ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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昨夜は、早めにベッドに入ったんだけど、やっとチャクラのことを
教えてもらえると思ったら、なんか、興奮しちゃって、
なかなか眠れなかったんだ(汗)

なんで、ここまでチャクラのことが気になるんだろう?
アトラン国に居た頃と何か関係があるのかな?
チャクラのことを教えてもらう前にアトランティーナに聞いてみよう。

マラカイトとモルガナイトを買ったことをチェリーに報告した時に
初めてチャクラのことを聞いたんだよね。あの時も知らないはずなのに、
私の中では知ってるみたいな感じだったの。
でも、チェリーが話してくれたことは初めて聞いたことだったし、
頭では新鮮な驚きがあったのに・・・。

なんか、変な感じだったんだよね。知ってるのに、知らない、みたいな?
ね、変でしょ?ま、私がちょっと変わってるとか、変だっていう自覚は
あるんだけど、そういうレベルの変じゃない感じ。

う~ん、上手く説明できないけど、とにかく変な感じで、
めっちゃ気持ちが悪いんだ。だから、早くチャクラについて
教えてもらいたかったんだよね。この辺りのことも
アトランティーナに聞かなくちゃね。

こんな感じで、ずっとグルグルいろんなことが頭の中に浮かんで、
気がついたら外が少し明るくなってきちゃって、めっちゃ焦った(汗)
それからやっと、眠くなり始めたんだけど・・・。

今って何時?あっ、まだ10時半くらいなんだ。良かった。
お昼過ぎまで寝ちゃってたら、どうしようって思ったから(汗)
やっぱり、ちょっと緊張感があったのかもしれないね。
まだ少し眠いけど、ここで起きなかったら、
確実に1時過ぎくらいまで寝ちゃいそうだから起きないと。

ベッドから出て、着替えて部屋を出るとアトランティーナは、もう起きてた。
いつもこのくらいに起きてるのかな?

「アトランティーナ、おはよう」

「おはよう、ミウ。昨夜は眠れなかったみたいね。緊張しちゃった?」

「なんで、分かるの?私が眠れなかったこと」

「ふふ。チャクラについて勉強するから、色々、思い出したり、
考えたりしちゃったかなぁと思って」

「ね、やっぱり、私がアトラン国に居た頃とチャクラって
何か関係があるの?なんか、変なんだよね。チャクラのことは、
チェリーに初めて聞いたのに、私の中では<知ってるよ>って
声が聞こえてるみたいな感じがしたの。でも、知らないんだよ。
知ってるのに、知らない、みたいな感じで、めっちゃ気持ち悪くて・・・。
だから、早くチャクラについて教えてもらいたかったの」

「そう・・・。ミウの中には、ちゃんと残ってるのね」

「えっ、だから、何が?」

「話すと長くなるから、とりあえず、歯磨いて、顔洗ってきたら?
それから、食事を済ませましょう。そのあと、話すわ。
それで、そのままチャクラについての勉強を始めるっていうのはどうかしら?」

「うん、分かった。その方がスムーズだね。ありがとう」

なんか、やっと自分の根幹に触れることが出来るような感覚があって、
ワクワクしてきたし、ドキドキもしてる。これでやっと、
自分のことが理解できるような、ホッとしたような感じ。
この感覚も意味が分かんないから、やっぱり、今の私にとっては、
ちょっと気持ちが悪かったりするんだよね(苦笑)

食事は、アトランティーナが用意してくれてた。
パンとサラダ、それにスープも作ってくれてた。
栄養バランス、バッチリって感じの食事で、身体が喜んでるのが分かる。
いつも私に必要なものを必要なだけ揃えてくれるって、
スゴイことだなって思う。こういう点でもアトランティーナには、
本当に感謝なんだよね。ありがとう、アトランティーナ。

といっても、早くチャクラのことが聞きたくて、味わって食べるというよりは、
早く済ませたい気持ちの方が強くなっちゃうんだよね(苦笑)

「ねぇ、ミウ。早くチャクラのことを知りたいのは分かるんだけど、
もう少し味わって食べてよ。これでも色々考えて作ってるんだから」

「うん、分かるよ。栄養バランス、バッチリだし、私に必要なものを
揃えてくれてるっていうことも分かる。だって、身体が喜んでるもん。
いつも本当にありがとう」

「感謝の言葉を言って欲しいんじゃないのよ。ゆっくり味わって食べないと、
身体に吸収されないの。でも、身体が喜んでいるのを感じられるように
なったことは褒めてあげるわね。

