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第1章
8話
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シュピーーン!
「まただね」
「そうみたいです」
ゲントとフェルンは眩い光を背にしながら、その場に足を踏み入れてあたりを見渡す。
どうやらまたべつのダンジョンへ移ってきたようだ。
あれから数時間。
モンスターを倒しながらダンジョンを進むも、突如出現する光によってこんな風にべつの場所に飛ばされてしまうということを繰り返していた。
無限界廊の名に偽りはないようだ。
いつまで経っても同じことの繰り返しで、徐々にフェルンの顔にも焦りの色が浮かんでいる。
こんな時こそ大人の出番だ。
彼女よりも人生経験の長いゲントにはわかっていた。
あまり焦って成果ばかり求めると、かえってそれが遠のいてしまう場合がある。
営業マンとして身につけた思考術のひとつだ。
「ちょっとここらあたりで休みましょう」
「え? けど・・・」
「フェルンさん。戦ってばかりで疲れたと思います。疲労は目に見えないうちにたまるものですから。というより自分が疲れちゃって。足腰なんかかなりキツい感じです・・・ははは」
「ゲント君・・・」
「だから、このあたりでちょっと休みませんか?」
ゲントは彼女の肩を軽く叩いて笑顔でそう提案する。
それでフェルンも自分がいくらか無茶しているという事実に気づいたのだろう。
ふぅ・・・と息を吐き出すと、小さく頷いた。
「うん。そうだね。ありがとう。それじゃ、ここらあたりで休もうか」
フェルンが索敵魔法を使って周囲にモンスターがいないことを確認すると、2人はその場に座ってしばしの休憩を取ることに。
ダンジョンの壁にもたれかかって数分もすると、フェルンはウトウトとしはじめる。
そのまま彼女は静かに寝息を立てて眠ってしまった。
(いろいろと気を張って緊張してたのかもな)
申し訳ないことにダンジョンのモンスター退治はすべて彼女に任せてしまっている。
すぅーすぅーと静かに寝息を立てる彼女の横顔は、まだどこか幼さが感じられた。
(こんな華奢な体にいろいろなものを背負ってるんだよな)
フェルンは一族の無念を晴らすために賢者を呼び出そうとしているのだ。
その決意は並大抵のものではない。
改めてゲントは彼女に敬意を抱いた。
***
それから。
しばらくすると、ゲントも軽い眠りについてしまっていた。
が、すぐにハッとする。
(!)
眩い光があたりを包み込んだかと思えば・・・。
シュピーーン!
次の瞬間。
ゲントはまたべつの場所に移動していた。
けれど。
今度は状況がこれまでと異なった。
「・・・? フェルンさん?」
隣りに寝ていたはずのフェルンの姿がどこにも見当たらなかったのだ。
しかも、これまでとまったく雰囲気の違う場所に立っていることにゲントは気がつく。
(なんだ、ここ・・・)
目の前には、どす黒い荒廃された大地がどこまでも続いていた。
土は黒く染まり、植物も枯れ果て、無骨な岩が来る者を拒むように点在している。
水分が枯渇した地帯。
そんな土地が地平線の彼方まで広がっている。
頭上に目を向ければ、夕空が広がっていた。
どうやらダンジョンの中ではないようだが・・・。
(ひとまずフェルンさんと合流しないと)
そんな思いでゲントは歩き始めた。
***
「すごいところだ」
改めてまわりを見渡し、その毒々しい光景に圧倒されながらゲントは歩く。
地獄とはこのような場所なのかもしれない。
だが、幸いなことにこれまでモンスターとは一度も遭遇していなかった。
理由はわからないが、とにかく今のうちにフェルンと合流した方がよさそうだ。
そのままさらに歩いていくと。
「・・・ん?」
どす黒さがより色濃くなっているところになにかが突き刺さっているのが見えた。
どうやらそれは剣のようだ。
黒紫色の不気味な輝きを発し、いびつなオーラをまわりに放っている。
(なんだろう?)
さらに近寄ってゲントはその物体を観察する。
剣身部分は、鋭い片刃と反り返った大鎌が複雑に組み合わさった双剣のような構造となっていた。
パッと見だと肉塊のようなその外装は、血で渇きを潤そうとしているかのようで、禍々しさを感じざるを得ない。
全体的に無骨で重量感のあるデザインをしており、冥府で鍛え上げられた地獄のつるぎといった感じだ。
見るからに触れてはいけないものだというのが伝わってくる。
手に取ったら、ぜったい呪われるに違いない。
普段はこういった危険なものからは距離を取るゲントだったが。
「・・・」
なぜか不思議と気になってしまう。
先ほど聖剣を触れなかったことが頭に引っかかっていたからかもしれない。
(ひょっとしたら、この剣なら・・・)
ちょっとした好奇心が勝って、ゲントは思わず邪気をびんびんと放つ剣の前に立ってしまう。
そして、剣の柄にそっと手を伸ばすと。
「・・・え?」
きちんと握れてしまう。
そして、次の瞬間――。
ずきゅうううん!!
