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第3章
18話
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しばらくそんな風に盛り上がっていると、話は本題へと移る。
どうやらフェルンは少し気になることがあって連絡してきたようだ。
「――それで。実は今、ザンブレクの王都に居てね」
「ザンブレクですか?」
「『風の国カンベル』はこの国の国境を越えた先にあるんだ。だから、今回はただ通過するだけで、立ち寄らないつもりだったんだけど・・・」
が、王都が異様な雰囲気に包まれていることに気づいたのだという。
どうやらその原因ははっきりとしているようだ。
「ザンブレク城を取り囲む城壁に沿うようにして、光と影のいびつな螺旋状の二重結界が張られてるんだ」
「二重結界・・・?」
「この前、行った時はこんなものはなかったからね。王宮に出入りしてる行商人や宮廷司祭、楽団員などは城の中へ入れなくて立往生してるよ。彼らに話を聞いても、こんなことははじめてだって言うんだ」
事前に通告もなくこのような結界が張られ、王都の人々は困惑しているらしい。
「誰が結界を張ったんでしょうか?」
「わからない。ただグレン王がなにか知ってるのは間違いない。まだ数日は王都に留まる予定だから、またなにかわかったことがあれば連絡するよ」
「ありがとうございます」
いったいザンブレク城でなにが起こっているのか。
謎は深まるが、ここであれこれと考えていても結論は出ないので、ゲントはフェルンの報告を待つことにした。
「それにしても・・・。なんかキミのその正装姿を見てると、複雑な気持ちになってくるよ」
「どうしてです?」
「だって国王に選ばれたってことは、ゲント君の凄さが世間に見つかってしまったということだからね。同時に、そのかっこよさも知られてしまったってわけで・・・。それに結婚だなんて急すぎるよ」
「え?」
どこか湿っぽい声でフェルンは小さく呟く。
が、すぐにいつもの明るい口調に戻った。
「いや、なんでもない。挙式は楽しみにしてる。ザンブレクから応援してるから。当日は頑張ってくれ」
「はい。フェルンさんもこの先お気をつけて」
そこでゲントはフェルンとの交信を切った。
それを確認すると、うしろで見守っていたルルムが心配そうに声をかけてくる。
「なんか大変なことになってる感じですかぁ~?」
「まだわからないけどね」
「でもフェルンさんお元気そうでよかったですっ~♪ 久しぶりにお顔が見れて嬉しくなっちゃいましたっ~!」
「だね」
そんな風に2人で話していると。
ガチャ。
控室のドアが開き、若い臣下が顔を出す。
「ゲントさま、そろそろお時間です。こちらへどうぞ」
「わかりました」
「いよいよですね~♪ マスターっ!!」
ゲントは気持ちを切り替えると、臣下の案内に従ってリハーサル会場へと向かう。
***
そのまま煌びやかな廊下を歩き、リハーサル会場へと到着する。
本番は城の上層階に設けられた大バルコニーで婚礼の儀を執り行う予定だが、今日はこの広間でリハーサルを行うようだ。
中へ足を踏み入れると、そこには純白のクリスタルドレスに身を包んだマルシルの姿があった。
この前とまったく雰囲気の異なる大人びた彼女を見て、ゲントは思わず息を呑んだ。
(すごい・・・。まるでお人形さんだ)
こんな美少女が実在するのかと目を疑うレベルだ。
「うぅぅっ~! なんてお綺麗なんでしょ~かぁぁ! ルルムも王女さまと一緒に婚礼の儀をしたいくらいですぅぅ~~!!」
宙でしっぽをふりふりとさせながら、ルルムは興奮したように目を輝かせている。
今日だけはゲントもその気持ちがよく理解できた。
「ゲントさま。お待ちしておりました」
「あ、はい・・・」
「ご立派な御姿です。思わず見惚れてしまいます・・・」
「いえ、俺なんかマルシルさまに比べたら不恰好もいいところですよ」
「そんなご自分を卑下なさらないでください。わたくしは、ゲントさまのご容姿にも心奪われておりますので。本当にかっこいいです・・・♪」
「そーだよゲント! ウチだって嫉妬しちゃうほど今日はとんでもなく決まってるんだから!」
「もちろんですっ~! マスターはいつも超絶かっこいいですけどぉ、今日はホントのホントにっ! めちゃくちゃイケメンなんですよぉぉぉ~~!! うぅぅっ~~! やっぱルルムも結婚したいですぅぅ~~!!」
と3人の美少女たちから、これでもかというくらい持ち上げられてしまう。
40歳にして人生最大のモテ期がやって来るとは、さすがにゲントも想像していなかった。
(けどまさか俺が結婚だなんて・・・。一生縁がないものだって思ってたのにな)
たとえ疑似婚だったとしても。
民衆の前で式を挙げれば、それは事実になる。
そもそも童貞が婚礼の儀なんてものを執り行っていいのかは疑問だったが、今更そんなことを気にしていても仕方ない。
「それではゲントさま。準備はよろしいでしょうか?」
「はい。よろしくお願いします」
ゲントの言葉を確認すると、マルシルが手を挙げてまわりの者たちに合図を送る。
本日のリハーサルでは、本番同様に大勢の臣下たちが参列していた。
「それでは、これよりファイアブランド婚礼の儀を執り行います。国王陛下、王妃殿下。ともに前へお進みください」
司会役のその言葉をきっかけに挙式がスタートする。
「マスター! がんばってくださ~い!!」