ミウは、目の前に気になることがあると、それしか見えなくなっちゃうのよね。
だから、成長も早いんだけど(苦笑)でもね、焦らなくても必要なものは、
食べ物でも、知識でも、何でも、ちゃんと良いタイミングで、
ミウに与えられるようになっているのよ。これもミウに限ったことではないけど。
だから、焦らなくて大丈夫。一つずつゆっくり丁寧にして欲しいわ」

「えへっ。なんか、早く、早くって気持ちばっかりが焦っちゃうんだよね(苦笑)
別に急がなきゃ手に入らないって思ってるワケじゃないんだけど、
早く知りたくなっちゃう。これも星座の影響だったりするの?」

「そうね。ミウが好奇心旺盛なことと関係があるわね。
でも、今日は占星術の話はしなくて良いのよね?」

「うん。今はチャクラ優先でお願いします」

「はい、分かりました(笑)じゃ、もう、始める?
その前にコーヒーだけ淹れてもらっても良いかしら?
それともハーブティーにする?ゆったりした気持ちで、
落ち着いて勉強しましょうよ」

「じゃ、コーヒー淹れるね」

「お願いするわ」

確かにそうだよね。受験勉強じゃないんだから、落ち着いた環境を
整えることも大事だもんね。1回、深呼吸しとこうかな。
スゥ~~~、ハァ~~~。うん、これで少し落ち着いた。

「ミウ、深呼吸してるの?何をそんなに焦ってるんだか(笑)」

「うん、自分でもよく分かんないんだよね。でも、なんか、落ち着かなくて、
こういう時は深呼吸かなと思って、やってみた(笑)」

「どんな時でも深く息を吸うことは大事だから、良いんだけどね。
でも、なんか、ミウの動きがマンガを見てるみたいで、おかしくて(笑)」

「もう、笑わないでよ!自分でもおかしいんだから(笑)」

「今日もまた、一つ謎が解けるわね、ミウ」

「うん。そんな感じがして、それも楽しみでドキドキ、
ワクワクしてるんだと思う」

気持ちを落ち着けながら、出来るだけ丁寧に、ゆっくりとコーヒーを淹れる。
う~ん、この香り♪癒されるなぁ。それに、気持ちも落ち着かせて
くれるような気がする。チャクラを勉強する前だから、ハーブティーの方が
良いのかなって一瞬、思ったりもしたけど、コーヒーにして良かった。
いっぱい、この香りを吸い込んで、落ち着こう。
でも、あんまり落ち着き過ぎると、今度は眠気が襲ってきそう(汗)
なんだか、今日は、落ち着かないな(笑)

コーヒーを無事(?)淹れ終わって、アトランティーナと向かい合って座った。
まだ、落ち着かない。このまま勉強なんて出来るのかな、私。

「ミウ、大丈夫?まだ落ち着かないみたいだけど、たぶん、話が始まったら、
気持ちも落ち着いてくると思うわよ」

「そうかなぁ。なんでなんだろう?今日は、っていうか、
昨夜から落ち着かないの。全然、眠れなくて、気がついたら、
外が明るくなっててビックリしちゃったんだよね(苦笑)」

「色々なことが次から次へと浮かんで、その考えに
振り回されちゃったんじゃないかしら?どう?」

「確かに!やっとチャクラの勉強が出来る!って思ったら、
テンション上がっちゃって、心臓がバクバクして、
全然、眠れなくなっちゃったんだよね。
それで、なんで、ここまでチャクラのことが気になるんだろう?って、
考え始めちゃって・・・。

最初にチャクラのことを話してくれたのはチェリーだったの。
マラカイトとモルガナイトを買った時に、グリーンとピンクは、
ハート・チャクラに対応する色だってことから始まって、
チャクラが身体中にあるエネルギー・スポットだっていうことと、
その中で主要チャクラって言われているチャクラが7個あって、
それぞれに対応する色があることとか。

私、チェリーに聞くまで、チャクラなんて知らなかったはずなの。
でもね、私の中で<知ってる>って言ってるような気がして・・・。
でも、チェリーが話してくれたことは初めて聞いたことだったし、
頭では新鮮な驚きがあったんだよ!