夕空に向けて赤黒い閃光が昇ったかと思えば、突然、光のパネルが勝手に立ち上がる。
==================================
葬冥の魔剣を入手しました。
==================================
「うそ・・・」
剣を握り締めながら思わず声が漏れる。
(これが・・・魔剣?)
魔剣といえば、聖剣と対を成す存在の剣としてゲームでは定番だ。
だいたいが人を危うい道へと誘う邪悪な力を持っている。
その魅惑的な能力ゆえに人気の剣でもあるわけだが。
(それはゲームの世界だけの話だよな)
魔晄に呼びかけて、おそるおそるその性能を確認してみることに。
==================================
[武器名]
葬冥の魔剣
[ステータス]
攻撃力 666
守備力 -0%
武器信頼度 1
[性能]
七つの魔剣がうちの1本。
魔界君主の権能を一部再現し、天地乖離を引き起こす究極の破壊剣。
ただし、所有者は攻撃を受ければ自らも一撃で命を落とす。
[武器アビリティ]
《ダメージ倍率10倍》・・・通常攻撃のダメージ量が10倍となる。
《獲得EXP10倍》・・・獲得経験値が10倍となる。
《上限突破》・・・魔剣所有時のみ、すべてのステータスが上限を突破する。
==================================
案の定、かくも怪しげな文言がずらりと並んでいる。
特に気になったのが〝攻撃を受ければ自らも一撃で命を落とす〟という文だ。
(武器の性能としては最強クラスなんだろうけど、最後の一文が嫌すぎる)
実際に自分がそんなものを手に取っているとわかると、ゲントは徐々に怖くなってくる。
このまま置いて帰ろうと、元あった場所に戻そうとするも。
グギギギギ!!
突如として手にした魔剣が黒い稲妻を発し、暗黒の妖気が剣全体に広がっていく。
そのまま剣は宙へと浮かび、なぜかべつの形へと姿を変えていき・・・。
(え?)
それは徐々に人の輪郭を形取っていく。
やがて。
ひとりの少女へと姿を変えた。
「まただね」
「そうみたいです」
ゲントとフェルンは眩い光を背にしながら、その場に足を踏み入れてあたりを見渡す。
どうやらまたべつのダンジョンへ移ってきたようだ。
あれから数時間。
モンスターを倒しながらダンジョンを進むも、突如出現する光によってこんな風にべつの場所に飛ばされてしまうということを繰り返していた。
無限界廊の名に偽りはないようだ。
いつまで経っても同じことの繰り返しで、徐々にフェルンの顔にも焦りの色が浮かんでいる。
こんな時こそ大人の出番だ。
彼女よりも人生経験の長いゲントにはわかっていた。
あまり焦って成果ばかり求めると、かえってそれが遠のいてしまう場合がある。
営業マンとして身につけた思考術のひとつだ。
「ちょっとここらあたりで休みましょう」
「え? けど・・・」
「フェルンさん。戦ってばかりで疲れたと思います。疲労は目に見えないうちにたまるものですから。というより自分が疲れちゃって。足腰なんかかなりキツい感じです・・・ははは」
「ゲント君・・・」
「だから、このあたりでちょっと休みませんか?」
ゲントは彼女の肩を軽く叩いて笑顔でそう提案する。
それでフェルンも自分がいくらか無茶しているという事実に気づいたのだろう。
ふぅ・・・と息を吐き出すと、小さく頷いた。
「うん。そうだね。ありがとう。それじゃ、ここらあたりで休もうか」
フェルンが索敵魔法を使って周囲にモンスターがいないことを確認すると、2人はその場に座ってしばしの休憩を取ることに。
ダンジョンの壁にもたれかかって数分もすると、フェルンはウトウトとしはじめる。
そのまま彼女は静かに寝息を立てて眠ってしまった。
(いろいろと気を張って緊張してたのかもな)
申し訳ないことにダンジョンのモンスター退治はすべて彼女に任せてしまっている。
すぅーすぅーと静かに寝息を立てる彼女の横顔は、まだどこか幼さが感じられた。
(こんな華奢な体にいろいろなものを背負ってるんだよな)
フェルンは一族の無念を晴らすために賢者を呼び出そうとしているのだ。
その決意は並大抵のものではない。
改めてゲントは彼女に敬意を抱いた。
***
それから。
しばらくすると、ゲントも軽い眠りについてしまっていた。
が、すぐにハッとする。
(!)