ルルムに向けてひそかにサムズアップすると、ゲントは前に出た。
どうやらフェルンは少し気になることがあって連絡してきたようだ。
「――それで。実は今、ザンブレクの王都に居てね」
「ザンブレクですか?」
「『風の国カンベル』はこの国の国境を越えた先にあるんだ。だから、今回はただ通過するだけで、立ち寄らないつもりだったんだけど・・・」
が、王都が異様な雰囲気に包まれていることに気づいたのだという。
どうやらその原因ははっきりとしているようだ。
「ザンブレク城を取り囲む城壁に沿うようにして、光と影のいびつな螺旋状の二重結界が張られてるんだ」
「二重結界・・・?」
「この前、行った時はこんなものはなかったからね。王宮に出入りしてる行商人や宮廷司祭、楽団員などは城の中へ入れなくて立往生してるよ。彼らに話を聞いても、こんなことははじめてだって言うんだ」
事前に通告もなくこのような結界が張られ、王都の人々は困惑しているらしい。
「誰が結界を張ったんでしょうか?」
「わからない。ただグレン王がなにか知ってるのは間違いない。まだ数日は王都に留まる予定だから、またなにかわかったことがあれば連絡するよ」
「ありがとうございます」
いったいザンブレク城でなにが起こっているのか。
謎は深まるが、ここであれこれと考えていても結論は出ないので、ゲントはフェルンの報告を待つことにした。
「それにしても・・・。なんかキミのその正装姿を見てると、複雑な気持ちになってくるよ」
「どうしてです?」
「だって国王に選ばれたってことは、ゲント君の凄さが世間に見つかってしまったということだからね。同時に、そのかっこよさも知られてしまったってわけで・・・。それに結婚だなんて急すぎるよ」
「え?」
どこか湿っぽい声でフェルンは小さく呟く。
が、すぐにいつもの明るい口調に戻った。
「いや、なんでもない。挙式は楽しみにしてる。ザンブレクから応援してるから。当日は頑張ってくれ」
「はい。フェルンさんもこの先お気をつけて」
そこでゲントはフェルンとの交信を切った。
それを確認すると、うしろで見守っていたルルムが心配そうに声をかけてくる。
「なんか大変なことになってる感じですかぁ~?」
「まだわからないけどね」
「でもフェルンさんお元気そうでよかったですっ~♪ 久しぶりにお顔が見れて嬉しくなっちゃいましたっ~!」
「だね」
そんな風に2人で話していると。
ガチャ。
控室のドアが開き、若い臣下が顔を出す。
「ゲントさま、そろそろお時間です。こちらへどうぞ」
「わかりました」
「いよいよですね~♪ マスターっ!!」
ゲントは気持ちを切り替えると、臣下の案内に従ってリハーサル会場へと向かう。
***
そのまま煌びやかな廊下を歩き、リハーサル会場へと到着する。
本番は城の上層階に設けられた大バルコニーで婚礼の儀を執り行う予定だが、今日はこの広間でリハーサルを行うようだ。
中へ足を踏み入れると、そこには純白のクリスタルドレスに身を包んだマルシルの姿があった。
この前とまったく雰囲気の異なる大人びた彼女を見て、ゲントは思わず息を呑んだ。
(すごい・・・。まるでお人形さんだ)
こんな美少女が実在するのかと目を疑うレベルだ。
「うぅぅっ~! なんてお綺麗なんでしょ~かぁぁ! ルルムも王女さまと一緒に婚礼の儀をしたいくらいですぅぅ~~!!」
宙でしっぽをふりふりとさせながら、ルルムは興奮したように目を輝かせている。
今日だけはゲントもその気持ちがよく理解できた。
「ゲントさま。お待ちしておりました」
「あ、はい・・・」
「ご立派な御姿です。思わず見惚れてしまいます・・・」
「いえ、俺なんかマルシルさまに比べたら不恰好もいいところですよ」
「そんなご自分を卑下なさらないでください。わたくしは、ゲントさまのご容姿にも心奪われておりますので。本当にかっこいいです・・・♪」
「そーだよゲント! ウチだって嫉妬しちゃうほど今日はとんでもなく決まってるんだから!」
「もちろんですっ~! マスターはいつも超絶かっこいいですけどぉ、今日はホントのホントにっ! めちゃくちゃイケメンなんですよぉぉぉ~~!! うぅぅっ~~! やっぱルルムも結婚したいですぅぅ~~!!」
と3人の美少女たちから、これでもかというくらい持ち上げられてしまう。
40歳にして人生最大のモテ期がやって来るとは、さすがにゲントも想像していなかった。
(けどまさか俺が結婚だなんて・・・。一生縁がないものだって思ってたのにな)
たとえ疑似婚だったとしても。
民衆の前で式を挙げれば、それは事実になる。
そもそも童貞が婚礼の儀なんてものを執り行っていいのかは疑問だったが、今更そんなことを気にしていても仕方ない。
「それではゲントさま。準備はよろしいでしょうか?」
「はい。よろしくお願いします」
ゲントの言葉を確認すると、マルシルが手を挙げてまわりの者たちに合図を送る。
本日のリハーサルでは、本番同様に大勢の臣下たちが参列していた。
「それでは、これよりファイアブランド婚礼の儀を執り行います。国王陛下、王妃殿下。ともに前へお進みください」
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「マスター! がんばってくださ~い!!」
ルルムに向けてひそかにサムズアップすると、ゲントは前に出た。
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