だから、『えっ、なんで?知ってるの?』って。知ってるのに、知らない、
みたいな感じが気持ち悪くて、でも、その理由も知りたくて、
いろんなことが頭の中でグルグルしちゃって、
もうグチャグチャになっちゃったんだ(苦笑)」

「そういう時は、自分で自分を止めなきゃ。前にも話したはずよ。
夜は、何もすることが出来ないんだから、考えないって。
例えば、それで良いアイデアが浮かんだとしても、どうすることも
出来ないでしょ?せっかく浮かんだアイデアを忘れないために一晩中、
起きていないといけなくなるわよね?だから、一旦、ストップして、
ゆっくり心と身体を休めることに集中して、
朝、目が覚めた時に改めて考えるようにしてねって。忘れちゃったの?」

「そうだよね!いつもなら、アトランティーナに言われたこと、
思い出すんだけど、なんか、昨夜は、その余裕さえなかった。
いったい、私、どうしちゃったんだろう?って感じ。
それは、今も変わらなくて、ホント、私、どうしちゃったんだろう?って、
自分では何が何だか、さっぱり分からなくて混乱してる」

「・・・じゃ、少しずつ話していこうかしらね。準備は良いかしら」

「うん!大丈夫」

「ほら、肩の力、抜いて。そんなに覚悟を決めて
聞くような話じゃないから(苦笑)チャクラについて話す前に、
どうして、そこまでチャクラのことが気になるのか?
ということから話していくわね」

「はい、お願いします」

「ミウがアトラン国に居た頃と関係があるのか?っていう質問だけど・・・。
アトラン国に居た頃とっていうよりもミウのスピリットに関係があると思うの。
ミウのスピリットが最初に肉体を持ったのが、アトラン国かどうかまでは、
私も分からないんだけど、アトラン国に居た頃には、チャクラに対して、
強い関心を持っていたわ。その理由はね、ミウのお母さんにあるの」

「えっ、私のお母さん?だって、小さい時に両親共、居なかったんじゃないの?」

「ええ、そうよ。ミウがまだ、5歳くらいだったかしらね。
その頃には、もう、ミウは独りだったわ」

「じゃあ、チャクラのことなんて、知るはずなくない?」

「って思うでしょ?でも、5歳のミウは、チャクラのことを、とてもよく理解していたの」

「ひぇ~、なんて子供なの!?」

「そうねぇ、そう思うわよね。でも、チャクラのことに関わらず、
ミウは、一般的な子供ではなかったことは事実ね。
だって、その頃には、癒しの力を持って、その力を使うことが出来たんだから。

小さい頃からドラゴン・マスターだったという話もしたわよね?
ケガをして、動けなくなっていたチェリーをアトラン国まで運んで来たのは、
ドラゴンのリーダーだったシーザーなの。手当をする必要があって、
当時のドラゴン・マスターがチェリーに近づこうとしたんだけど、
チェリーは警戒心が強くて、誰も近づけようとしなかった。
そこにミウが現れて、とっても自然にチェリーに近づいて、
チェリーのことを撫でたのよ。

あんなに警戒心が強くて、誰のことも近づけなかったチェリーが、
ミウに対しては、全く警戒することもなく、心を開いたの。
しかも、大人しく撫でられるなんて!って感じよ(苦笑)
撫でられているチェリーは、そのうち、うっとりし出して、目を閉じたのね。
もう、みんな、ビックリだったわ。
こんな小さな子供が、いったい何をしたんだ!って、大騒ぎ(笑)

チェリーが言っていたと思うけど、ミウが近づいた時、
とても優しいエネルギーを感じたんですって。理屈ではなくて、
身を委ねても良いって、心が感じたって、話してくれたわ。
そのお陰で、チェリーの手当をすることが出来るようになったのよ。
だから、チェリーは、ミウのこと、命の恩人だって思っているわ。

ドラゴンのリーダーだったシーザーもその様子を見ていたから、
それ以来、ドラゴン・マスターではなく、ミウを慕うようになったの。
リーダーがミウに従うから、他のドラゴンたちもみんな、ミウに従うじゃない?
だから、ミウがドラゴン・マスターをすることになった。
でも、まだ小さな子供だったから、ドラゴン・マスターって呼ぶよりも
ドラゴン・レディーの方が良いねってことになって、
ミウは、ドラゴン・レディーって言われるようになったのよ」

