してしまった。

 その刹那。

 再度大きな雄叫びを上げてフロアを振動させると。

「《無量零度・天衝エンペラーオブアイス》」

 ミラジェネシスはあらぬ方向から姿を現し、体に覆われた氷剣を一斉に俺とスラまる目がけて繰り出してくる。

「スラまる!」

「すらぁーー!」

 ぽんっ!

 スラまるがパッシブスキル《つきかがみの盾》の効果で盾になると、俺はそれを使って相手の攻撃を防いだ。

 が。

 スラまるは一瞬のうちにして巨大な氷土の一部と化してしまう。

「召喚獣を使ってなんとか避けたようだな。しかしその召喚獣はもう使いものになるまい。口ほどにもないぞ、小僧。かつての勇者の足元にも及ばん」

 ミラジェネシスがのんきにマウントをとっているうちに俺は【SR黒物質の短剣レナスアルマ】のカードを発現させていた。

「そのような軟弱な武器を手にしたところで無駄の極よ! 我を倒せるとでも思ったか!」

「いーや。これは攻撃には使わないよ」

「な、なにぃ……?」

 目の前に展開した水晶ホルダーの1個に手をかざす。
 すると、1枚のカードがキラキラと輝きを放ちながら宙に浮かび上がった。 

「魔法カード発動インヴォーク――【HR完璧遊戯ジャッジメント・スペース】」

◇◇
 【HR完璧遊戯】
 [レア度] ★★★★★★★★★(9)
 [カテゴリ]魔法カード
 [タイプ]インスタント
 [効果]対象同士の位置を入れ替えることができる。
◇◇

 ここで俺は手に握った【SR黒物質の短剣】とスラまるの位置を入れ替えてしまう。

「!? 入れ替えただと?」

 俺の手元に戻ってきたスラまるは、体をプルプルと震わせるとすぐに元どおりの姿に戻った。

「すら!」

 それを見て氷剣竜ミラジェネシスは驚く。

「な、なぜだ……!? 《無量零度・天衝》の攻撃を受けたが最後……! 氷漬けとなって砕けるのみのはずだ……!」

「スラまるは『凍結無効』のアビリティを持ってるんだよ」

「なんだと……?」

「それに勘違いしてるみたいだから訂正しておくけど、俺には物理攻撃も魔法攻撃も通じないよ。スラまるを盾にして避けたのだってあえてなんだ」

「ぐっ……。ごちゃごちゃとわけの分からんことを!」

 怒りに震える氷剣竜は三度宙に飛び上がる。

「武器と召喚獣を入れ替えたところで所詮は無意味ッ! 貴様らまとめて氷漬けにしてくれるわ!」

 氷剣竜ミラジェネシスがふたたび《無量零度・天衝》を繰り出そうとしたところで。

「そろそろかな」

 そこで相手も氷土の異変に気づいたようだ。

「なにぃぃぃぃ!?」

 氷土の中で【SR黒物質の短剣】が黒い稲妻を発しながら今にも暴発しようとしてたからだ。

◇◇
 【SR黒物質の短剣】
 [レア度] ★★★★★★★(7)
 [カテゴリ]武具カード
 [タイプ]永続
 [効果]氷点下に達すると《黒稲妻》を発生させるという特殊な短剣。攻撃力+300、守備力+200、敏捷性+100、運+100。
◇◇

 この短剣の効果に相手が気づいた時にはすべて手遅れだった。

 俺はもう1枚【HR完璧遊戯】のカードを取り出す。

「魔法カード発動――【HR完璧遊戯】」
 
 今度は氷剣竜ミラジェネシスと【SR黒物質の短剣】の位置を入れ替えた。

『ぐおおおおおおおおおおぉぉぉッ~~~!?』

 その瞬間。
 敵は閉じ込められ、氷土の中に残ったままの《黒稲妻》の電撃を受けて身動きが取れなくなる。

 《黒稲妻》は無属性攻撃だから氷剣竜ミラジェネシスにも効果があるのだ。
 もちろんこれも《神眼》を使って事前に確認しておいた。

「自らの策にかかったね。その状態じゃ《掌握空域》は使えないはず」

 俺にとって相手が姿を消して位置が分からなくなるのが一番面倒だったから。
 せっかくローシュ様から受け取ったカードの攻撃を外すことはできないし。

「スタンバイフェイズ。カード解放レリーズ

 輝く長方形の水晶ホルダーをすべてその場に展開させる。
 その数は実に数百に及んだ。

『ぐおおおおおぉぉぉッ……!! き、貴様ぁぁぁ……!!』
 
 ミラジェネシスは巨大な氷土の中で《黒稲妻》の攻撃を浴びながら、未だに身動きが取れずにいる。
 そんなことも気に留めず俺はマイペースに続けた。

「あんたはすごいよ。300年もの間こんな迷宮の深くに閉じ込められてなおも野心を失わなかったんだからな。今度はいいヤツに生まれ変われよ。またな」

 目の前に並んだ水晶ホルダーが輝きを増し、宙に浮かび上がった1枚のカードに集約していく。
 どうやら準備は整ったようだ。

「魔法カード発動――【SSR古代禁忌魔法-ロストマジック-】」

 そう唱えた瞬間。 
 爆音とともにうねりを上げた巨大な魔法の玉が氷土に向けて放たれる。


 ドゥゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーンッ!!!


『ぐおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉッッ~~~!!?』

 炸裂した大爆発がフロア全体に及び、氷剣竜ミラジェネシスの姿は完全に消滅するのだった。
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