眩い光があたりを包み込んだかと思えば・・・。
シュピーーン!
次の瞬間。
ゲントはまたべつの場所に移動していた。
けれど。
今度は状況がこれまでと異なった。
「・・・? フェルンさん?」
隣りに寝ていたはずのフェルンの姿がどこにも見当たらなかったのだ。
しかも、これまでとまったく雰囲気の違う場所に立っていることにゲントは気がつく。
(なんだ、ここ・・・)
目の前には、どす黒い荒廃された大地がどこまでも続いていた。
土は黒く染まり、植物も枯れ果て、無骨な岩が来る者を拒むように点在している。
水分が枯渇した地帯。
そんな土地が地平線の彼方まで広がっている。
頭上に目を向ければ、夕空が広がっていた。
どうやらダンジョンの中ではないようだが・・・。
(ひとまずフェルンさんと合流しないと)
そんな思いでゲントは歩き始めた。
***
「すごいところだ」
改めてまわりを見渡し、その毒々しい光景に圧倒されながらゲントは歩く。
地獄とはこのような場所なのかもしれない。
だが、幸いなことにこれまでモンスターとは一度も遭遇していなかった。
理由はわからないが、とにかく今のうちにフェルンと合流した方がよさそうだ。
そのままさらに歩いていくと。
「・・・ん?」
どす黒さがより色濃くなっているところになにかが突き刺さっているのが見えた。
どうやらそれは剣のようだ。
黒紫色の不気味な輝きを発し、いびつなオーラをまわりに放っている。
(なんだろう?)
さらに近寄ってゲントはその物体を観察する。
剣身部分は、鋭い片刃と反り返った大鎌が複雑に組み合わさった双剣のような構造となっていた。
パッと見だと肉塊のようなその外装は、血で渇きを潤そうとしているかのようで、禍々しさを感じざるを得ない。
全体的に無骨で重量感のあるデザインをしており、冥府で鍛え上げられた地獄のつるぎといった感じだ。
見るからに触れてはいけないものだというのが伝わってくる。
手に取ったら、ぜったい呪われるに違いない。
普段はこういった危険なものからは距離を取るゲントだったが。
「・・・」
なぜか不思議と気になってしまう。
先ほど聖剣を触れなかったことが頭に引っかかっていたからかもしれない。
(ひょっとしたら、この剣なら・・・)
ちょっとした好奇心が勝って、ゲントは思わず邪気をびんびんと放つ剣の前に立ってしまう。
そして、剣の柄にそっと手を伸ばすと。
「・・・え?」
きちんと握れてしまう。
そして、次の瞬間――。
ずきゅうううん!!
夕空に向けて赤黒い閃光が昇ったかと思えば、突然、光のパネルが勝手に立ち上がる。
==================================
葬冥の魔剣を入手しました。
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「うそ・・・」
剣を握り締めながら思わず声が漏れる。
(これが・・・魔剣?)
魔剣といえば、聖剣と対を成す存在の剣としてゲームでは定番だ。
だいたいが人を危うい道へと誘う邪悪な力を持っている。
その魅惑的な能力ゆえに人気の剣でもあるわけだが。
(それはゲームの世界だけの話だよな)
魔晄に呼びかけて、おそるおそるその性能を確認してみることに。
==================================
[武器名]
葬冥の魔剣
[ステータス]
攻撃力 666
守備力 -0%
武器信頼度 1
[性能]
七つの魔剣がうちの1本。
魔界君主の権能を一部再現し、天地乖離を引き起こす究極の破壊剣。
ただし、所有者は攻撃を受ければ自らも一撃で命を落とす。
[武器アビリティ]
《ダメージ倍率10倍》・・・通常攻撃のダメージ量が10倍となる。
《獲得EXP10倍》・・・獲得経験値が10倍となる。
《上限突破》・・・魔剣所有時のみ、すべてのステータスが上限を突破する。
==================================
案の定、かくも怪しげな文言がずらりと並んでいる。
特に気になったのが〝攻撃を受ければ自らも一撃で命を落とす〟という文だ。
(武器の性能としては最強クラスなんだろうけど、最後の一文が嫌すぎる)
実際に自分がそんなものを手に取っているとわかると、ゲントは徐々に怖くなってくる。
このまま置いて帰ろうと、元あった場所に戻そうとするも。
グギギギギ!!
突如として手にした魔剣が黒い稲妻を発し、暗黒の妖気が剣全体に広がっていく。
そのまま剣は宙へと浮かび、なぜかべつの形へと姿を変えていき・・・。
(え?)
それは徐々に人の輪郭を形取っていく。
やがて。
ひとりの少女へと姿を変えた。
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しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。
また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。
探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。
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勿論二世だ。
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