「うん、その話は聞いた。でも、その話とチャクラに、
どんな関係があるの?あと、私のお母さんとの関係は?」

「ミウに驚きだったのは、その癒しの力だけじゃなかったの」

「えっ、他に何があったの?」

「ミウがチェリーを撫でた時、ミウのオーラがゴールドに輝いたのよ!
とってもキレイな色だったわ。それで、この子には特別な力があるって、
みんな確信したのよ」

「あっ、チェリーが言ってた。ミウには、特別な力があるって。そのこと?」

「そう!それにしても、ずいぶんアッサリしているわね。
ミウらしくないじゃない?」

「だって、実感ないんだもん(苦笑)」

「そういうことね。それで、その特別な力を知りたくて、ミウに話を聞いたの。
それまでは、ご両親を亡くした子という認識だけだったから、
そんなに深い話はしたことがなかったのね。
私が親代わりとして育てていたんだけど(苦笑)」

「まぁ、そうだよね。5歳の子供だもんね。石のことにしても、
エネルギーの話にしても、もう少し大きくなってから話そうと思うのは、
当然のことだと思うよ」

「そうでしょ?でも、あの癒しの力とゴールドに輝くオーラを見ちゃったからね」

「それで、どうなったの?」

「ここからが驚きなのよ!5歳の女の子だと思っていたら、
中身はほぼ完成されていたの!」

「えっ、どういうこと?」

「私は、ミウのご両親こと、よく知らないのよ。それは、ミウのご両親は、
アトラン国で生まれ育った人たちではなかったから。ミウが生まれる前、
アトラン国のルナに移り住んできた人たちだったの。
ルナは、癒しを司っていた島だったということは覚えているかしら?」

「うん、なんとなく」

「おそらく、ミウのご両親は、元々は人間ではない人たちだったんだと思うわ。
ミウは、ご両親から、たくさんのことを学んでいて、訓練されていたの。
チャクラのことも占星術のこともヒーリングのこともね。

だから、ミウは自分で自分のチャクラをクリアリングすることも出来たし、
調整することも出来たのよ。まだ5歳なのに。それと、エネルギー・ヒーリングを
することも出来たの。だから、チェリーの警戒心を瞬時に解いて、
ヒーリング・エネルギーをチェリーに送り込むことが出来たのね。
もう、本当にビックリしたんだから!」

「確かに!たった5歳の子供が、そんなに色々なことを知っていて、
ヒーリングなんてしちゃったら、驚きだよね!
今、目の前に、そんな子供がいたら、私だって驚くと思うもん」

「でしょ?だから、ポセイドン王は、あなたを選んだのよ」

「なるほどね。そういうことだったんだね」

「それに、守護天使が8人ついていたって言ったでしょ?」

「うん、アトラン国に居る頃だよね?」

「そう。通常は3人なの。もちろん、人によって3人以上の守護天使が
つくことはあるんだけど、それにしても8人なんて異例中の異例なのよ!
でも、ミウを見ていて、それも納得したの。

だから、ミウは、5歳でドラゴン・マスターになったし、
神官として仕事をするようになったの」

「えっ、5歳なのに!?」

「ええ、これも異例中の異例なんだけど、大人よりも色々なことを知っていて、
出来たから当然といえば、当然のことよね」

「ねぇ、私の両親は、何者だったの?」

「残念ながら、私は会ったことがないから分からないのよ。
でも、さっきも言ったように、元々は人間ではないんだと思う。
もしかしたら、アトラン国が沈むことも分かっていたのかもしれないわね」

「えっ、だって、最高位天使だったアトランティーナもアトラン国が
海の底に沈むなんて、分からなかったことなんでしょ?
それを知ってるって、いったい何者なのよ!」

「確かに私は、最高位天使だったけど、アトラン国に行く前、長い間、
海の中に居たから、その間のことは、分からないの。
だから・・・ここからは、私の想像なんだけど、私とルシフェールが
海の中にいた時、創造主が、ルシフェールに何か異変を感じたのかもしれない。
肉体を持ってアトラン国に行った後、ルシフェールのエゴが暴走することを
分かっていたんじゃないかって。

それで、ミウのご両親を地球に遣わして、ミウをアトラン国に
残したのかもしれないって思ったの。だから、ご両親は、ミウの役割を
知っていたから、小さい頃から色々なことを教えて、
訓練していたんじゃないかしら。アトラン国が海の底に沈んだ後に起こることを
想定して、未来のためにミウに力を託したんじゃないかなって思っているわ」

