宇宙戦士ギンガレオン

第3話：優等生の探索戦略

論理と直感のコンパス
堂坂 吠（ほえる）と青波 穂乃果は、天文台跡地の隅にある廃屋を「ギンガレオン本部（仮）」として、46個のカプセル回収に向けた作戦会議を行っていた。
「カプセルは46個。地球全土に散らばっている。すべてを網羅的に探すのは非効率だ。」吠は、巨大な地球儀と、カプセルのエネルギー波のデータを見ながら分析する。「穂乃果、君の直感が必要だ。」
「えーと、このデータね。」穂乃果は、吠が解析した複雑な宇宙エネルギーの残り香を示すデータに手をかざす。「うーん…なんか、『重い』感じがする場所があるよ。」
吠は、穂乃果が指さした座標と、カプセル分類リストを照合した。
「ビンゴだ。レオン・ゾーンの次に可能性が高いのは、『地・重力』系統のメタリオン・カプセルが落ちている座標だ。場所は、最近大規模な再開発が進んでいる、湾岸の埋立地だ。」

欲深き者の影
二人が湾岸の埋立地へ到着すると、そこにはすでにコマンダー・ゾルの姿があった。ゾルは、建設現場の現場監督である黒田という男の前に立っていた。黒田は、建設費用を横領してまで大金を貪ろうとする、強欲な心の持ち主だった。
「ハッハッハ！地球人よ、その醜い『貪欲』は素晴らしい！お前をダーク・アニマに変え、カプセル回収の囮になってもらうぞ！」
ゾルが装置を起動すると、黒田の体から湧き出た「強欲の闇」が、周囲の建設資材や土砂を巻き込みながら巨大化する。それは、鋼鉄の皮膚と巨大な爪を持つ、グラウンド・ゴーレレオン（地面の獣人）へと変貌した。
「また、人間の心の闇を利用した怪人か…！」吠は顔をしかめる。
「吠える、早く変身して！グラウンド・ゴーレレオンの下に、カプセルの反応がある！」穂乃果がカプセルの微弱なエネルギーを感知する。

重量級との知恵比べ
吠は、スターレオ・カプセルをセットし、宇宙戦士ギンガレオン・スターレオへと変身した。
ギンガレオンは、勇気の炎（ブレイブフレア）を放つが、グラウンド・ゴーレムの鋼鉄の皮膚には通用しない。
「無駄だ！スターレオの炎は速攻に優れるが、あの超重量級の防御には火力が足りない！」吠は冷静に分析する。
グラウンド・ゴーレムの攻撃は遅いが、一撃が強烈で、ギンガレオンはまともに受けることができない。
「吠える、どうするの？炎が効かないよ！」穂乃果が心配する。
吠は、敵の動き、カプセルのエネルギー、そして自分の持つスターレオ・カプセルの特性を瞬時に計算した。
（メタリオン・カプセルさえあれば、この重量に対抗できる。だが、カプセルはゴーレムの下敷きだ。まず、カプセルを露出させるのが最優先！）
吠は、グラウンド・ゴーレムの巨体に張り付くと、ブレスのエネルギーを限界まで絞り出し、カプセルの周辺の地面に集中的に炎を浴びせた。
炎は防御装甲には効かなくとも、地面の水分と資材を焼き尽くす。

メタリオン・カプセルの力
吠の戦術が成功し、グラウンド・ゴーレムの足場が崩れ、カプセルがわずかに露出した。ゾルは慌ててカプセルを回収しようと飛び出す。
「させるか！」
吠は、スターレオ・カプセルをブレスから取り外し、地面に露出した「メタリオン・カプセル」と瞬時に入れ替えた。
「カプセル・ライド！ギンガレオン！」
宇宙戦士ギンガレオンは、鋼鉄の超重量を纏ったメタリオン・レオンへと、瞬時に形態を変化させた！
「メタリオン・アーマー！この超重量、お前のような軟弱な防御とは違うぞ！」
グラウンド・ゴーレムは、自慢の超重量パンチを放つが、メタリオン・レオンはそれを同等の重量で受け止め、さらに重いカウンターを叩き込む。
「グオオオ…！」ゴーレムは自らの重さに耐えきれず、装甲にヒビが入る。
「効率が、防御力を上回ったな！」
ギンガレオンは、メタリオン・レオンの重力を利用した「メタリオン・クラッシュ」で、ゴーレムの心の闇の殻を完全に破壊した。中から、意識を失った現場監督が救出された。
コマンダー・ゾルは、二つ目のカプセルを奪われたことに激怒し、捨て台詞を吐いて撤退した。
吠は、スターレオとメタリオンの二つのカプセルを手に、勝利を噛みしめる。優等生の頭脳は、「カプセル戦術」という新たな課題を見事にクリアした。