「なんか、大層なことになってきちゃってるけど(汗)私で大丈夫なの?
っていうか、私、アトラン国に居た頃、そんな存在だったの?」

「最初から、こんな話をしたら、驚いて、聞いてもらえないと思ったから、
話せなかったの。ごめんね。でも、今なら、なんとなくでも理解できるでしょ?」

「っていうか、アトラン国に居た頃の記憶は、ほぼ蘇ってるけど、
自分がそんな存在だったなんてことは、全く記憶にございません」

「ミウには、自分にとてつもないパワーがあるっていう
自覚はなかったからね(苦笑)誰も教えなかったし・・・。
その力が暴発することを恐れていたから。

でも、ミウは誰に対しても愛情深くて、アトラン国の人たちからも
慕われていたのよ。それに、ミウの力を知らなかったのは、
ミウだけだったかもしれない。みんな、ミウが持っている力を知っていたわ」

「だから、みんな、私のことを大切にしてくれてたの?」

「それだけじゃないわ。ミウの笑顔にも癒されていたし、明るくて、天真爛漫で、
元気なところも、みんな大好きだったのよ。ちょっと抜けているところもあって、
そこがまた可愛らしくて、みんな、ミウに会うと自然と笑顔になったものよ。

それに、ドラゴンたちもそうよ。ドラゴンって、誰にでも懐くワケじゃないの。
でも、リーダーのシーザーを始め、ドラゴンたちもみんなミウのことが大好きで、
そこもアトラン国の人たちから尊敬されていた要因の一つだと思うわ。
中でもチェリーとは、姉妹みたいに仲良しだったしね。
ま、それは、今も変わらないけど(笑)」

「なんか、私・・・スゴイ人だったんだね(苦笑)」

「そうよ!だから、自信がないなんて言って欲しくないのよ!
今だって、私が話したこと、ちゃんと覚えていてくれるし、
すぐ実行して、結果も出しているでしょ?それだって、スゴイことなんだから!
ミウは自覚していないかもしれないけど・・・」

「はい、すみません(苦笑)」

「だから、チャクラのことが気になるのは、ミウのスピリットが
覚えているからだと思うのよ。ちゃんとミウのスピリットの中に
チャクラに関する情報が残っているから、そこが刺激されているんだと思うわ。
だから、これから勉強していく中で、『あっ、それ知ってる!』
っていう感じになると思うわよ」

「そっかぁ・・・。うん、なんとなくだけど、スッキリした感じがする。
ねぇ、スピリットは、永遠に生き続けるんでしょ?でも、どんなことにも
始まりがあると思うんだけど、私のスピリットの始まりは、やっぱり、
アトラン国なのかな?」

「たぶん・・・。そうだと思うわよ。アトラン国は、超古代の国だから、
ミウのスピリットは、ものすご~く、長く生きているスピリットって
いうことになるわね」

「そうなるよね(苦笑)」

「ミウのスピリットは、今まで何度も転生して、人として生きてきたけど、
どの時代でも、どの人生でも何かしら、人々に影響を与えてきた
ということだけは、ハッキリ言えるわね。だから、今回の人生でも、
しっかり役割を果たしてくださいね、ミウさん」

「なんか、急にそう言われると緊張しちゃうんですけど(汗)
ただ、変な意味じゃなくて、私は自分のことを信じて良いんだなって、
もっと自信を持って、胸を張らなきゃダメだな、とは思ったかも。
まだ、実感レベルでは、ないんだけどね(苦笑)」

「話して良かった。そこだけでも分かってもらえると、本当、助かるのよ。
これまで、何度も<自信を持って><自分を信じて>って言ってきたのに、
そこだけは、なぜか、目に見えた改善が得られなかったものね(苦笑)」

「それはね・・・私の中で、失敗したことがあるからなんだよ」

「何の失敗?」

「過去生で、私のせいでたくさんの人を死なせてしまったことがあるの。
その時、誰も私のことを責めなかったし、私のせいじゃないって、
みんな、言ってくれたんだけど、どうしても、私が私を許せなかったって
いうか・・・。それで、自分を許せないまま、その人生を終わらせて
しまったから、今でも、そのことが残っていて、自分のことが信じられ
なかったり、自信を持つことを躊躇しちゃってるんだと思う。

思い出して、大泣きしたこともあるんだ。涙で流されて、
前を向けるんじゃないかって思ったりしたけど、結構、根深くて、
未だに残ってるような気がするの」

「あ~、あの人生ね。ミウが集落のシャーマンをしていた人生でしょ?」

「えっ、アトランティーナ、知ってるの!?」

「もちろんよ。だって、ミウのことは、ず~っと見てきたんだもの」

「そっか・・・。そうだよね(苦笑)」

「その話をすると、また長くなってしまうから、今日はしないけど、
確かに、あれは、ミウのせいではなかったと私も思うわ。
だって、私は、その場に居たんじゃなくて、客観的な立場で、
傍観していたんだから・・・。ミウは、あの時、
出来ることは全部やったと私は認識しているわよ。

今回の人生で、あの時、妹さんだった人とも再会したわよね?
彼女は、ずっと姉であるミウが責任を感じて、自分で自分を罰していることを
心配して、今回の人生で、巡り会ったのよ。
彼女は、とても幸せな人生を歩んでいたでしょ?ミウにも同じように
幸せな人生を歩んで欲しいと心から願っているの。
その気持ち、少しは汲んであげてね」

「やっぱりね・・・。彼女は今、プロの演奏家じゃない?
彼女のCDを買ったんだけど、当時のことが描かれた楽曲があって、
<こういうイメージが浮かんだ>って言ったら、
<なんで、分かったの!?まさに、その通りよ!>って驚かれて、
あの時の妹なんだなって確信したんだ。彼女には伝えなかったけどね(苦笑)」

「そう。そうだったの。じゃ、妹さんの気持ちも分かるでしょ?
もう、許してあげても良いんじゃない?
まぁ、この話は、またいつか、しましょうね」

「うん。そうだね。アトランティーナ、ありがとう」

「でも、どうしてかしらねぇ。ミウには、もっと自信が持てる過去生も
たくさんあるのに、自信喪失してしまう記憶が根深く残るなんて・・・。
強烈だったということもあるのかもしれないけど、ミウのスピリットが、
それだけ深い愛に満ちているという証だと捉えることも出来るわね。
今だって、ミウはキラキラしているものね」

「ホントに?だったら嬉しいな」

「私は、嘘はつかないわ」

「ありがとう、アトランティーナ。
なんか、ちょっと・・・元気が出たかも」

「それは、良かったわ。ミウには、いつも元気でいて欲しいし、
笑顔でいて欲しいもの。それより・・・思いがけず、
ミウのルーツに関する話になったわね。でも、良かったわ。
いつかは話したいって思っていたから。ミウは、どう?」

「うん。私も聞いて良かった。チャクラのことから、
こんなに話が飛ぶとは思ってなかったけど、いろんなことがスッキリした。
これでやっと、チャクラのことを勉強することが出来るなって感じ。
話してくれて、ありがとう。

でも・・・アトラン国に居た頃の私の両親は、謎だね。
だって、私の中にもほとんど記憶が残ってないんだもん。怪しいよね」

「怪しいかどうかは分からないけど、
ミウも元々は人間じゃなかったりして(笑)」

「え~っ、それはないでしょ!
でも、誘拐されたとか、拉致られたかもしれないよね(笑)」

「いくらなんでも、それは、ないんじゃない?(笑)」

「まぁ、いずれにしても、その両親のお陰で、今、こうして
アトランティーナと一緒に過ごせてるのかもしれないから、感謝だね」

「そうね。何でも受け取り方次第で、どうにでもなるから、
ミウがそう感じるのなら、それで良いと思うわ。
私も当時のミウのご両親に感謝しているもの」

「えっ、アトランティーナも?」

「それは、そうよ!だって、ミウのお陰で出来たことだって、
たくさんあるもの。今だってそうでしょ?
それに、チェリーだって、ミウがいなかったら、命を落としていたと思うわよ」

「チェリーは、私とセットなのかも」

「ん?」

「もし、創造主が海の底に沈んだ後のことを想定して、
私を送り込んだのだとしたら、チェリーは、私のサポート役として
必要だったことになるでしょ?だから、チェリーにケガをさせて、
私に治療させたのかもしれないよね」

「なるほど・・・。そういう考え方もあるわね」

「でも、私としては、アトランティーナのこともチェリーのことも大好きだし、
一緒に居たいって思うから、創造主からのステキなプレゼントだと
思ってるけどね」

「ミウったら・・・。嬉しいこと言ってくれるじゃない!
チェリーも泣いてるわよ、きっと」

「だって、本当のことだもん。アトランティーナもチェリーも、
これからもよろしくお願いします」

「ミウ、ありがとう!こちらこそ、これからも仲良くしてね」

「あっ、チェリーも聞いてたんだね」

「もちろん!懐かしい気持ちになってたよ」

「チェリーも、ミウも、これからも仲良く、楽しく、
課題をクリアしていきましょうね」

「は~い♪」


<次回へ続く>
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